( 日光黄菅・夕菅・禅庭花 )
日光黄菅とその名覚えてまた霧へ 加藤楸邨
夕菅や開拓すてし小屋のあと 中村信一
植物図鑑では菅=萓になっていますが、俳句検索では菅でしか検索できません
でした。
☆ 今日は海の日の祭日。夏休みに入った子供達には気づかれない休日
なんでしょうね。
蜂さされが直れば終る夏休み 細見綾子
黒板にわが文字のこす夏休み 福永耕二
夏休みペット病院満員に 塙 きく
( 朝顔 )
朝顔や濁り初めたる市の空 杉田久女
朝顔むらさき海に裏側みせて棲む 桂 信子
朝顔のまだ咲きつゞく濃紫 桐野 慎吾
身を裂いて咲く朝顔のありにけり 能村登四郎
傘干しに出て朝顔の種子も採る 岡本眸
朝顔の紺のかなたの月日かな 石田波郷
☆ 今日は土用の入り土用の丑の日(今月は19日,31日)です。
荒涼と荒川鰻裂いて貰ふ 細見綾子
この夏の土用の18日間、土用1日目を土用太郎、2日目を土用次郎
3日目を土用三郎などと称されて俳句にも詠まれていますが、元々は
農耕との結びつきから出た言葉のようです。
土用の丑の日には鰻を食べて英気を養う風習がありますが、これは
風聞によれば平賀源内が友人の魚屋のために本来鰻の旬の冬から
魚の売れない夏に「滋養の薬」と紹介して応援したのがはじまりとか?
枯れ花を捨てぬ土用太郎の夜 阿部みどり女
土用次郎国分つ山かがやけり 大野林火
土用三郎裏道を風抜けて 石川美佐子
( 芙蓉 )
白芙蓉ふたたび交す厚き文 野沢節子
風はらむはずみにひらく芙蓉かな 阿波野青畝
満目の雲となりつつ芙蓉閉づ 福永耕二
☆ 今日7月18日は水原秋櫻子の忌日
立葵ゆらぎ峠をはしる水 水原秋櫻子
旅の夜の目覚わびしき蚊火ひとつ
向日葵の空かがやけり波の群
( 川崎大師風鈴市 )
今日17日~21日まで川崎大師の風鈴市が開かれます。今年全国から880種類
30,000個の風鈴が一堂に揃うとのこと、時間があれば覗いてみても句の種が
いっぱいあるはずです。
ころころは7年前に近くの病院の仕事で半年近く通っていてその時に見ています。
その時の拙句、今見れば恥ずかしながら・・・・
風鈴の僧も客なる寺の市
風鈴屋絡みし音を解いて売る 井出和幸
風鈴があればかなしき時あらん 細見綾子
今日17日は露の芽舎・芽舎浄土と言われた川端芽舎の忌日です。
金剛の露ひとつぶや石の上
ぜんまいののの字ばかりの寂光土
御空より発止と鵙や菊日和
ひら/\と月光降りぬ貝割菜
( 夏水仙・梅雨明け )
花かざし夏水仙の独り立ち 沢木欣一
なんの蔓夏水仙にからみたる 岸本尚毅
朝の脈摶夏水仙は地軸の花 栗林千津
☆ やっと関東地方が梅雨明けしました。
富士かけて梅雨明け雲の深さかな 大場白水郎