6月 20日

2011-06-20 00:51:19 | Weblog
              ( 破れ傘 )

久しぶりの朝の散歩、植物園に出かけるのも虫除けは必需の頃となりました
ここでの俳句はなかなか詠めないものの一番落ち着く空間です


破れ傘まこと破れて夏の草           高野素十


破れ傘貧しき花を傘の上            青柳志解樹





深山唐松





姫沙羅


あはあはと沙羅の花びら空にあり         沢木欣一


沙羅の花捨身の落花惜しみなし          石田波郷





虎の尾


掌に承けて虎尾の柔かき              富安風生


虎尾草や日の通りみち子が通る           磯貝碧蹄館





梔子


梔子に横顔かたき修道女               三宅一鳴


今朝咲きし山梔子の又白きこと            星野立子









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6月 19日 ( 父の日 )

2011-06-18 23:56:05 | Weblog
             ( 野茨・花うばら・花茨 )

今日は父の日、母の日のカーネーションに対して父の日は薔薇とウィキペディアにあった
父は頑固でも優しかった 華やかな薔薇というよりまさに野茨でした



十字架や野茨空しく生ひ茂る           寺田寅彦


花うばらふたたび堰にめぐり合ふ         芝不器男


馬を追ふ妹にあひけり花茨            河東碧梧桐






父の日の隠さうべしや古日記           秋元不死男


父の日の老後たのしむものに画戯         富安風生


ガニ股に歩いて今日は父の日か          能村登四郎






夜学生教へ桜桃忌に触れず 沢木欣一


父なくて多読の生徒桜桃忌 林 翔


人に酒すすめてばかり桜桃忌 林 徹










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6月 18日

2011-06-18 01:18:19 | Weblog
            ( 南天の花 )



南天の花のこぼるるお鷹道           勝又一透


花南天実るかたちをして重し          長谷川かな女


南天の花にとびこむ雨やどり          飴山實


南天の花にかくれて人嫌ひ           鷹羽狩行


南天の花の薄日に水見舞           中村汀女



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6月 17日

2011-06-17 16:51:39 | Weblog
            ( 菩提樹 )

久しぶりの深酒に午前中・・・沈没  書き込みのご返事を書くのがやっと
ブログに穴をあけるところでした 



菩提樹の花のこぼるる蘆花書屋           小野千枝子


菩提樹の花さしのぞく写経台            金子篤子


菩提樹の花浴び旅の街の角             加藤三七子


菩提樹の緑蔭と知り尊べり             能村登四郎





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6月 16日

2011-06-15 23:45:40 | Weblog
            ( 日光黄菅 )



日光黄菅とその名覚えてまた霧へ         加藤楸邨


湖光る日光黄菅咲きいでて            佐藤信子


日光黄菅後姿の夏を見き             川崎展宏




武蔵野黄菅


黄菅咲く父に小さき画帳あり           山西雅子


霧ながれ霧あたりゆく黄菅かな          石田郷子





夕菅


心いま夕菅よりも幽かなり             富安風生


夕菅や風のたてがみ触れて咲く           山田弘子









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6月 15日

2011-06-15 00:12:20 | Weblog
             ( 花石榴 )


炊き出しの薪くすぶれり花石榴           脇坂啓子


花石榴はぶり一刻にぎはひて            橋本榮治


花石榴すでに障子の暮色かな            加藤楸邨


見上げては人みな通る花石榴            佐藤 ともえ






檜扇





姫檜扇


 伊吹嶺6月号 遠峰集より 


門の裾にかたまり芹青む
身替りの地蔵につらつら椿かな
障害に触れし蹄や春の馬場
木漏れ日のプロムナードや富貴草
神鶏の尾羽根つややか春日差            夏目悦江
   ( 静岡 )



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6月 14日

2011-06-14 00:13:27 | Weblog
              ( 睡蓮・未草 )



睡蓮の黄色ばかりや雪舟庭           林徹


睡蓮を描き思い出を描くごとし         大串 章


山の池底なしと聞く未草            稲畑 汀子


雨粒のひかりとなりぬ未草           赤間はる江





阿佐佐・花蓴菜・莕菜


龍も出し池とやこゝにあさざ咲く         幸田露伴




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6月 13日

2011-06-13 00:42:09 | Weblog
              ( 合歓の花 )



合歓の花沖には紺の潮流る             沢木欣一


座り込む莚はみ出て合歓に乳児


麦熟るる匂ひ合歓咲く内灘へ


虹飛んで来たるかといふ合歓の花          細見綾子





象潟・蚶満寺 芭蕉句碑


           象潟や雨に西施がねぶの花





蚶満寺・西施像


伊吹嶺6月号 遠峰集より 


春めくや畑に掛くる土竜罠
計次の忌柊南天花穂垂る
春寒や木屑の匂ふ大工小屋
夜半の春地震にふるへる膝頭
花見茣蓙拡ぐる夫の誕生日          矢野愛乃
 
  ( 静岡 )
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6月 12日

2011-06-12 06:12:12 | Weblog
               ( 矢車菊 )

1977年,山本健吉編の俳句歳時記(夏)では矢車菊の副季語に矢車草とありますが
植物図鑑によれば全く違う植物でした 私もずっと矢車草だと教えられその通りに憶えていました
例句には矢車菊が無く、副季語による例句が残されています



驟雨来て矢車草のみなかしぐ            皆川盤水


住み残す矢車草のみづあさぎ            中村汀女


矢車草夜通し藍を揺り覚ます            菊地京子


空の色映し矢車草ひらく              小神野藤花




矢車薄荷


 伊吹嶺6月号 遠峰集より 


藍深き敦賀の海や風光る
花換や巫女金色の立烏帽子
花換の枝に小さき絵馬ひとつ
復興の文字しるき絵馬初桜
クッキーに一つ練りこむ桜漬           伊藤範子 
 ( 名古屋 )





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6月 11日

2011-06-10 23:34:29 | Weblog
              ( 棕櫚の花 )


棕櫚の花沖より来たる通り雨            皆川盤水


棕櫚の花海に夕べの疲れあり            福永耕二


少年登る日向の寺の棕櫚の花            脇本星浪


掌を合せ垂るゝいくつも棕櫚の花          川崎展宏


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