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6月 20日

2021-06-20 05:53:18 | Weblog
                       父の日


     父の日の娘と酌み交はす赤ワイン         栗田やすし


     父の忌は父の日雨の降り止まず          関根切子


     父の日や飴噛んで子に叱らるる          丹羽康碩


     父の日にごろ寝枕の届きけり           矢野愛乃


     父の日に娘好みのシャツ届く           森垣一成


     父の日や寝椅子に夫のコンサイス         内田陽子


     父の日や嫁ぎ来る子に貰ふ酒           武藤光晴


     父の日も父は始発で魚買ひに           横森今日子


     父の日や少し派手目のシャツ選ぶ         鈴木信子


     父の日や昭和一桁集ひ酌む            山下帰一


     父の日や軍服の父若かりし            安藤幸子


     父の日や回転寿司の皿重ね            山本光江



          



     父の日の隠さうべしや古日記           秋元不死男


     父の日やいつより怒らざる父に          片山由美子


     ガニ股に歩いて今日は父の日か          能村登四郎


     懐妊のこと言ふ父の日の伏し目          辻美奈子


     父の日の子よりの電話母が待つ          森 啓子


     父の日のジグソーパズル未完成          小野口正江


     男子厨房に入る父の日の独り酒          水原 春郎




          

          ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
        密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用 を日常に
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6月 19日

2021-06-19 05:25:52 | Weblog
                     茄子・鴫焼・茄子漬・初茄子・焼茄子・なすび


     故郷の日やけの茄子を送り来し          細見綾子


     二人居の安らぎ茄子の一夜漬           国枝隆生


     茄子太る波音近き海女の畑            掛布光子


     片減りの鍬で土寄す茄子の畝           村崎妙子


     裸弁天供物の茄子の艶めけり           服部鏡子


     茄子の葉の汐焼けてをり海女の畑         辻江けい


     焼なすびつるりとむけて退院日          加藤都代


     ほの甘き茄子の煮浸し夕の膳           夏目悦江


     夫立てる鋏の音や初茄子             野﨑和子


     焼き茄子の一品で足る独り者           兼松 秀


     朝の膳色良き茄子の一夜漬            夏目隆夫


     雨粒を零して採れり初茄子            小原米子



          



     ふるさとや支へ木しかと茄子実り         鈴木真砂女 


     漬茄子の色あざやかに嫁かずあり         菖蒲あや


     茄子焼いて牛の生れし祝酒            太田土男


     ひとくち茄子ひとくちほどの紫や         能村登四郎


     古事記伝読みし夜は茄子鴫焼に          有馬朗人


     出自よきこと俳諧も加茂茄子も          大石悦子


     きゆつきゆつときゆつきゆつと茄子小振      長谷川 櫂



          

          

          ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
        密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用 を日常に
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6月 18日

2021-06-18 05:45:40 | Weblog
                       胡瓜・胡瓜もみ・一夜漬


     胡瓜喰らひ息の涼しき貧家族           沢木欣一


     木喰の裔のもてなす胡瓜漬            磯田なつえ


     歯切れよし叩き胡瓜の甘酢和へ          矢野愛乃


     糠漬の胡瓜の艶や母の味             太田滋子


     朝採りの細き胡瓜に花残る            花村富美子


     丹精の胡瓜見事に反り返る            武藤光晴


     駅弁の蓋に分け合ふ胡瓜漬            奥山ひろ子


     沢水を汲みて掛けやる胡瓜苗           高橋幸子


     湧水に冷す胡瓜の細身なる            舩橋 良


     子離れをせねばと今朝の胡瓜もむ         大島知津


     モンゴルの岩塩かけてきうり食ぶ         鈴木久子


     一坪の舟屋の路地の胡瓜畑            角田勝代




          



     マニキュアの指をどらせて胡瓜もむ        副島いみ子


     食卓に夫がゐる夜の胡瓜もみ           西村和子


     しの字曲りのの字曲りの胡瓜かな         辻 桃子


     青き胡瓜ひとり噛みたり酔さめて         加藤楸邨


     味噌でくふ生マの胡瓜の祭かな          龍岡 晋


     つくづくと気楽いとはし胡瓜漬く         阿部みどり女


     輪にもせず竪にもわらず胡瓜哉          正岡子規




          

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6月 17日

2021-06-17 05:46:29 | Weblog
                       萱草(かんぞう)の花・忘草・野萱草・藪萱草


               ユリ科の多年草。道端や田の畦などに咲く。
               八重咲きがヤブカンゾウで、一重咲きはノカンゾウと呼ばれ
               中国の帰化植物の一つで別名忘れ草。花の美しさにウサを忘れるからと言う説もあります



     萱草が御裳の裾の花と咲く            細見綾子


     御前崎浜萱草の濃かりけり            中村たか


     野萱草ポトマス河畔うめつくす          河村恵光


     湿原に朽ちし木道野萱草             高橋ミツエ


     野萱草明し観音像の裾              巽 恵津子


     蝦夷萱草岬に海人の墓二つ            山本悦子


     氷室跡藪萱草の野となれり            上田博子



          

           藪かんぞ



     野に咲いて忘草とはかなしき名          下村梅子


     萱草の花にかくれて浅間噴く           長谷川かな女


     狐啼く神威岬の花萱草              井村和子


     野萱草もつてのほかの恋をして          大石悦子


     蝦夷萱草今を盛りの利尻富士           荒舩青嶺


     朽舟の沖は遠き日忘草              三木綾子


     野萱草水面に揺れて掬月亭            藤本和子



          

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6月 16日

2021-06-16 06:26:36 | Weblog
                       桑の実・桑苺


     かくれ桑の実落ちて踏まれたり        細見綾子


     遠き日を語りて摘めり桑苺            国枝洋子


     桑苺ハリヨの孵る水へ落つ            坪野洋子


     桑の実の熟るる岸辺に舟繋ぐ           福田邦子


     傘の柄で引きて摘みたり桑苺           山崎文江


     遠くなる母なき故郷桑苺             上村龍子


     桑の実のうすら甘さよ旅はじめ          八尋樹炎


     萱屋根に山桑熟れし実をこぼす          山本悦子


     たはむれに桑の実を食み渡船待つ         河合義和


     桑の実に群がる雀枝揺らす            石原れい彩


     修善寺に続く坂道桑熟るる            花村富美子


     背伸びして桑の実を摘む伊豆の晴         日野圭子



          



     桑の実の紅しづかなる高嶺かな          飯田龍太 


     桑の実のしみ新しき桑籠かな           富安風生


     指の力抜いて摘みたき桑苺            中村芳枝


     桑の実の少年の日を口中に            黒坂紫陽子


     髪結ひが路の桑の実食べながら          中村草田男


     舐めてまだ渋い桑の実水の国           河合凱夫


     桑の実やちゝはゝ今も在します          倉田紘文



          

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6月 15日

2021-06-15 06:16:10 | Weblog
                       梅干す・干梅・梅漬


     梅漬ける甲斐あることをするやうに        細見綾子


     梅干の指匂わせて詩人たり            沢木欣一


     梅を干す鵜籠の厚き板渡し            栗田やすし


     梅漬くる藻屑混ざりし能登の塩          都合ナルミ


     塩噴いて母の梅干古りにけり           関根切子


     駅弁やまづ梅干をひとかじり           奥山ひろ子


     幾笊も梅を干しあり隠れ里            片山浮葉


     郵便夫干梅の香を誉めゆけり           坪野洋子


     干し梅や真昼静かな妻の留守           渡辺慢房


     一人居や三日三晩の夜干梅            竹中和子


     広辞苑梅干漬けの足し重石            下山行重


     中天に瞬く星や夜干梅              松平恭代



          



     梅を干すほとりにいつも母の影          古賀まり子 


     バス停の椅子に梅干す檜原村           荒川優子


     一生の残り時間の夜干梅             岡本 眸


     干梅やまことに皺のほゝゑまし          河野静雲


     梅を干す笊に筑波のきつね雨           弦巻淑子


     梅漬けて紅き妻の手夜は愛す           能村登四郎


     追伸に漬梅のこと叔母のこと           鈴木鷹夫 



          

          

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6月 14日

2021-06-14 05:58:39 | Weblog
                        柘榴の花・花柘榴


     ざくろ濃く咲く築城の石切り場          岸本典子


     下宿屋の暗き階段花ざくろ            関根切子


     雨細し紺屋の庭の花柘榴             大津千恵子


     ざくろ咲く空の青さや爆心地           幸村志保美


     花ざくろ散る枡形の石畳             玉井美智子


     花ざくろあつさり落ちてころがれり        中山敏彦


     花柘榴浮く湧水に手を浸す            黒田昌子


     鬼子母神祀れる庭の花ざくろ           安藤幸子



          

            八重花ざくろ



     十年経てば悲しみも実に花石榴          中村草田男


     子のあらばつけたき名あり花石榴         片山由美子


     見上げては人みな通る花石榴           佐藤 ともえ


     八十のゲーテに恋の花石榴            妹尾亮山


     荷を負うて裸の胸や花ざくろ           池内友次郎


     黙殺のあとの一笑花ざくろ            鷹羽狩行


     花石榴風が灯してゆきにけり           三村 純也



          

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6月 13日

2021-06-13 05:52:16 | Weblog
                       浜木綿・インド浜木綿・浜万年青・文珠蘭


     浜木綿の簪ゆれて海青し             細見綾子


     浜木綿を一鉢育て遺しける            沢木欣一


     浜木綿に雨走り来る岬かな            下里美恵子


     浜木綿や補陀落渡海船出の地           平松公代


     浜木綿や握る切符の潮湿り            幸村志保美


     浜木綿の蘂紫に海昏るる             金田義子


     浜木綿咲く神社に祀るくじら石          嶋田尚代


     浜木綿や開けつ放しの蜑の家           山本法子


     浜木綿や足裏に温き夜の砂            内田蒼天


     浜木綿や何処でも止まる浦のバス         八尋樹炎


     浜木綿や浜辺に小さき供養塔           橋本紀子



          

            インド浜木綿



     浜木綿やひとり沖さす丸木舟           福永耕二


     印度浜木綿の花の向くところほつかり月      加藤秋邨


     浜木綿の花咲く島の気象台            松本たかし


     潮流を変へたる岬浜おもと            阿波野青畝


     浜木綿に頻浪しげくなりにけり          下村梅子


     志士の像大いなるかな浜おもと          森田 峠


     誕生日夜は浜木綿の白花火            吉野義子



          
 
          ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
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6月 12日

2021-06-12 06:15:05 | Weblog
                       青 柿  <季=盛夏>


     青柿に囲まれし家豆腐冷ゆ            細見綾子


     本棚に青柿二つ子規祀る             栗田やすし


     青柿に陶器の固さありにけり           河原地英武


     柿青し分教場に紙芝居              岸本典子


     青柿や石垣粗き山の家              橋本紀子


     青柿の落ちて転がる陶干場            関根近子


     青柿の転げ落ちたる音二つ            玉腰成子



          


     駄菓子賣る茶店の門の柿青し            正岡子規


     城守る青柿ばかり会津なる             杉本 寛


     隠し子のごとき青柿伊豆も奥            岡本 眸


     雷神と女陰を祀り柿青し              金子兜太


     狂人に青柿いくつ落つれば済む           飯島晴子


     青柿の家に集る無尽講               瀧澤伊代次


     あひびきの影の別れて青柿落つ           石川桂郎 



          

           ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
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6月 11日

2021-06-11 06:03:00 | Weblog
                      六月の黄色の花

          春菊

     鄙の子がしんぎくの花摘み進む        細見綾子


     春菊の大きな花は黄が褪めし         高野素十


     春菊が咲いてともかく妻で母         池田澄子




          

          弟切草・おとぎりそう

          和名の由来は、この草を原料とした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が怒りのあまり斬り殺したと
          いう伝説からきている。 煎じたものを生薬の小連翹(しょうれんぎょう)といい、
          切り傷の止血薬や鎮痛薬として用いる。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年生植物。



     弟切草日照雨に金の蕊張れり         山田春生


     山の日や弟切草の長睫毛           瀬藤もと子


     弟切草歩けば思ひやさしかり         宮坂静生




          

          麒麟草・きりんそう


          ベンケイソウ科に属する多年草



     帰省子のみやこ恋しき麒麟草        森 澄雄


     漂へる石工一団麒麟草           水野真由美


     ブルドーザーの惰眠錆噴く麒麟草      伊丹三樹彦




          

          未央柳・美容柳・金糸桃・美女柳.

          
          オトギリソウ科に属する多年草



     子規庵の庭に明るし金糸桃         市原美幸


     そよ風と遊べる未央柳かな         加藤ゆうや


     未央柳散り敷く思ひなほしても        飯島晴子




          

          金糸梅

          オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木



     金糸梅明るき雨となりにけり        中村姫路


        ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
        手洗い、うがい、マスクの着用 を 日常に


          


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