゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

時代の肖像<大工 阿保 昭則さん(51)>

2008-04-24 10:52:00 | 人物100選

 「良い家」とはどのようなものですか                                            天然素材で安全を追求

100_0430 だれしも「良い家」に住みたいと思う。では、「良                           い家」とは、どんな家だろう。1998年、全国の腕                          利き大工でつくる「削ろう会」の大会で、阿保昭則                          さんはカンナの薄削りの日本記録を出した。厚さ                           3ミクロン(1000分の3㍉)。五枚重ねても、新聞                           の文字が見える薄さである。「日本一の大工」を目指して研さんを重ね、              それほどの技術を持つ阿保さんでも、「家づくりは難しい」という。「お                           客さんがどんな家を求めているか、それを見極めることが一番難しい。                          自分が満足しても、お客さんに心から喜んでもらえなければだめなん                          です」

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故郷は、白神山地に近い、青森県の小さな村。子供のころから物づく                          りが大好きで、中学を卒業して地元の大工に弟子入りした。「学ぶこと                          がなくなり」、三年目には親方の元を飛び出して、札幌などの建築現                           場で就業。20歳のときには、一人で親の家を建てた。腕の良い大工                           として、多くの住宅の建築を手がけてきた阿保さんに転機が訪れたの                         は、不惑を迎えようとするころ。現場で化学物質を多量に含む新建材                           を扱ううちに、体調を壊してしまったのだ。「それまでは、あまり疑問も                          なく、きれいだからと新建材を使っていたんですよ。でも、つくっている                          自分の体もだめになる家が、住む人の体に良いわけがない。健康で安                         全に暮らせる家でなければ、つくる意味がないと思ったのです」しかし、                         使われる身では不本意な仕事もしなくてはならない。「自分が納得ので                         きる家だけを建てたい」と、2000年に千葉県の大綱白里町で「耕木社」                         を設立。三人の職人とともに、注文住宅の建築と木の家具づくりを行っ                           ている。

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大工になって35年。木やしっくいなどの天然素材と、在来の木造軸                           組工法に徹底してこだわる阿保さんは、「社会が豊かになるにつれ、                           日本の住宅の質は、どんどん落ちてきた」と憂う。「化学物質を含む                           新建材を使い、工場で加工された部材を現場で組み立てるだけの                            住宅が増えてきた。その方が、住宅メ-カ-も大工も、楽してもうか                            るからです。確かに見た目は良いのですが、それが住む人に良い                            家と言えますか」大工の技術の低下も、気にかかる。「一人前の技                            術を持つた大工は、今や全体の3%もいないでしょう」原因は、部材                           を現場で組み立てるプレハブ建築や、前もって機械で木材を寸法通                           り加工するプレカットが主流になり、職人技が必要とされなくなつたた                          めだ。技術を伝えようと、阿保さんは専門学校などで、大工就業を志                           す若者の指導にも力を入れている。「大工を一生の仕事と考えてが                            んばっている若者も多い。そんな子は、基礎からきちんと育ててやり                           たいから」天然の素材と、大工の技術。阿保さんは、それに加えて、                           「良い家には美しさも必要」という。「これからは、大工もデザインを勉                           強しなくてはいけない。大工の都合で、つくりやすい家にするのでは                           だめ。昔の民家が美しいように、今の住宅にも時代に合った美しさが                          求められていると思います」そして、最後に必要なのは「心」だという。                          住む人の安全と健康を考え、好みを理解して家をつくること。「その心                          がなければ、お客さんに喜んでもらえる家にはなりません」阿保さん                           は今、化学物質過敏症に悩む人からの家づくりの依頼を、優先して                           受けている。「聞くと、みんさん本当に苦労されているんですよ。こん                           なに苦しんでいる人のために、天然素材で安全な家をつくるのは、自                          分の義務だと思うんです」天職という言葉が、とても似合う人である。

あとか゛き=阿保さんは、昨年10月に出した単行本「大工が教える                           ほんとうの家づくり」で、これまでにつくった家の間取りや坪単価を詳                           しく紹介している。技を伝えるため、現在手がけている住宅建築現場                          の見学も、可能な限り受け入れている。                                           問い合わせは、同社℡0475・72・2162(ファックスも)へ。

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ウンチクがんちく<土と作物のはなし⑭>

2008-04-23 15:00:00 | うんちく・小ネタ

道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆                                         水田転作、窒素肥料が不可欠

100_0689 食生活の洋風化に伴い米の消費量が減少して                            います。現在、一人当たりの年間消費量は、ピ-                          ク時の1962年の約50%、60㌔㌘程度です。                            このような米離れと並行して、米の生産を止め、                           水田を畑にして作物を栽培する「水田転作」が全国的に進んでいま                    す。近年、道央の水田地帯で麦、大豆、ソバ、タマネギなどの栽培                            面積が増えたのはこのためです。水田から畑になったばかりの転換                           畑では、水田時の土壌環境を引きずっており、問題がしばしば起こり                          ます。水田の下層土は水が漏れないように硬く締まっています。                             そのため転換畑では水はけが悪く、作物の根が湿害で傷むことが                            あります。堅い下層土をこわし、水はけを良くする対策が必要です。                           また、水田では、窒素をマメ科植物に与える根粒菌がほとんど生息                            していません。これは共生関係にあるマメ科作物が栽培されていな                           かったことや、酸素不足のためです。したがって、転換後初めて栽                            培される大豆では根粒菌からの窒素供給が不十分なため、葉色が                           薄く、成育も劣りがちです。このため、7月の開花期ごろに窒素肥料                           を施す対策が空知管内長沼町の道立中央農試で開発されています。

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歯は健康のバロメ-タ-

2008-04-22 17:30:00 | 健康・病気

道国保連が調査 歯の数が減ると・・医療費アップ                                     70歳以上 4本以下20本以上の1・6倍

歯の数が少ない高齢者は、歯科以外の医療費が高いことが、北海                            道国民健康保険団体連合会の調査で分かった。歯と全身の健康の                           関係を、数字で裏付ける結果となった。同連合会の調査は、満70                            歳以上の国民健康保険加入者で、昨年5月に歯科を受診した患者                           が対象。患者の歯科以外の同月分レセプト(診療報酬明細書)10                            万3418件を分析した。それによると、20本以上歯のある人の、歯                           科以外の医療費は2万2660円で、歯の数が減るにつれて医療費                           は増加。4本以下では3万5930円と約1・6倍も高かった。疾患別                           では、高血圧などの循環器系が28・8%で最も多く、次いで関節障                           害などの筋骨核系13・2%。がんや糖尿病、脳血管障害など生活                            習慣病に限っても、歯が20本以上の2万7730円に対し、4本以下                           では約1・5倍の4万2460円だった。また自分の歯が抜けたあと、                            入れ歯など人工物で治療を済ませている人だと、2万7120円。治                            療していないと3万290円になり、治療を済ませている人の医療費                              が少なかった。調査結果について、分析を担当した北大病院歯科治                           療センタ-の兼平孝講師は「これほどの差があるとは意外。歯が多                           く残っていると食べることに意欲的になるだけでなく、食べ物をしっか                           りかみ唾液とよく混ぜ合わせることができる。消化管で栄養が吸収さ                          れやすくなるので、全身の健康状態がよくなるのではないか」とみて                           いる。

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エンレイソウ研究の第一人者<大原 雅>

2008-04-22 16:27:00 | 人物100選

北大大学院地球環境科学研究院教授                                            進化と生態の関係解明

100_0688 十勝管内広尾町の国内最大のオオバナノエン                            レイソウ群落を主なフィ-ルドとし、その生活史                            の解明に取り組んできた北大教授の大原雅さん。                          詳しい生態が明らかになるにつれ、群落周辺の                           環境全体を守る必要性をいっそう感じるようにな                           つたと話す。                                                広尾のオオバナノエンレイソウ群落を初めて目に                           したのは、北大助手時代の1989年。今後の研                           究テ-マを模索しながら道内を旅していた。「弁                            当を食べようと、たまたま海岸に近い林の方に行                           ったら白い花が見えて、遠くからでも群落と分か                           った」。以来、繰り返し現地を訪れ、他の地域とも                            比べた結果、広さ約五万平方㍍で、国内最大の群落という確信を強               めた。北米と東アジアに分布するエンレイソウの仲間は、ユリ科の多               年草で花弁と葉が三枚ずつあるのが特徴。ハルニレやヤチダモの林               に包まれた、やや湿った環境で育つ。道内では9種が確認されてお                          り、白く大きな花のオオバナノエンレイソウは、北海道のほか東北の                           一部、サハリン、アリュ-シャン列島、ロシア沿海地方などに分布す                          る。清楚なたたずまいが好まれ、北大の校章にあしらわれているほ                          か、恵迪寮歌にも登場する。今も北大校内にはオオバナノエンレイソ                           ウが自生しているという。エンレイソウと言えば、北大を中心とする研                           究者が60年代までに、世界に先駆けて進化の過程を遺伝子レベル                           で解明したことで知られる。大原さんはこの成果を踏まえ、自然界で                           の生態の秘密を探ってきた。「日本のエンレイソウが興味深いのは、                           遺伝子的な特徴が異なる倍数体の種類が多いこと」と語る。植物は、                          遺伝情報を伝達する染色体の最小単位を何組持つか(倍数)によっ                           て、異なる種に分類される。エンレイソウは二倍体や六倍体など倍数                           体の種類が多く、ダイナミックに進化してきたことが分かる。そこで「進                          化のプロセスと生活史の関係」の解明が重要な研究課題となってい                          た。生活史とは「植物の“生きた実態”」を意味する。オオバナノエンレ                          イソウの実生(種から発芽したばかりの状態)は、細長い葉が1枚だ                          け。翌年は丸い葉になり、5~6年けて3枚葉になる。花が咲き、種子                          を作れるようになるまでは10数年かかる。寿命は短くとも数10年とさ                         れ、「延齢草」という日本名のイメ-ジにもふさわしい。大原さんの調べ                        で、十勝と日高のオオバナノエンレイソウにだけ見られる性質があるこ                          とも分かった。「おしべの花粉が同じ花のめしべに受粉しても、種子を                          作れない。これを『自家不和合性』と言います」。このため、虫などによ                          る他個体からの花粉媒介が不可欠となり、勢い、大きな群落を作りた                          がる。逆に開発で群落が寸断されて孤立化すると繁殖が難しくなる。                          広尾の群落は、地域の理解と協力で比較的良好な状態を保っている                          が、危険信号がともった群落もある。

100_0204「毎年花が咲き、保全されているように見えても、                           実生が育っていなければ次世代に生命を引き                            継げない。人間社会の少子化のような現象が起                           きている」 エンレイソウの“生きた実態”を解明し、                          群落周辺の生態系全体を保全する必要性を市                            民に伝えるのも使命と考える。「環境保全の運動にかかわることも                            できるが、研究者としては科学の側からできることに取り組みたい」                           と話、調査の傍ら、現地での観察会などを積極的に開いている。

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わが家の一本の梅の木

2008-04-21 16:00:00 | 日記・エッセイ・コラム

北国の梅の開花時期は、桜とほとんど同時期です。街路樹や庭木                            の新芽とも折なって、一年で最も高揚するときです。今年もまた、昨                           年とは趣の違う感動を、あと1週間ほどで味わえそうです。そんなわ                           が家の庭に、太さ1~2㌢で高さ1・8㍍位の苗木が植えられたのは                           20数年前のことでした。当時は木に関する知識は全くなく、花の開                           花時期になると、幹から自然に吹き出てきて花開くと本気で思って                            いました。今でこそ前年の間伐によつて、樹木の立ち姿や花芽の育                           成が非常に重要なことを知ることとなりました。いろいろと関連情報                           誌が出版され、またネットで検索しても、剪定が大事なことは理解で                           きても、初期の基礎知識部分が欠落しているため、剪定時期や花芽                           を無視した苦い経験が思い起こされます。木々の特性が多少理解で                           きたことは、落葉によって季節感を探知していることを知ったときでし                           た。それは、晩夏に何枚か落葉した葉を根元に寄せたところ、瞬く間                           に葉が全部落ち冬支度をしたことでした。ただ、早い落葉も、翌春に                           は正常に育っていました。ようやく樹木の育成方法も多少理解するこ                           とが出来ました。今後は、より楽しく庭木と付き合っていけそうです。

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今春「エゾシカ学」開講<増子 孝義さん>

2008-04-19 17:00:00 | 人物100選

東京農大生物産業学部教授                                                  地域資源の有効活用を

100_0434 個体数の急増が問題視されるエゾジカを有用な                           「地域資源」ととらえ、生態研究から養鹿、加工、                           流通まで総合的に学ぶプログラム「エゾジカ学」                            が今春、網走の東京農大生物産業学部で本格                           的に開講した。主導する増子孝義教授(動物栄                           養学)に、エゾジカ有効活用の意義を聞いた。昨                           年10月下旬、全道でエゾジカ猟が解禁された。                           明治時代に絶滅の危機にひんしたが、大量死に                           結びつく豪雪が減ったことなどで、1980年代後                           半から急増。道内の生息数は約40万頭と推測さ                          れる。農業被害はピ-クだった96年度の50億円                          からは減ったものの、30億円前後で推移。最近は札幌市内の住宅街              にも現れ、騒ぎを起こした。このため90年代後半からは年5~8万頭が             捕獲され、最近はレストランなどでシカ料理が注目されるが、「活用さ              れているのはほんの一部」という。「80年代の後半にもシカ肉ブ-ム                          が起き、飼養が試みられましたが、解体手続きや販売ル-トが従来                           の家畜と異なるため、あまり普及しませんでした」東京農大では89                           年の網走校開校以来、エゾジカの生態や食肉加工などの研究を続                            けてきた。99年から釧路市(旧阿寒町)の前田一歩園財団の所有                           地で、冬季に野生ジカへの給餌を行い、2005年からは大がかりな                          「わな」で生体捕獲している。前冬は約5百頭を捕獲し、研究に活用                           したほか、道東にあるシカ牧場にも提供された。

100_0433 全国初という「エゾジカ学」は、これまでの東京農                          大の取り組みを一歩進め、生態研究から養鹿、食                          肉加工、流通などを体系的に学ぶカリキュラム。本                         年度、文科省の『現代的教育ニ-ズ取り組み支援                          プログラム」(現代GP)に選定され、昨10月から09                         年度末まで2年半に及ぶ教育プログラムがスタ-トした。「エゾジカ学」                         は、文系、理系の分野を横断的に学ぶ「文理融合」もうたい文句。大学                         1、2年次で生態学や食品科学などの基礎と、「エゾジカ学のすすめ」                          として総論を、3年次以降は生態調査などの実習や食肉加工、流通も                          学ぶ。「エゾジカという地域資源の有効活用で、人間との共生を考える                          こと」が「エゾジカ学」の精神という。酪農飼料の栄養学的な研究を専                          門とする増子教授は、89年の網走着任を機に、エゾジカ研究を始めた。                        冬に捕獲した野生ジカを大学構内の施設で翌年秋まで飼養する「一時                         養鹿」に取り組み、ふんを回収して餌の消化率を調べるなどで、飼養の                         好適条件を探る。餌は牛との共通点が多く、牧草やトウモロコシなど粗                         飼料を使ってコストを下げつつ、肉質を維持するのが課題だ。「エゾジカ                         学」は、大学だけでなく、民間事業者や行政との連携が不可欠だ。「道                          の野生生物の窓口は自然保護課だったが、食品加工は農政、流通は                         経済の分野。これらの部署の連携と、シカ牧場、ホテルやデパ-トの関                         係者も交えた有効活用検討委員会の発足で、動きが活発になつた」と                         喜ぶ。増子教授は「エゾジカ学」を機に、地域資源としてのエゾジカがさ                         らに注目されることを願う。

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快走知内ニラ<下>

2008-04-18 16:00:00 | ほっかいどう関連情報

挑戦 増産、通年化へ若手も奮起

100_0665 「トヨタの『カンバン』方式も役立っている」。渡                             島管内知内町の野口健一さん(52)はそう言い                            ながら、ニラの刈り取りに汗を流す。72棟のハ                            ウスに、雇用するパ-ト労働者は常時7人。町                            内最大のニラ農家だ。昨年の販売額は4千万円を超えた。高校卒                  業後、愛知県のトヨタ自動車の工場で働いた。在庫を切りつめ無駄                            を省く「カンバン方式」に触れ、その経験が今生きている。農薬、肥                            料の在庫は最小限にする。効率を上げるため、機械や作業過程の                            改良を続ける。「工夫を重ねれば、知内ニラはさらに伸びる」。野口                            さんの目が輝いた。知内町ニラ生産組合(石本顕生組合長、73戸)                           の2007年の販売額は8億2400万円に上がり、組合員平均で1千                           万円を超えた。知内ニラの快走ぶりを反映し、06年度の新規就農                            者は12人と渡島管内で最多。若者たちが続々と故郷に戻り、実家                           の農家を継いでいる。石本貴広さん(28)は4年前、神奈川県の自                            動車メ-カ-辞め、知内に戻った。「ニラの収入が安定しているから                           帰ってこられた」。実家では、石本さんの就農を機にハウスを3棟増                           やした。一方、町内で建設業に従事していた佐藤信也さん(46)は、                           先行きが不透明な業界に見切りをつけ、5年前にニラ栽培を始めた。                          「冬場に収入があることが大きい」と笑顔で話す。こうした農業後継                            者の存在が産地を活気づけている。そんな仲、同生産組合は今年、                           新たな「ハ-ドル」を掲げた。12年までに年間販売額を12億円まで                           増やす計画だ。通年出荷の実現が達成への鍵を握る。「今度はおれ                          たちが頑張る番だ」。増収計画のプロジェクトチ-ム委員長に就任し                           た木本勉副組合長(48)は、力を込める。父の正美さん(74)は知内                           ニラの礎を築いた8人衆の一人。35年前、正美さんが初収穫した時、                          出荷期間は4月からの2ヵ月だった。その後、出荷期間を延ばすため、                         組合員は栽培管理技術の向上に取り組んだ。初出荷の時期は少し                           ずつ早まり、今年は1月6日。1月から10月まで、年間三百日以上                            も出荷ができるようになった。木本副組合長は「それでも、まだ、2ヵ                           月の空白がある。知内ニラが常に店頭に並ぶようにしなければ、本                           州の競合産地には勝てない」と語る。11、12月の空白期解消のた                           め、今年から5品種の試験栽培を本格的に始めた。知内の気候に合                           った品種を選び出し、3年後の初出荷を目指す。地域農業の大黒柱                           に成長した知内ニラ。組合員の視界には産地「日本一」が見えてきた。                              「生きるためにサメは泳ぎ続けるというが、組織も現状に満足した時                           点で成長が止まる」。石本組合長(54)は、将来をしっかり見据えて                           いる。

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ミトコンドリアDNA<新情報>

2008-04-18 14:00:00 | 健康・病気

がんの転移能力を左右                                                     筑波大研究チ-ムが解明

生命活動に必要なエネルギ-の合成を担う細胞内小器官ミトコンドリ                           アが持つDNAの突然変異が、がん細胞の転移のしやすさに関与し                           ていることを筑波大ま林純一教授(細胞生物学)らの研究チ-ムが                           突き止め、このほど米科学誌サイエンス電子版に発表した。千葉県                           がんセンタ-や島根大との共同研究。研究チ-ムは、抗酸化剤で                            細胞内の活性酸素を取り除くと転移が抑制されることも確認。がん                             転移を防ぐ薬の開発につながる可能性があるという。ミトコンドリア                             のDNAは、細胞の核にあるDNAとは異なる独自のもの。がん細胞                           ではミトコンドリアDNAの突然変異が多く見られるため、がん化や転                           移との関連が指摘されていたが、因果関係は不明だった。研究チ-                           ムは、マウスの肺がん細胞を転移能力の高いものと低いものの二種                          類用意し、双方の核DNAを交換した。すると、できた細胞の転移能                           力は、ミトコンドリアDNAがもともとあった細胞の転移能力と一致。転                          移のしやすさは、核DNAではなく、核DNAではなく、ミトコンドリアD                           NAに左右されることが判明した。次にミトコンドリアDNAの塩基配列                           を解析。特定の遺伝子が突然変異すると、ミトコンドリアの呼吸機能                           が低下して活性酸素が大量に発生、転移能力が高まることが分かっ                          た。林教授は「がん転移のうちの、どのくらいに(この仕組みが)関係                           しているか調べたい」と話している。

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快走知内ニラ<中>

2008-04-18 11:30:00 | ほっかいどう関連情報

組織力 品質安定へ遠慮せず意見

100_0661 一件のクレ-ムが新たな道を開いた。2003年                            2月、渡島管内知内町の知内町ニラ生産組合組                           合長、小西勝則さん(50)は始発列車に飛び乗                            った。コ-プさつぽろの札幌市内の店舗で、知内                           ニラ「北の華」を束ねたテ-プの内側に針金が混                           入した客から投書があった。「替わりのニラを送っ                          て済む話ではなかった」。駆けつけた小西さんは、                          店長に何度も頭を下げた。針金がどの農家から                           混入したのか、分からなかった。「原因がつかめないのなら、本当に                謝ったことにならない」。小西さんは知内に帰るなり、動きだした。翌                           春、ニラを束ねるテ-プに組合員の番号を入れた。05年は袋に包装                          日の暗証番号、06年はテ-プに組合員の名前も記した。問題が起                           った時は「いつ」「どこで」「誰が」出荷したか一目で分かるようになっ                           た。07年春には袋にQRコ-ドを貼り付けた。携帯電話で読み取ると、                         生産者の情報が書かれたホ-ムペ-ジにつながる。現組合長の石                           本顕生さん(54)は「『安全安心』ま取り組みは着実に前へ進んだ」と                          強調する。異物混入から5年。今年3月、札幌市手稲区のコ-プさっ                           ぽろ新はっさむ店では、「北の華」は野菜売り場の中央に置かれてい                          た。買い物客の手が次々と伸びていく。コ-プさっぽろの店舗と宅配                           を合わせた07年度の二倍にまで増えた。田中宏人宅配チ-フバイ                           ヤ-(55)は「知内ニラへの評価の表れ」と歯切れがいい。組合員の                           切磋琢磨も市場での評価を高めている。3月上旬、年二回の「目揃え                         会」が知内町の集荷場で開かれた。春ニラと夏秋ニラの出荷時期に                           品種を一定に保つためのもので、翌日出荷する約60戸のニラが箱に                          入れられ並んだ。気心の知れた生産者同士も、この日は誰もが緊張                           した表情だ。仲間の組合員が作ったニラを手に取り、見つめる。品質                           が劣るニラを出荷した農家が注意されることも珍しくない。ある生産者                           は「良い物を作るのに先輩、後輩もない。物を言い合える雰囲気がう                           ちの組合の強みだ」と話す。組合の規定には、知内ニラの「ブランド」                           をひどく傷つけた組合員に対する除名の規定もある。組織を貫く厳し                           い規律。その一方、独自の手厚い支援も組織への求心力を高めてい                         る。その一つが単価の最低補償制度だ。組合員は出荷時、販売額の                          1%を積み立てている。安定出荷を支援するため、価格が時期ごとに                          決めた単価よりも下がった場合、その差額を補てんする。「かつては                           みんな貧乏で冬は家族と離れ、出稼ぎに出た。知内のような小規模                           な農家は組織の力で生き残るしかない」。現在、新函館農協代表理                           事専務の小西さんは、力強く言い切った。

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生きるしくみ<幻のホルモン>

2008-04-17 15:01:00 | 健康・病気

勝手に利用 情報一人歩き

“唾液腺ホルモン”という名前を聞いたことがありますか?別名をパ                            ロチンといい、唾液腺から分泌されるホルモンであるとされていまし                           た。でも、私は学生時代、このホルモンの講義を受けたことはありま                           せん。現在の生理学の教科書をめくっても、このホルモンの話は出                             てきません。なぜなら、このホルモンは、幻だからです。1944年(昭                           和19年)、つまり戦争中に日本で発見され、老化防止に効果がある                           ということで一世を風靡したようです。図書館に残されている古い教                           科書に名前を見つけることができます。だが、このホルモンの正体は                          結局、明らかになりませんでした。タンパク質らしいという論文が出                            ただけ。もし本当にタンパク質なら、現代の遺伝子工学の技術でたち                          どころに解明されそうなものですが、そんなことは全くありません。“唾                          液腺ホルモン”は、実は存在しなかったからです。ところがインタ-ネッ                          トで調べると、たくさんのホ-ムペ-ジで、このホルモンのことが書か                           れています。医学の世界ではとつくに忘れ去られた幻のホルモンです                         が、古い文献を無批判に引っ張り出し勝手に利用している人が結構い                          るようです。困ったものです。発見者を批判するつもりはありません。                           その時代の科学技術の限界を示しているだけだからです。しかし、自                          分に都合が良い情報だけ選んで、あたかも科学であるように利用する                          現代の“ニセ科学者”は、糾弾されるべきではないでしょうか。                              (とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)

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快走知内ニラ <上>

2008-04-16 18:30:00 | ほっかいどう関連情報

8人衆 試行錯誤重ね主力作物に

100_0662 「知内のニラ、もっと出してほしいんだ」。今年2                           月、中国製冷凍ギョ-ザ中毒事件のさなか、渡                           島管内知内町の新函館農協知内基幹支店には、                          こんな電話が相次いだ。「北の華」ブランド名で                            出荷される知内ニラは、作付面積で道内4割、出荷量は6割を超                 す。取引拡大を求める電話は、知内ニラの存在感をあらためて印象                           づけた。73戸の組合員を束ねる知内町ニラ生産組合の石本顕生組                           合長(54)は「知内ニラの歴史は8人の若者の存在なしには語れな                            い」と話す。1971年の冬、知内町重内の集会所に8人の農家が集                           まった。前年、国の減反政策が始まっていた。「転作として何か取り                           組もう」。若者たちは熱く語り合った。その時、農業雑誌の記事が話                            題になった。群馬県のニラ農家が10㌃当たり百万円近い販売額を                            上げたという内容だった。8人衆の一人、城地俊光さん(62)「小さな                           面積で収益も高い。魅力的な作物に思えた」と振り返る。すぐにニラ                            の研究会を設立し栽培を始めた。しかし、初年度は半分近くの芽が                           害虫に食われた。「ヤマセ」と呼ばれる地域特有の海からの強風で                           ビニ-ルハウスの大半が空中に舞った。周囲の目も冷ややか。なん                           でわざわざニラやるのよ」と陰口もたたかれた。栽培から三年目の初                           収穫で、8人が手にしたのは計百四万円。宮下孝さん(64)は『何く                           そ』と意地になっていた。失敗続きでもみんなが集まると、勇気がわ                           いてきたんだ」と語る。道外の先進地視察では、農家は警戒して何                            も教えてくれない。ハウスの橋に落ちていた肥料袋を目に焼き付け、                           知内に帰って試した。手探りで技術を一つずつ積み重ねた。強風や                           雪でつぶれないようハウスの骨組みの間隔を当時一般的だった60                           ㌢から45㌢に変え、強固なものにした。78年、新品種「たいりょう」                            に出合った。北海道の寒さに負けない、この品種を見つけたことが、                           大きな転機となつた。栽培方法も確立され、生産量は伸びた。栽培                           開始から15年後の86年、販売額は一億円を超えた。2007年には                          八億円を突破した。ギョ-ザ事件を契機に、4月からは首都圏でチェ                           -ン展開する中華料理店に向けて、1日約2百㌔のニラを出荷するこ                           とが決まった。「消費者に生産者の顔が見える取り組みで知内ニラは                           全国トップクラス」。札幌の青果仲卸「森哲」の矢萩達也社長(46)は                           太鼓判を押す。37年前、「米の減収を補う作物」として始まった知内                           ニラは、2000年に町内の農業生産額で米と逆転した。かっての田ん                          ぼ跡には、ハウスの棟が続く。

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山・海・幸めぐり<幕別のニラ>

2008-04-16 16:00:00 | ほっかいどう関連情報

鮮度高い早朝に収穫

100_0660 万葉集や古事記にも登場するニラは、日本で古                            くから親しまれてきた野菜のひとつだ。独特のに                           おいから、邪気を追い払う力があると信じられて                           きた。道東の主産地・十勝管内幕別町では一番                           ニラの収穫がピ-クを迎えている。旬の味を求め、                          同町を訪ねた。                                              取材前に素朴な疑問を抱いていた。「ニラ畑は香                           りが漂っているのだろうか。それとも案外無臭な                           のか」。ハウスに入り、つんとする香りに包まれた瞬間、疑問は解消し              た。収穫を見せてくれたのは、ハウス3棟で約10㌃を栽培する漆原                           学さん(40)=町内相川=。漆原さん宅では家族3人で、毎朝6時か                          ら、高さ40㌢ほどのニラの刈り取りをしている。

       ◇ ◇ ◇

実は取材をお願いした際、やや戸惑った。窓口のJA幕別町の担当                            者に「6時に現地集合」と念を押されたからだ。夜更かし朝寝坊の記                           者にはつらい。だが、説明を聞いて納得した。漆原さんは「ハウスの                           温度が上がると鮮度が落ち、シャキシャキ感も失われる。早起きは                            つらいのですが、気温の低い早朝に作業しなければ」と話す。同農                           協によると町内のニラ生産者は13戸で、総作付面積は約2㌶、年間                           出荷量約60㌧。3月に種をまき、6月に定植。ハウスビニ-ルをかけ                          て越冬し、2年目から収穫する。一番駆りは3月上旬から4月まで。                           以降は刈り取った株から伸びる二番ニラなどを収穫、10月まで断続                           的に出荷する。ニラは高温に弱いためハウスの喚気など温度管理が                          重要だ。漆原さんは「追肥のタイミングや、手作業など結構手間のか                          かる作物」という。

       ◇ ◇ ◇

道内各地に出荷される同町のニラは葉幅が厚く甘みがあるのが特徴。                         地元産品にこだわる同町内のそば店「食膳場 森脇」(本町)の店主、                         森脇恵治さん(49)と妻の真利子さん(50)にニラ料理を紹介してもらっ                         た。印象的だったのはニラのおひたしに、卵の黄身と三杯酢を練って作                         る黄身酢をかけた一品。サラダ感覚であっさり食べられる。そのほかの                         料理も臭みはなく、甘みや歯応えを楽しめた。恵治さんは「ニラの甘さ                          を失わないため、火の通しすぎに注意して」と話す。

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私の発言<温室効果ガス減らす暮らしに>

2008-04-15 17:00:00 | 環境問題

温暖化防止活動推進員 辻 悦郎

7月の北海道洞爺湖サミットを控え、私たちの温暖化対策への取り                           組みが世界から注目されています。3月に千歳市で行われたG20                           閣僚級対話の開会式で、英国のブレア前首相は「温暖化に対応で                            きなければ将来の世代に破壊をもたらす。今こそ政治的な意志と指                            導力を発揮すべき時だ」と語っています。地球温暖化への対応は天                           気予報と同じく、観測した情報をいかに科学的に理解するかが問わ                           れます。いま地球との協議が重要なのに、人間の都合ばかりが議                            論されています。京都議定書の削減目標は政治的妥協にすぎませ                          ん。私たちの都合や不利・有利にとらわれて、地球や自然との関係                           が軽視されています。私たちの輩出する温室効果ガスの量が、海や                          植物の吸収量を上回っています。自然が吸収する量は年間約30億                           ㌧、人間が輩出する量は約64億㌧なので、毎年34億㌧が大気中                           に取り残され、温暖化が進みます。気候変動に関する政府間パネル                           (IPCC)の第四次報告書によると、2005年時点の温室効果ガス濃                          度は379ppm。産業革命以前の280ppmに比べ35%も増えていま                          す。1970年から30年間に世界の温室効果ガスの排出量は70%                           増加しました。2050年までに日本は85%の二酸化炭素を削減す                           る必要があるとされています。京都議定書で日本は1990年比で6                          %、北海道として9・3%の削減を目指していますが、私たちはなお                           増加させる暮らしを続けています。サミットが迫っても日本の中長期                           削減目標値も定められず、このままでは温暖化防止も国の借金や                            核廃棄物同様、これらの後始末を子供たちの世代に残すことになり                            そうです。

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ニュ-スむしめがね「温室効果ガスて何なの」

2008-04-14 16:00:00 | 国際・政治

典型はCO、削減が急務

100_0675 Q 4月1日から京都議定書の約束期間が始ま                            ったね。                                                   A そうなんだ。この期間に、日本は1990年度                            と比べて温室効果ガスの排出量を6%減らすこと                           にしてるんだ。7月の北海道洞爺湖サミットでも、                           どう減らすかが大事な議題になる。                                   Q へえ。で、温室効果ガスって、そもそも何なの。                          A 地球の表面を覆って、温室のガラスと同じように、熱が放散するの               を防げるガスのことだよ。これが増えすぎると、太陽から受けた熱がこ               もって、地球の温暖化が進む。代表的なものが二酸化炭素(CO)                          で、産業革命以降、石炭や石油を大量に使うようになって、急激な                            温暖化が起きているんだ。                                                         Q CO2以外は何 ?                                                      A CA2が温室効果ガスの9割を占めている。ほかにもメタン、一酸                           化ニ窒素、六フッ化硫黄、ハイドロフルオロカ-ボン、パ-フルオロ                             カ-ボンがあって、議定書ではこれらが削減の対象になっているんだ。                         Q 排出量はどう測るの。                                                    A 工場の煙突などで直接測るわけではないんだ。国際敵に定められ                          た排出係数っていう数値や、エネルギ-消費量やモノの生産量などの                          統計数字を使って産出するんだ。自動車だと、1㍑のガソリンから約2・                          3㌔のCO2が出る計算なんだ。                                                Q 道内での温室効果ガスの排出はどうなっているの。                                   A 家庭からの排出が全体の20・5%(2003年度)を占め、全国平均                         (13・5%)を大きく上回る。暖房や車に頼った生活ぶりのせいらしい。                         道民一人当たりの年間CO排出量は3・6㌧で全国平均の1・3倍だ。                         牛のげっぷに含まれるメタンや、肥料に使われる一酸化2窒素の排出                          量が多いのも特徴だよ。

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新ワクチン開発進む

2008-04-12 16:00:00 | 健康・病気

複数の型のインフルエンザに対応

100_0669 従来のインフルエンザワクチンと異なる仕組み                            の新たな「CTL誘導型リポソ-ムワクチン」の開                           発を、国立感染症研究所や日油(東京)、北大、                           埼玉医大のグル-プが進めている。毎年流行す                           るA香港型やAソ連型た゜けでなく、新型インフル                           エンザへの変異が懸念される鳥インフルエンザH5N1型を含めた                 複数の型のウイルスに、このワクチン一つだけで効果が期待できる                            という。人間の体内に入った病原体を攻撃する免疫応答には、液性                           免疫と細胞性免疫の二種類ある。現在のワクチンは液性免疫を利                            用したタイプワクチン投与でできる抗体がウイルス表面に取り付き、                           食細胞によって丸ごと消化される。ウイルスは型ごとに表面タンパ                            ク質が異なるが、抗体は特定のものしか認識できず、型の違うウイ                           ルスには効かない欠点がある。これに対し、新ワクチンは細胞性免                           疫を利用したタイプ。研究グル-プは、ウイルスの型が違っても、内                           部のタンパク質はあまり変わらないことに着目。内部のタンパク質の                           中から、効率よく免疫応答を引き出せるペプチドというアミノ酸配列を                           捜し出し、脂質二重膜でできたリポソ-ムという粒子状物質の表面                           に結合させて作った。これを投与すると細胞障害性Tリンパ球(CTL)                          がウイルスに感染した細胞を攻撃する。A香港型ウイルスに感染さ                            せたマウスに投与すると、肺のウイルス量は、投与しない場合の十                           分の一以下だった。今後、動物実験でH5N1型への効果を確かめ                           る。感染研血液・安全性研究部の内田哲也主任研究官は「現在の                            ワクチンはアレルギ-のもととなる物質が入っているが、新ワクチン                           には入っていないという利点がある」と話している。

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