Amazonのプライムアカウントの一ヶ月無料という案内が来て、そのまま放っておいたら無料期間が過ぎて年会費の請求が来てしまった。せっかくなので今月に入って2回利用した。一回目は会社からの帰りにカビ落とし洗剤を注文したら翌日朝に届いた。二回目は昨日、高木仁三郎の本を3冊注文したら今日の夜に届いた。これだけで何かを語るわけにもいかないだろうが、注文の翌日に商品が届くというのはすごいことのように思う。今月は消費税増税前の駆け込みで購入された商品の配送が積み上がっていて物流網はパンク気味だという話を聞いている。それにもかかわらず、思いつきでひょいと注文したものが翌日に届く。そんなに急がなければならない買い物というのはそうそうあるものではないような気がする。それでもそれが当たり前になってしまうと世の中は窮屈なことになりはしないのだろうか。
以前に陶芸の作品展を開いたとき、お買い上げ頂いた作品をその場で持ち帰られたりすると会場が寂しくなってしまうので、会期終了までお待ちいただいた。お買い上げ頂いた方は殆どが会場周辺にお住まいだったりお勤めだったりされていたので、私が自分で配達して回った。宅配ボックスに置いてきたとこもあったが、お客様に直接手渡したもののほうが多かった。直接会えば、たとえ手渡すだけの短い時間であっても無言では終らない。そこで面と向かっての会話があり、商品の配達以上の内容のある時間を過ごさせていただいた。
買い物をするとか商品を販売するということが単に財貨の交換というだけのことに終ってしまうのは、なんだかもったいない気がする。人一人の人生など、どんなに長くても100年にもならないだろう。そこにデータや記録を詰め込むことで安心するということもあるのかもしれないが、データや記録で表現できない時間や空間を味わったり楽しんだりすることのほうが、私は好きだ。