熊本熊的日常

日常生活についての雑記

節目

2014年10月15日 | Weblog

何ヶ月ぶりかの草刈りだ。前回はいつだったか手元の記録を調べてみたら7月3日だった。暑い時期と何回かの台風を経ているので草は盛大に育っている。今年は10月に入ってから大きな台風に2度も襲われたが、そういうことがあると大きな時間の流れの節目を経たのだという実感が湧く。

同じ職場で働く契約社員の契約が切れた。更新されないことが本人に通知されたのは昨日のことだそうだ。突然のことで本人はどう感じたのか知らないが、傍目にはいかがなものかとの思いを禁じ得ない。この人は今年6月に1ヶ月契約で入社した。7月に契約更新となり今度は3ヶ月契約となった。懸案だった資格試験も今月7日に合格し、晴れて正社員と本人は思っていたらしい。

7月17日につまらないことでこの人が食ってかかってくることがあって、その時彼は「私はね、試験に受かった瞬間にVPになるんですよ。そうしたら、ここの職場の上下関係をもっとはっきりさせてみせますから。」と宣うたのである。VPというのは勤務先の職位の名称でVice Presidentの略である。この日、同じ職場でAssociateという職位の人に彼が指示をしたことがあって、それをそのAssociateは拒絶したことが気に入らなかったらしい。彼の入社の経緯は知らないが、職場の上司の個人的な引きによることは確かなようだ。彼曰くその上司は「まぶだち」なのだそうだ。「まぶだち」の権威を背景にかなり横柄な態度を取ったこともあり、本人の生来の性格もあり、周囲と軋轢を起こし、ついには彼に対する排斥運動が起こったのである。かなりまとまった数の社員が共同して上司に彼の行状を訴え、そうした騒動が本社管理部門に届いてしまったようだ。異例のことである。私は30年近く給与生活者として生きてきたが、このような民主的な運動で人事が動くのを目の当たりにするのはこれが初めてだ。

素朴に不思議に思うのは、これほどの反発を受けながら、彼がその反発を認識している様子が無かったことだ。人は見たいと思う現実しか見ない、とはよく言われる。今月に入り彼の契約が更新されないことが決まり、その決定はもちろん個人的なことなので正式に公表こそされなかったが我々の間では周知のこととなった。にもかかわらず、彼は契約が更新されないとは思っていなかったらしい。「試験に受かった瞬間」に彼が想定していたような展開にはならなかったことで何事か気づけばよさそうなものなのだが、そういうことはなかったようだ。なぜ気がつかないのか不思議でならないのだが、先週も相変わらず軋轢を起こしていた。

彼を引っ張った上司によれば、彼はvery smartなのだそうだが、そのsmartを一度も発揮することなく契約満了となった。その職位で当然持っていなければならない資格が無かったので仕事が無いのである。ただ職場に来て所定の時間を過ごして帰宅して、その拘束に対して給与が支払われる。そういう状態が4ヶ月続いただけだ。5月と8月に一人つづ辞めたときにはそのしわ寄せが残った我々に来たが、明日から何かが変わるということはなさそうだ。そんな節目の日であった。