熊本レポート

文字の裏に事件あり

江頭実市長も見過ごしたARIB規約違反の菊池防災無線統合整備事業 第1回

2013-10-06 | インポート

 東北大震災の際、防災無線が全く機能せず(宮城県名取市・外れたネジ一個がヒューズにシュート・全サイレンが無作動)、それが多くの犠牲につながった。
 犠牲者の遺族や被災者が、設置工事業者のNECネッツエスアイに謝罪を求めたところ、同社は「お客様である名取市を飛び越えての直接的なご説明はご遠慮する」と回答し、同市民の怒りを買った。
 そのNECを誰かが菊池市に招き入れ、約15億円規模の「防災行政無線デジタル統合化設備工事」を江頭実市長は同社に発注の予定。
 ところが、この発注予定とした推察を契約前のここにきて、発注プロセスに疑惑があると声を挙げた市民がいた。
 そもそも「映像が鮮明、雑音が入らない」といった程度のメリットしKikuchi1かないデジタル化が、財政の厳しい時に何で何十億、何百億円も投下してまで必要かという意見が全国の自治体関係者にはある。
 特に移動式無線使用の消防関係者には戸惑いも多く、アナログからデジタル化は一言だとトレンド(潮流)。
 そうした背景の中で菊池市は24年7月3日、防災行政無線デジタル統合化整備に向けた設計委託の入札(一般競争)を実施し、電子技術応用(立山則生代表・同市泗水町吉富3215の91)が五百五十九万六千八百円(落札率60%)で落札。
 土木や建築の落札率と比べて「驚異的な低落札率」と思われるだろうが、同コンサルタント業界では種々の理由もあって(後述)、また同入札での他社の金額と比較してもこれは常識。
 菊池市の担当課に対して、予定の行政無線デジタル統合化における「マイクロ系18Gの導入理由」を聞くと、「コンサルタントの提案」と出た。
 全て理由、解説は後で(後述)という感じになるが、同市の発注担当課にも「マイクロ系18Gの重視」はなかった。
 ところが、このコンサルタント側の「マイクロ系18G」は極めて重要で、その理由は施工工事業者の絞り込みにある。
 現在、防災行政無線の機器及び施設を製造、建設している主な東芝、三菱電機、沖電気工業、パナソニック、NEC、日立国際電気、富士通とJRCの中で、このマイクロ系を取り扱っているメーカーはNECとJRC(日本無線)の2社。
 JRCは話題となった親会社の日清紡との出資金、株の攻防による影響もあって、まだ事業展開となると厳しい状況にある。
 …となると電子技術応用の設計受託によって、同整備工事はNECに事前決定したという見解も出る。
 9月13日に開札となった「防災行政無線デジタル統合化整備事業」の入札に向けて8月14日、同市は同工事対象業者へ入札を公告として案内。その参加資格として、
『市町村防災行政無線(デジタル同報系)のマイクロ系18Gを自らが製造(するもの)』
 条件を提示している。
 これは明らかに入札参加業者の絞り込み(2社)にあって、先述した設計委託段階での事前決定という容疑からしても、さらにここで念押しをしたと推察される…。