熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本の公共施設設計は久米・山下に限定 !

2020-09-18 | ブログ
1981年、新耐震基準が制定されて地震等に対する安全性が重視されるようになり、その構造計算に卓越した能力を所持した、経験豊富な全国大手設計事務所が、その作品をもって熊本県の公共施設に関わるようになった。
勿論、技術能力に加えて企業姿勢、その信頼性も重視される。



2005年、当時のマンション業界、公共施設を揺るがした耐震偽装事件も、その1つだが、建設業界には「政治銘柄」と称して、官製談合の担い手とされた大手設計会社もある。
近年、こうした設計会社を嫌った発注が行われている傾向にあるのが熊本県の公共施設。



こうした全国大手設計会社と、地元建築設計会社は共同企業体を組んでの参加となるが、技術的にはどうあれ、やはり実績量から劣る地元業界は、発注側の意向もあって二番手の参加に従っている現状。
平成30年3月、人吉市新庁舎
山下設計・本田・月足
平成30年12月、大津町新庁舎
山下設計・バオプラーン
平成1年6月、宇土市新庁舎
久米設計・桜樹会古川建築事務所
平成1年8月、八代市新庁舎
久米設計
平成2年1月、益城町新庁舎
山下設計・バオプラーン

これら主な公共施設の受注設計業者を見ても、その特色が歴然としている。
次に施工も同様、ここでも耐震構造の建築物資格、その実績等から全国大手ゼネコンを中心に公募型競争入札が執られていて、地元業者はここでも二番手といった状態。



全てとは言わないが、全国大手設計会社と全国大手ゼネコンの絡みとなってくると、政界ロビーにとって安全ということは否定できない。
ここで大手設計会社と同じく、嫌われだしたと噂の大手ゼネコンが、早稲田大学大隈講堂の実績を持つT。地元建設会社のJV相手には、同社を避けての営業活動が求められる…。


宇城広域連合に見た熊本県の強いる日造の制覇   第3回

2020-09-18 | ブログ
ルールを作った人が、ルールを上手く破った、そんな疑いが濃厚な宇城広域連合(守田憲史連合長・宇城市長)。
果たして住民が求める特別地方公共団体の公正、透明性とは何んなのか。
住民の代表である宇城広域連合(宇城、宇土市、美里町)の環境議員の中から、「既に契約承認後だし、また最も低価だったし…」と、諦めの発言が出た。果たして住民の貴方は、この委任した議員らの見解に納得しますか。
『ルールは時と場合によっては守らなくても良い』と、これに子どもや孫らが理解を示すだろうか。
契約後となると、確かに行程的に厳しい段階での問題浮上ではある。
「該当事案の入札審査段階で、これとは異なる過去の随意契約問題が浮上して、二市一町の首長が、その責任を取った事件があった。それに被って今回の問題となると、あれは今回の偽装を正当化するための芝居ではなかっただろうか」(宇城市民談)
過去の下請け発注に関しての問題が指摘され、それに対する懲罰も当局側の発表という形で地元紙他で報道されたが、表に出た毅然とした対応で、その裏で存在した問題点が隠されたとなると、こうした疑いの見解も決して否定は出来ない。
この問題で、最大の責任は誰に在るかとなると、それは公正、透明性からなるチェック機能を住民から託された2市1町からの環境議員の面々。


彼らの「問題点を隠蔽して入札の承認を求めた事務局、執行部側の責任」には一理あるが、究極は「ルール違反の入札を認めた」として、その検証能力が各議員には問われる。
ところで入札の審査段階(審査委員会)で問題が浮上したとなると、この問題点について事務局、執行部側は既に入札参加業者の受付以降、この問題点を把握していたはずである。
即ち、ルールを作成した事務局、執行部側は、最初から「目的達成」のために自らルールを侵す意識にあった。
審査委員会から「問題」の指摘が浮上した際、「弁護士に相談」(同事務局山口課長)と語ったが、それだけの重要な問題にも関わらず、それが議会議員の多くに隠蔽された点から、そこに違和感を覚えるのは当然。
受注企業体の開示を求め、その開示まで2週間のルールを提示し、開示されたのは公開済みの審議結果で、「企業体の守秘義務に沿って非開示」(山口課長)と、稀な宇城広域連合流の見解には、そこに1年前から指摘した山本理氏(日立造船)と、田北茂樹氏(日本環境衛生センター)との熊本県庁OBの仲間意識が深く染み渡っていたとも言える。



2016年11月、大分県宇佐、豊後高田、国東3市が計画するごみ処理施設の入札に、暴力団関与の情報が寄せられ、落札した日立造船の同入札は白紙に戻った。
「顔触れ(議員)からして『低価格で、既に契約』と放置するでしょう」(宇城市民談)
その予想は否定出来ないが、それが今回の取材でも実感した通り「検証議員も舐めた執行部」で、その思い上がりが成した技だと考えると、その継続を下から目線で懸念する…。