熊本レポート

文字の裏に事件あり

全国からの支援を裏切った繰り返される責任転嫁の熊本県産アサリ偽装

2022-02-21 | ブログ
 農林水産省は、020年度における熊本県産アサリの漁獲量が21トンにも拘らず、市場に出回っている熊本県産アサリが021年10月〜12月だけで2485トンにも上がることを疑問視し、DNA検査の結果、その出荷量の9割が中国、韓国産だとして産地偽装と警告を発した。
 即ち、熊本県産アサリの産地偽装は、熊本県内から発せられたものではなく、県外から指摘された。
 敢えて語れば、『ブランドの危機』と怒った蒲島知事は「裸の王様」である。


 熊本県漁連の藤森会長は「熊本県産と利用された」と、別の理由で怒ったが、果たして、それは真意か詭弁か、偽装の大方が仮に熊本県抜きで行われたとしても、その判断は国民に委ねられる。
 平成27年、天草の観光ホテル界隈でワタリガニの産地偽装が話題となった。
「味見したら勿論、見た目でも天草産とは異なると一目瞭然なんだが、この時の生産者の反論に愕然とした」(観光ホテル料理長談)
 このクレームに対して出荷、販売業者は『海水に2、3ヶ月浸けて出荷する韓国産のアサリと異なり、このワタリガニは中国産でも天草で餌を与えて養殖したもので、産地偽装ではない』と応えたというが、この話題が新聞や地上波で報道されていたら今回の産地偽装問題は、「全て熊本県とは無関係」とされていたとも想定される。
 何故なら、このワタリガニの産地偽装容疑の出荷者は現地の漁協組合長。
 彼は、同時にアサリの産地偽装を語っていたのだ。
 今回、別の漁協長も「奨励、推進している訳ではないが、厳しい漁協運営がもたらすアサリの産地偽装」と認めている。
 中国や韓国から輸入された生鮮アサリは一定期間、養殖場で育てられる(浸け放し)。これは蓄養と呼ばれるが、海で蓄養するには漁場が必要で、それを漁業組合が請け負う。
 この漁場代は、漁協にとって貴重な収入源。
 これまでワタリガニの産地偽装容疑、またアサリの産地偽装と漁場代問題を報道しなかったマスコミは、明らかに記者クラブ依存症。記者として無能か、記者クラブ除外への恐怖としか想定されないが、その何れなのかは熊本県民の胸中判断。
 それよりも悪いのは、漁場を許可している熊本県農林水産部(竹内信義部長)の水産振興課漁場班。県は蓄養を確認しているはずであり、その役割が漁場班。
 熊本県民は、「災害支援で協力したものの裏切られた」という全国からの厳しい声にお詫びするしかないが、原因はここまで述べた関係者の誤魔化しの馴れ合いにある。
 誰も口にしないが、彼らの責任の取り方が問題で、それが当事者のマスコミも含めて責任転嫁で報道されるようだと、残念ながら産地偽装は繰り返される…。