熊本レポート

文字の裏に事件あり

誰も言わない熊本市の外国人にも市民権という問題の論点

2023-01-11 | ブログ
 現在、立憲民主党や共産党、そして社民党等の野党がバックボーンとする人権、弱者、差別問題の主張には逆らえない正義という風潮にあるが、これには問題点があって、弱者の側が全て正義とは限らない。
 全国的な論議を招いた「外国人にも市民権」という熊本市の自治基本条例改正での素案にしても、同市は「街づくり参加」が目的と説明するが、言い換えれば「外国人も平等」で、これには簡単には逆らえない。
 だが結論から先に述べると、懸念しての反対論を説得するかの如く、熊本市は「投票(地方参政権及び住民投票権)を与えるものではない」(岡本地域政策課長)と説明添付しているが、これを更に明確化して「市民権は与えても熊本市は在日外国人に住民投票権、地方参政権は付与しない」と明記、定義付けしたらどうか。
 おそらく改正素案づくりで委託した自治推進委員会のメンバーの中からは勿論、冒頭に挙げた野党、その支持団体から違った反対運動が起きると想定。
 即ち、該当事案の論点はここにあって、「街づくり参加を目的とした在日外国人への市民権」では、簡単に理解せよという方に無理がある。


 その問題点、また日本人社会との対立についての説明は省くが、我が国には既に神奈川県川崎市など複数の市町村で在日外国人に「住民投票権」を与えている。一方の権力として、それが自治行政に影響すると懸念されるのは当然。
 どのような理屈で否定しょうが、「在日外国人への市民権」が「在日外国人への住民投票権」へ繋がる可能性は極めて高く、それを懸念しての日本人市民の反対である。
 熊本市は菊陽町へのTSMCの進出を挙げて、在日台湾人を想定しても語るが、台湾人従業員の熊本市在住人口をどの程度に見込んでいるのか。
 話は少し逸れるが2020年の出入在留管理庁の統計によると、在日中国人は78万人で在日韓国人は43万人だが、在日台湾人は在日米国人と同じく小さく桁の違う6万人弱。
 現日本国憲法における国民の三大義務は教育の義務、勤労の義務、そして納税の義務にあるが、改憲派はこれに国防(国を守る)の義務を加えるとしている。スイスは勿論、ほとんどの国が「国を守る」と憲法に定めている中、改憲派の主張は確かに妥当。
 何故に国防という義務のない現日本国憲法を取り上げたかというと、中国共産党は2010年7月、戦時の際には海外に在住する中国人にも動員の実施を定めた「国防動員法」を制定。国防の義務などない日本人の日本において、国防で動員される在日中国人が78万人も存在するのである。
 中国共産党が「国防動員法」を制定した同年、民主党政権の鳩山総理は「在日外国人にも地方参政権を付与する」という法案を国会に提出したが(審議なしで廃案)、これには反対デモが勃発し、多くの県知事や市長等も反対を表明して37の県議会が「在日外国人の参政権に反対」を決議。
 全国の市町村の中には、これが法制化されると在日外国人の割合で議会どころか、首長まですり替わる自治体もある。
 この点を念頭に当時の石原慎太郎東京都知事は、「地方政治が国家の政治に繋がる時代に絶対反対」と主張。ちなみに当時の民主党政権、賛成政党の幹部を対象に「ご先祖さま(帰化)への義理立てか」と発言して物議を醸した。
 現在、在日外国人にも地方参政権を付与すべきと主張する政党は立憲民主党、社民党、共産党、れいわ新選組、それに公明党だが、その支持者と想定されるのが在日外国人及び同組織で、選挙でこれらの政党に有利に働く事は言うまでもない。
 また自民党の中にも「在日外国人の地方参政権に賛成」とする議員も居るが、故慎太郎氏の皮肉を推察すれば理解は早い。


 今回の熊本市における「在日外国人にも市民権」という自治基本条例の改正素案が、ネット上で騒動となった状況について、地元紙の熊本日日新聞は学者の「ネット上では極端な意見や主張され…見る側には何が事実なのかを冷静に見極めるリテラシーが求められる」という主張を借りて、「ネットでの誤解拡散」と反対意見の潰しを見解として読者へ拡散したが、熊本市民にはここまで述べて来た通り、「俯瞰の機能を働かせた論理的な判断」が求められる。
 最後に再び繰り返すが、この「在日外国人にも市民権」と同じく街づくりとして、「地方参政権は勿論、住民投票権について熊本市は在日外国人に付与しない」と定義付けしたらどうか。賛成派から修正には大反対の言動が、必ず出ると想定。
 該当事案における本当の論点はここで、反対派はこの点を懸念しての反対にあるが、果たして同議会はどんな判断を下すか注視される…。