万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

選挙が国民を追い詰める

2009年08月16日 15時40分45秒 | 日本政治
勉強会に独自版…熱帯びるマニフェスト選挙(読売新聞) - goo ニュース
 民主的な選挙の効用の一つは、選挙の度ごとに、従来の政策や制度的な欠点が見直され、僅かなりとも以前よりはよい状況となることです。政権交代もまた、政治の改善と浄化を伴わなければ意味がありません。

 しかしながら、特に二大政党の形式で政権を争うスタイルでは、両政党とも、従来よりもレベル・ダウンした政策をマニフェストに並べますと、民主的な選挙制度は、政治を悪化させる方向に働きます。国民がどちらの政党を選んだとしても、気付かぬうちに、以前の状況よりも悪くなってしまうのです。今回の衆議院選挙にも、この側面は観察されています。例えば、財源を考えれば、両政党の政策とも国民の負担増は必至であり、国民の選択肢は、どちらが”まし”かしかありません。国民のための選挙のはずが、これでは本末転倒で、国民を苦しめるための選挙とかしてしまっているようです。国民負担を減らす政策を掲げる政党が皆無なのですから。

 結局、今日の選挙は、国民を、負担増へと追い込む役割を果たしているとも言えます。民主的な選挙が、国民に希望ではなく絶望を与えるとしますと、選択肢なき選挙は民主主義そのものを否定しかねないと思うのです。

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