万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の博士乱造―移民推進政策の一環?

2009年08月08日 15時37分57秒 | 国際政治
世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」 米国なら99%不合格?「博士5万人」の粗製乱造ぶり 「教授は地に満ち、犬の数は博士の数にも及ばない」(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース
 ちょうど一年前の8月8日、中国の首都北京では、誇らしげにオリンピックが開催されました。華やかな開会式とは裏腹に、チベットでの虐殺事件への抗議から、世界を巡った聖火リレーでは、各地で抗議デモと在外中国人との間に衝突が発生したのです。

 この聖火リレー事件によって、中国政府の在外中国人に対する動員力が明るみに出たのですが、同時に、各国で中国政府が進めている移民政策への警戒感が高まったことも確かなことです。このためにか、各国政府とも移民の要件を厳しくし、高学歴な技術者や研究者に絞り込むようになりました。日本国政府もまた、同様の措置を行っているようです。この傾向を考慮しますと、中国における博士の急激な増加は、移民要件の厳格化に対応するために行った、当局の措置なのではないかと推測されるのです。何らの資格もないとなりますと、これまでのように、自国民を大量に海外に送り込むことができなくなったからです。

 もちろん、指摘されているように、長期にわたる教育機関への在籍は、一種の”失業対策”であるとも理解できますが、博士号が、学問のためではなく就職のための切符となっているとしますと、中国では、やはり純粋な学問は育たないのかもしれません。   

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コメント (10)
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