万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国立追悼施設の大いなる矛盾

2009年08月14日 15時33分20秒 | 日本政治
国立追悼施設建設へ 政権発足後 民主、有識者懇を設置(産経新聞) - goo ニュース
 民主党にとって、衆議院選挙による政権獲得は、かねてからの主張であった国立追悼施設を実現する千載一遇のチャンスなのかもしれません。しかしながら、この提案は、あまりに矛盾に満ちていると思うのです。

 追悼とは、亡き人々の魂を慰める行為ですので、霊魂存在論に基づいています。そうして、霊魂が存在していることを前提とするならば、戦争で亡くなられた将兵の方々の御霊は、靖国神社に鎮まっていることになります。政府は、どのようにして御霊を追悼施設に移すというのでしょうか。政府が国立追悼施設を建設したとしても、それは、魂のない空虚な空間を建設したに過ぎません。つまり、追悼行為を行うならば、霊魂の存在する場所でなければ意味はなく、それ以外の施設を建設したとしても、まがい物のいかがわしさが付きまとうことになりましょう。

 民主党は、有識者会議を設けるとしていますが、有識者会議の人選によって結果は決まってしまいますし、何よりも、国民を無視しようとしている態度が傲慢でもあります。靖国に祀られている御霊は、国民の御霊であることを忘れてはならないと思うのです。
 
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コメント (14)
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