万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国連人権理事会「普遍的定期審査」―日本国も中国、韓国、北朝鮮の人権弾圧を批判すべき

2012年11月02日 11時26分08秒 | 国際政治
慰安婦問題「日本は補償を」=中国、異例の批判―国連人権理(時事通信) - goo ニュース
 先月31日、ジュネーブで開催されている国連人権委員会において、日本を対象とした「普遍的定期審査」が行わました。対日審査にあっては、欧米諸国からは死刑廃止やハーグ条約への加盟、中国、韓国、北朝鮮、そしてオランダからは”慰安婦”への補償、オーストリアからは福島第一原発の周辺住民の保護…が求められたそうです。

 国連人権理の「普遍的定期審査」の役割とは、おそらく、世界各国で起きている人権問題を、国際社会おいて白日の下に晒し、かつ、当事国に問題の存在を認識させることで、人権問題の解決を促そうということなのでしょう。もちろん、言いがかりもありますし、内政干渉となるリスクもあるのですが、当事国が問題を認識する切っ掛けとなることは、この制度の評価すべき点かもしれません。そこで、日本国も、中国を対象とした「普遍的定期審査」の場を利用して、チベット人やウイグル人に対するジェノサイドとも言うべき人権弾圧を批判すべきと思うのです。中国には、この他にも、臓器売買、人身売買、戸籍差別などの問題が山積みされています。韓国や北朝鮮に対しては、日本国は、戦後の引き上げ時において発生した日本人虐殺の謝罪を求めることができます。この点、ベトナムにも、ベトナム戦争時における韓国人部隊による住民虐殺に対して、被害国として謝罪を要求する正当な根拠があるはずです(当事国でなくても、批判ができるならば、日本国政府でも可能…)。北朝鮮に至っては、体制そのものが国民(人権)弾圧体制であり、対北朝鮮の「普遍的定期審査」では、世界各国から集中砲火を浴びてもおかしくはないのです。

 「普遍的定期審査」は、問題提起の場に過ぎませんので、批判された側の抗弁権を認めると共に、批判内容が事実であることを確認するためには、証拠等に基づく更なる審査を要しますが(司法的な手続きが必要…)、国連人権理事会が、人権侵害国が、自らの侵害行為を棚に上げにして、専ら批判者側にまわるという本末転倒の慣行には終止符を打つべきです。自覚は、状況改善へのステップとなるのですから、人権侵害国には、自らの行為を大いに反省していただきたいと思うのです。

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コメント (2)
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