万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国崩壊シナリオ―亡命中国人問題発生の予感

2012年11月15日 15時47分15秒 | 国際政治
中国共産党総書記に習近平氏 新指導部の7人発表(朝日新聞) - goo ニュース
 上海閥を率いる江沢民を後ろ盾として、反日暴動を引き起こした張本人とされる習近平氏。本日、習氏は、中国の共産党総書記に就任したと報じられています。

 国のトップの座が、党の”総書記”というところに、政党が国家に優位する一党独裁体制の特異性が伺えるのですが、習近平時代は、決して平穏ではないようです。国内では、広がる経済格差や政治腐敗から国民の不満が体制を揺るがしかねない事態に至っています。高まる国内の不満を、対外強硬策で逸らそうとしても、軍事的、あるいは、外交的に敗北でもしようものなら、一気に、体制批判に転じる可能性もあります。一方、対外強硬政策として軍事行動に打って出れば、たとえ勝利したとしても、国際社会から非難の集中砲火を浴びることは必至です。八方塞がりな状況からの出発なのですから、習氏の就任は、前途多難な船出と言えそうです。誰もが、中国の将来を危ぶむ中、温家宝首相の海外蓄財疑惑をはじめ、”裸官”の実態も報じられており、実際に、”その日”を迎えますと、政府高官は、こぞって中国から逃げ出すことが予測されてもいます。追われるように祖国を後にした亡命中国人には、果たして、どのような運命が待ち受けているのでしょうか。祖国の裏切り者となるのですから、簡単には、帰国はできないはずです。準備していたリッチな邸宅で、自由な海外生活を満喫できると期待しているのでしょうが、隠れて海外に移した資産も、新政権が成立すれば、資産凍結や、返還を求められるかもしれません。そして、アメリカをはじめ、移住先の諸国もまた、亡命中国人をめぐり、新たな火種を抱え込む可能性もあります(日本にも影響が?)。

 ロシアでは、ソ連邦が崩壊した際に、共産党の幹部達が”公有財産”を自らの懐に入れてしまったとして批判されています。それでも、新たに誕生した”資産家達”は、海外に亡命をすることなくロシア国内に留まりました。一方、中国の体制崩壊の場合には、共産党員とその一族の大量国外逃亡が発生し、国際的な”亡命中国人問題”を引き起こす予感がするのです。

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コメント (4)
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