万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国高官の桁外れの蓄財―中国進出企業は鵜飼の鵜?

2012年11月22日 15時53分46秒 | 国際経済
トヨタ、対中輸出再開 レクサス中心、従来計画より少数(朝日新聞) - goo ニュース
 2000億円ともされる温家方一族の蓄財報道からも分かるように、中国の高官とその一族による蓄財の額は桁外れです。一体、どのようにすれば、このような莫大な蓄財が可能となるのでしょうか。

 中国の体制を見ておりますと、中国の高官には、様々な集金ルートがあるようです(あくまでも、憶測ですが…)。その第1は、いわゆる賄賂というものであり、企業や事業者に許認可などを与える見返りに、多額の礼金を手にする古典的な手法です。中国に外国企業が進出するに際しても、賄賂が支払われるのですから、外資誘致は、指導者層にとっては蓄財の重要な財源です。第2のルートは、企業や事業者に対して、土地取引など、何らかの斡旋を行うに当たって、マージンを取ることです。契約が成立すれば、その代金の○○%かは、政府高官の懐に入るのかもしれません。第3のルートは、ため込んだ資金を元手にして投資会社を設立し、自ら金融業を営むことです。政府高官ともなれば、特権的な情報入手も、情報操作も容易にできますので、インサイダー取引さえも思いのままかもしれません。第4のルートは、公有財産を、密かに私物化してしまうことです。建前では、土地などの生産手段は公有なのですが…。これらの他にも、非合法的で阿漕な様々な集金手段があるのかもしれません。

 中国高官の蓄財が桁外れ額である理由は、拝金主義に徹してあらゆる権限を利権化し、鵜飼の如くに、複数の集金ルートを巧みに駆使しているからなのでないでしょうか。つまり、自国民を低賃金で働かせつつ、同時に、自国企業のみならず、進出した外国企業をも鵜にして、資金を吸い取っているのです。”中国の成長を取り込め”とばかりに進出したものの、進出企業の業績が、いまひとつ伸びない理由も、中国高官による集金マシーンが、強力に働いているからなのではないかと思うのです。

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コメント (4)
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