万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

東京裁判は”最後の審判”か?-中国の傲慢

2014年01月11日 15時53分16秒 | 国際政治
首相靖国参拝「世界への挑戦」…中国大使が寄稿(読売新聞) - goo ニュース
 中国は、安倍首相の靖国神社参拝に関連して、国際社会における日本批判の攻勢を強めているようです。果たして、中国の言い分は、国際社会を納得させることができるのでしょうか。

 中国が靖国神社参拝に対して反対する理由は、靖国神社には、第二次世界大戦後に極東で開廷された国際軍事法廷、即ち、東京裁判において平和に対する罪を問われ、A級戦犯の判決を受けた方々が合祀されているからです。言い換えますと、”侵略戦争”を起こした日本国の責任者を神社に祀ることは”侵略を受けた側”としては受け入れられず、首相の靖国神社参拝は、かつての侵略的な軍国主義復活の証である、と…。当時の状況をつぶさに観察してみますと、辛亥革命以降の中国は分裂状態にありましたし、満州が清国を建国した女真族の故地であり、かつ、盧溝橋事件が共産党員の仕業であることを考慮しますと、一概に、日本国による一方的な”侵略”と決めつけるには無理があります(日本軍の占領地では治安も回復している…)。今日でさえ、内乱に際しては外国による軍事介入が見られ、況してや国際法が今日よりも未整備な当時にあっては、相手国領域内での戦争=侵略とは決めつけられない部分があるのです(日本軍は協定により中国国内に合法的に駐留しており、また、民間日本人を虐殺した通州事件等もあり、日本国には自国民保護の目的もあった…)。もちろん、日本国にも反省点は多々あるのですが、一方の中国も、歴史を振り返りますと、幾度となく、周辺諸国を軍事力で踏みにじることで帝国の版図を拡大してきております。そして今なおも、チベットやウイグルを軍事力で侵略し、植民地化しているのです。ところが、中国は、東京裁判こそが、犯罪国家を決定する最終的な裁判の如くに捉えており、自己の侵略や領土拡張主義を棚に上げて、未来永劫にわたって、日本国を”戦犯国”として糾弾し続けようとしているのです。あたかも”最後の審判”の如くに…。もっとも、現在、スペインでは、中国の元国家主席である江沢民氏等が、チベット人に対する大量虐殺の廉で逮捕状が発給されております。仮に、裁判所で有罪判決が言い渡されたとしましたら、江沢民氏等は、人道に対する罪人となりますが、中国は、この判決をどのように受け止めるのでしょうか。

 『聖書』の最終章は、日本語では「黙示録」と訳されていますが、原義に立ち返ってみますと、むしろ「明示録」に近いニュアンスがあります。”最後の審判”とは、全ての事実が明るみにされた時にこそ、下されるのでしょう。中国は、現代に生きる人による審判を、人類による歴史の審判を、そして、信心が僅かでもあるならば、神による”最後の審判”こそ恐れるべきではないかと思うのです。 

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コメント (2)
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