万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

竹島問題-遅すぎた日韓関係の破局

2014年01月28日 16時07分43秒 | その他
「韓日関係は破局へ」=解説書竹島明記で―韓国メディア(時事通信) - goo ニュース
 文部科学省が、中学と高校の学習指導要領解説書において、竹島は”我が国固有の領土”と明記したことを受けて、韓国メディアは、日韓関係は破局に向かうと報じているそうです。しかしながら、この破局、むしろ遅すぎたのではないかと思うのです。

 考えても見ますと、韓国が国際法に反して李承晩ラインを敷き、竹島領有を宣言すると共に、同島を不法占拠した時期とは、第二次世界大戦後の混乱期にあたります。日本国は、サンフランシスコ講和条約の発効を間近に控えており、戦後の1946年11月に公布された日本国憲法第9条により自衛隊は発足していませんでした(保安隊の状態…)。つまり、韓国が義勇兵とはいえ武力行使によって竹島を占領したことに対して、なす術がなかったのです。一方、韓国は、朝鮮戦争の最中にあり、半島を舞台に国連軍が戦っておりました。このことは、国連軍の中心部隊であった米軍の立場上、アメリカ政府もまた韓国に配慮せざるを得ない状況にあったことを意味しています。アメリカ政府が、韓国の侵略行為を安保理に提起することなく、ICJでの解決を提案した背景には、朝鮮戦争での米韓協力があったことは想像に難くありません。こうして竹島問題は、国際社会において表沙汰になることなく、日本国もまた、この問題を脇に置く形で、1965年に韓国と国交を結んだのです。しかしながら、もし、韓国による竹島の不法占拠が、混乱期ではなく平時に行われたと想像するとどうでしょうか。当然に、日本国民は、韓国の行為に憤慨し、両国間の関係は完全に破局したことでしょう。そして、国際社会もまた、韓国の侵略行為を厳しく批判したことでしょう。

 韓国側は、教科書の解説書への記載に憤慨しておりますが、過去における自国の行為が不法であり、かつ、武力による現状変更であったことに気づかないふりをしています。今日の日本国政府の対応は、韓国による竹島占領時からすべきことの一つに過ぎず、日韓関係破局への道は、既に韓国が半世紀以上前に敷いていたのではないでしょうか。

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コメント (8)
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