北朝鮮、ミサイル工場を拡張か 米紙報道、衛星写真の分析で
先月12日に鳴り物入りで開催された米朝首脳会談。共同宣言にも両国首脳が署名し、漸く合意に漕ぎ着けたものの、その行方には暗雲が立ち込めています。
合意成立当初から北朝鮮の非核化の意思について懐疑的見方もあったのですが、この疑いの正しさを裏付けるかのように、ウォールストリート・ジャーナルは、北朝鮮が依然としてミサイル基地を拡張していると報じています。金正恩委員長が真剣に非核化に取り組んでいるとするトランプ大統領の楽観的な認識とは正反対であり、この情報が事実であれば、アメリカは、再度、政策転換を迫られることになりそうです。
仮に、北朝鮮がミサイル基地の拡張を秘かに行っていたとしますと、その思惑は、アメリカ本土に対して核攻撃可能なミサイル、即ち、ICBM等の保有を急いでいるとしか考えられません。米朝会談直後、トランプ大統領の口から金委員長によるミサイル施設の破壊が約されましたが、実際には、秘密基地を拡張していたのですから、同委員長は、最初からアメリカを騙すつもりで米朝首脳会談に臨んだこととなります。おそらく、6月12日の時点では、ICBM等の長距離弾道ミサイルが未完成、あるいは、配備段階に至るほどには十分な開発段階ではなかったのでしょう。このため、対米交渉の立場も弱く、結果として、アメリカの要求を呑まざるを得ない状況にあったのかもしれません。
そこで、北朝鮮は、米朝首脳会談にあって、一先ずは非核化への意思を明言することでアメリカに屈したポーズをとりつつ、対米核攻撃を可能とすべく、時間的な猶予を確保する戦略に出たのではないでしょうか。共同宣言では‘逃げ道’を残す文言となるよう巧みにアメリカを誘導し、その実、秘密裏にICBM等を完成させるという作戦です。アメリカが米朝合意の履行を信じている限り、この作戦が成功する可能性は高く、しかも、朝鮮戦争の終結という格好の対米交渉材料も手中にあります。こうした材料を駆使してアメリカを継続的に交渉の場に引き留めておけば、その間、北朝鮮は、狙い通り、ミサイル開発に勤しむことができるのです。
9月には二度目の米朝首脳会談が設けられるとの報道もありますが、あるいは、北朝鮮は、この頃までに長距離弾道ミサイルの保有による対米核攻撃の能力を備える計画なのかもしれません。第一回目の会談では劣勢でしたが、今度は、対米脅迫の手段を手にして交渉の席に就くことができるのですから。こうした場合、時間との闘いになりますので、トランプ政権は、金委員長をこのまま信じ続けるのか、それとも、見切りを付けて軍事制裁をも視野に入れた厳しい対応に転換するのか、重大な岐路に立たされることになりましょう。上述した情報が事実であれば、後者一択となるのですが、時間が経過すればするほど、騙す側の北朝鮮が有利な状況となりますので、トランプ大統領が、再度、決断を下さざるを得ない日はそれ程遠くないように思えるのです。
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先月12日に鳴り物入りで開催された米朝首脳会談。共同宣言にも両国首脳が署名し、漸く合意に漕ぎ着けたものの、その行方には暗雲が立ち込めています。
合意成立当初から北朝鮮の非核化の意思について懐疑的見方もあったのですが、この疑いの正しさを裏付けるかのように、ウォールストリート・ジャーナルは、北朝鮮が依然としてミサイル基地を拡張していると報じています。金正恩委員長が真剣に非核化に取り組んでいるとするトランプ大統領の楽観的な認識とは正反対であり、この情報が事実であれば、アメリカは、再度、政策転換を迫られることになりそうです。
仮に、北朝鮮がミサイル基地の拡張を秘かに行っていたとしますと、その思惑は、アメリカ本土に対して核攻撃可能なミサイル、即ち、ICBM等の保有を急いでいるとしか考えられません。米朝会談直後、トランプ大統領の口から金委員長によるミサイル施設の破壊が約されましたが、実際には、秘密基地を拡張していたのですから、同委員長は、最初からアメリカを騙すつもりで米朝首脳会談に臨んだこととなります。おそらく、6月12日の時点では、ICBM等の長距離弾道ミサイルが未完成、あるいは、配備段階に至るほどには十分な開発段階ではなかったのでしょう。このため、対米交渉の立場も弱く、結果として、アメリカの要求を呑まざるを得ない状況にあったのかもしれません。
そこで、北朝鮮は、米朝首脳会談にあって、一先ずは非核化への意思を明言することでアメリカに屈したポーズをとりつつ、対米核攻撃を可能とすべく、時間的な猶予を確保する戦略に出たのではないでしょうか。共同宣言では‘逃げ道’を残す文言となるよう巧みにアメリカを誘導し、その実、秘密裏にICBM等を完成させるという作戦です。アメリカが米朝合意の履行を信じている限り、この作戦が成功する可能性は高く、しかも、朝鮮戦争の終結という格好の対米交渉材料も手中にあります。こうした材料を駆使してアメリカを継続的に交渉の場に引き留めておけば、その間、北朝鮮は、狙い通り、ミサイル開発に勤しむことができるのです。
9月には二度目の米朝首脳会談が設けられるとの報道もありますが、あるいは、北朝鮮は、この頃までに長距離弾道ミサイルの保有による対米核攻撃の能力を備える計画なのかもしれません。第一回目の会談では劣勢でしたが、今度は、対米脅迫の手段を手にして交渉の席に就くことができるのですから。こうした場合、時間との闘いになりますので、トランプ政権は、金委員長をこのまま信じ続けるのか、それとも、見切りを付けて軍事制裁をも視野に入れた厳しい対応に転換するのか、重大な岐路に立たされることになりましょう。上述した情報が事実であれば、後者一択となるのですが、時間が経過すればするほど、騙す側の北朝鮮が有利な状況となりますので、トランプ大統領が、再度、決断を下さざるを得ない日はそれ程遠くないように思えるのです。
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