歴代の首相の中で、安倍首相は、特に外遊が多いのではないかと思います。連休を前にしてフランス、イタリア、そしてカナダの三国を訪問すると報じられておりますが、首相自らが海外諸国を訪問する形態は、従来の日本国の外交スタイルとは随分と違っております。
今般の三カ国訪問の理由については、6月に大阪で開催が予定されているG20に向けた‘地ならし’と説明されています。しかしながら、途中、G20のメンバー国ではなくベルギーやスロバキアにも立ち寄るそうですので、G20の下準備が唯一の目的ではないようです。仮に、G20において予定されている諸議題について参加国間で合意を形成するための事前の打ち合わせが必要であるとすれば、それは外務省の仕事であり、トップではなく実務者レベルでの協議となりましょう。また、こうした合意に向けた事前協議の場には、G20の全参加国の担当者を集める方が合理的ですし、あるいは、日本国が独自に‘根回し’を試みるならば、首相は、三カ国以外の諸国をも訪問する必要があります。とりわけ、G20内の最大の抵抗勢力であるロシアや中国の説得こそ同会合を成功裏に導く鍵となりますので、両国の訪問は外せないはずなのです。
また、コミュニケーション手段が発達した今日では、首相が自ら直接に相手国を訪問しなくとも、電話会談やメール等を利用すれば、相手国の首脳と意思疎通を図ることができます。メディアが報じる処に依れば、実際に、日米間では、頻繁に電話会談が行われているようです。首相が海外諸国を訪問するとなれば、身辺の警護や安全対策に加え、様々な関連の経費が双方の国にもかかります。
日本国は自然災害の多い国ですので、首相が頻繁に自国を留守にすることは、国民にとりましては必ずしも望ましいことではないはずです。また、安倍首相には健康不安もあり、外遊は身体的には負担ともなりましょう。それにも拘らず、かくも安倍首相が海外訪問を政治日程に組み入れるのは、一体、どうしてなのでしょうか。推測される理由は、(1)官僚組織を介さずに、相手国のトップとどうしても対面で直接に話さなければならない何らかの問題がある、(2)電話会談等は傍受や盗聴されるリスクがあるので、相手国首脳と直接にコミュニケーションを取りたい、(3)相手国の首脳とのトップ会談をセッティングしながらも、表にできない別の人物との接触が訪問の真の目的である、(4)‘外遊’という言葉の通り、仕事と言うよりも観光が目的である、(5)政府専用機を利用して何かを訪問国に運んでいる…などが挙げられます。
何れであるのかは分からないのですが、首相の外遊の頻度の高さは、どこか、国民を不安にします。国民のあずかり知らぬところで、諸外国と密約がなされる、あるいは、日本国が海外勢力から政治的介入を受ける可能性も否定はできないからです。首相の外遊に関しては、政府は国民により詳細な情報を伝えるべきですし、その必要性についても議論されて然るべきようにも思えるのです。
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今般の三カ国訪問の理由については、6月に大阪で開催が予定されているG20に向けた‘地ならし’と説明されています。しかしながら、途中、G20のメンバー国ではなくベルギーやスロバキアにも立ち寄るそうですので、G20の下準備が唯一の目的ではないようです。仮に、G20において予定されている諸議題について参加国間で合意を形成するための事前の打ち合わせが必要であるとすれば、それは外務省の仕事であり、トップではなく実務者レベルでの協議となりましょう。また、こうした合意に向けた事前協議の場には、G20の全参加国の担当者を集める方が合理的ですし、あるいは、日本国が独自に‘根回し’を試みるならば、首相は、三カ国以外の諸国をも訪問する必要があります。とりわけ、G20内の最大の抵抗勢力であるロシアや中国の説得こそ同会合を成功裏に導く鍵となりますので、両国の訪問は外せないはずなのです。
また、コミュニケーション手段が発達した今日では、首相が自ら直接に相手国を訪問しなくとも、電話会談やメール等を利用すれば、相手国の首脳と意思疎通を図ることができます。メディアが報じる処に依れば、実際に、日米間では、頻繁に電話会談が行われているようです。首相が海外諸国を訪問するとなれば、身辺の警護や安全対策に加え、様々な関連の経費が双方の国にもかかります。
日本国は自然災害の多い国ですので、首相が頻繁に自国を留守にすることは、国民にとりましては必ずしも望ましいことではないはずです。また、安倍首相には健康不安もあり、外遊は身体的には負担ともなりましょう。それにも拘らず、かくも安倍首相が海外訪問を政治日程に組み入れるのは、一体、どうしてなのでしょうか。推測される理由は、(1)官僚組織を介さずに、相手国のトップとどうしても対面で直接に話さなければならない何らかの問題がある、(2)電話会談等は傍受や盗聴されるリスクがあるので、相手国首脳と直接にコミュニケーションを取りたい、(3)相手国の首脳とのトップ会談をセッティングしながらも、表にできない別の人物との接触が訪問の真の目的である、(4)‘外遊’という言葉の通り、仕事と言うよりも観光が目的である、(5)政府専用機を利用して何かを訪問国に運んでいる…などが挙げられます。
何れであるのかは分からないのですが、首相の外遊の頻度の高さは、どこか、国民を不安にします。国民のあずかり知らぬところで、諸外国と密約がなされる、あるいは、日本国が海外勢力から政治的介入を受ける可能性も否定はできないからです。首相の外遊に関しては、政府は国民により詳細な情報を伝えるべきですし、その必要性についても議論されて然るべきようにも思えるのです。
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