万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

各国首脳の祝意―バイデン氏の当選は確定していないのでは?

2020年11月08日 10時50分27秒 | 国際政治

 メディアの報じるところによりますと、膠着状態が続いていたアメリカの大統領選挙は、激戦州であったペンシルバニア州においてトランプ大統領を上回る票数を得たことから、バイデン氏は、本日、11月8日には、勝利宣言に臨むそうです。しかしながら、今般の選挙では不正選挙疑惑が持ち上がり、敗北宣言を拒否しているトランプ大統領も法廷闘争の意向を示していますので、選挙人の獲得数のみでは勝敗が決せられたとは言い切れない状況にあります。ところが、早々に、日本国の菅首相をはじめ、ドイツのメルケル首相やカナダのトルドー首相、さらには、イギリスのジョンソン首相など、各国首脳がバイデン氏宛てに祝電を送っているというのです。

 

 既成事実化は社会・共産主義者やリベラルの常套手段ですので、バイデン陣営が、自らの陣営が獲得した‘数字’を以って、即、勝利を宣言することは、既に予測されていたことでした。ですから、バイデン氏による勝利宣言自体は驚くことではないのですが、首を傾げてしまうのは、各国首脳の反応です。不正選挙疑惑、並びに、トランプ大統領の訴訟意向については既に情報を得ていることでしょうから、司法における判断を待ってからでも遅くはなかったはずです。否、法廷闘争において不正行為が立証され、バイデン陣営が敗訴すれば、早々と祝意を表明したことを悔いることにもなりかねないのですから。

 

 また、アメリカ国民の凡そ半数がトランプ大統領に投票し、かつ、民主党支持者を含めて国民の多くが不正選挙を疑う最中にあって、海外の首相がバイデン氏の当選を認めたとなりますと、内政干渉と受け取られかねない恐れもあります。まるで、外堀を埋められているような印象を受けるからです。そして、あたかも申し合わせたかのように相次いで各国の首相が祝意を表明したとなりますと、真にアメリカにおけるバイデン政権誕生を望んでいるのは、アメリカ国民ではなく、海外勢力ではなかったのか、という疑いさえ生じることとなりましょう。開票の終盤に至り、バイデン氏優勢の報道を受けて真っ先に米中友好に向けた好意的な論評を公表したのは中国でしたが、バイデン氏の背後には、グローバル金融や大手IT企業、並びに、全世界のメディアのみならず、各国政府をもコントロールする国際勢力の影も見え隠れするのです。これまでの米大統領選挙になく、各国首相の祝意報道が大きく報じられているところにも不自然さが漂います。

 

 とりわけバイデン氏につきましては、認知症を患っているとする指摘に加え、選挙戦後半には副大統領時代における中国利権スキャンダルなども発覚しております。不正疑惑もありますので、今後ともダーティーなイメージが付き纏うこととなり、アメリカ国民から全幅の信頼を得ることは困難となりましょう。メディアは、バイデン氏勝利に歓喜する支持者の映像ばかりを積極的に報じていますが、その裏には、同報道に落胆し、あるいは、苦々しい思いをしている半数の国民がいますので、首相等による拙速な祝意表明は、必ずしも相手国国民に好印象を与えるとは限らないのです。

 

そして、自身の利益のためには独裁国家、かつ、人権弾圧国家である中国とも裏で手を結ぶ大統領が誕生するとなりますと、警戒すべきは、日本国民を含め、首脳がバイデン氏に祝意を送った諸国の国民です。バイデン氏支持を表明したことは、大手を振って中国との関係強化、あるいは、対中融和政策へと転じる可能性が高くなるからです。菅首相は、日米同盟の強化に言及していますが、その真意は、両国が結託して中国包囲網を解いてしまうことを意味するかもしれません。

 

 法廷闘争の道も閉ざされる、あるいは、不正選挙疑惑が有耶無耶にされるとしますと、今般の大統領選挙における‘勝者’とは、中国、否、同国をも裏から操る巨大な国際組織であったという、民主主義にとりましては悲劇的な顛末となりましょう。この‘勝者’は、バイデン氏のみならず、脅迫のために各国首脳や重要人物たちのスキャンダル情報をも掴んでいるかもしれません。こうした払拭し難い疑念や疑惑を持たれないためにも、各国首脳は、慎重に司法判断を待つ姿勢を貫くべきではなかったかと思うのです。


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