万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

NPT体制には全世界の国々の参加が不可欠

2009年05月16日 12時36分06秒 | 国際政治
勧告案で合意できず閉幕=議題は採択-NPT準備委(時事通信) - goo ニュース
 昨日閉会となったNPT準備委員会では、来年度の再検討委員会で話し合われるべき議題が採択され、核軍縮に向けての大凡の方針が決定されたようです。ところで、NPT体制が効果を持つためには、全世界の国々の同条約に加盟する必要があると思うのです。

 2003年に、北朝鮮は、NPTからの脱退を一方的に宣言しましたが、国際社会はこれを認めず、現在でも、曖昧なペンディングの状態にあるようです。北朝鮮は自らをNPTの非加盟国と見なす一方で、国際社会は、かの国を加盟国として扱おうとしているのです。こうした主観と客観で不一致が生じている国がある場合、再検討会議において拘束力のある行動規範が決定されたとしても、加盟国の安全は保障されません。たとえ、条約によって非核保有国に対する核使用を禁じられたとしても、非加盟国、あるいは、北朝鮮のような自国が加盟国であるとは意識していない国が、非核保有国に対して核攻撃を加える可能性が残されているからです。

 準備委員会では、来年の再検討委員会の議題には含まれていないようですが、核兵器を保有していながら、NPTに加盟していない国をどう扱うのか、と言う問題も、議題とすべきではなかったのかと思うのです。

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エコポイント―負担転嫁型の政策は考えもの

2009年05月15日 12時48分10秒 | 日本政治
エコポイント制度がスタート 量販店、初日から火花(共同通信) - goo ニュース
 環境にやさしくエネルギー効率も高い製品が消費の牽引役となって景気回復に導く、というシナリオは、必ずしも間違っているわけではありません。しかしながら、政府が介入することで、他の納税者の負担を増やす結果を招くならば、それは考えものではないかと思うのです。

 「高速道路一律1000円」政策にも同様の問題点を指摘できるのですが、一旦、政府が補助金の支給を伴うサービス事業を実施しますと、その真の負担者が見えなくなるという問題があります。エコポイント制度を見ましても、対象製品の購入者、量販店、メーカーにとっては喜ばしいお話ではありながら、購入者が増えれば増えるほど国庫負担が増加し、それは、国民負担として跳ね返ってきます。しかも、エコポイントで交換できる商品も限定されている上に、行政サイドの権限も拡大しますので、環境省の省益拡大と疑われても仕方がない一面もあります。

 ”エコ”と言えば、何でも正当化される傾向にありますが、公共事業型とは異なる新たな利益誘導型のスタイルを生み出すとしますと、これもまた、問題のように思うのです。政府が旗振り役とならなくとも、消費者は、画期的なエコ製品が販売されれば、自然により望ましい製品に買い替えるのではないでしょうか。

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天安門事件の影に怯える中国

2009年05月14日 17時48分12秒 | 国際政治
周氏拘束に米政府が懸念表明(産経新聞) - goo ニュース
 天安門事件から20年も経た今なおも、中国政府は、この事件の影に怯えているようです。否、改革開放路線の行き着いた果ての今日であるからこそ、怯えざるを得ないのかもしれません。

 中国の急激な経済成長による所得格差の拡大や、政府官僚による利権漁りの凄まじさは、しばしば日本国でも報じられています。経済問題のみならず、四川大地震の現地では、学校倒壊により子供達を失った親達の抗議の声に政府は真摯に応えておらず、酷いケースですと、抗議を行った親達の方が当局に拘留されているとも伝えられています。こうした状況が、国民の政府に対する不満を否応なく高めながら、国民の声を政府に届ける制度は一党独裁の中国にはないのです。

 天安門事件に敏感に反応する中国政府の態度には、現在の国内状況は、民主化運動が再発する条件が揃いつつあるとする自覚が伺えます。金融危機からの脱出は中国が最も早いと予測されていますが、中国には、もう一波乱も二波乱もありそうなのです。

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NHKは国会で説明を

2009年05月13日 14時49分05秒 | 日本政治
政治家への番組事前説明 NHK会長「一切しない」(朝日新聞) - goo ニュース
 「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の放送倫理検証委員会は、”公共放送として最も重要なのは自主・自律である”と考えているようです。しかしながら、この”自主・自律”が、史実を歪曲したり、特定の思想に基づいた番組を放送する自由を意味しているとしますと、これもまた、民主主義を危うくする行為ではないかと思うのです。

 NHKの独立性とは、本来、特定の政治思想やイデオロギーに偏った放送を回避するための制度上の措置であり、自らが偏向した報道を行うための特権ではないはずです。むしろ、NHKには、公共放送としての公平性や不偏不党性が求められており、国民に特定の思想を刷り込んではならないのです。現在問題となっている「JAPANデビュー」も「問われる戦時性暴力」も、問題となった点は、まさに、NHKの”偏向”であり、独立性を盾に取った公共放送の政治利用でした。

 もし、NHKが、番組内容について事前に政治家に説明するのを止めるならば、国民に対して自らの公平性と不偏不党性を証明するために、国会において説明責任を果たすべきと思うのです。

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中国の大陸棚拡張―日本政府は法的解決の準備を

2009年05月12日 15時49分35秒 | アジア
中国、大陸棚拡張を国連に申請=東シナ海の文書を先に提出(時事通信) - goo ニュース
 東シナ海における中国の大陸棚の主張とは、沖縄トラフまでを中国の大陸棚と見なすというもので、もし、この主張が認められるとしますと、日本国のEEZは著しく狭められてしまうことになります。

 それでは、中国の言い分は正しいのか、と言いますと、地質調査の結果によりますと、沖縄トラフの水深は浅く、東シナ海の大陸棚は、日本国政府が主張するように、南西諸島海溝までと考える方が妥当なようです。つまり、日本国領土である八重山列島を含む沖縄もまた、大陸棚の上にあることになりますので、日中両国の間で等距離で折半するか、あるいは、EEZの中間線を引くのが公平な解決方法と言えそうなのです。

 しかしながらここに来て、中国が一方的に大陸棚の拡張を求めているとなりますと、日本国政府もまた、中国への対抗上、自国の権利を主張しなければ、主権的な権利が認められている広大な海域を失うことになりかねません(ガス田も喪失・・・)。国連海洋法は、大陸棚の境界画定については両国に合意を優先しており、また、衡平の原則による裁判も信頼性が低いという欠陥があるのですが、日本国政府は、急ぎ、法的な解決に備えて準備を進めるべきと思うのです。

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イランはイスラエルを承認するのか?

2009年05月11日 17時43分04秒 | 国際政治
米国、中東和平実現に新たな案を模索─ヨルダン国王=英紙(トムソンロイター) - goo ニュース
 新たな中東和平案としてヨルダンのアブドラ国王は、イスラム全世界によるイスラエル承認を提案したと伝えられています。もし、このイスラム全世界に、イラン、さらには、ハマスといったイスラム原理主義組織が含まれているとするならば、あるいは、この案は、中東和平への大きな前進となるかも知れません。

 オバマ政権の成立以来、アメリカ政府は、若干、イスラエルとの間に距離を置くようになったとの指摘もあり、政権交代は、イスラエルを和平推進に向かわせる圧力となる可能性があります。イスラエルにおいても、新たに誕生したネタニヤフ政権は、前政権の時代に既に強硬路線から柔軟路線への転換が観察されており、イスラエル側には、和平推進の条件が揃っていると言えましょう。その一方で、イスラム側の足並みには乱れが見られ、特に、イランのイスラエルに対する態度は未知数でもあります。

 アブドラ国王の提案が実現するか否かは、イスラム側によるイランやイスラム原理主義組織に対する説得の成否にかかっていると言えましょう。イスラエル承認が、和平という新たな一ページを開くことになるのか、現在、中東は、極めて重要な時期を迎えているように見受けられるのです。 

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新型インフルエンザ―100%の水際阻止は無理

2009年05月10日 19時15分10秒 | 社会
機内検疫に時間的制約、生徒留め置きできず(読売新聞) - goo ニュース
 新型インフルエンザのウィルスが国内に侵入ことを阻止するために、政府は、水際での対策に力を入れているようです。しかしながら、そもそも100%の侵入阻止は不可能ではないかと思うのです。

 既に、海外旅行からの帰国者に新型インフルエンザの感染が報告されていますが、発熱やせきなどの症状が出ている患者は、飛行機の機内や空港の検疫の際に感染を確認したり、留め置き措置をとることができます。しかしながら、インフルエンザには症状が表に出るまでの潜伏期間があるため、無症状の保菌者が、難なく検疫をすり抜けることは充分あり得ることなのです。平熱であって、しかも、何の症状も出ていない乗客がウィルスに感染していることを調べる方法は、今のところないのです。

 インフルエンザのウィルスは、既に日本国に上陸している可能性が高いことを考えますと、国内で感染の拡大が起きた場合の対策を準備した方がよいのではないかと思うのです。もっとも、毒性が弱いならば、通常の冬場のインフルエンザの流行時と同様に、注意の呼びかけで済むのかもしれませんが・・・。

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DNA鑑定の誤りを防止するためには

2009年05月09日 13時45分47秒 | 社会
足利事件 DNA型不一致 「未熟な鑑定、評価誤る」 菅家受刑者「じんときた」(産経新聞) - goo ニュース
 科学技術の発展した現代にあっては、DNA鑑定という文明の利器を使うことで、犯人は、比較的容易に特定できるようになりました。しかしながら、その一方で、その確実と見なされてきた鑑定結果に誤りがあれば、無実の人が犯人にされてしまうという冤罪事件が発生してしまいます。DNA鑑定の誤りを防止するためには、幾つかの段階での多重チェックが必要なのではないか、と思うのです。

 第一の段階は、犯人のDNAの検体です。採取された検体が一つである場合には、それが、捜査官などのDNAによって汚染されている可能性があるからです。できる限り複数の検体を準備し、検体が間違いなく犯人のDNAであることを確認する必要があります。

 第二は、検査機関におけるDNAの鑑定段階です。最近では鑑定技術が向上したとはいえ、組織犯罪の場合には、一つの検査機関のみの鑑定結果には疑問を持たれることがあるかもしれません。そこで、複数の機関に鑑定を依頼することにより、完全とは言わないまでも、犯人特定の証拠力は高まることになります。

 こうした多重チェックの他に、最近、ドイツでは、検査に用いられた綿棒が製造に関わった人のDNAで汚染されていたという事件も起きており、器具の汚染も事前にチェックする必要がありましょう。より正確な鑑定結果を得るためには、科学技術を過信せずに、人為的な誤りが発生しないよう、細心の注意を払うとともに、信頼できるシステムを整えるべきと思うのです。

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クラスター爆弾禁止条約―保有国が有利になる条約

2009年05月08日 12時52分40秒 | 日本政治
クラスター爆弾禁止条約、衆院が批准承認へ(朝日新聞) - goo ニュース
 世の中には、全員が参加しないと、むしろ危険が高まってしまう取り決めがあります。例えば、銃を禁止する法律が制定されたとしても、一部の人々に所持を許している状態では、無防備となった人々の安全は、この法律が存在していなかった時代よりも高まってしまいます。

 国際社会にも同様の現象が見られ、日本国の憲法第9条で議論されてきた一国だけの”武力の放棄”もそうですし、本日、衆議院が批准を承認したクラスター爆弾禁止条約もこの事例に含めることができそうです。何故ならば、一方的な軍事力の放棄は、放棄した側の防御力に著しい低下をもたらすからです。しかも、国内法である銃禁止法では、拳銃の携帯を許された警察が無防備の人々を守りますが、国際社会には信頼しうる警察機構はありません。冷静にこの状況を分析しますと、クラスター爆弾を放棄した国と保有している国との間には、軍事力の差がさらに拡大してしまう結果を招くのです。

 もし、人道上の見地からクラスター爆弾を禁止するならば、せめて攻撃目的に限定し、防衛目的の保有は認めるべきであったかもしれません。実際にはその正反対であり、攻撃目的の使用が懸念される諸国に限って、当条約には加盟していないのです。この現実を目の前にしますと、何のためめの条約であったのか、理解に苦しむのです。

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NPTに制裁条項を加えては?

2009年05月07日 17時12分53秒 | 国際政治
北朝鮮、新たな核実験を準備=朝鮮日報(トムソンロイター) - goo ニュース
 今月の4日からNPTを再検討するための国際会議が開催されており、核兵器廃絶に向けて、加盟各国は、積極的なアピールを行ったようです。その一方で、国際社会を挑発するかのように、北朝鮮は、核実験の準備を加速させているとの情報が流れています。

 もし、本気で核兵器の廃絶を目指すならば、NPTには、条約違反国に対する制裁条項が必要なのではないか、と思うのです。現行の条約は、加盟国に対して核拡散防止を義務付けたものであり、NPT体制の維持は、義務を順守しようとする加盟各国の誠実な態度にかかっています。いわば、加盟国の自発的な協力がNPT体制を支えているのであり、もし、一国でもこの義務を放棄する国が現れますと、体制そのものの存続が困難になるのです。実際に、北朝鮮やイランの核開発は、NPT体制への重大な挑戦を意味しています。

 大量破壊兵器の開発は、武力制裁の正当な事由とはなり得ますが、再検討会議において、制裁条項が具体案として審議されるとなりますと、それは、心理的にも北朝鮮に対する強力な抑止力となるかもしれません。核の廃絶を訴える舞台に留まることなく、再検討会議では、核を持たせない方法に知恵を絞るべきと思うのです。

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地球温暖化vs.地球寒冷化論争―地球が証明する

2009年05月06日 13時17分09秒 | 国際政治
長引く太陽活動の停滞、小氷期の到来か(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
 政治サイドでは地球温暖化対策の取り組みが進む中で、科学の世界では、地球寒冷化説がにわかに注目を集めてきているようです。その理由は、天体観察の結果から、太陽活動の衰退の兆候が見られ、現在の地球には小氷期に入る可能性が指摘されているからです。

 国連がお墨付きを与えた温暖化説ですから、温暖化を支持する科学者の側でも、いち早く寒冷化説を否定する見解が示され、火消しに躍起なようです。地球に与える太陽光の影響は微少であり、二酸化炭素の温暖化効果とは比較にならず、地球規模の影響はないはずであると・・・。しかしながら、過去のデータによりますと、マウンダー極小期には、グリーンランドへの海路は氷で閉ざされ、オランダの運河は凍結し、アルプスでも、周辺の村々が氷河に飲み込まれたと言います。こうした寒冷化現象の前例がありますので、寒冷化否定論は、いまいち、説得力に欠けているのです。

 どちらの説が正しいのかということは、やがて、地球自身が明らかにすることにありましょう。その一方で、政治サイドが莫大なコストを払って温暖化対策に躍起になりながら、寒冷化説が正しいとなりますと、これまでの政策は無駄になってしまいますし、逆に、政治サイドが寒冷化説に鞍替えしながら、やはり温暖化説がただしかったとなりますと、地球は危機的な状況に至ります。まずは冷静になって、政治サイドは、細心の注意を払いながら、客観的な観測結果を見守るべきと思うのです。

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無防備都市を宣言すればPAC3は配備できない?

2009年05月05日 15時17分33秒 | 日本政治
滋賀にPAC3配備 (産経新聞) - goo ニュース
 近年、地方自治体による無防備都市宣言の如何が、しばしば政治的な議論を呼んできました。その理由は、ハーグ陸戦条約の第25条には、無防備の都市や村落には砲撃をしてはならないと定めているからです(ジュネーブ条約追加第一議定書第59条に基づき宣言・・・)。

 これらの規定によりますと、無防備地域を宣言すれば、戦争状態にあっても敵国から攻撃を受けなくて済むために、無防備地域宣言運動ネットーワークという組織が中心となって、北は北海道から南は沖縄に至るまで、各地でこの宣言を目指した条例化運動が展開されてきました。しかしながら、ミサイルが主要な攻撃手段となることが予測される将来の戦争にあって、この宣言は、ミサイル防衛システムによる防備を自ら拒否する行為に等しくなります。もし、PAC3を配備しようものなら、それは、もはや無防備ではなくなるからです。

 無防備都市宣言の効力については既に幾つかの問題点が指摘されていますが、住民の安全を考えれば、こうした宣言は、あまりに無責任ですし危険に満ちていると思われるのです。それでもなお、無防備を宣言を望むとするならば、その地域だけがミサイル攻撃の危険に晒されることを覚悟しなければならないのではないでしょうか。

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台湾の主権未定論は”不適切発言”?

2009年05月04日 14時58分23秒 | 日本政治
「台湾の主権未定」 日本代表が不適切発言 当局の抗議受け撤回(産経新聞) - goo ニュース

日本交流協会台北事務所の斎藤代表が、台湾の主権は未定であるとした発言に対して、台湾外交部は、”不適切発言”として厳重に抗議したと報じられています。しかしながら、この厳重抗議もまた、見方を変えますと、”不適切発言”なのかもしれないと思うのです。

 何故ならば、国家承認や政府承認に関する政策は、それぞれの国の外交権に属するものであって、他国がそれに介入したり、自国の方針を他国に押し付けることはできないからです。斎藤代表は、政府の見解ではなく、個人の見解とする弁明を行ったようですが、たとえ、これが政府代表としての公式の発言であったとしても、台湾外交部がクレームを付けることもまた、おかしなことなのです。しかも、独立を主張していた民進党前政権にあっては、主権未定論こそ政府の公式見解でもあったのですから。

 台湾の主権の帰属の問題は、センシティヴな問題ではあるからこそ、台湾政府の強硬な姿勢は、台湾の将来の選択肢を自ら狭めることになるのではないか、と心配のです。

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中国の護衛海域分担案の疑心暗鬼

2009年05月03日 14時39分40秒 | アジア
 新聞報道によりますと、中国政府は、ソマリア沖の海賊対策に軍艦を派遣している国に対して、護衛海域の分担を提案しているそうです(日経新聞本日付朝刊)。果たしてこの提案、大丈夫なのでしょうか。

(1)公海の分割?
 国際法は、海賊を人類共通の敵とみなして、すべての国に対して、公海における海上警察権の行使を認めています。もし、中国案に従って護衛海域を分担するとなりますと、公海を分割する行為となりかねません。それが既得権益化する可能性もありますし、提案国の中国軍艦が、自国の分担する海域において排他的な行動をとることも考えられます。

(2)ゾーン・ディフェンスは高コスト?
 護衛海域を分担するとなりますと、従来の「護送船団方式」は採用できなくなり、分担海域の境界を越えるごとに、外国軍艦同士が護衛を引き継ぐことになります。また、複数の民間船舶が通過する場合には、担当国の軍艦が同時に護衛せねばならず、いわば、海域全域を対象としたゾーン・ディフェンスを行う必要があります。この方法は、「護送船団方式」と比較しますと、高コストになりそうです。

 以上の点の他にも、海洋覇権の確立を公言してい憚らない中国のことですから、この提案には、さらなる野望が隠されているのかもしれません。中国との間に信頼関係が築かれていな現状にあっては、受け入れるにはリスクの高い提案なのではないかと思うのです。

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北朝鮮―核の魔力が独裁を滅ぼす?

2009年05月02日 16時00分29秒 | アジア
「北朝鮮は核実験行う」 米高官予見、静観の構え示す(朝日新聞) - goo ニュース
 伝説や寓話の世界では、欲張りで邪な心を持つ者が、何か魔力に満ちたものを手に入れようとして、自らを滅ぼしてしまうというストーリー展開がよくあります。こうした物語は、人間社会の一面を分かりやすいストーリーに仕立てることで、人間達に警告を与えることが多いのですが、現代社会にあっても、北朝鮮は、物語さながらの運命を辿りそうなのです。

 安保理での北朝鮮を非難する議長声明に反発して、北朝鮮は謝罪を求め、もし、謝罪がなければ核実験を行うと脅しているようです。この脅かしに、早くも核の魔力を使おうとする北朝鮮の姿勢が窺われるのですが、安保理が北朝鮮に対しする謝罪に応じるわけもなく、もし、北朝鮮が核実験に踏み切れば、さらなる制裁強化が実施されることは目に見えています。核実験は、北朝鮮の楽観的な予測に反して、自らの首を自らが絞める結果を招くのです。

 考えようによりましては、北朝鮮が核実験を行った方が、かの国の体制崩壊を促すには望ましいことなのかもしれません。核の魔力が独裁を滅ぼすとしますと、これは、現代の寓話となるのでしょうか。 

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