リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

とうとう買いだめ族が侵略して来た

2020年03月16日 | 日々の風の吹くまま
3月15日(日曜日)。☀☀☀。今日はIdes of March。古代ローマ暦ではidesは月の中日で、3月は15日だった。シェイクスピアの『ジュリアスシーザー』では、シーザーが「Beware of Ides of March(3月15日に気をつけよ)」と言う予言者の警告を聞き入れなかったために、ブルータスの裏切りに遭って殺されてしまったので、何か悪いことが起こるかもしれないから気をつけた方がいいよと言う日になったらしい。シーザー暗殺の日が3月15日だったのは史実だそうな。

コロナ騒動、EUではデンマークに次いでドイツも国境閉鎖を決めたらしい。ほんとに鎖国じゃないの。国境なき共同体のEUもそこまで来ちゃったか。もしかしたら、グローバル化のかけ声に乗って猫も杓子も地球上を自在に縦横に駆け回るという時代は終わりに近づきつつあるのかもしれないな。そうなったら、思いがけずも環境汚染や気候変動の防止に貢献できるかもしれないし、世界各地で問題になっている「オーバーツーリズム」の緩和にもつながるかもしれない。でも、それでは「できる人」と「できない人」が出て来るわけで、今どきは自分が欲しいもの、他人が持っているもの、「マストハブアイテム」と宣伝されるものが「格安」で手に入るのが当たり前という風潮があるから、それを生得権と思っているらしいミレニアル世代には受け入れ難いことかもしれない。

この「安く、安く、もっと安く」という消費者のデフレマインドをワタシは勝手に「ウォルマート化」と呼んでいるけど、物質的なデフレは精神的なデフレを招いているんじゃないかという感じがする。人間の世界では何であれ「コスト」というものがあって、材料などの目に見える要素と作る人のような見えない要素が組み合わさって「適正価格」(あるいは適正価値)と言えるものが決まると思うんだけど、どれだけ安く手に入れたかをbadge of honor(勲章)みたいに振り回す人もいるから、心までデフレに陥ってしまうとそれが見えなくなるのかもしれない。今日スーパーでこんなものまで買い溜めするのと言うようなものをどっさりカートに積んでいたのはふだん見かけないタイプの人たちで、何かにつけてシェア、シェアと念仏のように唱えているけど共有共生は建前で本音は自己中の似非社会派世代。まあ、転売サイトで「シェア」するつもりなのかもしれないけど。

同年代ぽいおばちゃんが空のトイレットペーパーの棚の方を指して「狂気の沙汰よねえ」と話しかけて来たので、うん、買いだめして足の踏み場もないんじゃないかなあと言ったら、「トイレットペーパーに囲まれてご飯を食べるなんて嫌よぉ」。ベッドに積んでその上で寝るのかもよ、ソフトだから。「人間はどうかしちゃってるわ。飲みたくなったわよ」とおばちゃん。あ、酒屋の棚はまだいっぱいだったけど、お酒の買い溜めが始まったら世界の終わりを心配した方がいいかも。「そうねえ、とりあえず今夜はワインを飲むわ」とおばちゃん。明らかな常連さんとしばしの会話で気分が軽くなったところで、互いに楽しかったわと言ってお別れ。やぁなご時勢だけど、ニューウェストの「6丁目商店街」はまだまだ捨てたもんじゃないね。