らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

山形Q 白鷹町AYu:Mでの演奏会が終了しました。

2013年04月09日 23時59分45秒 | 山形弦楽四重奏団
 4/7、白鷹町AYu:Mで山形Qの今年度最初の演奏会が行われました。

 山形響で何度か演奏したことのあるAYu:Mでしたが、クァルテットで演奏するのは初めて・・・・。以前からオーケストラには小さすぎて、音が飽和する感じがしていましたが、室内楽には絶対向いていると思っていましたが、どんぴしゃり!!クァルテットの演奏には最適です!また演奏したいなぁ~と本気で思いましたよ。

 今回は、白鷹町出身の戦没作曲家~紺野陽吉さんの弦楽二重奏曲・弦楽三重奏曲を演奏するということで計画して下さった演奏会でした。楽譜を発見した小宮さんも来県して下さり、楽しいお話も出来ました。

 さて、紺野陽吉作品の私の印象などを少しだけ・・・・。

 弦楽二重奏曲はヴァイオリンとチェロで、今井・茂木の演奏でした。練習の時から客観的に聴いている中島や私があれやこれや言いましたので、演奏する本人達は五月蠅かったかもしれませんが、良い演奏になりました。リハーサルの時に聴いていると、倍音が聞こえ弦楽二重奏以上の重奏に聞こえる箇所も多々あり、紺野陽吉作品の完成された作品として良い曲だな~と再認識できました。私が住んでいる大江町から朝日町を通って白鷹町に至る道の横を流れる最上川の渓谷の遠目で飯豊連峰が見える風景が脳裏に浮かびました。弦楽三重奏曲より出来という意味では私はこの弦楽二重奏曲の方に一票を入れたいです。

 さて、私が演奏した弦楽三重奏曲ですが、出征前に未完成の状態で清瀬保二さんに楽譜を預けて行った作品だそうです。原譜を見ると弦楽二重奏のきれいな楽譜に比べて、弦楽三重奏曲の殴り書きのような、戦地に行く前に急いで書いたような印象です。生きて帰る事が出来るか分からないので、その時思いついた音を全て楽譜に書き留めてしまった印象です。おそらく試演もされていないので、演奏者側のアドバイスも全くなく、作曲者が遺書のように言いたいことを書いたか、もしくは生きて帰ることが出来たら整理するつもりで草稿として書いたのかもしれません。そのため演奏奏者側からすれば、大変演奏するのに困難な楽譜をアンサンブルしなくてはならないのです。もし興味がありましたら連絡下さい。チャレンジ求めます。作曲者本人はヴァイオリンを演奏したので、まるでヴァイオリン2本とチェロの曲のようです。ヴィオラの楽譜なのにト音記号で演奏している時間が長く、ヴィオラがほぼヴァイオリンの音域をヴァイオリンはまるでR.シュトラウスやG.マーラーの1stVnのように音域が異常に高いのです。

 その演奏の困難さは越えて、弦楽三重奏曲は弦楽二重奏曲より第2楽章の童歌ような印象を除き、第1楽章・第3楽章はお琴の速弾きか東洋的な(もしくは大陸的な)響きになってます。命が途絶えなければより良い作品として完成したかもしれません。つくづく戦争を憎む気持ちがわきます。

 最近の極東の周りのせわしなさが、悪化しないことを願わずにはいられません。

 以上勝手なことを書きました。

 演奏会の企画、担当、そしてご来場下さった方々、たくさんの方々に心より感謝を申し上げます!!!
コメント
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