らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

静寂

2014年06月08日 23時59分59秒 | 大江町
 私は生まれも育ちも東京ですので、夜も街はネオンで明るいし、人の喧噪は真夜中も途絶えることない生活圏で暮らしてきました。

 山形に縁あって1999年に移住し、2002年に山形市から大江町に移住しました。夜は街の明かりも消えるのが早いし、行き交う人もいなくて、家の明かりでさえ21時位には消えてゆきます。

 話は変わりますが、中学生の時から大学に入った頃まで長野県の富士見からアクセスする入笠山という所に、毎年小学校の時の友人達と旅行に行きました。旅行と言っても観光名所をまわるのではなく、グループ所有の山小屋にただこもって、周りの自然を楽しみながら友人と語り合ったり夜どんちゃん騒ぎしたりしていました。ちなみに隣の山小屋の所有者は、漫画家の馬場のぼる先生でそちらの小屋に宿泊したこともありますし、一緒に飲んだこともあります。今では本当に良い思い出です。

 その入笠山で星空を見に行ったり、肝試しに行く時、そしてお風呂を借りに下の山小屋に行く時は、懐中電灯を持ち、真っ暗な道なき道を行くのが都会育ちの私にはとても新鮮な体験でした。電灯もない虫の鳴き声しかしない真っ暗な道を歩くのです。最初の何年かは本当に心から怖くて、シーンとした自然の中に恐怖を感じました。

 話は戻りますが、今の私はその頃の体験が導いてくれたのか自然いっぱいの所で生活しています。大江町に暮らして既に10年以上になりました。なんで都会の人がこんな町に引っ越してきたの?と何度聞かれたことでしょう。多感な青春時代の楽しかった思い出が、田舎暮らしに対して、偏見も拒絶もなく、むしろ積極的にあこがれの方が強かったのかもしれません。

 ここ数ヶ月、五十肩のせいで毎日温泉に通っています。近所の柏陵テルメ(舟唄温泉)に通っていたのですが、最近はおくおおえの柳川温泉に行くことも多くなりました。泉質が良いという以上に、そのロケーションに好感を持っています。

 内湯も露天も人が少なくて、大江町の中心街より空気が澄んで、気温が少し低いのです。もちろん山間ですからネオンも無し。とにかく静かなんです。ぬるめの露天につかっていると温泉の流れる音と遠くで鳴く蛙の合唱くらいしか耳に入りません。櫓の下に薄暗い明かりがあるだけで、広い露天のほとんどは、青空天井です。とにかく静寂な数分をそこで過ごせるのです。それがどんなに大切で貴重な時間か最近よく分かってきました。

 日中どんなに嫌なことがあっても、そのあまい良い空気と静寂の中で過ごせば、かなりストレスフリーになれるのです。そして、今日も一日良い日だったなんて思えたりして。耳を酷使する仕事ですから耳を休めさせることで、だいぶ疲労から逃れられることがわかりました。

 長々書いてしまいましたが、当分柳川通いは止められそうにありません。
コメント
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