らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

紺野陽吉ふたたび Vol.2

2019年08月21日 23時59分59秒 | 山形弦楽四重奏団
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紺野陽吉ふたたび Vol.1

 前回の続き。

 紺野陽吉は、戦地に行く前に清瀬保二に自作の楽譜を託しました。清瀬保二の遺品の中からその遺稿を小宮氏が発見してから、紺野陽吉に光が当たる道が始まりました。小宮氏の探偵のような苦労の始まりでもありました。新聞で紺野陽吉の事を知らないか?と記事にしたり、山形の白鷹町の出身らしいとの情報から旧制中学の同窓会名簿探しから、遺族捜し・・・どういう活動を当時行っていたかを調べるための膨大な資料からの検索など・・・大変ご苦労されたと思います。その後、山形で活動している山形Qのメンバーである私に声をかけて下さって、楽譜を提供してくれたのでした。

 紺野陽吉の作品は3曲。

 完成されている弦楽二重奏曲(紺野陽吉自身ヴァイオリンを演奏しました)・木管三重奏曲は、ヴィオラ奏者の私には編成上、演奏出来ない曲ですが、残りの1曲〜弦楽三重奏曲について、少し書きたいと思います。

 紺野陽吉の書いた弦楽三重奏曲は、未完成なのです。

 まず、楽章が3つありますが、その第3楽章の途中で筆が止まっています。

 そして、もう一つ!この曲は、原譜を見る限り草稿の状態なのです。

 戦地に赴く前、完成を急いだのかもしれませんが、内容が精査されていない箇所が多く見受けられます。

 たった3曲しか残されていない作品に何とか光を当てたいと、小宮氏が、清瀬保二の弟子である安藤久義氏に弦楽三重奏曲の補作を頼んだのは、当然の成り行きかもしれません。

 私達山形Qは、その安藤久義補作版を過去に3回演奏したわけです。

 つづく・・・・。
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