

Pat Martino / Conciousness ( Muse MR 5039 )
名曲 "Impressions" で幕を開けるこのアルバムは、音楽的な完成度は先の2枚に一歩譲りますが、演奏の興奮度では上回る内容です。
いろんな要素がミックスされている一筋縄ではいかないアルバムで、まるでジェフ・ベックの古いアルバムを聴いているかのような、
ソウルのレコードを聴いているような、グラント・グリーンのアルバムを聴いているような、そういういろんな表情を見せる内容で、
決して単なるギター・アルバムに終わっていないところにこの人の才能の深みを感じます。
"Along Came Betty" がラテン風にアレンジされていますが、この曲がこんなに良い曲だったのか、ということを初めて知りました。
そんな風に、眠っていた音楽の魅力を掘り起こす作業もされています。 エディー・グリーンのエレピとタイロン・ブラウンのベースの
うねるように疾走するリズムラインが圧倒的に素晴らしい。
70年代のジャズは、ソウルやファンクと絡み合っていて独特の雰囲気を発しています。 現にこのアルバムが置いてあったのはジャズ館ではなく
クラブ・ミュージック・ショップで、先日初めて足を踏み入れたのですが、完全に私だけ浮いていた。 レコード棚の仕切りもよく分かりません。
"DETROIT" って、何なんでしょう? そんなジャンルは初めて知りました。 他の仕切りに書かれたジャンルもよくわかりません。
「あのう、パット・マルティーノのレコードって、どこにあります? ジャズ・ギターなんですけど」
「あー、ジャズならこの近くにジャズ館というのがあって・・・・」
「いや、在庫検索で調べたらここに在庫があるっていうから来たんですけど」
そうするとイケメンのお兄さんは "SOUL" の仕切りを調べてくれて、これを抜いてくれました。 面倒な客で、ごめんね。