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Duke Jordan Acoustic Trio / Kiss Of Spain ( 日本 3361*Black No.3363 )
国内盤をバカにする人は、きっとこういうのを見逃している。 このレコードは国内盤の中古コーナーの中でいつも静かに眠っているからだ。
そして、心ある人に貰われていって、いつの間にか静かに在庫から姿を消している。
これは正真正銘、日本人にしか作れないレコードだ。 デューク・ジョーダンから哀感を100%引き出していること、日本の至宝である富樫雅彦が
ドラムを奏でていること、アコースティックにこだわった究極の音質で録音していること、この3点を実現できたのは日本人だからこそだ。
海外レーベルのステレオ録音でこれを凌ぐ満足感を味わえるレコードは、"Live In Japan" を除いて、1つもない。 言っちゃ悪いけど、"Flight To Denmark"
なんてこのレコードの足許にも及ばない。
富樫雅彦の謳って語りかけてくるドラムが圧巻だ。 ジョーダンのピアノを聴かせるユニットであることを十分に踏まえた大胆で且つデリケートを
極めたタッチはまるでもう1台のピアノのよう。 この感じはドラムを聴いているという感覚ではない。 こんな風にドラムを奏でられる人が
果たして他にいるだろうか。
山中湖畔にスタジオを構える3361*Blackというブランドのアコースティック・サウンドへのこだわりはHPを見ればよくわかる。 そのコンセプトの
結晶である純度100%の深みと透明度はまさに深い山間に佇むカルデラ湖の湖水のよう。 高音質を誇るレーベルは数あれど、そのどれとも異なる
空間表現と楽器の音を聴かせてくれる。 ウッドベースの音が生々しい。
デューク・ジョーダンもゆったりと無理のないプレイをしていて、その余裕が自身の持つ哀感をうまく解放できているようだ。
相変わらず素晴らしい旋律の表題曲も含め、ありふれたスタンダードがまるでジョーダンのオリジナル作のように響いている。
我々が日本のプロダクトを誇りに思わなくて、一体どうするのだ。
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