

Stan Getz / The Canadian Concert ( カナダ Can-Am 1300 )
いつも素敵な K's Jazz Days さんのブログで目から鱗が落ちたので、これまたユニオンで探すと、あるある、ちゃんと転がっている。
昔からよく見るお馴染みのブートだが、聴くのはこれが初めてだ。ブートは廃盤狂たちが嫌って見向きもしないので、当然3ケタ盤。
1965年3月のヴァンクーヴァーでの録音で "コンサート" というタイトルだが、観客の拍手はなく、ゲッツ自身が曲ごとにナレーションを付けているので、
ラジオ放送用に収録されたものなのではないだろうか。さしずめ、リスナーが聴衆ということなのかもしれない。
ゲイリー・バートンがいた時期で、ピアノレスのカルテットの演奏だが、とにかくゲッツの演奏が素晴らし過ぎる。繊細でありながら太く大きな音で、
浮遊するメロディアスな旋律が美しい。いつも通りと言えばいつも通りだけれど、聴くたびに新鮮で、美しいと感じるのだ。
バートンのヴィブラフォンはまるでフェンダーローズのようだと感じる瞬間があり、ミルト・ジャクソンが築いた王道とはまったく違う石清水のような清らかさだ。
ゲッツが好んだのはきっとそういう新しい感覚だったのだろう、この音楽の雰囲気は他の誰からも聴くことができない。至福の時間が流れる。
おまけに、このレコードは音がいい。65年の音源とは思えないクリアさで、楽器の音が美しい。音圧も問題なく、言われなければブートだなんて誰も思わないし、
言われても信じられないだろう。ただし、このシリーズはタイトルごとに音質にはバラつきがあるので、注意が必要。見境なく手を出すと火傷する。
音質に問題がなく、安レコであれば、ブートも毛嫌いする必要はないんだなと改めて勉強した。正規盤に負けない感動を覚えることができる。
最近になってようやくゲッツ・バートンのアルバム(青いジャケット)を聴いて、いいな、と思いました。そこでこれを拝見すると欲しくなってしまう(笑)。最近、ブートへの敷居が低く、要警戒です。
(弊ブログをリンクして頂いたおかげで、2日にわたり1000PV越え。目をまわしました! 感謝)
これ、音がクリアでちょっと驚きました。演奏も青ジャケに負けず劣らず、良いですよ。
(などと言って、買わせる方向へと仕向けてしまう・・・)