おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。
昨日は中小企業白書(2016年版)の219ページ「第 2-4-7 図 中長期事業計画策定有無別に見た新事業展開に当たり事前に検討する事項」をみましたが、今日は220ページ「第 2-4-8 図 リスク管理体制別に見た新事業展開に当たり事前に検討を行った効果」をみます。
下図から新事業展開を行うに当たって事前検討を行った効果を企業のリスク管理体制別に比較して見ると、「各種リスクが顕在化する前に防ぐことができた」、「顕在化したリスクは想定の範囲内であり、事業への影響を一定程度に抑制できた」と顕在化したリスクの影響を想定内に抑えることができたと評価している割合が、「リスク管理の専門部署あり」の企業では合計で7割弱と高くなっていますが、他方で「リスク管理は総務・企画部門等が兼務」、「担当部署なし」と回答している企業では、どちらの項目も低くなっていることが分かります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/f4/600a44c15c3c21bfe60aa79e9d72aff2.png)
ここまでを踏まえ白書は、
・新事業展開を行っている企業は6割弱と決して少なくなく、その結果として、売上高や利益額が増加傾向にある企業も一定割合いることを確認した。しかしながら、新事業展開はその性質上、必ず利益を生みだすものではなく時には損失を発生させる可能性もある。
・一般的に不確実性下では、損失を確定し撤退の決断をすることが難しいとされており、経営者は、新事業に取り組み、期待した成果が出なかった際に、継続すべきか撤退すべきかの判断を誤ることがある。
・新事業展開において利益を確保するためには、外部環境の悪化を想定し、事前に撤退や中止の基準を設けておくことも重要である。
・事前に計画を立て、必要な情報収集や分析を行い、環境が変化した際には、その情報に基づき合理的な判断を行い、軌道修正を行うことで、課題を乗り越えることもできる、とあります。
利益を得る場面ではリスク回避を優先し、反対に損失を被る場面では損失を可能な限り回避しようとする傾向があるという人間の行動パターンのことを行動経済学で「プロスペクト理論」というそうです。
経営者に求められる意思決定の難しさを凝縮した内容ですね!
昨日は中小企業白書(2016年版)の219ページ「第 2-4-7 図 中長期事業計画策定有無別に見た新事業展開に当たり事前に検討する事項」をみましたが、今日は220ページ「第 2-4-8 図 リスク管理体制別に見た新事業展開に当たり事前に検討を行った効果」をみます。
下図から新事業展開を行うに当たって事前検討を行った効果を企業のリスク管理体制別に比較して見ると、「各種リスクが顕在化する前に防ぐことができた」、「顕在化したリスクは想定の範囲内であり、事業への影響を一定程度に抑制できた」と顕在化したリスクの影響を想定内に抑えることができたと評価している割合が、「リスク管理の専門部署あり」の企業では合計で7割弱と高くなっていますが、他方で「リスク管理は総務・企画部門等が兼務」、「担当部署なし」と回答している企業では、どちらの項目も低くなっていることが分かります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/f4/600a44c15c3c21bfe60aa79e9d72aff2.png)
ここまでを踏まえ白書は、
・新事業展開を行っている企業は6割弱と決して少なくなく、その結果として、売上高や利益額が増加傾向にある企業も一定割合いることを確認した。しかしながら、新事業展開はその性質上、必ず利益を生みだすものではなく時には損失を発生させる可能性もある。
・一般的に不確実性下では、損失を確定し撤退の決断をすることが難しいとされており、経営者は、新事業に取り組み、期待した成果が出なかった際に、継続すべきか撤退すべきかの判断を誤ることがある。
・新事業展開において利益を確保するためには、外部環境の悪化を想定し、事前に撤退や中止の基準を設けておくことも重要である。
・事前に計画を立て、必要な情報収集や分析を行い、環境が変化した際には、その情報に基づき合理的な判断を行い、軌道修正を行うことで、課題を乗り越えることもできる、とあります。
利益を得る場面ではリスク回避を優先し、反対に損失を被る場面では損失を可能な限り回避しようとする傾向があるという人間の行動パターンのことを行動経済学で「プロスペクト理論」というそうです。
経営者に求められる意思決定の難しさを凝縮した内容ですね!