“ボーカロイドマスター”に出てくる劇中劇、ミュージカル“悪ノ娘と召使”の原作は実在する楽曲“悪ノ娘”と“悪ノ召使”である。これは小説化はもちろんのこと、実際に舞台化(東京芸術劇場で開催)されたことも先述した。
それは派生キャラも含めてボーカロイドが総出演するのだが、あくまでボーカロイドをモチーフにしたキャラクター構成になっている。なので、名前も違う。舞台化までされたというのを聞いて、『ボーカロイド達がミュージカルに出演している』というアイディアを考えてみた。
あくまで劇中劇なので、詳しくは【お察しください】。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
せっかくなので、ちょっと公開を……。
「『……“緑の国”を滅ぼしなさい!緑の髪の女は全て殺してしまえ!!』」
「はい、ストップ!」
パンパンと手を叩く演出家。
リン演じる暴君王女リリアンヌの重要なセリフの1つである。なればこそ、その演技指導もより厳しい。
「リン!それじゃダメだ!全然、わがまま王女の悔しくも憤怒の気持ちが伝わってこないぞ!」
「……はい」
「いいか?何度も言うが、ここは物語の最重要とも言えるポイントだ!全てを出し切れ!全ての思いをぶつけるんだ!」
「……はい!」
ストーリーで言うと中盤くらい。
王女リリアンヌは海の向こうの“青の国”の国王、KAITO演じるカイル王との結婚が内定していた。
いわゆる政略結婚ではあるが、リリアンヌはまんざらでもない感じで、結婚を楽しみにする表現もある。(原作者による小説では、恋愛感情があるような描写もある)
それが、一方的に先方から破棄された。
別に“黄色の国”の暴政に抗議して、とかそんなんじゃない。
そういう考えに至れるのも、現代ならでは。中世ヨーロッパの時代背景をモチーフにしているので、そういう殊勝な(?)ことで政略結婚を破棄することはない。
“黄色の国”の隣国の“緑の国”の少女(演:初音ミク)に、カイル王が一目惚れしたからである。
それで原曲の歌詞、『嫉妬に狂った王女様♪ある日大臣を呼び出して♪静かな声で言いました♪「緑の国を滅ぼしなさい」♪』となるのである。
「よし、ではもう1度!」
「休憩は15分でーす!」
休憩時間に入る。
主役と準主役が出ずっぱりのようなミュージカルなので、確かに人間が演じるには厳しいかもしれない。
膨大なセリフについては、メモリーに打ち込めば1回で記憶できる。とどのつまり、台本に書いていること自体は1回で覚えられるのだ。これは人間の役者にはできないことだ。
だが、演出家にとっては細かい動きや言い回しなどが人間より難しいことが欠点となっているようだ。だから演出家にとっては、人間の役者もボーカロイドの役者も大して変わらないようだった。
敷島や赤月が交替でPCを操作したり、ライブラリを調整したりして、ソフト面の調節をしている。
リンとレンの体温は上がり、口から大きく息を吐いている。ちょうどPCが廃熱する為に、ファンを回しているようなものだ。
「大丈夫か?」
「ありがとうございます」
敷島が氷の入った袋をリンとレンに渡す。それで体を冷やす。人造人間にとって、熱は大敵である。
「噂通り、厳しい演出家さんだな。さすが、日本で有名な劇団なだけのことはある。だけどこれが成功したら、一気に注目度がアップするぞ。何しろ、メインキャラクターの全員がボーカロイドなんて前代未聞だからな」
「はい」
「ふむ。そうか。みんな頑張っているか」
南里は研究所で、敷島から報告を受けていた。
「台本の内容を覚えること自体は全く問題無いんですが、細かい立ち回りや台詞回しがなかなか難しいようで……」
「そうか。実に、壮大な実験じゃの」
「は?」
「“歌うアンドロイド”が更に発展して、演技までできるのか?という実験ではないかね?正に」
「あ、はあ……まあ、確かに」
「キミも知っていようが、成功すればデカいぞ!」
「分かっております」
「それと……せっかく関係者として舞台に出入りしているのだから、十分に気をつけてくれな?」
「と、言いますと?」
「ドクター・ウィリーのスパイが入り込んでいる可能性が出てきた。ロボットではないじゃろう。であれば、とっくにボーカロイド達が気づいておるじゃろうからな」
「人間ですか」
「ただ、今現在そのスパイがいるのかどうかさえも不明じゃ。なので関係者の出入りには、十分注意して欲しいのじゃ」
「分かりました」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
因みに“悪ノ娘”の歌詞に中に、こんなのもある。
『悪の華♪可憐に咲く♪鮮やかな彩りで♪周りの哀れな雑草は♪嗚呼♪養分となり朽ちていく♪』
一瞬、顕正会の浅井会長一族と一般会員の関係を思い浮かべたのだが。多分、元顕正会員なら何となくお分かり頂けるかと。
それは派生キャラも含めてボーカロイドが総出演するのだが、あくまでボーカロイドをモチーフにしたキャラクター構成になっている。なので、名前も違う。舞台化までされたというのを聞いて、『ボーカロイド達がミュージカルに出演している』というアイディアを考えてみた。
あくまで劇中劇なので、詳しくは【お察しください】。
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せっかくなので、ちょっと公開を……。
「『……“緑の国”を滅ぼしなさい!緑の髪の女は全て殺してしまえ!!』」
「はい、ストップ!」
パンパンと手を叩く演出家。
リン演じる暴君王女リリアンヌの重要なセリフの1つである。なればこそ、その演技指導もより厳しい。
「リン!それじゃダメだ!全然、わがまま王女の悔しくも憤怒の気持ちが伝わってこないぞ!」
「……はい」
「いいか?何度も言うが、ここは物語の最重要とも言えるポイントだ!全てを出し切れ!全ての思いをぶつけるんだ!」
「……はい!」
ストーリーで言うと中盤くらい。
王女リリアンヌは海の向こうの“青の国”の国王、KAITO演じるカイル王との結婚が内定していた。
いわゆる政略結婚ではあるが、リリアンヌはまんざらでもない感じで、結婚を楽しみにする表現もある。(原作者による小説では、恋愛感情があるような描写もある)
それが、一方的に先方から破棄された。
別に“黄色の国”の暴政に抗議して、とかそんなんじゃない。
そういう考えに至れるのも、現代ならでは。中世ヨーロッパの時代背景をモチーフにしているので、そういう殊勝な(?)ことで政略結婚を破棄することはない。
“黄色の国”の隣国の“緑の国”の少女(演:初音ミク)に、カイル王が一目惚れしたからである。
それで原曲の歌詞、『嫉妬に狂った王女様♪ある日大臣を呼び出して♪静かな声で言いました♪「緑の国を滅ぼしなさい」♪』となるのである。
「よし、ではもう1度!」
「休憩は15分でーす!」
休憩時間に入る。
主役と準主役が出ずっぱりのようなミュージカルなので、確かに人間が演じるには厳しいかもしれない。
膨大なセリフについては、メモリーに打ち込めば1回で記憶できる。とどのつまり、台本に書いていること自体は1回で覚えられるのだ。これは人間の役者にはできないことだ。
だが、演出家にとっては細かい動きや言い回しなどが人間より難しいことが欠点となっているようだ。だから演出家にとっては、人間の役者もボーカロイドの役者も大して変わらないようだった。
敷島や赤月が交替でPCを操作したり、ライブラリを調整したりして、ソフト面の調節をしている。
リンとレンの体温は上がり、口から大きく息を吐いている。ちょうどPCが廃熱する為に、ファンを回しているようなものだ。
「大丈夫か?」
「ありがとうございます」
敷島が氷の入った袋をリンとレンに渡す。それで体を冷やす。人造人間にとって、熱は大敵である。
「噂通り、厳しい演出家さんだな。さすが、日本で有名な劇団なだけのことはある。だけどこれが成功したら、一気に注目度がアップするぞ。何しろ、メインキャラクターの全員がボーカロイドなんて前代未聞だからな」
「はい」
「ふむ。そうか。みんな頑張っているか」
南里は研究所で、敷島から報告を受けていた。
「台本の内容を覚えること自体は全く問題無いんですが、細かい立ち回りや台詞回しがなかなか難しいようで……」
「そうか。実に、壮大な実験じゃの」
「は?」
「“歌うアンドロイド”が更に発展して、演技までできるのか?という実験ではないかね?正に」
「あ、はあ……まあ、確かに」
「キミも知っていようが、成功すればデカいぞ!」
「分かっております」
「それと……せっかく関係者として舞台に出入りしているのだから、十分に気をつけてくれな?」
「と、言いますと?」
「ドクター・ウィリーのスパイが入り込んでいる可能性が出てきた。ロボットではないじゃろう。であれば、とっくにボーカロイド達が気づいておるじゃろうからな」
「人間ですか」
「ただ、今現在そのスパイがいるのかどうかさえも不明じゃ。なので関係者の出入りには、十分注意して欲しいのじゃ」
「分かりました」
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因みに“悪ノ娘”の歌詞に中に、こんなのもある。
『悪の華♪可憐に咲く♪鮮やかな彩りで♪周りの哀れな雑草は♪嗚呼♪養分となり朽ちていく♪』
一瞬、顕正会の浅井会長一族と一般会員の関係を思い浮かべたのだが。多分、元顕正会員なら何となくお分かり頂けるかと。