報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

今日は暑かった。

2013-06-29 20:06:30 | 日記
 “ボーカロイドマスター”より。まだ続き。

 南里の葬儀が終わり、そろそろ1ヶ月が経とうとしていた。つまり、まだ四十九日は明けていないということだ。
 それでも敷島達は南里の遺品整理を行わなくてはならなかった。
 この1ヶ月、色々とあった。
 それを一筆するのは難しいが、まずはエミリーが遺言の“一部”を話した。それは南里の遺産相続のことで、案の定というか、唯一の弟子で在り続けた平賀に譲るというものだった。ロボット研究分野で名を馳せた南里に師事したがる若い研究者は多かった。しかし南里の性質上、最後までついて来られたのは平賀ただ1人とされる。赤月は大学で研究室が同じだったというだけで、特に師事しているというつもりは無かった。
「つまりはこの研究所、平賀先生のものということになりますよ?」
「そうですねぇ……。でも自分は既に大学に研究室がありますし、家でも十分研究はできますから。ここは財団か大学に譲ろうかと」
「大日本電機でも、さすがに要らなさそうですね」
「本当に大丈夫なんですか、敷島さん?」
 悪は栄えずというか、大日本電機が外国企業からM&Aを受ける可能性が俄に出てきた。もしそうなれば、エミリーの量産化どころではなくなるだろう。ヘタすると七海やボーカロイドの量産化プロジェクトそのものが無かったことにされる恐れがある。
「まだ私若いですから、リストラされた場合の再就職先もすぐに見つかりますよ、きっと」
「何でしたら、財団関係で何か仕事が無いか探してみますよ?」
「いや、ありがたい話ですが……」
「でも、せっかくボーカロイド・プロデューサーとして、脂が乗ってきたところなのに……」
「赤月先生の方が実力は上ですよ」
「ナツはそもそも研究者ですから。専門のプロデューサーにはなれません」
「ねぇ、ちょっと!これ、どういうこと!?」
 MEIKOが新聞紙を持ってくる。そこにも、大日本電機がM&Aを受ける可能性が高いという記事が掲載されていた。
「プロデューサーが所属されている部門が整理される恐れがあるそうですよ?」
 KAITOも深刻な顔をしていた。
「もう南里ロボット研究所も無くなるのに、兄ちゃんいなくなっちゃ嫌!」
「あのなぁ、お前ら」
 平賀が呆れる。
「敷島さんには敷島さんの人生があるんだ。お前達だって財団直轄管理になったことだし、今後のことについても何も心配ないから」
「そういうことじゃないYo!」
「そうですよ。プロデューサーあってのボク達だったのに!」
「俺自身、どうなるか分からないんだ。大日本電機自体が無くなれば、俺もそこでの職を失うことになるわけだし、最悪お前達とはお別れになるかもしれない」
「ミクが1番悲しみます」
 ルカは俯き加減に言った。
「そのミクだって、大日本電機が無かったら会うこともなかったんだ。しょうがないよ」
「とにかくだ。敷島さんだって大変なんだ。あまり未来のことは話さないようにしよう。何かあったら敷島さんの方から話してくれるから。この話は取りあえずこれで終わり。分かったな?」
「……はい」

 その頃、のぞみヶ丘中央公園では……。
「……足元は暗いけど♪ただひたすら信じて進もう♪例えこの先♪絶望が待ってても♪希望が待ってても♪……」
 ミクが1人歌っていた。歌い終わると、たまたまそこにいた近所の住民達が拍手をしてくれた。
「さすがボーカロイド!」
 ミクは住民達に向かって、何度かお辞儀をした。
 そんなミクを見つめる者が1人いた。
 ミクが公園から出ると、
「ちょっと、そこのあなた」
 長い金髪を向かって左側にサイドテールにした女性は、ミクに話し掛けた。
「はい、何ですか?」
「あなた、ボーカロイドでしょ?この近くに南里ロボット研究所があると思うんだけど……」
「あ、はい。わたし、そこの所属……でした」
 ミクは女性が自分と同じ機械の体であると見抜いた。しかし、ボーカロイドのデータには入っていない。その他のメイドロボットやマルチタイプはデータに無いので、そちらかもしれない。
「私、シンディっていうの。訳あって財団には所属してないんだけどね」

 ミクはシンディという名のガイノイドを研究所まで案内した。
「南里博士のお墓参りをしてきたんですか?」
「そう。そしてその後、ドクター南里の関係者に御挨拶していこうと思ってね」
「そうなんですか」
 そういった会話をしながら、ミクはまるで知っている誰かと話している気分になった。ここにいるシンディはもちろん初対面だ。しかし、誰かに似ている。
 その時、研究所の中から険しい顔をしたエミリーが飛び出してきた。
「初音ミク!そいつから離れて!!」
 エミリーは既に右手をマシンガンに変形させていた。
「えっ!?」
 その時、気づいた。エミリーに似ていると。
「別に、戦いを挑みに来たわけじゃないのよ。エミリー姉さん」
「何だ何だ?!」
「どうした、エミリー!?」
 その時、平賀が気づいた。
「あっ、お前……?!」
「お久しぶりね、太一坊ちゃん」
「シンディ!お前……稼動してたのか!」
「平賀先生、誰です?」
「彼女の名はシンディ。敷島さんの言葉を借りれば、“ドクター・ウィリー版ターミネーチャン”です!」
「な、何ですって!?」
 
コメント (3)
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本日のバスレポ

2013-06-29 16:00:10 | 日記
 西武バス大38系統、大宮駅東口→大宮駅西口行き。
 大宮市内線とも市内循環とも呼ばれている路線で、私がさいたま市に引っ越してきた7年ほど前は1時間に1~2本あった本数も減便に減便を重ね、今では1日に3往復という“免許維持路線”に成り下がった系統である。何故完全に廃止しないかというと、西武バスが唯一大宮駅東口に乗り入れる路線であり、これを廃止してしまうと、その権利を失ってしまうからであると思われる。つまり、西武バスの中で1番東を走っている路線なのである。
 それでも国際興業バスと違って、大宮駅東口のロータリーの中から発車できる権利を持っている(自治医大行きを除く)ことから、それだけ歴史ある路線であると予想できる。
 1時間に1本以上あった時代は、たまに大型車で運転されることもあったが、今では中型いすゞ・エルガ・ミオで運転されるのが定番。
 東口ロータリーを出る時に一苦労するのだが、未だに分からないのはここの交通整理法。横断歩道には信号があるのだが、車道の信号機が旧中山道方向とロータリーの入口専用側にしか向いておらず、ロータリーや大栄橋から来た車はどうするのかということ。一応、バスやタクシーは見えない車道信号機に従っているようだが、一般車はガン無視で歩行者の隙間をぬっている。交番の警察官も見ているはずだが、注意しないところを見ると、ロータリー側の車は信号に従う必要が無い?ハテ?
 難所の2つ目が旧中山道のスクランブル交差点。北浦和駅のそれと違い、交差点が広い分、人も車も北浦和の数倍以上である。しかも右折矢印でないと曲がれないが、これも点灯時間が短く、ヘタすると横断歩道の上に取り残されることも多々ある。
 仙台市ならとっとと地下道やら高架歩道でも作って、横断歩道自体を廃止するところだが、地元タクシー運転手の話によると、この辺りは色々な利権が絡んでいるため、再開発困難地域となっているとのこと。
 旧中山道もまた渋滞の名所の1つ。ここは他に、東武バスの天沼循環も走行する。日蓮正宗の法勝寺に行かれる場合、天沼循環に乗って、庚申前バス停で降りると良い。何故だか、「さいたま新都心駅から徒歩20分」としか案内していないが、いやいやいや。20分も歩く必要は無い。20分も待てばバスに乗れるのだから、それで行くと良い。何故、バスの案内をしてないんだ???
 そんなことを考えながら、吉敷町交差点を天沼循環は左折、市内循環は右折する。西武バスは後者。吉敷町ガードを潜る。この辺も私が引っ越してきたばかりの時は2車線しか無い道路だったが、今でその倍に拡幅されている。
 さて、このバスに乗った理由は帰宅の為である。沿線人口も多いのだから、いっそのことマイクロバスによるコミュニティバス化してでも、維持してほしい路線だ。
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