空気がヒンヤリしてきたら、夕立のサインである。が、幸いにして私は当たらずに済んだ。実は落雷には、十分注意しなくてはならない。いや、私自身が直接被弾というより、昨年の落雷でネットのインフラが破壊されたからである。うちの寮のインフラは意外と貧弱なもので、昨年は落雷の他に台風でもダウンしやがった。
早いとこ対策として、wi-fiの導入が待たれるところである。……ん?
ポテンヒットさんのネタに最初、気づかなかった。真に申し訳ない。競輪の浅井選手が達成した賞金6000万円と、顕正会の目標6000万人を掛けていたとは……。24時間勤務明けの寝ぼけた頭では、すぐに直感することができなかった。痛恨の極みである。
他の信仰者ブロガーのサイトを覗いてみると、一部で治安悪化に伴い、渡航自粛要請が出されているもようである。当ブログはおかげさまで平和そのものである。まあ、潰す価値も攻撃する価値も無いだけだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“新人魔王の奮闘記”更に続き。
「ふう……」
「良かったですね。いよいよ明日で包帯が取れるそうですよ」
ルーシーより直接鉄拳制裁を受けた安倍春明は、全治2ヶ月の重傷を負っていた。並の人間なら死亡するレベルだったという。
護衛のサイラスは春明を励ますように言った。
「長かった~。ま、色々と学ぶ機会もあって、それは良かったかな」
春明は入院中、傍で護衛を続けていたサイラスから、ダークエルフの事情などについて聞く機会もあった。
1番怖かったのは、もし仮にアルカディア王国が前政権の魔界民主党のようにダークエルフ弾圧政策を行うようなら、護衛から暗殺者に切り替わるだろうという話だった。
ダークエルフはその性質から諜報活動、暗殺活動に優れている。無論それを活用して、超一流のSPを務めることもできる。今のサイラスの仕事はSPであるからして……。
「お役に立てて何よりです。あくまで、アベさんを信頼してのことですよ。オレ達はウソはつかない。オレが言ったことは、全て本当です」
「分かってるよ」
つまり、場合によっては目の前にいる敏腕SPも、暗殺者に手の平を返すというわけか。
「失礼します。横田です。先般の党大会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
「前回の党大会から、何ヶ月経ったと思ってるんだ」
春明は呆れた。
「総理。陛下より、快気祝いのお知らせです」
「快気祝い?」
「総理のお怪我の完治を祝う晩餐会を、明晩行うとのことであります」
「へえ……」
春明は意外だった。とっとと公務に復帰させて、扱き使ってくるものと思っていたのだが……。
こうして明晩、予定通り、春明の快気祝いたる晩餐会が催された。
「首相の復帰を一日千秋の思いで、お待ち申し上げておりました」
閣僚からの歯の浮くような言葉を受ける。
「さっき党本部に行ったら、お葬式の準備がされていたのにはびっくりしたよ」
「め、滅相もございません。陛下から直接鉄拳制裁を受けて、生きてる人間などおらぬというお噂をお聞きしますれば……」
春明の半分冗談で、場がに笑いが起きる。
「ま、とにかく本当良かったわよ」
「ああ。危うく、地獄行き冥鉄列車のグリーン車に乗りこむ夢を見て目が覚めたよ。……おっ、この肉イケる」
「これも美味しいわよ。さすがに今あんたを殺したら、王国が回らないからね。手加減してやったんだから、感謝しなさいよ」
「へいへい。おありがとう。随分勢力のつく料理が並んでるけど、俺の血液パックのストック、無くなった?」
「あとで10パックくらい追加するのよ?」
「1パック200ミリだろ?2リットルも血ィ抜けるわけねーだろ!」
「あんたならできる」
「無理むりムリ!」
春明とルーシー、共にテーブルを囲む。無論、春明の血液は全てルーシーの腹の中に収まる。
護衛としてその様子を後ろから窺うサイラス。
(うん。いい関係だ。傍から見ると、恋人同士で間違いない。だが……)
魔族と人間。これだけでもNGだが、王国の最高権力者たる女王と、そのナンバー2の総理大臣でもNGだろう。
(政治は大変だ)
サイラスの出仕期限は、春明から直接SPの御役御免になった時。だから、最長で数十年といったところか。その後、適当な仕事が無ければ故郷の森に帰るだけである。
しかし……。
(大変だからこそ、退屈しのぎにはなるわけか)
「サイラス、ちょっといいかね?」
「は?」
ピエール侍従長がサイラスに話し掛ける。
「実は晩餐会の余興が寂しいので、何かやろうと考えているんだ」
「侍従長の手品も、オレの曲芸もお寒いだけですよ」
「悪かったな!……そうじゃなくて、エルフは歌が上手いそうじゃないか」
「オレに何か歌えと?」
「お前でもいいんだが、ほら、お前の妹……」
「ああ、リーフですか。確かに、妹は歌が上手いですが」
「だろ?お前から頼んでくれよ」
「侍従長命令でいいじゃないですか」
「これを見ても、そんなことが言えるかね?」
「!?」
ピエールの左手に包帯が巻かれていた。
「どうしてもって頼んだんだが、左手を噛まれてしまった」
「……っ!分かりましたよ。(どーゆー頼み方したんだ、このオッサン……)」
早いとこ対策として、wi-fiの導入が待たれるところである。……ん?
ポテンヒットさんのネタに最初、気づかなかった。真に申し訳ない。競輪の浅井選手が達成した賞金6000万円と、顕正会の目標6000万人を掛けていたとは……。24時間勤務明けの寝ぼけた頭では、すぐに直感することができなかった。痛恨の極みである。
他の信仰者ブロガーのサイトを覗いてみると、一部で治安悪化に伴い、渡航自粛要請が出されているもようである。当ブログはおかげさまで平和そのものである。
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“新人魔王の奮闘記”更に続き。
「ふう……」
「良かったですね。いよいよ明日で包帯が取れるそうですよ」
ルーシーより直接鉄拳制裁を受けた安倍春明は、全治2ヶ月の重傷を負っていた。並の人間なら死亡するレベルだったという。
護衛のサイラスは春明を励ますように言った。
「長かった~。ま、色々と学ぶ機会もあって、それは良かったかな」
春明は入院中、傍で護衛を続けていたサイラスから、ダークエルフの事情などについて聞く機会もあった。
1番怖かったのは、もし仮にアルカディア王国が前政権の魔界民主党のようにダークエルフ弾圧政策を行うようなら、護衛から暗殺者に切り替わるだろうという話だった。
ダークエルフはその性質から諜報活動、暗殺活動に優れている。無論それを活用して、超一流のSPを務めることもできる。今のサイラスの仕事はSPであるからして……。
「お役に立てて何よりです。あくまで、アベさんを信頼してのことですよ。オレ達はウソはつかない。オレが言ったことは、全て本当です」
「分かってるよ」
つまり、場合によっては目の前にいる敏腕SPも、暗殺者に手の平を返すというわけか。
「失礼します。横田です。先般の党大会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
「前回の党大会から、何ヶ月経ったと思ってるんだ」
春明は呆れた。
「総理。陛下より、快気祝いのお知らせです」
「快気祝い?」
「総理のお怪我の完治を祝う晩餐会を、明晩行うとのことであります」
「へえ……」
春明は意外だった。とっとと公務に復帰させて、扱き使ってくるものと思っていたのだが……。
こうして明晩、予定通り、春明の快気祝いたる晩餐会が催された。
「首相の復帰を一日千秋の思いで、お待ち申し上げておりました」
閣僚からの歯の浮くような言葉を受ける。
「さっき党本部に行ったら、お葬式の準備がされていたのにはびっくりしたよ」
「め、滅相もございません。陛下から直接鉄拳制裁を受けて、生きてる人間などおらぬというお噂をお聞きしますれば……」
春明の半分冗談で、場がに笑いが起きる。
「ま、とにかく本当良かったわよ」
「ああ。危うく、地獄行き冥鉄列車のグリーン車に乗りこむ夢を見て目が覚めたよ。……おっ、この肉イケる」
「これも美味しいわよ。さすがに今あんたを殺したら、王国が回らないからね。手加減してやったんだから、感謝しなさいよ」
「へいへい。おありがとう。随分勢力のつく料理が並んでるけど、俺の血液パックのストック、無くなった?」
「あとで10パックくらい追加するのよ?」
「1パック200ミリだろ?2リットルも血ィ抜けるわけねーだろ!」
「あんたならできる」
「無理むりムリ!」
春明とルーシー、共にテーブルを囲む。無論、春明の血液は全てルーシーの腹の中に収まる。
護衛としてその様子を後ろから窺うサイラス。
(うん。いい関係だ。傍から見ると、恋人同士で間違いない。だが……)
魔族と人間。これだけでもNGだが、王国の最高権力者たる女王と、そのナンバー2の総理大臣でもNGだろう。
(政治は大変だ)
サイラスの出仕期限は、春明から直接SPの御役御免になった時。だから、最長で数十年といったところか。その後、適当な仕事が無ければ故郷の森に帰るだけである。
しかし……。
(大変だからこそ、退屈しのぎにはなるわけか)
「サイラス、ちょっといいかね?」
「は?」
ピエール侍従長がサイラスに話し掛ける。
「実は晩餐会の余興が寂しいので、何かやろうと考えているんだ」
「侍従長の手品も、オレの曲芸もお寒いだけですよ」
「悪かったな!……そうじゃなくて、エルフは歌が上手いそうじゃないか」
「オレに何か歌えと?」
「お前でもいいんだが、ほら、お前の妹……」
「ああ、リーフですか。確かに、妹は歌が上手いですが」
「だろ?お前から頼んでくれよ」
「侍従長命令でいいじゃないですか」
「これを見ても、そんなことが言えるかね?」
「!?」
ピエールの左手に包帯が巻かれていた。
「どうしてもって頼んだんだが、左手を噛まれてしまった」
「……っ!分かりましたよ。(どーゆー頼み方したんだ、このオッサン……)」