報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

つれづれなるままに

2013-06-22 19:39:17 | 日記
 空気がヒンヤリしてきたら、夕立のサインである。が、幸いにして私は当たらずに済んだ。実は落雷には、十分注意しなくてはならない。いや、私自身が直接被弾というより、昨年の落雷でネットのインフラが破壊されたからである。うちの寮のインフラは意外と貧弱なもので、昨年は落雷の他に台風でもダウンしやがった。
 早いとこ対策として、wi-fiの導入が待たれるところである。……ん?

 ポテンヒットさんのネタに最初、気づかなかった。真に申し訳ない。競輪の浅井選手が達成した賞金6000万円と、顕正会の目標6000万人を掛けていたとは……。24時間勤務明けの寝ぼけた頭では、すぐに直感することができなかった。痛恨の極みである。
 他の信仰者ブロガーのサイトを覗いてみると、一部で治安悪化に伴い、渡航自粛要請が出されているもようである。当ブログはおかげさまで平和そのものである。まあ、潰す価値も攻撃する価値も無いだけだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 “新人魔王の奮闘記”更に続き。

「ふう……」
「良かったですね。いよいよ明日で包帯が取れるそうですよ」
 ルーシーより直接鉄拳制裁を受けた安倍春明は、全治2ヶ月の重傷を負っていた。並の人間なら死亡するレベルだったという。
 護衛のサイラスは春明を励ますように言った。
「長かった~。ま、色々と学ぶ機会もあって、それは良かったかな」
 春明は入院中、傍で護衛を続けていたサイラスから、ダークエルフの事情などについて聞く機会もあった。
 1番怖かったのは、もし仮にアルカディア王国が前政権の魔界民主党のようにダークエルフ弾圧政策を行うようなら、護衛から暗殺者に切り替わるだろうという話だった。
 ダークエルフはその性質から諜報活動、暗殺活動に優れている。無論それを活用して、超一流のSPを務めることもできる。今のサイラスの仕事はSPであるからして……。
「お役に立てて何よりです。あくまで、アベさんを信頼してのことですよ。オレ達はウソはつかない。オレが言ったことは、全て本当です」
「分かってるよ」
 つまり、場合によっては目の前にいる敏腕SPも、暗殺者に手の平を返すというわけか。
「失礼します。横田です。先般の党大会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
「前回の党大会から、何ヶ月経ったと思ってるんだ」
 春明は呆れた。
「総理。陛下より、快気祝いのお知らせです」
「快気祝い?」
「総理のお怪我の完治を祝う晩餐会を、明晩行うとのことであります」
「へえ……」
 春明は意外だった。とっとと公務に復帰させて、扱き使ってくるものと思っていたのだが……。

 こうして明晩、予定通り、春明の快気祝いたる晩餐会が催された。
「首相の復帰を一日千秋の思いで、お待ち申し上げておりました」
 閣僚からの歯の浮くような言葉を受ける。
「さっき党本部に行ったら、お葬式の準備がされていたのにはびっくりしたよ」
「め、滅相もございません。陛下から直接鉄拳制裁を受けて、生きてる人間などおらぬというお噂をお聞きしますれば……」
 春明の半分冗談で、場がに笑いが起きる。

「ま、とにかく本当良かったわよ」
「ああ。危うく、地獄行き冥鉄列車のグリーン車に乗りこむ夢を見て目が覚めたよ。……おっ、この肉イケる」
「これも美味しいわよ。さすがに今あんたを殺したら、王国が回らないからね。手加減してやったんだから、感謝しなさいよ」
「へいへい。おありがとう。随分勢力のつく料理が並んでるけど、俺の血液パックのストック、無くなった?」
「あとで10パックくらい追加するのよ?」
「1パック200ミリだろ?2リットルも血ィ抜けるわけねーだろ!」
「あんたならできる」
「無理むりムリ!」
 春明とルーシー、共にテーブルを囲む。無論、春明の血液は全てルーシーの腹の中に収まる。
 護衛としてその様子を後ろから窺うサイラス。
(うん。いい関係だ。傍から見ると、恋人同士で間違いない。だが……)
 魔族と人間。これだけでもNGだが、王国の最高権力者たる女王と、そのナンバー2の総理大臣でもNGだろう。
(政治は大変だ)
 サイラスの出仕期限は、春明から直接SPの御役御免になった時。だから、最長で数十年といったところか。その後、適当な仕事が無ければ故郷の森に帰るだけである。
 しかし……。
(大変だからこそ、退屈しのぎにはなるわけか)
「サイラス、ちょっといいかね?」
「は?」
 ピエール侍従長がサイラスに話し掛ける。
「実は晩餐会の余興が寂しいので、何かやろうと考えているんだ」
「侍従長の手品も、オレの曲芸もお寒いだけですよ」
「悪かったな!……そうじゃなくて、エルフは歌が上手いそうじゃないか」
「オレに何か歌えと?」
「お前でもいいんだが、ほら、お前の妹……」
「ああ、リーフですか。確かに、妹は歌が上手いですが」
「だろ?お前から頼んでくれよ」
「侍従長命令でいいじゃないですか」
「これを見ても、そんなことが言えるかね?」
「!?」
 ピエールの左手に包帯が巻かれていた。
「どうしてもって頼んだんだが、左手を噛まれてしまった」
「……っ!分かりましたよ。(どーゆー頼み方したんだ、このオッサン……)」
 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信仰の強み

2013-06-22 15:25:39 | 日記
 多摩準急先生よりまた電話連絡があった。どうやら、いかに邪宗とはいえど僧侶と大ゲンカしたことを気に病んでいるようだ。
 これが日蓮正宗の御僧侶なら大変だが、一応法華講員の私から見れば、邪宗の坊さん相手なら仕方が無いだろう。“慧妙”のアポ無し折伏で、どんだけ邪宗の坊さんとケンカしてんだよと突っ込みたくなるあの記事と比べれば、(切実な理由で)まだ先生の方がマシなくらいだ。俺から見ればな。
 正法護持の日蓮大聖人信徒であるなら、先生の懸念している内容は全く気にならないはずだ。そのことを伝えると、少しは安心されたようだ。いいから早く日蓮正宗に来いって。“あっつぁブログ”の面々はどうでもいいから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 “新人魔王の奮闘記”より。更に続き。

「はー、何もやること無ぇ~……」
 春明は医務室のベッドの上で、手持ち無沙汰だった。
 何しろ頭に重傷を負ったもんだから、下手に動かすことはできない。
 たまに党幹部が指示を仰ぎに来るが、
「早く治しなさいよね」
「あんた、自分で言うか?」
 実はルーシーが毎日のように見舞いに来るのが意外だった。
「人間は不便ね。いい加減、私に噛まれてヴァンパイアになりなさい。そんなケガ、たちどころに治るわよ」
「遠慮しておきます」
「陛下。私の分析によりますと、そろそろ御前会議のお時間ですので……」
 横田が懐中時計を見て言った。
「首相のいない御前会議なんて、意味あるの?」
「そう仰らず。副首相以下、大臣達で全面サポート致します」
「春明の完治まで、あとどのくらい?」
「私の分析によりますと……」
「あんたの見解じゃなくて、主治医の見解を聞いてるの」
 横田副侍従長とルーシーが話しながら、病室を出て行く。
 春明付き護衛のサイラスは恭しく頭を下げて見送った後、春明に耳打ちした。
「アベさん、何だかんだ言って陛下は相当気にされておられるようですね」
「そりゃそうだろうとも」
 春明は再びベッドに横になりながら、サイラスの言葉に頷いた。
「異世界通信社には、『不慮の事故』ってことになってるだろうな?」
「そりゃもう……」

 因みにルーシーが公務で忙しく、どうしても見舞いができない場合には専属召使を代理に寄越した。それは、
「おっ、リーフ。久しぶりだな」
「陛下の代役を仰せつかって参りました」
 すっかり心の傷も癒えたのか、最後まで残った言語障害も治ったようだ。
 ヴァンパイアの妖術を応用して、精神治療に使うというのはルーシーの実家、ブラッドプール家の専売特許なのだとか。
「少しずつケガは治っているので、退院まで今しばらくお待ち頂きたいと伝えてくれ」
「かしこまりました」
(メイド服着たダークエルフなんてのも珍しいな)
 その後姿を見送りながら春明はそう思った。リーフはサイラスの妹でもある。
「すっかり回復したみたいだな」
「ええ。おかげさまで。歳が離れているだけに、余計に心配でしたよ」
「はは、そうか」

 異世界通信社の新聞には、『首相動静』という欄がある。そこには、
「宮内診療所にて療養中」
 という言葉が書かれているだけだった。
(これだけじゃな……)
『アルカディアシティ23番街にて連続殺人事件』『“ヤンデレ”犯行の末、家族4人を……』
(治安維持にも努めないと……)
『ノラン王国とオーランド王国、併合へ』
(外交問題もあるのに……)
『魔界高速電鉄電力事業本部、全国の電気料金値上げか?』『水力発電所が老朽化。改修費用のため?』
(経済問題もあるのに……)
 というか、鉄道会社が電力事業やってるのね。戦前の日本でも実在した形態だが……。
「のんきに寝てる場合じゃないよー!」
 春明は新聞を床の上に放り投げて言った。
「頭のケガが治るまで、どうしようもないですよ」
 サイラスが新聞を拾い上げた。
「あと1ヶ月ほどで包帯が取れるそうですから、それまでの辛抱です」
「遅いよー」
「それじゃ春明、私に噛まれてヴァンパイアになりなさい。今日中にそのケガ治るわよ」
「あっ、陛下!」
 ダークエルフのサイラスですら気が付かない登場だった。慌てて畏まる。
(さすが魔王様だ……)
「ローラみたいな迫り方するなよ。本当に双子だな」
「ローラもやったの?」
「ああ。人間界にいた頃、やっぱり事故で大ケガしたことがあってさ」
「嫌ならおとなしく寝てなさいよ」
「へいへい」
「明日は私の身内が来るから紹介したかったけど、そのケガじゃちょっと無理みたいね」
「ルーシーの身内?誰だ?」
 それには答えず、
「私が正式に戴冠するって聞いて、今頃来るみたいだね」
 とだけ言った。
「ちょ、だから誰?」
 しかし、ルーシーの姿は消えてしまった。
「お忙しいようですね」
「それだけか?」
 サイラスは更に耳打ちした。
「何か、御懸念されてるようです。久方ぶりのご家族の来訪に緊張されておられる……それだけだといいんですが」
「えっ?」
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台風消えた。

2013-06-22 02:18:15 | 日記
 “新人魔王の奮闘記”より。前回の続き。

「それじゃピエール、バルコニー前に皆を集めて」
「ははっ!」
 ルーシーは傍らにいた侍従長に命令した。
 ピエールは恭しく頭を下げた。
 だが!
「陛下っ、やっぱり危険です!おやめください!」
 居たたまれなくなった春明は、思い余って後ろからルーシーを羽交い締めにした。
「わぁぁ!?な、何をする、この無礼者!!」
 ドゴォッ!
「!!!」
 ルーシーは春明を殴り付けた。ヴァンパイアの力で、それをしたら……。
「アベさん、大丈夫ですか!?」
 護衛のサイラスが動けぬほどの出来事だった。
「……フンっ」
 ルーシーは何かためらったような顔をしたが、すぐに鼻を鳴らして出て行った。
 ヴァンパイアの力で殴られた春明は、化粧板で装飾された薄い壁に突っ込み、意識が飛んでいた。
「おい、誰か!アベさんを至急、医務室に御連れしろ!」

(うーん……)
 春明の意識が戻った時、自分がベッドの上に横たわっているのが分かった。
 周りは薄暗い。
「アベさん、大丈夫……ですか?」
 意識の戻った春明の顔を覗き込む者。それは専属護衛でダークエルフのサイラス。
「……!そうだ、陛下は!?……あ、てててて……」
 起き上がろうとして、頭に激痛が走る。サイラスが制止した。
「あまり動かない方がいい。頭を打って、大けがしてる」
「えっ!?」
「陛下に殴られた後、アベさんは壁に頭からめり込みましたからね。弟達とで、ようやっと救出しましたよ」
「そ、そうか……」
「よく生きてましたね。大けがは頭蓋骨骨折だけで済むなんて」
 よく見ると、左肩から先も包帯が巻かれていたが、こちらは骨折ではないという。
「まあ、こう見えても元“勇者”だからな。魔王に真正面から立ち向かおうとして、一撃で速攻アウトなんてさすがに……」
「言われてみれば、確かに陛下の後ろを取るなんて凄い事だ」
「……で、恐らく俺は全治数ヶ月。それまでの間、公務は休業。党大会並びに戴冠式は、俺が退院するまでお預けってところか?」
「ま、そんなところです」
「陛下はどうなった?魔族のデモ隊に対して……」
「ああ。御心配無いですよ。結果的に、デモ隊を自然解散させました。完全に納得して解散したようには見えませんでしたね。仕方なく、といった感じです。でも、無血状態で鎮圧させたんだから凄い魔王様だ」
「ルーシーにケガとかは?」
「いいえ。別に」
「そうか」
「アベさん、国政のことが気になるでしょうが、取りあえず今は治療に専念してください。陛下も、あれから忙しく動き回れておられます」
「そうか。やっとルーシーにも、為政者としての自覚が……」
「というよりも、アベさんを半殺しにしてしまったことへの負い目という気が……」
 サイラスはニヤッと笑った。
「えっ?」
 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする