報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「但し、イケメンに限る?」

2014-08-05 19:37:58 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月10日09:52 ホリデー快速鎌倉号車内→JR鎌倉駅 ユタと愉快な仲間たち]

〔♪♪(鉄道唱歌チャイム)♪♪。「ご乗車お疲れさまでした。まもなく終点、鎌倉、鎌倉です。お出口は、右側です。鎌倉から先、逗子、横須賀方面、久里浜行きは、降りたホーム1番線から10時2分です。江ノ島電鉄線ご利用のお客様は、お乗り換えください。……」〕

「おー、やっと着いた」
「ツアコンさん、海どこー?」
 ホッとした顔になるユタに、魔鬼が聞いた。
「えっ?」
「おいおい。オレの“獲物”を勝手にツアコンにするなよ」
「たははは……」
 と言ったところで、威吹はカンジに、
「ところで、ユタがどうして涼しくなるんだ?」
 と、耳打ち。
「先生、それエアコンです」
「あっ!?」
「あー、えっと……ここから江ノ電に乗り換えて、海はそれからだね」
「何回乗り換えさすんだよ、あ?」
「まあまあ、キノ。ルート的に、次で最後の乗り換えだろう。な?稲生さん?」
 江蓮のフォローに、ホッとするユタ。
 何故か少しムッとなるマリア。
「地元民じゃないし、海を見ながら走る電車も滅多に乗れない、オツなもんだよー」
 イリーナが間に入った。

〔かまくら〜、鎌倉〜。ご乗車、ありがとうございます〕

 電車は無事に鎌倉駅のホームに滑り込んだ。

〔「1番線の電車は、回送となります」〕

 ユタ達が降りた頃、電車の表示は回送になっていた。
 実は鎌倉駅は折り返し設備が無いので、それのある次の逗子駅まで回送し、夕方、そこからまた回送で鎌倉駅に戻って、鎌倉始発のホリデー快速になるのである。

[同日11:00.江ノ島海水浴場 ユタと愉快な仲間たち]

「魔鬼が1番なのーん!」
「そうはさせないぞー!」
 海に駆け出す少女達。
 ……え?江ノ電の風景はカットかって?……未取材ですた。てへてへ❤
「全く。荷物放り出しっぱなしにして……」
「おい、日傘はここでいいのか?」
 威吹はイリーナに聞いた。
「あー、いいよ。いい場所だねぇ……」
「カンジ、ここに立てろ」
「ハイ」
「それにしても……」
 イリーナはビーチパラソルを立てている妖狐の男2人を見た。
「完全に人間に化けているカンジ君はともかく、威吹君までパンツ着用とはねぇ……」
「何かユタが見立てて買ってくれたんだ。オレはふんどしのままの方がしっくりくるのだが……」
「ただでさえ目立つんだから、その方がいいよ」
「お前は泳がんのか?」
「最年長者の監督者が泳ぐわけにはいかないからねぇ……。ここで皆を見てるよ。まあ、私もそんなに泳ぎは得意じゃないからね」
「魔法で水の上に立つ方が得意ってか」
「そんなところだね。ま、アタシゃここにいるから、安心して泳いできなー」
「全く。あれ、ユタは?」
「既にマリア師と御一緒です」
 と、カンジ。
「何だ、そうか。まあ、ユタはユタで楽しんでるってか。じゃあ、オレ達も海に入って来るかな」
「おー、行っといでー」
 2人の妖狐達も海に向かうと、イリーナは荷物の中から水晶玉を出した。
(エレーナは今日も仕事か。頑張るねぇ……。ポーリンも少しは息抜きさせてあげればいいのに……)
 そう思った後で、自嘲的な笑みを浮かべる。
(まあ、ポーリンの方が当然で、私がユル過ぎるだけか……。でもまあ、アタシにはこんな育成法しかできないからなぁ……)
「あの……」
 そこへ1人の若い女性が話し掛けて来た。
「はい?」
「もしかして、占い師さんですか?」
「あ、えーっと……。まあ、そんなところで……」
 見た感じ、普通の人間の女性だ。
「占ってもらいたいんですけど、いいですか?」
「え?ええ……まあ、いいですよ。恋の悩みとかですか?」
「そうです!そうなんです!」
「え、えーと、どんな内容で?」

[同日11:30.同場所 稲生ユウタ、マリアンナ・スカーレット、蓬莱山魔鬼]

 マリアにとって、海は新鮮な場所だった。
 人間時代は内陸育ちで海を生で見る機会は殆ど無く、魔道師になって日本を拠点とするようになってからも、長野県の山奥という、これまた海とは縁の無い生活を送ってきた。
 ……という話を聞いたユタは、
(長野県とか群馬県とかの人達は海水浴に行ったことあるんだろうか???)
 と、本気で疑問に思ったり。
 埼玉県にも海が無く、確かに高校の時から埼玉で暮らしているユタは、それ以降、海に行ったことがない。
 宮城県仙台市在住だった頃は、よく深沼海岸に行ったりしていたが……。
「ツアコンさーん」
「あれ、どうしたの?」
 魔鬼がやってきた。
「キノ達の所にいないの?」
 とユタが聞くと、
「キノ兄ィ、獲物物色なう」
「詳しく!」
 ツイッター風に答える魔鬼に、ツイッター風で返すユタだった。
「キノ兄ィ、イケメンだから、人間の女なんか入れ食いだって言ってた」
「栗原さん、またキレるぞー」
 ユタは呆れた顔をした。
「そういえば妖狐の2人はどうした?」
 マリアも首を傾げた。
「あ、そうだ。あの2人忘れてた」
 ユタはポンと手を叩いた。
「あの人達もイケメンだから、逆ナンされてるよー」
「最近の中学生はマセてるなぁ……」
 ユタは苦笑いして、取りあえず浜辺に上がることにした。
「キノ兄ィから、『お前も遠慮しねーで、獲物探せ』って言われてるん」
「獲物って、男?」
「男でも女でも」
「魔鬼ちゃんが人間だったら、是非うちの寺で修行させたいくらいだ。性欲は大事だけどね……」
「『人間の肉の味を生で感じて、まいうーやっていい』って……」
「食うって、そっちかよ!食べちゃダメだから!」
 よく見りゃ、魔鬼にもちゃんと牙は生えていた。
「食欲の夏か……」

 浜辺に上がると、
「あっ、稲生さん。ちょうどいい所に」
 カンジが慌てた様子でやってきた。
「どうした、カンジ君?」
「先生が大変なんです」
「なに?熱中症か何か!?」
「いや、そうでなく……」
 威吹は近くの海の家にいた。
 それはまあいいのだが、問題は若い女性に囲まれているということだった。
「何やってんだ、あいつ?」
「確かに先生は美形であられます。最初は先生もお断りしていたのですが、食べ物を差し出されるようになると、あのような感じに……。オレも色々とお誘いを受けたのですが、さすがにそれはと……」
「カンジ君も!?」
「え?ええ、まあ……。いかがなさいましょう?このままでは、稲生さんの警護に支障を来たしております。ご指示頂ければ、オレが強制的に排除しますが?」
「あー、えーと……。まあ、威吹も楽しんでるみたいだし。いいんじゃない?」
「ですが、稲生さんの警護は……」
「心配するな。私がいる」
 と、マリア。
「私とて魔道師の端くれだ。いざとなったら、ミカエラやクラリスを召喚して対応に当たるさ」
「むむ……」
「まあ、そういうわけだから、カンジ君も……」
「あのー、すいませーん」
「ほら、カンジ君。またお呼び出しだよ」
「はあ……。全く。これで何度目なのやら……」
 カンジは辟易した様子で、逆ナンしてきた女性達に同行していった。
「何か、みんなモテモテだね。同じ男として、何か圧倒されるなぁ……」
 ユタは頭をかいた。
 マリアが微笑を浮かべて、
「まあ、あいつらはそういう妖怪だから。美形の姿をすることで、獲物となる人間の女を吸い寄せる。その後は【お察しください】。逆も同じことだよ」
「逆?」
「人間の男の精を狙って、美しい姿をした女の妖怪が現れる。ユウタ君の上の人がそうじゃないか?」
「ああ……」
 ユタは藤谷と雪女を思い出した。
「あの2人、無事かねぇ……」
「獲物に関する取扱規則は鬼族や妖狐族と、そう変わらないはずだから、人間の方で何か問題を起こさない限りは大丈夫だと思う」
「うーん……」

 とまあ、午前中はこんな感じで過ごしていた“仲間たち”であった。
コメント (1)
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“ユタと愉快な仲間たち” 「ホリデー快速」 

2014-08-05 15:09:12 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月10日06:15.埼玉県さいたま市中央区 ユタの家 稲生ユウタ]

「……南ー無ーっ!妙ー法ー蓮ー華ー経ー南ー無ーっ!妙ー法ー蓮ー華ー経ー南ー無ーっ!妙ー法ー蓮ー華ー経……」
 海への出発の日、ユタはいつも通り仏間で朝の勤行をし……。
「…………」
 カンジは朝食作り、残りのメンバーは……。

〔「ラジオ体操第2〜!……1、2、3、4……」〕

「第2って、いつまでやるんだよ、これ!」
「いいじゃないの。昔は第3まであったのよ」
「知るか!」
 何故かラジオ体操。
 第1よりも軽快なリズムで、何だかんだいいながらやる威吹。
 てか、振り知ってるんかい。
「海に入る前に、しっかり体をほぐしておかないとね」
「今からやってどうすんだよ!」
「1、2、3、4……」
 因みに体操している中に、マリアの人形、ミク人形とフランス人形がいたような気がするが、恐らく気のせいだと威吹は後にユタに説明している。

[同日07:35.JR大宮駅・京浜東北線ホーム ユタと愉快な仲間たち]

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の2番線の電車は7時39分発、各駅停車、磯子行きです〕

「おーい、来たぞー」
 階段を降りながら、大宮区在住のキノ兄妹と栗原江蓮がやってきた。
「おはようございまーっす!」
「ういっス」
 鷹揚に手を振るキノ、元気いっぱいの挨拶をする魔鬼、カジュアルな挨拶の江蓮。
 挨拶で性格が分かるとはこのことだ。
「藤谷は?いねーのか?」
「班長も誘ったんだけど、連合会への顔出しがあるからって、断られたんですよ」
 ユタは残念そうな顔をした。
「はあ、何だそりゃ?」

〔まもなく2番線に、当駅止まりの電車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。この電車は折り返し、7時39分発、各駅停車、磯子行きとなります。……〕

 因みに京浜東北線ホームだけ、自動放送が言い終わらないうちに電車が入線してしまうという現象が見られる。
 さいたま新都心駅の第一出発信号を通過した時点で、放送を流さないと間に合わないのではとは大宮レイプ軍団地元鉄ヲタの見解。

「連合会?何かあったっけ?御報恩御講は関係無いよなぁ……」
 江蓮は首を傾げた。
「ううん。法華講連合会じゃなくて、雪女郎連合会」
「ああ……」
「海よりも涼しい場所らしいよ」
「つーか、寒そう」

〔「ご乗車ありがとうございました。大宮ぁ、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、ご注意ください。……」〕

「藤谷班長を連合会の会合で仲間達に引き合わせるんだって」
「雪女10人に取り囲まれて泣く泣く盟約書にサインしたって話だからねぇ……」
「そこ、何気なく怖い話しないの」
 イリーナは呆れた様子で言った。
 取りあえず、折り返し先頭車に乗る。

〔この電車は京浜東北線、各駅停車、蒲田行きです〕

「ユタの趣味に付き合ってたら、いつも電車は先頭車だな」
 キノが皮肉るように言った。
「いいじゃねーかよ」
 威吹が代わりに言い返す。
「いや、そうでもないんだけどなぁ……」
 ユタは頭をかいた。
「何が?」
「南浦和で乗り換えるから、先頭車の方がいいし(※1)。乗り換え先、指定席がたまたまクハ車(※2)なだけだし。その先の乗り換え先なんて、そもそも中間車が無いし。だから、僕の100パー趣味ってわけでもないよ」
「ルート自体が趣味みてーなモンだろー」
「う……それは……」
 反論不能のユタだった。

(※1:南浦和駅の駅舎……というか改札口やら武蔵野線ホームやらは京浜東北線ホームの南寄りにある。※2:鉄道車両で運転台付き普通車のこと。構造上、先頭車か最後尾が多い)

 電車は定刻通りに大宮駅を発車した。

〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は京浜東北線、各駅停車、蒲田行きです。次はさいたま新都心、さいたま新都心。お出口は、右側です〕

「連合会の会合に行くのに、どこまで行ってんだ、ヤツぁ?」
「相手が東海支部富士宮地区の人だから、大石寺の近くまで行ってんじゃない?」
「いや……きっと、もっと富士山の山寄りだと思うなぁ……」
「要は“獲物”の品評会みてーなモンだろ。オレんとこもやってみっかなぁ……」
「アホか!絶対行かねーぞ、アタシゃ!」
「威吹先生。うちの里も流行に従い、行う方向で話が進んでいるとのことです」
「流行に従うという理由は引っ掛かるが、そういうことなら考えよう。いいかな、ユタ?」
 チーン!
「信号75。今の鈴(りん)みたいな音はチンベルとも言いまして、ATCの車上信号機が変わる際、運転士にそれを伝える為の……」
「は、はあ……」
 ユタの説明に首を傾げるマリアだった。
「魔法を覚えるより難しそうだな……」
(聞いちゃいねー……)
 運転室の窓の後ろに陣取るユタ達を見て、威吹は苦笑を浮かべるしかなかったという。
「100パー、稲生さんの趣味ですな」
 カンジはポーカーフェイスを崩さずに言った。

[同日07:50.JR南浦和駅 ユタと愉快な仲間たち]

〔「まもなく南浦和、南浦和です。武蔵野線はお乗り換えです」〕

 ここで先頭車を中心に、武蔵野線に乗り換える客多数。
 ここから東京行きの電車が武蔵野線からも出ているが、東京駅に行くのなら、無論このまま京浜東北線に乗り続けた方が早い。
 ディズニーリゾートの最寄り駅である舞浜へ行くのなら、却ってここで乗り換えた方がいいかも(北有楽町駅……もとい、東京駅京葉線ホームの乗り換えを考えるなら、の話だ)。
「しっかし、最近の人間界は暑いなぁ……」
 威吹はパタパタと扇子で扇いでいた。
「さいたま市の最高気温は、今日も36度だそうです」
 カンジはポーカーフェイスのまま答えた。
「36度はさすがに我慢の限界だねぇ……」
 このメンバーの中で1番暑苦しそうな恰好をしているイリーナは、何故か涼し気だ。
 何か、魔法で涼しくなるようにしているのか。
「停車時間僅かだと思うんで、ジュースとか何か買っておきたい人は今のうちに買っといてください」
 ユタが言った。
「台車でジュースとか持ってきてくれないん?」
 魔鬼が疑問を投げた。
「特急用車両使うと言っても、臨時快速じゃ、多分無いだろうなぁ……」
 ユタは苦笑いし、首を傾げて答えた。
「ほらよ。魔鬼。これでジュースでも買ってこい」
 キノは妹に1000円札を渡した。
「ありがとなん〜!ゴロゴロ〜、ゴロゴロ〜。おジュースいりませんか〜?ピーマン汁、小松菜汁、ほうれん草汁〜」
「全部青い汁じゃねーか」
「たははは……」

[同日08:10.南浦和駅武蔵野線ホーム→ホリデー快速鎌倉号車内]

〔「5番線、ご注意ください。今度の5番線は8時10分発、臨時快速“ホリデー快速鎌倉”号、鎌倉行きです。2つドア、6両編成で参ります。停車駅は武蔵浦和、北朝霞、新座、東所沢、新秋津、西国分寺、北府中、横浜、大船、北鎌倉、終点鎌倉の順に止まります。……」〕

 いつもなら通勤電車が止まるホームに、特急用の電車が入線してきた。
 せっかくヘッドマークが付いているのに、無機質に『臨時快速』としか書いていない。
 側面の行き先表示にも、鎌倉の表記が無く、こちらも『臨時快速』としか書かれていなかった。
 かつて高崎線の特急として運行されていた185系と呼ばれる車両である。
 南越谷駅始発のため、既に車内には乗客がいた。

 ドアが開くと指定席車両の方は、比較的穏やかな様子で乗り込む風景が広がる。
「ここですね」
 ユタが指定席券を見ながら言った。
 どちらかというと古い車両のため、普通車のシートピッチは狭い。
 向い合せにすると、膝が当たるくらいの狭さだ。
 まあ、気心知れたメンバー達だけだからいいようなものの……。
 ユタの言う通り、電車はすぐに発車した。

〔「臨時快速“ホリデー快速鎌倉”号、鎌倉行きです。次は武蔵浦和、武蔵浦和です」〕

「お、ちょうど8人か」
「そうですね」
 イリーナは周りを見渡した。
 それに頷くユタ。
 向い合せにして4人用にすると、2ボックスで8人だ。
「鎌倉到着時間、9時52分です」
「うんうん。じゃあ、ちょっとした旅行だ」

 臨時列車は、まず西に進路を取る。
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本日の雑感 0805

2014-08-05 02:34:53 | 日記
 多摩先生からホラーでも書いたらどうかという話から、何故かブラクラの話まで飛んだが、興味はあってもやはり私にはSFもしくはファンタジー系がせいぜいだ。
 まあ、引き合いに出した屈指のホラーゲーム“バイオハザード・シリーズ”は未知の生物兵器ウィルスも登場することから、SFの部分が無いことも無い。
 私みたいな臆病者はろくにクリアすることができず、せいぜいできたのは派生作品の“アウトブレイク”くらいだろうか。
 本編の主人公達には成り得ないが、その裏でいかに逃げ延びようとする一般市民達にスポットを当てたのが“バイオハザード・アウトブレイク”で1と2のシリーズ作品になっている。
 私も所詮は一般市民だったか。
 動物園のステージはそんなに怖くなかったな。
 人間のゾンビは動物園の入口周辺に何人かいるだけで、後はゾンビ化した動物達くらいしかいなかったからだろう。
 ジャングルで猛獣が襲ってくるものだと思えば良い。
 地下鉄や廃病院は怖かったけどね。
 ……てか、ラクーンシティって人口10万人くらいの田舎町なのに地下鉄走ってんのかよ。
 ついでに路面電車も。
 映画版だと結構な大都市として描かれており、本当はゼロ一個足りないんじゃないのと思ってしまう。

 原案として考えていなくは無いんだ。
 私のネタ帳にはラクーンシティのような町に存在する研究所から、とあるサンプルを持ち出し、町に異変が起きる直前に、まずはグレイハウンドでシカゴに逃亡するというものだ。
 ラクーンシティはもちろん架空の町で、地理的な設定としてはアメリカ合衆国の中西部にあるとのこと。
 ネタ帳の登場人物に明確な名前は設定していないが、1人は30代の日本人男性、もう1人は20代のアメリカ白人女性ということだ。
 アメリカ中西部にはイリノイ州があることから、この部分だけ“アンドロイドマスター”に使ったというわけだ。
 30代日本人男性は敷島孝夫、20代アメリカ人女性はアリス・フォレスト(旧姓)に相当するし、作中でもイリノイ州の名前が出て来ることがあった。
 因みにグレイハウンドとは、アメリカ屈指の長距離バス会社のことである。
 ラクーンシティは山地に囲まれた田舎町で、外部との交通機関はハイウェイ1本だけという設定なので、いかに現地が日本以上の車社会とはいえ、もしも車を持っていない市民が町を出る時の交通機関を考えたらバス、それも恐らくグレイハウンドなら運行しているだろうという私の勝手な予想に基づくものだ。
 映画版で、混乱に陥るラクーンシティに、運行をストップしたグレイハウンドがチラッと出て来るような気がしたが、気のせいか。
 私のネタ帳だと、シカゴで1泊したエージェント達はその後、例の町が異変で大混乱に陥っている様子をテレビなどで見ながら、日本へ飛び立っている。
 日本の現地法人のエージェントと都内で落ち合うというところで、ネタは終わっていた。
 設定の一部が今の作品に流用されているだけで、生物化学は一切出てこないね。
 まあ、ロボットもそうだけど、文系の私に理系の話は難しかったかな。

 でもまぁ昔の話とはいえ、せっかく出したネタなのだから、このまま埋もれさせるには惜しいとは思うけどね。
 映画版のシリーズも結構行ったみたいだ。
 改めてもう一回観てみようかな。
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