報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 登場人物紹介 2

2015-11-10 19:17:19 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 イリーナ・レヴィア・ブリジッド:

 ダンテ一門の中では1番遅い弟子持ち。
 魔道師の中でもようやっと4桁の年齢に入ったばかりで、これでも若い方である。
 赤毛のセミロング、高身長に大きなスリーサイズを持つモデル体型で、本人もこの体を気に入っており、使用期限ギリギリまで使いたいらしい。
 マリアンナの項でも先述した通り、魔道師は体の成長と老化が極端に遅くなるものの、それでも1つの体につき、200年から300年が限度である。
 従って、単純計算でイリーナは、今現在までで4人前後の体を交換したことになる。
 魔道師になる前は、ヨーロッパのどこかの奴隷市場で売られていた。
 弟子候補を探していた大師匠、ダンテ・アリギエーリに大金で買われる。
 当時の彼女はマリアの髪の色を赤毛にした感じの風貌で顔色も悪く(奴隷だったので栄養状態が悪かった)、ダンテに買われても奴隷気質が抜けなかったという(もちろん、ダンテは奴隷商人から大金で買ったが、奴隷にするつもりはなかった)。
 それでも何とか魔道師としての何たるかを学び、2人目の体に交換したところで、突然出奔。
 弟子に逃げられたと肩を落とすダンテをよそに、世界中を放浪した。
 3人目の体に交換したところで、再びダンテの元へ戻る。
 破門程度は覚悟していたイリーナだったが、ダンテは特に破門などはしていなかった。
 但し、他の門下生達から白眼視されたのは仕方が無い。
 特にイリーナの姉弟子、ポーリンからは汚物を見るような目で見られたという。
 4人目の体に交換したところで、19世紀を迎える。
 少しずつ脱走事件のほとぼりも冷めた頃(しかしポーリンは許さなかった)、そろそろダンテから弟子を取るようにとの指導を受ける。
 ダンテに心酔しているポーリンはすぐに探し始めたが、実はそう簡単に見つかるものでもない。
 んでもって、イリーナにあっては、「縁があればそのうち見つかるわよ」と、まるで作者の折伏精神のような怠けた態度で、更に姉弟子を怒らせたという。
 第2次世界大戦では、戦争終結に奔走する。
 戦争で多くの人間が死ぬことを喜ぶ悪魔や魔族達との水面下の戦いであったそうだ。
 旧ソ連側ではスターリンを裏で懐柔させ、核兵器の開発を遅らせ、使用させないことには成功したが、アメリカにツテの無い一門はアメリカの核兵器使用を止めることができなかった。
 これが一門に影を落とすことになる。
 魔界アルカディア帝国には、戦争で多くの人間の生き血や魂を食らって強大化した悪魔達で構成した魔王軍の統括として、大魔王バァル(本名、ウェルギリウス)が君臨。
 ダンテの命令でイリーナが帝国の宮廷魔導師として赴任。
 人間界では第3次世界大戦の勃発を防ぐことを目的としつつ、魔界から人間界への侵攻を食い止めることに奔走する。
 その帝国も、魔界に迷い込んだ人間達にクーデターを起こさせて、民主化させる助力をする。
 もっとも、その人間達も民主化の推進を先鋭化させ過ぎて、今度は魔族を虐げる暴挙に出るようになったのだが。
 再び人間界に戻って来たイリーナは、ダンテより叱責に近い形で弟子を取らぬことを厳重注意される。
 仕方なく弟子候補を探し始めたイリーナは、七つの大罪の悪魔が足りなくなっていることに気づく。
 足りなくなった一柱はあろうことか、普通の人間の少女と契約して血の惨劇を繰り返していたのだ。
 その少女がマリアンナ・スカーレットだった。
 壮絶な彼女の生き様を見たイリーナは、かつて自分が奴隷として虐げられていた頃と重ね、上位の悪魔と契約できるその魔力の強さから、マリアを弟子に取ることに決める。
 悪魔との契約者の末路で自らも死を選んだマリアを土壇場で救出、弟子になるよう説得する。
 性的暴行を受け、望まぬ妊娠をしていたマリアと、未だにマリアとの契約を望むベルフェゴールの欲望を叶えるため、堕胎した赤子を悪魔に食わせて契約するという荒技を行った。
 さすがに壮絶過ぎるため、その辺の記憶はカットしている。
 勝手にマリアに免許皆伝したり、言われてもいないのに今度は稲生勇太を弟子に取るなど、一門の中でも変わり者扱いされている(弟子を取ること自体は門規違反ではない)。
 契約している悪魔は嫉妬の悪魔、レヴィアタン。
 一門での色分けはピンク。
 その為か、ピンク色に近いノースリーブでスリットの深いロングスカートのワンピースを着ていることが多い。
 その上からは紺色のローブを羽織り、移動中はフードを浅く被っていることが殆ど。
 今現在の肉体の使用期限切れまで、あと20年ほどらしい。
 20年もあるのかと思うだろうが、最短でも200年、最長でも300年ほどの使用期限のところ、280年目らしいので、実は結構ムリしている感がある。
 その為、若作りの魔法を使っても、30歳代以下の年齢に下げることはできず、厳しく指導された後のマリアから「ばーさん」と陰口を叩かれている。
 トータルで約1000年も生きているため、大抵は物怖じせず、終始のほほんとしている。
 目も普段は猫のように細くしているが、感情が昂ると目を開く(マリア曰く、“ご開眼”)。
 直近では再三にわたって使用を禁じていた禁忌の魔法をマリアが使用した為(マリアはバレないようにこっそり使用したつもりだったが、イリーナにはバレバレであった)、両目を大きく開いて何度も平手打ちをした後、免許皆伝を剥奪した。
 本来、師匠の言い付けを破った弟子にあっては、魔法で仕置きするのが常なのだが、それすら忘れて直接ビンタするほどであった。
 このように、マリアには時折厳しい指導をすることがあるが、弟子入りしたばかりだからなのか、はたまた自主的に弟子入りさせたからなのか分からないが、今のところ、稲生に厳しい指導をしたことはない。
 少女の頃から時折は父親のように接してくれたからか、ダンテのことを稀に「お父さん」と呼ぶことがある。
 また、ポーリンは最初から厳しい姉弟子(先輩)であったが、それでも「姉さん」と呼ぶことがある(ポーリンはその呼ばれ方を嫌がっているが)。
 作中には登場しないが、門内に親しい魔道師仲間がいるらしい。
 モデルは“悪ノ娘”のエルルカ・クロックワーカーと“のんのんびより”の宮内一穂。

 エレーナ・マーロン:

 ウクライナ出身の魔女。
 金髪であるが、マリアとは違い、もう少し赤に近い色で、ウェーブの掛かったものを腰まで伸ばしている。
 一門の中では今のところ、ホウキに跨って飛ぶ描写のある魔女である。
 白いブラウスに黒いベスト、赤いリボンタイに黒いスカートをはく姿が多い。
 “魔女の宅急便”のキキはロングスカートだったので特に問題無かったが、エレーナのスカートはもっと短い為か、スカートの下にオーバーパンツをはいていることが多い。
 黒い帽子を被っているが、とんがり帽子ではなく、普通のハット。
 ホウキで飛ぶ時は使い魔の黒猫(名前はクロ)を先端部分に乗せ、背中にGPSを背負わせている。
 で、自分はゴーグルを着用するなど、やや現実的な飛び方をする。
 飛行能力はなかなかのもので、小回りを利かせて人間界に迷い込んできたナッパーバット(魔界に生息する大型の肉食コウモリ)を荒川の水面に叩き付けたり、埼京線の通勤快速と競走したりした(埼京線の最高速度は90キロ)。
 マリアンナもその飛行能力は認めており、時々便乗している。
 マリアンナのいたハンガリーと同様、ウクライナも紛争地帯で、こちらは紛争で家族を失い、途方に暮れていたところをポーリンに拾われ、弟子となる。
 その後、どのような修行をしたのかまでは明らかにされていないが、ポーリンはとかく厳格にエレーナを育成したようである。
 その成果として、実はマリアンナとガチで魔法勝負したらエレーナが勝つ(但し、最後の詰めが甘かったり、運に恵まれなかったりしてマリアンナに負けることもよくある)。
 最初はポーリンに敵対するイリーナ一味(稲生ユウタ、威吹達も含む)を激しく敵視し、マリアンナとも敵対するほどであったが、師匠同士が実はケンカするほど仲が良かったことに気づき、今ではマリアンナとは打ち解け、時折一緒に行動することもあるようだ。
 マリアの出身国ハンガリーとは隣国同士で、お互い紛争で人生に大きく影を落とした共通点があることも仲良くなった原因である。
 ホウキで空を飛ぶ魔法の他、他の人物や動物に化けるなどの変化の魔法も使える。
 情報収集と称して、東京都江東区内の小さなビジネスホテルで住み込みで働いている。
 ホテルのオーナー夫妻は普通の人間のようだが、何らかの形でポーリンに縁があるらしい。
 バイリンガルなエレーナは、急増する外国人客に対して多種多様な接客ができるため、ホテルでは重宝されている。
 実際、バックパック1つで世界中を旅するバックパッカーからもたらされる情報が役に立つこともあったとのこと。
 商売上手だからなのか分からないが、免許皆伝を受ける際に契約する悪魔は“強欲”のマモンが予定されている。
 実年齢は不明だが、本人は稲生よりも年下だというが、稲生やマリアンナからは年上に見られている。
 “魔女の宅急便”よろしく、時々は配達の仕事もやっていたりする。
 尚、そのアニメでキキが飛べなくなった時は身につまされたということで泣いたらしい(飛べなくなった理由は分かるという)。
 モデルは“東方Project”の霧雨魔理沙と宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーンの3人を足して3で割ってみた。
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“新アンドロイドマスター” 「カウントダウン」

2015-11-10 15:52:52 | アンドロイドマスターシリーズ
[11月8日12:09.静岡県富士市・JR新富士駅 敷島孝夫、平賀太一、1号機のエミリー、3号機のシンディ]

〔新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく1番線に、12時9分発、“こだま”644号、東京行きが入線致します。安全柵の内側まで、お下がりください。この電車は終点まで、各駅に止まります。自由席は1号車から7号車までと13号車から15号車です。グリーン車は8号車、9号車、10号車です。……〕

 8号機のアルエットが怪しいと分かった以上、一刻も早く東京に戻る必要があった。
 しかし最寄り駅の新富士駅では、各駅停車の“こだま”しか停車しない。
 それでも変に“ひかり”の停車する静岡駅や三島駅まで向かうよりは、ここから乗った方が早いはずだった。

〔「1番線、ご注意ください。12時9分発、“こだま”644号、東京行きが参ります。……」〕

 “のぞみ”や“ひかり”なら通過線を最高速度で通過するところ、“こだま”はホームと接する副本線にゆっくり入ってきた。
 名古屋始発だからなのか分からないが、車内はそんなに混んでいなかった。

〔新富士、新富士です。ご乗車、ありがとうございました〕

 ドアが開いて、4人はまた自由席に乗り込んだ。
 適当に空いている2人席に座る。

〔「通過列車の待ち合わせのため、5分ほど停車致します。発車まで、しばらくお待ちください」〕

「敷島さん、アルエットに命じてなるべく事務所から動かないようにと……敷島さん?」
「はい?」
 敷島はテーブルを出して、駅弁を開けていた。
「なに暢気に弁当食べてるんですか!ヘタすりゃアルエット、KR団のスパイロイドだったかもしれないんですよ?!」
「大丈夫ですよ。今日、アルエットの仕事は午前中だけですから。今頃は事務所に戻って、充電でもしている頃でしょう。アルエットのオーナーは私ですから、責任者は私です」
「どうなさるおつもりですか?」
「アルエットは幸い、デイライトさんの科学館が完成すれば、専属ガイノイドとしての仕事が待っています。その前にちょいと整備を……という名目でデイライトさんの現・研究所に連れて行きます。アリスがいますからね」
「自分も行きますよ。テロ組織に渡っていたかもしれないロイドを放っておくことはできません」
「分かりました。デイライトさんとアリスには連絡しておきます」
 敷島が言い終わると同時に、通過列車が轟音を立てて通過していった。
「どうするの、社長?アタシからアルに言っておこうか?」
「ヘタに騒ぐと、アルエットも怪しむだろう」
「でも急な仕事が入って、アタシ達が戻った頃には仕事に出てたりしたら?」
「そうですよ、敷島さん。大事な用があるからとでも言っておけばいいでしょう」
「分かった。分かりました。シンディ、事務所とアルエットに連絡しておいてくれ」
「了解。……こちら、シンディ。一海、応答できる?」
 シンディは搭載されている通信機能を使って、まずは事務所の専属事務作業ロイド、一海に連絡してみた。
「……一海、応答して!」
 だが、一海からの応答は無かった。
「確か、リンとレンも、今日は昼頃に一旦事務所に戻って、夕方から仕切り直すパターンだったはずだ」
「なるほど。……リン、こちら、シンディ。応答できる?」
 すると、
{「ハイ、お掛けになった電話番号は現在使われてませんよォ!」}
 鏡音リンのおきゃんな声が聞こえて来た。
「……。姉さん、代わりに交信してくれる?」
 シンディは人間で言う頭痛のようなものを感じて、エミリーに変わってもらった。
「OK.鏡音リン・応答・しないと・後で・吊るす」
{「ごごご、ごめんなさい……」}
「……そこに・一海は・いるか?」
{「か、かずっちなら今、電話なう!」}
「そうか。では・アルエットは・いるか?」
{「ううん、いない」}
「!?」
「は?」
「なにっ!?」
「ぬねの!」
 敷島だけボケをかますが、全員にスルーされた。
「どこに・行った?この・時間は・事務所に・いる・はずだ・ぞ?」
{「MEIKOりんとコンビニに買い物に行ったYo!」}
「何だ……」
「ちゃんと帰って来るんだろうな?」
「そりゃ帰って来るでしょう」
「てか、MEIKOも仕事無いんなら事務所でおとなしくしてろってんだ」
「では・伝言を・頼む。アルエットに・『社長が・大事な・用事が・あるので・今日は・事務所で・待機して・いる・ように』と」
{「うん、分かった」}
「一海にも・伝えて・くれ。それと……」
 更にエミリーはアドリブで、何かを言った。
「今現在、鬼軍曹は・私より・シンディだ」
「はあ!?」
{「りょ、りょーかーい……。そんじゃね!」}
 リンは最後、慌てて通信リンクを切った。
「いやいや!姉さんの方が鬼軍曹だって!」
「シンディの・方が・怖い」
「えー、怖くないよー」

 いつの間にか列車は新富士駅を発車していた。
「姉妹機、仲良いのはいいけど、充電しておけよ」
 敷島は最後、駅弁の蓋を閉めながら言った。

[同日13:40.東京都墨田区・敷島エージェンシー 上記メンバーにプラス8号機のアルエット]

 新幹線は定刻通りに東京駅に着いた。
 ここから4人は八重洲口からタクシーに乗り換えて、事務所まで飛ばした。
「アルエット!」
 事務所に取って返すと、
「お帰りなさい、社長。わたしに何か大事な用ですか?」
「ああ、そうなんだ。……そうなんだよ」
 巡音ルカやエミリーのように、ピンクに近い赤毛のショートが特徴のアルエット。
 ある意味、髪型は長姉のエミリーに似ている。
「これから、デイライトさんの研究所に向かう。すぐに支度をしてくれ」
「デイライト……コーポレーションさんの、ですか?」
「そうだ。科学館の完成はまだ先だが、キミは専属ガイノイドとしてうちから派遣される予定だからな。ちょくちょく向こうさんに顔を出す必要があるんだ」
 するとアルエットは首を傾げた。
「でもこの前、館長さんから、今のうちに他の仕事をしてPRしてくださいって言われたと思いますけど……」
「う……!そ、それは……」
 エミリーが眉を潜め、
「アルエット。つべこべ・言わず・社長の……」
 と、注意しようとしたが、シンディがそれを押さえ、
「まあまあ。人間には人間の事情があるのよ。ほら、社長の命令なんだから、さっさと準備する!」
 シンディがアルエットの背中を押して、促した。
「さすがだな」
 シンディはアルエットを連れて、事務所の奥にあるロイドの居住スペースまで連れて行った。
「……ああ。アリスか。今、そっちにアルとアルの設計図を持って行くから。……ああ。徹底的に調べてくれ」
 敷島は自分のケータイで、アメリカ人妻に連絡しておいた。

 果たして、アルエットはKR団のスパイロイドだったのか。
 本人には自覚は無いようだ。
 それとも、無いように振る舞っているだけなのか……。
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“大魔道師の弟子” 主要登場人物紹介

2015-11-10 02:32:19 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 稲生勇太:

 “ユタと愉快な仲間たち”シリーズで、一部のスピンオフ作品を除き、全編に渡って主人公を務める。
 東京都内の大学を卒業後、イリーナの勧誘でダンテ一門に入門し、魔道師としての修行を始めている。
 入門したてなので、これといった魔法はまだ使えないが、前編“魔の者との戦い・マリア編”ではマリアの杖を使い、ハンドガンをグレネードランチャーに変化させるなどした。
 顕正会、日蓮正宗法華講を経験しているため、呪文の詠唱に御題目を唱えることがある。
 一門の中では唯一の日本人であるため、日本国内での移動は彼が引率することが多い。
 前作では江戸時代の天台宗僧侶、天海僧正の生まれ変わりだとイリーナに目されたことがある。
 鉄ヲタである為、鉄道にも詳しい。
 マリアのことが好きだが、奥手であるため、大きなマリアの屋敷に1つ屋根の下で暮らしていても、あまり進展は無い。
 ダンテ一門では免許皆伝を受け、更に実力が認められると、“七つの大罪の悪魔”と契約することになっているが、彼の場合は色欲の悪魔アスモデウスが予定されている。
 体型は中肉中背で、特にこれといった外見的特徴は無い。
 宮城県仙台市宮城野区出身、現住所は埼玉県さいたま市中央区。
 高校からさいたま市に実家ごと引越したが、仙台市の実家跡は東日本大震災の大津波で跡形も無くなった。
 元々が霊感の強い体質で、中学生の頃に封印されていた妖狐・威吹邪甲を復活させ、大学卒業まで盟約を結んでいた。
 高校から顕正会に入信。
 異流儀の害毒のせいか、霊力は右肩上がりで、それが悪い妖怪を却って引き寄せる結果となった。
 都内の私立高校に通い、そこで多発していた怪奇現象を威吹と共に退治した(“妖狐 威吹”より)。
 顕正会は高校卒業と共に脱会。
 高校の卒業旅行を威吹と2人で行っていたところ、マリアや藤谷と初めて出会う(“森の中の魔女”より)。
 大学入学後は藤谷の紹介で日蓮正宗に御受誡、都内某所にある東京第三布教区・正証寺支部法華講に所属する(寺院などは架空のフィクション)。
 暴走するほどに強くなっていた霊力は、ここで鎮静化する。
 新編開始時の年齢は23歳。
 尚、イリーナの弟子入り前に信心は中止した。

 ※愛称はユタだが、作者のハンネと被る為、この作品より三人称での呼称を稲生とする。

 マリアンナ・スカーレット:

 “大魔道師の弟子”のもう1人の主人公。愛称はマリア。
 東欧ハンガリーの出身だが、紛争から逃れる為、遠縁を頼って家族ごとイギリスに移住。
 これが却って、マリアの10代の人生を台無しにすることなる。
 保守的な思考の強い地域に来てしまったせいか、移民だからと冷たい扱いを受け、転入先のハイスクールでは壮絶ないじめを受ける。
 救済を神に求めたものの、救いの手を差し伸べてきたのは“七つの大罪の悪魔”の一柱である怠惰の悪魔ベルフェゴールだった。
 悪魔でもいいからと切羽詰まっていた彼女は、人間の身でありながら、強大な悪魔と契約してしまう。
 ベルフェゴールのやり方は、いかに自分が手を汚さずに、願いを成就させるかにあった。
 事故や第三者からの加害による事件に見せかけて、次々とスクールメイトを排除していった。
 復讐劇終了後は報酬として魂を要求されたが、それはマリア自身の魂ではなく、ハイスクールで唯一友達になってくれたアンジェラのであった。
 マリアは泣いて自分の魂を食らうように交渉したが、既に時遅し。
 悪魔との契約者の末路よろしく、アンジェラは死亡してしまう。
 また、マリアは性的暴行を何度か受けていた為、望まぬ命を宿していたこともあり、絶望から飛び降り自殺を図る(但し、この時はまだ妊娠を自覚していなかった)。
 地面に激突する直前、弟子候補を探していたイリーナに魔法で救われる。
 その後、改めて弟子になるかの勧誘を受けたが、人間としての人生は終了したと割り切ってそれを受ける。
 妊娠が発覚した後はイリーナの非常措置で、強制的に堕胎&ベルフェゴールに食わせるという措置が取られた。
 その為、本来なら免許皆伝前は認められない上級悪魔との契約が特別に認められた唯一の例である。
 因みに、その時の記憶(堕胎後からベルフェゴールとの再契約まで)はイリーナの魔法によって消去されている。
 イリーナの勧めで(本音は未だマリアを狙う“魔の者”から身を隠す為)、“辺境の国”日本に移住する。
 長野県内(当時は南部)の森の奥に魔法で建てた洋館に1人住み、自作のフランス人形に魔法を掛けて自在に操る“人形使い”としての修行に明け暮れていた。
 イリーナから勝手な免許皆伝を押し付けられた後、屋敷を訪ねてきた稲生や威吹と初見。
 邸内の人形をぞんざいに扱った威吹に怒り、稲生共々屋敷から追い出してしまう。
 その後、稲生の紳士的な態度に免じて用件を聞き、稲生にその用件に合ったアドバイスを送る。
 魔界の揺さぶりにより、何度か屋敷を移転させ、動乱終了後の現在は北部の白馬村郊外の森の奥に落ち着いている。
 日本で初めて会った稲生の紳士的な態度(イリーナ曰く、単なる草食)を気に入り、彼の気持ちを受け入れている(が、やはり彼女も積極的ではない為、大した進展は無い)。
 小柄な体型&童顔で、稲生より2つほど年上だが、10代に見られることが多い。
 プラチナに近い色の金髪を肩まで伸ばし、頭にはカチューシャを着けている。
 前編の時、稲生から誕生日プレゼントとしてマゼンタに小さくリボンをあしらったカチューシャが送られ、大事に使っている。
 稲生の弟子入り前は青や白を基調としたロングスカートのワンピースを常用していたが、その後は緑を基調とした服を着ることが多くなった。
 ダンテ一門では七つの大罪の悪魔を色分けしており、ベルフェゴールは緑色になっているがその為かどうかは不明。
 魔道師全般に言えることだが、特にマリアは体力や身体能力に欠ける部分があり、エレーナからは『手先は器用だが、ノロマでドジ』と評されている。
 実年齢は25歳だが先述した通り、幼く見える顔つきと体つき、18歳で魔道師になった為、稲生からは最初から年下に見られていた(魔道師は基本的に魔道師になると、体の成長と老化が極端に遅くなる)。
 その為か、年下がタメ口をきくことを嫌う。
 当初は寡黙な性格で、自分から喋ることは殆ど無かった。
 稲生達との出会いを経て、交友関係が一気に広がったこともあり、多少は口数も増えたが、それでもまだイリーナの方が多弁。
 大師匠ダンテの魔道書を読む時だけ、眼鏡を着用する。
 自分の過去の古傷を抉った鬼族の蓬莱山鬼之助に復讐する為、イリーナから使用を厳禁された魔法を無断で使用した。
 こっそり内緒で行ったつもりだったが、大魔道師たる師匠イリーナを誤魔化すことはできずにすぐにばれ、何度か平手打ちの体罰を受けた後、免許皆伝を剥奪された。
 新編では前編における“魔の者”との戦いぶりが認められ、大師匠名義で(つまり正式に)再び免許皆伝される予定となった。
 モデルは“東方Project”のアリス・マーガトロイド。
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