報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

小説の途中ですが、ここで閑話休題と行きましょうか。

2015-11-24 19:27:54 | 日記
 私が今行っているヘルプ先は、来年から私の正式な異動先となる。
 そこは今年の7月から始まった現場で、R35の私を除けば、全員がR45の独身男女の職場である。
 そのR45(女性だからL45か)の女性警備員なのだが、たまにヘルプで行く程度の私から見れば、冗談もよく言う快活なアネさんといった感じだ。
 あと10年若く、私と同世代以下であれば、食事にでも誘うところなので残念である。
 ところが、私と違って、毎日顔を合わせている正勤者の人達からすると、そうでもないらしい。
 毎日顔を合わせているからなのか、やはりお互いに癖というのが見えてきたらしい。
 私も他人事ではないのだが、やはり40代ともなると、そろそろ親の介護をどうしようとなる年代であるようで、これは私が20歳の時、初めて社会に出てから何回も目の当たりにしてきた。
 そしてそれは、アネさんも同様らしい。
 実は、今年の初めに私が書いた“非婚のススメ”の通りに彼女はなってしまったのである。
 アネさんは独身で、他に兄弟もおらず、1人で母親の介護をしなければならないらしい。
 “非婚のススメ”に、それがどういう意味だか書いた記憶がある。
 結婚でもしていれば、そのストレスをダンナにでもぶつけることができるのだろうが、していない場合、最悪は爆発して流血の惨を見ること必至であるようなことを書いた記憶がある。
 確か、愛国 清澄さんもこのことについて書いておられなかったかな?
 その介護の苦労について、職場で私らに愚痴る分にはまだ良い。
 私もこれから親を介護する世代になるわけだし、既にそれに入っている同世代の隊長達も他人事ではないからだ。
 だから、あまり歳を取ってから、つまり40代になってからの婚活は、もれなく相手の親の介護が付いてくるかどうかが焦点のような気がする。
 20代女性なら、まだ相手の外見だの収入だのに拘っていられるが、歳を取って来るとそうもいかないのだよ。
 そうだろう?パラパラ茜のオバハンよ?ブログで自分の親の介護のことについて触れていないのは、どうしてかね?
 愛国さんだって、その心労を吐露しておられるのだぞ?

 そのアネさんなのだが、どうもここ最近、おかしくなってきているようだ。
 昨日、勤務をドタキャンした。
 警備員という仕事には、ノルマが無い。
 強いて言うなら、時間通りに出勤して時間通りの配置について、時間通りに帰ることがノルマかな。
 そのノルマの為に、日曜日も大晦日も元旦も出勤しなくてはならないのだ。
 そして、契約先の契約内容を履行する為には、正にその契約内容通りの時間に勤務しなければならないわけだ。
 アネさんはそれを蹴ってしまったわけである。
 担当の警務主任が慌ててやってきて、代理要員を確保したり、顧客のユーザー様に陳謝したりと大変であった。
 警務主任は事務職なので、本来昨日は休みであるはずだったのだが、アネさんのドタキャンの為に慌ててやってきたというわけだ。
 それまでにも副隊長や隊長が何度かアネさんと連絡を試みたが、隊長は、
「本当に具合が悪そうだった」
 とし、副隊長にあっては、
「確かに具合が悪そうではあったが、まるで二日酔いのそれに似ていた」
 とも言う。
 いずれにせよ、通常出勤できない体調であったのは事実であろうが、それにしても連絡が遅いのには閉口した。
 実は私は一昨日にもヘルプに行っていて、アネさんが元気に勤務していたことを知っている。
 その後の親の介護で大変だったのだろうとは思うし、いくらL45といってもまだ“終了”していなければ、女性特有のアレもあるだろうが、前者
はともかく、後者は急に来るものなのかは、男で、尚且つ身近に生殖能力のある女性がいない私には分かるものではない。

 実は副隊長は友人の紹介で、年下の未婚女性に会うことになっていた。
 無論、アネさんのドタキャン程度でそれがキャンセルになるわけではない。
 だた、彼は私と同様、嫌煙家である。
 紹介される38歳の女性は、喫煙者なので、それだけでNGとのこと。
 しかし、まず会わないことには紹介者の顔も立たなくなるので、取りあえず会うだけ会うとのことであった。
 “非婚のススメ”にも書いたと思うが、やはり男は独身のままの方が勝ち組のような気がしてしょうがない。
 この来年から新しい職場となるヘルプ先の人々を見て、今年始めに書いた記事の内容に確信を持つようになった。
 うちの母方の祖母は、仙台の善修寺近くの介護施設に入所しているのだが、私の両親が健在だからこそ、円滑な介護ができているかのように見える。
 片親(つまり母親)だけなら、かなり大変なのではないかとも思う。
 無論、それだけの為に結婚するのはナンセンスである。
 私が万が一仮に結婚するなら年下が良いというのは、もれなく親の介護がすぐにやってくるような(あるいは現在進行形)年代では困るからだ。

 実は私のこの考え、しっかり小説にも繁栄されている。
 意識して書いたわけではないが、自然とそうなった。
 “アンドロイドマスター”シリーズの平賀奈津子は30代前半で平賀太一と結婚したし(つまり、まだ親が元気な世代)、アリス敷島にはそもそも親がいない。
 “ユタと愉快な仲間たち”シリーズにおいて、栗原江蓮は女子高生だったから両親が元気なのは当然だし、稲生勇太が惚れているマリアンナ・スカーレットにも親はいない(そういえば、完全にいないとした描写は無いナ……)。

 茜オバハンや職場のアネさんとか見てると、やはり女は歳取るとこうなるか……と思って、やっぱり結婚する気は失せるのである。
 あ、来年は別に“新・非婚のススメ”とかは書きませんよ、ええ。

 1番良いのは、私のそんな考えを真っ向から崩してくれる女性が現れてくれることなんだろうが、これを祈ろうとして登山しようとしたら、登山バスが事故りそうな気がするからやめておこう。
コメント (4)
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“大魔道師の弟子” 「クイーン・アッツァー号のブリッジエリアで」

2015-11-24 10:48:51 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[日付不明 時刻不明(夜間) 天候:晴 クイーン・アッツァー号(船橋区画) 稲生勇太]

 副船長の幽霊から「夜は危険だから」という理由で、船橋区画の廊下には出ないように注意された稲生。
 しかし案内された船長室で待てど暮らせど、状況が変わる様子が無い。
 痺れを切らした稲生は、意を決して副船長の注意を破ることにした。
 照明の点いていない暗い廊下に出ると、
「うふふふふふふ……」
「!?」
 すぐ近くで若い女の笑い声がした。
 稲生がその方向に顔を向けると、そこにいたのは見覚えのある……。
「うわっ!?」
 ナレーション間に合わず、稲生の体が持ち上げられた。
 具体的には、魔法の杖を持った女が稲生を『見えざる力』で、天井まで持ち上げ、床に叩き付けるというものだ。
「うう……」
 背中を打ちつけた稲生は、起き上がるのに苦労した。
「あ、あなたは、魔道師さんですよね!?僕は怪しい者じゃありません!僕は稲生勇太と言いまして、イリーナ・レヴィア・ブリジット先生の弟子です!」
 だが、そんな稲生の言葉を聞いていないかのように、もう1度同じ攻撃をしてきた。
「わわわわっ!ちょっと!ちょっと待ってー!」
 ゆっくりと体が持ち上がる稲生。
 バタバタと四肢をバタ付かせて抵抗を試みる稲生だったが、そんなこと無駄で……は無かったようだ。
 右足が壁に当たる。
 その壁には、何かがあった。
 それは照明のスイッチ。
 足が当たったショックでスイッチが入り、廊下の照明が点灯した。
「キャアアアアアアッ!!」
「!!?」
 廊下が明るくなると、女は急に叫び声を上げて、フードで顔を隠すような仕草をすると、そのまま消えて行った。
 と、魔法が切れたのか、再び稲生は床に落ちる。
「な?な?」
 稲生が驚愕していると、
「光だ……。奴らは……光を嫌う……」
 副船長の声が聞こえた。
 すぐ後ろに、影だけの姿となった幽霊の副船長がいた。
「彼女は一体、何なんですか?」
「分からない……。彼女は急に現れて……そして、この船を襲った……。理由は……分からない……」
「光を嫌う……?待てよ……」
 それは“魔の者”の特徴ではなかったか。
 人間に憑依している間は、ある程度明るい所でも大丈夫だったが、それでも力を発揮できるのは夜間とか暗い場所。
 だから魔界の劇場でアカネは明るい場所では稲生達と戦おうとしなかったし、ヤノフ城決戦の時も夜間だった。
 人間界での移動時は昼間だったこともあって、確かに“魔の者”が姿を現すことはあっても、攻撃はしてこなかった。
 それは、“魔の者”が光を嫌うことの証である。
「電気の明かりでも逃げて行くとは……」
「ブリッジ付近であっても……電気の点かない所がある……」
「どういうことですか?」
「ヒューズが飛んだらしく……一部点かない所がある……。いいか?そういう所には、立ち入らないことだ……」
 副船長はそう言うと、どこかへ消えてしまった。
「……船長室に戻れって言わなかったな。よし」
 それなら電気の点かない所には注意するとして、船橋区画を探索してみることにした。

 まずは、廊下の向こうまで行ってみることにする。
 そこは会議室になっていた。
 で、そこは電気が点かない。
「まずいな……」
 しかし入ってすぐに、あの魔道師の姿をした“魔の者”が襲って来ることはなかった。
(あれ?待てよ。確か、あの魔道師の……どこかで見たような……?)
「誰だ……?」
「はっ!?」
 薄暗い会議室の、机の椅子に座っている者がいることに気づいた。
「そこにいるのは……誰だ……?」
 どうやら、別の船員の幽霊であるようだ。
 副船長と声が違う。
「え、えーと……僕はですね、どういうわけだか、この船に期せずして迷い込んでしまった者でして……けして、怪しい者では……」
「誰でもいい……。明かりを……明かりを点けてくれ……」
「えっ?」
「暗い……。このままだと……アイツが……アイツが来る……。助けてくれ……」
「アイツって、あの魔道師の姿をした人のことですか?」
「早く……明かりを……」
「こっちに来てください!廊下や船長室は電気が点きますから!」
 しかし、いくら稲生が呼び掛けても、船員は椅子から立ち上がろうとしなかった。
 いわゆる、地縛霊というヤツだろうか。
 その場に囚われてしまったまま死んでしまった為に、そこから動くことができない。
「どうやら、ヒューズが飛んでしまったようなんです。何とか、直す方法は無いでしょうか?」
「ヒューズボックスが……エレベーターの横に……ある。ヒューズは旧式のもので……繋ぐには……針金がいる……。だが、針金が……無い。もう……直せない……。用具室にあるのは……ペンチだけ……。ううう……」
 船員は今の状況を知っているのか、それだけ言うと頭を抱えて机に突っ伏してしまった。
「ちょっと待っててください」
 稲生は再び廊下に出た。
 取りあえず、まずはヒューズボックスを探すことにした。

 廊下を探索していると、確かにエレベーターが1機あった。
 しかしボタンを押してみたが、このエレベーターも電源が落ちているのか、全く反応しない。
 少なくとも乗り場に、『船首甲板、プロムナードへ』と書かれているので、少なくともそこへ行くエレベーターのようだ。
 そして船員の言う通り、確かにヒューズボックスがあった。
 開けてみると、ヒューズが2つある。
「これ……素手で触ったらマズいよな?」
 ただ、分かったことはあった。
 確かに、ヒューズの1つが飛んで無くなってしまっている。
 それが副船長の言う、船橋区画で一部電気が点かなくなった原因なのだろう。
 そして、その1つが会議室というわけだ。
「針金ねぇ……。あっ」
 そこで稲生は、針金のある場所を思い出した。
 あとは、用具室とやらにあるペンチを探す必要があった。
 それも適当に廊下に面したドアを開けると、すぐに見つかった。
 しかしその部屋も電気が点かない一部の部屋らしく、スイッチを押しても電気が点かなかった。
「えーと、ペンチは……と」
 稲生が窓から差し込む月明かりだけを頼りに用具室内を探すと、やっとこさペンチとゴム手袋が見つかった。
「よし!」
「うふふふふふふふ……!」
「!?」
 あの笑い声が聞こえた。
 そして、フードの隙間から見える赤い髪と緑色の目を見てユタは思い出した。
「ジェシカ先生!やめてください!」
「……!?」
 稲生が叫ぶと、一瞬魔道師の姿をした“魔の者”は不気味な笑みを消した。
「ジェシカ……?」
「くっ……!」
 動きが止まったので、稲生は急いで用具室の外に出ようとした。
 だが、
「ははははははは……!」
 再び不気味な笑みに戻ったジェシカ?らしき者は、稲生を魔法で持ち上げて、また床に叩き付けた。
「うっ……!」
 それでも這うようにして、何とか外に出た。
「はぁ、はぁ……!」
 ケガは無いのだが、ひどく体がだるい。
 どうやらあの魔法は、敵を攻撃するだけでなく、体力も奪うらしい。
 稲生は船長室で見つけた体力回復薬を使用した。
「ふう……」
 驚くほど、それまでのだるさが嘘のようになる。
「よし!頑張るぞ!」
 稲生は立ち上がって、ヒューズボックスに向かったのだった。
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