[4月9日10:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日の私は通常業務……と言いたいところなのだが、今日は特殊な業務が入った。
リサ達の関係だ。
簡単に言えば、リサ達BOWの定期健診みたいなもの。
人間と同じようにできないものだから(やり方はほぼ同じ)、BSAAの検診車を使っての検診であった。
事務所が入居しているビルの裏手には駐車場があるのだが、大型車は止まれない為、マイクロバスや2トントラックを改造した検診車がやってきた。
BSAAの車というと、くすんだ緑色の塗装が多いが、医療用はそうではないのか、まるで赤十字社のように白い塗装に赤十字のマークがしてあった。
これなら、傍目から見れば日本赤十字社の検診車に見えてしまう(一応、ボディには小さく『BSAA極東支部日本地区本部』と書かれているのだが)。
善場:「愛原所長、おはようございます。車両が到着しました。今日は立ち会いのほど、よろしくお願いします」
愛原:「分かりました」
上野凛:「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
上野理子:「おはようございます」
上野姉妹は土曜日なのに、学校の制服でやってきた。
善場:「パクさん。あくまでも、見学という形ですので、くれぐれもよろしくお願いします」
ヨンヒ:「分かっています」
BSAA極東支部韓国地区本部の養成学校生であり、東京中央学園に留学してきたパク・ヨンヒも制服姿で来た。
韓国の女子中高生の制服もブレザーが普通ということで、日本に来ても何の疑いも無く着ているようだ(尚、セーラー服と詰襟制服は反日の観点から全廃されている)。
ヨンヒ:「韓国BSAAの養成所から来ました、パク・ヨンヒです。よろしくお願いします」
愛原:「ど、どうも。探偵の愛原です……」
高橋:「ふーん……。助手の高橋だ。なるほど」
愛原:「何が?」
高橋:「……いや。先生の仰る通り、某AV女優に似てますねって話です」
ヨンヒ:「?」
愛原:「あ、いや、これは失礼!」
ヨンヒ:「それは……褒め言葉として捉えて宜しいのでしょうか?」
愛原:「た、多分ね!」
善場:「所長、よろしいでしょうか?」
愛原:「あぁ、すいません。それじゃキミ達、向こうで着替えて来て」
リサ:「はい」
リサと上野姉妹は、事務所内の応接室に向かった。
そこで制服から学校のジャージに着替えることになる。
愛原:「どうして、日本に留学を?こんなコロナ禍で……」
ヨンヒ:「BSAAにいれば、『こんなコロナ禍』だと分かるのですよ」
愛原:「ええっ?」
ヨンヒ:「世界中どこを見ても、人間並みの容姿、知性、理性を持ちながら、飼い慣らされているBOWはここだけです。また、そんなBOWから生まれたハーフが2人もいて、しかも人間と同じように生活しているという例も珍しいです。これは観察の対象になります。隣国のBSAAとしては、知らずにはいられません。しかし、現役の職員は嫌韓の連中……失礼、日本政府の厳しい規制により入国できないので、表向き、身分が学生の私が留学生という形で入国できたのです」
愛原:「それはそれは……」
なかなか狡猾な手を使ったものだ。
身分が学生の外国人が、気軽に日本への留学もできないようになっているはずだが、どうやって規制を掻い潜ったのだろうか?
今の政権では、完全にブロックなどできないだろうな。
愛原:「かなり日本語が上手みたいだけど、これも勉強した?」
ヨンヒ:「はい。BSAAでは内部でも色々と協定を結んでいまして、私は韓日協定の部隊への配属が予定されています。つまり、韓国と日本でバイオハザードが起きた場合、互いに協力してその鎮圧に当たるという協定ですね。日本と共同作戦を張る部隊への配属が決まっている以上、日本語の習得は必須です」
愛原:「すると、“青いアンブレラ”のことは……」
ヨンヒ:「それは渉外担当の別の部門の管轄です。私の所の管轄ではありません」
愛原:「そうか……。パクさんは……」
ヨンヒ:「ああ、私の事はヨンヒって呼んでください。愛原さんのことは、『愛原先生』とお呼びすれば宜しいですね?」
高橋:「分かってるじゃねーか、韓国人よぉ」
愛原:「分かった。じゃあ、ヨンヒと呼ばせてもらうよ。私のことは……まあ、好きなように呼んでくれればいい」
高橋:「愛原先生とお呼び!……んべっ!?」
私は新聞紙を丸めて、高橋の頭を引っ叩いた。
愛原:「男のくせに女王様やんな!」
高橋:「さ、サーセン……」
ヨンヒ:「これからよろしくお願いします。愛原先生」
そうしているうちに、リサ達がジャージに着替えて応接室から出て来た。
まだ外は寒いので、上は長袖のジャージを着ていたが、下は短パンだった。
リサ:「お待たせ」
愛原:「おう。大丈夫か?下も長いズボンでいいらしいが……」
リサ:「わたしは大丈夫」
凛:「私もまあ、大丈夫です」
理子:「私もです」
体操着の見た目は、中等部も高等部も変わらない。
リサ:「先生が命令するなら、下はブルマにするけど?」
愛原:「いや、いいよ」
ヨンヒ:「ぶるま?」
愛原:「あ、いや、気にしないで。日本の文化です」
ヨンヒ:「日本の文化……」
うむ?もしかして、反日感情を煽ってしまったかな?
反日感情の強い特定アジア人は、日本文化という熟語を聞くだけで脊髄反射するらしいからな。
しかし、ヨンヒは単語の意味を考える仕草をするだけだった。
リサ:「リンとリコも、いつでも先生の命令があってもいいように、ブルマと旧スク水は用意しとけ」
凛:「は、はい!」
理子:「分かりました、先輩」
愛原:「おい、ちょっと待てリサ!」
善場:「時間が無いので、さっさと行きますよ」
愛原:「高橋、留守番頼むぞ!」
高橋:「分かりました。お任せください」
私達は高橋を事務所に残し、エレベーターに乗り込んだ。
小さい雑居ビルのエレベーターだから定員は少なく、ギュウギュウに乗る有り様だった。
それでも、定員オーバーのブザーは鳴らない。
エレベーターの定員はあくまで目安であり、実際は積載量でオーバーか否かを決める。
リサ:「ハァハァ……先生と密着できて、功徳~~~~~~!!」
愛原:「アホか!」
善場:「愛原所長、なるたけリサと一緒に電車に乗る時は満員電車を避けてください」
愛原:「分かってますよ」
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日の私は通常業務……と言いたいところなのだが、今日は特殊な業務が入った。
リサ達の関係だ。
簡単に言えば、リサ達BOWの定期健診みたいなもの。
人間と同じようにできないものだから(やり方はほぼ同じ)、BSAAの検診車を使っての検診であった。
事務所が入居しているビルの裏手には駐車場があるのだが、大型車は止まれない為、マイクロバスや2トントラックを改造した検診車がやってきた。
BSAAの車というと、くすんだ緑色の塗装が多いが、医療用はそうではないのか、まるで赤十字社のように白い塗装に赤十字のマークがしてあった。
これなら、傍目から見れば日本赤十字社の検診車に見えてしまう(一応、ボディには小さく『BSAA極東支部日本地区本部』と書かれているのだが)。
善場:「愛原所長、おはようございます。車両が到着しました。今日は立ち会いのほど、よろしくお願いします」
愛原:「分かりました」
上野凛:「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
上野理子:「おはようございます」
上野姉妹は土曜日なのに、学校の制服でやってきた。
善場:「パクさん。あくまでも、見学という形ですので、くれぐれもよろしくお願いします」
ヨンヒ:「分かっています」
BSAA極東支部韓国地区本部の養成学校生であり、東京中央学園に留学してきたパク・ヨンヒも制服姿で来た。
韓国の女子中高生の制服もブレザーが普通ということで、日本に来ても何の疑いも無く着ているようだ(尚、セーラー服と詰襟制服は反日の観点から全廃されている)。
ヨンヒ:「韓国BSAAの養成所から来ました、パク・ヨンヒです。よろしくお願いします」
愛原:「ど、どうも。探偵の愛原です……」
高橋:「ふーん……。助手の高橋だ。なるほど」
愛原:「何が?」
高橋:「……いや。先生の仰る通り、某AV女優に似てますねって話です」
ヨンヒ:「?」
愛原:「あ、いや、これは失礼!」
ヨンヒ:「それは……褒め言葉として捉えて宜しいのでしょうか?」
愛原:「た、多分ね!」
善場:「所長、よろしいでしょうか?」
愛原:「あぁ、すいません。それじゃキミ達、向こうで着替えて来て」
リサ:「はい」
リサと上野姉妹は、事務所内の応接室に向かった。
そこで制服から学校のジャージに着替えることになる。
愛原:「どうして、日本に留学を?こんなコロナ禍で……」
ヨンヒ:「BSAAにいれば、『こんなコロナ禍』だと分かるのですよ」
愛原:「ええっ?」
ヨンヒ:「世界中どこを見ても、人間並みの容姿、知性、理性を持ちながら、飼い慣らされているBOWはここだけです。また、そんなBOWから生まれたハーフが2人もいて、しかも人間と同じように生活しているという例も珍しいです。これは観察の対象になります。隣国のBSAAとしては、知らずにはいられません。しかし、現役の職員は嫌韓の連中……失礼、日本政府の厳しい規制により入国できないので、表向き、身分が学生の私が留学生という形で入国できたのです」
愛原:「それはそれは……」
なかなか狡猾な手を使ったものだ。
身分が学生の外国人が、気軽に日本への留学もできないようになっているはずだが、どうやって規制を掻い潜ったのだろうか?
今の政権では、完全にブロックなどできないだろうな。
愛原:「かなり日本語が上手みたいだけど、これも勉強した?」
ヨンヒ:「はい。BSAAでは内部でも色々と協定を結んでいまして、私は韓日協定の部隊への配属が予定されています。つまり、韓国と日本でバイオハザードが起きた場合、互いに協力してその鎮圧に当たるという協定ですね。日本と共同作戦を張る部隊への配属が決まっている以上、日本語の習得は必須です」
愛原:「すると、“青いアンブレラ”のことは……」
ヨンヒ:「それは渉外担当の別の部門の管轄です。私の所の管轄ではありません」
愛原:「そうか……。パクさんは……」
ヨンヒ:「ああ、私の事はヨンヒって呼んでください。愛原さんのことは、『愛原先生』とお呼びすれば宜しいですね?」
高橋:「分かってるじゃねーか、韓国人よぉ」
愛原:「分かった。じゃあ、ヨンヒと呼ばせてもらうよ。私のことは……まあ、好きなように呼んでくれればいい」
高橋:「愛原先生とお呼び!……んべっ!?」
私は新聞紙を丸めて、高橋の頭を引っ叩いた。
愛原:「男のくせに女王様やんな!」
高橋:「さ、サーセン……」
ヨンヒ:「これからよろしくお願いします。愛原先生」
そうしているうちに、リサ達がジャージに着替えて応接室から出て来た。
まだ外は寒いので、上は長袖のジャージを着ていたが、下は短パンだった。
リサ:「お待たせ」
愛原:「おう。大丈夫か?下も長いズボンでいいらしいが……」
リサ:「わたしは大丈夫」
凛:「私もまあ、大丈夫です」
理子:「私もです」
体操着の見た目は、中等部も高等部も変わらない。
リサ:「先生が命令するなら、下はブルマにするけど?」
愛原:「いや、いいよ」
ヨンヒ:「ぶるま?」
愛原:「あ、いや、気にしないで。日本の文化です」
ヨンヒ:「日本の文化……」
うむ?もしかして、反日感情を煽ってしまったかな?
反日感情の強い特定アジア人は、日本文化という熟語を聞くだけで脊髄反射するらしいからな。
しかし、ヨンヒは単語の意味を考える仕草をするだけだった。
リサ:「リンとリコも、いつでも先生の命令があってもいいように、ブルマと旧スク水は用意しとけ」
凛:「は、はい!」
理子:「分かりました、先輩」
愛原:「おい、ちょっと待てリサ!」
善場:「時間が無いので、さっさと行きますよ」
愛原:「高橋、留守番頼むぞ!」
高橋:「分かりました。お任せください」
私達は高橋を事務所に残し、エレベーターに乗り込んだ。
小さい雑居ビルのエレベーターだから定員は少なく、ギュウギュウに乗る有り様だった。
それでも、定員オーバーのブザーは鳴らない。
エレベーターの定員はあくまで目安であり、実際は積載量でオーバーか否かを決める。
リサ:「ハァハァ……先生と密着できて、功徳~~~~~~!!」
愛原:「アホか!」
善場:「愛原所長、なるたけリサと一緒に電車に乗る時は満員電車を避けてください」
愛原:「分かってますよ」