[4月29日15:37.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅・中央線ホーム→1593T電車10号車内]
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、15時37分発、中央特快、高尾行きです。発車まで、しばらくお待ちください。次は、神田に停車致します〕
私達は中央線ホームに移動し、そこから中央特快に乗車した。
本当は大月行きに乗りたかったのだが、ちょうどいい時間の電車が無かった為、高尾までこれに乗ることにした。
さすがは京王線の特急に対抗する為に設定された、日本初の特別快速ということもあり、中央線で東京都の東端である高尾駅まで1時間足らずで行くことができる。
しかも、珍しい電車に乗ることができた。
いま、中央快速線ではグリーン車を組み込む計画を進めている。
しかし、全ての電車に一気にそんな改造工事はできないから、少しずつ行う形になる。
で、改造工事中は当然走ることはできないから、その分、電車が足りなくなってしまう。
そこで、逆に新車投入で余りが出た千代田線乗り入れ用の電車を臨時に持って来て運用することになったのだ。
しかし、千代田線乗り入れ用(常磐緩行線)と中央快速線ではラインカラーが違う。
そこで、見た目には塗装だけ変更して臨時運用に当たっているわけである。
その運用に私達は当たってしまったわけだ。
(右が通常、中央快速線で運転されているE233系。左が臨時運用に当たっている、今回愛原達が乗った元・常磐緩行線の209系)
(臨時運用の為か、内装についてはさほど手を加えられていない)
〔「ご案内致します。この電車は15時37分発、中央快速線、特別快速、高尾行きです。お待たせ致しました。信号が変わりましたので、発車致します。ご乗車になりまして、お待ちください」〕
座席についてはE233系よりも硬い。
また、運用についても基本的には高尾から西の大月行きなどには使用しないし、10両固定編成なので、青梅線や五日市線に乗り入れることも基本的には無い(ダイヤ乱れによる臨時運用で、稀に入ることはあるかもしれないという。実際それに備えて、その線区用の行き先表示も用意されているとか)。
ホームから、アップテンポの発車メロディが流れてくる。
〔1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
電車はドアを再開閉させることなく、スムーズに発車した。
中央線ホームにはまだホームドアが無いので、電車のドアが閉まればすぐに発車する。
〔「お待たせ致しました。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。中央線、特別快速の高尾行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川、立川から先の各駅です。次は神田、神田です。お出口は、右側です」〕
尚、自動放送は無い。
常磐線時代から無かったのか、或いは臨時運用の為だけではと、この中央線用の自動音声データは搭載されなかったのかは不明だ。
リサ達は制服を着ている。
5月から上着の着用は自由化されるらしいが、今はまだ緑色のブレザーを着ている。
泊まり掛けで行くということもあり、彼女達はいつもの通学鞄よりも少し大きめのバッグを持っていた。
まるで部活帰り、或いはこれから合宿に行くみたいな感じだ。
特にスポーツ系の上野凛さんを見ると、そんな気がするのである。
リサは完全なるBOWということもあり、通学も特別に認められているということもあって、部活までは許可されていない。
しかし、生徒会の手伝いとかはしているようだ。
また、学校で多発しているという怪奇現象の謎を追う為に、新聞部に仮入部したこともある(その怪奇現象の原因のうち、6割は“トイレの花子さん”絡みによるもの、3割はリサ自身によるもの、そして残りの1割はまだ原因が特定されていないという)。
高橋:「先生、タバコいいっスか?」
愛原:「電車ん中で吸うな」
高橋:「あ、もちろん降りてからっスよ」
愛原:「残念だ。国電区間の駅は、全部禁煙だ」
高橋:「えーっ!」
愛原:「藤野まで我慢するんだな」
車なら禁煙車でなければ吸えたかもしれないが、免停食らうのが悪い。
[同日16:33.天候:晴 東京都八王子市高尾町 JR高尾駅]
リサの目について調べたいというのが、今回の再検査の理由だ。
完全に人間に化けた第0形態なら、概して瞳の色は黒いままだが、第1形態の鬼姿の時は赤色になったり金色になったりする。
私も何の違いでそうなるのかは分からなかった。
それを調べたいのだという。
些事かもしれないが、こういう所にリサが人間に戻れるヒントが隠されているのかもしれない。
どうせゴールデンウィークは旅行に行く予定は無いので、ちょうど良いだろう。
〔「まもなく終点、高尾、高尾です。1番線に入ります。お出口は、左側です。お降りの際、車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。高尾からのお乗り換えをご案内致します。今度の中央本線下り、普通列車の大月行きは、3番線から16時47分。その後、普通列車の小淵沢行きは、4番線から17時19分の発車です。京王高尾線ご利用のお客様は、一旦改札を出てからのお乗り換えとなります。本日もJR東日本、中央快速線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
東京駅を発車する時は、やや遅れ気味だった電車も、高尾駅に着く頃には定時に回復できていた。
東京でも気軽に登山できる高尾山への入口駅だが、実際に高尾山に行くには、ここから京王線に乗り換える必要がある。
〔たかお~、高尾~。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
電車がホームに到着し、私達は電車を降りた。
大月行きだったらここで乗り換えをせずに済むのだが、仕方が無いだろう。
リサ:「そういえば今日は、八王子に泊まんないんだね?」
愛原:「今回は宿泊費が出ないからな。但し、研修センターへの宿泊ならいいそうだ」
まあ、これで良かったのかもしれない。
ホテルの中にはトリプルもあるだろうが、探してみると案外無いものだ(ファミリータイプとかだと、大抵料金の高いホテルになる)。
それなら、大勢泊まれる合宿所みたいな所の方がいいかもしれない。
高橋:「ここには喫煙所は……」
愛原:「無ェよ!藤野まで我慢しろっつったろ!」
もっとも、藤野駅にも喫煙所があるかは【お察しください】。
まあ、少なくとも研修センターに行けばある。
合宿所形式の宿泊施設だが、ターゲットが社会人なだけに、ちゃんと酒とタバコはやれるのである。
私達は、更に西へ向かう電車が発車する3番線へと向かった。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、15時37分発、中央特快、高尾行きです。発車まで、しばらくお待ちください。次は、神田に停車致します〕
私達は中央線ホームに移動し、そこから中央特快に乗車した。
本当は大月行きに乗りたかったのだが、ちょうどいい時間の電車が無かった為、高尾までこれに乗ることにした。
さすがは京王線の特急に対抗する為に設定された、日本初の特別快速ということもあり、中央線で東京都の東端である高尾駅まで1時間足らずで行くことができる。
しかも、珍しい電車に乗ることができた。
いま、中央快速線ではグリーン車を組み込む計画を進めている。
しかし、全ての電車に一気にそんな改造工事はできないから、少しずつ行う形になる。
で、改造工事中は当然走ることはできないから、その分、電車が足りなくなってしまう。
そこで、逆に新車投入で余りが出た千代田線乗り入れ用の電車を臨時に持って来て運用することになったのだ。
しかし、千代田線乗り入れ用(常磐緩行線)と中央快速線ではラインカラーが違う。
そこで、見た目には塗装だけ変更して臨時運用に当たっているわけである。
その運用に私達は当たってしまったわけだ。
(右が通常、中央快速線で運転されているE233系。左が臨時運用に当たっている、今回愛原達が乗った元・常磐緩行線の209系)
(臨時運用の為か、内装についてはさほど手を加えられていない)
〔「ご案内致します。この電車は15時37分発、中央快速線、特別快速、高尾行きです。お待たせ致しました。信号が変わりましたので、発車致します。ご乗車になりまして、お待ちください」〕
座席についてはE233系よりも硬い。
また、運用についても基本的には高尾から西の大月行きなどには使用しないし、10両固定編成なので、青梅線や五日市線に乗り入れることも基本的には無い(ダイヤ乱れによる臨時運用で、稀に入ることはあるかもしれないという。実際それに備えて、その線区用の行き先表示も用意されているとか)。
ホームから、アップテンポの発車メロディが流れてくる。
〔1番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
電車はドアを再開閉させることなく、スムーズに発車した。
中央線ホームにはまだホームドアが無いので、電車のドアが閉まればすぐに発車する。
〔「お待たせ致しました。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。中央線、特別快速の高尾行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川、立川から先の各駅です。次は神田、神田です。お出口は、右側です」〕
尚、自動放送は無い。
常磐線時代から無かったのか、或いは臨時運用の為だけではと、この中央線用の自動音声データは搭載されなかったのかは不明だ。
リサ達は制服を着ている。
5月から上着の着用は自由化されるらしいが、今はまだ緑色のブレザーを着ている。
泊まり掛けで行くということもあり、彼女達はいつもの通学鞄よりも少し大きめのバッグを持っていた。
まるで部活帰り、或いはこれから合宿に行くみたいな感じだ。
特にスポーツ系の上野凛さんを見ると、そんな気がするのである。
リサは完全なるBOWということもあり、通学も特別に認められているということもあって、部活までは許可されていない。
しかし、生徒会の手伝いとかはしているようだ。
また、学校で多発しているという怪奇現象の謎を追う為に、新聞部に仮入部したこともある(その怪奇現象の原因のうち、6割は“トイレの花子さん”絡みによるもの、3割はリサ自身によるもの、そして残りの1割はまだ原因が特定されていないという)。
高橋:「先生、タバコいいっスか?」
愛原:「電車ん中で吸うな」
高橋:「あ、もちろん降りてからっスよ」
愛原:「残念だ。国電区間の駅は、全部禁煙だ」
高橋:「えーっ!」
愛原:「藤野まで我慢するんだな」
車なら禁煙車でなければ吸えたかもしれないが、免停食らうのが悪い。
[同日16:33.天候:晴 東京都八王子市高尾町 JR高尾駅]
リサの目について調べたいというのが、今回の再検査の理由だ。
完全に人間に化けた第0形態なら、概して瞳の色は黒いままだが、第1形態の鬼姿の時は赤色になったり金色になったりする。
私も何の違いでそうなるのかは分からなかった。
それを調べたいのだという。
些事かもしれないが、こういう所にリサが人間に戻れるヒントが隠されているのかもしれない。
どうせゴールデンウィークは旅行に行く予定は無いので、ちょうど良いだろう。
〔「まもなく終点、高尾、高尾です。1番線に入ります。お出口は、左側です。お降りの際、車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。高尾からのお乗り換えをご案内致します。今度の中央本線下り、普通列車の大月行きは、3番線から16時47分。その後、普通列車の小淵沢行きは、4番線から17時19分の発車です。京王高尾線ご利用のお客様は、一旦改札を出てからのお乗り換えとなります。本日もJR東日本、中央快速線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
東京駅を発車する時は、やや遅れ気味だった電車も、高尾駅に着く頃には定時に回復できていた。
東京でも気軽に登山できる高尾山への入口駅だが、実際に高尾山に行くには、ここから京王線に乗り換える必要がある。
〔たかお~、高尾~。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
電車がホームに到着し、私達は電車を降りた。
大月行きだったらここで乗り換えをせずに済むのだが、仕方が無いだろう。
リサ:「そういえば今日は、八王子に泊まんないんだね?」
愛原:「今回は宿泊費が出ないからな。但し、研修センターへの宿泊ならいいそうだ」
まあ、これで良かったのかもしれない。
ホテルの中にはトリプルもあるだろうが、探してみると案外無いものだ(ファミリータイプとかだと、大抵料金の高いホテルになる)。
それなら、大勢泊まれる合宿所みたいな所の方がいいかもしれない。
高橋:「ここには喫煙所は……」
愛原:「無ェよ!藤野まで我慢しろっつったろ!」
もっとも、藤野駅にも喫煙所があるかは【お察しください】。
まあ、少なくとも研修センターに行けばある。
合宿所形式の宿泊施設だが、ターゲットが社会人なだけに、ちゃんと酒とタバコはやれるのである。
私達は、更に西へ向かう電車が発車する3番線へと向かった。