[5月7日21:00.天候:晴 栃木県那須塩原市 ホテル天長園7F客室]
念願の露天風呂に入った後は、部屋に戻った。
で……。
リサ:「いらっしゃいませ。『リサ・トレヴァーの出張マッサージ店』へ。ただいま、緊急オープンします」
浴衣姿のリサが鼻息荒くし、両手をわきわきさせて言った。
愛原:「う……風呂上がりのマッサージは格別だが、俺の岩のように凝り固まった肩をほぐすことができるのか?」
リサ:「ここの温泉、効能に『肩こり』とあった。それで先生の肩は、ある程度ほぐれてるはず。そこへ私がトドメを刺せば、先生の肩コリは治るはず」
愛原:「いや、トドメ刺すな。……まあ、そういうことだったら、お願いしようかな」
リサ:「こっちに来て、椅子に座って」
リサ、私の手を引っ張る。
そして、窓際の椅子に私を座らせた。
リサ:「どこがお疲れですか?」
愛原:「えっと……だから、肩……」
リサ:「他には?」
愛原:「あとは腰とか……」
リサ:「あとは股関節が疲れてますね。分かりました」
愛原:「やっぱりセラピストが決めるんかい!」
リサ:「それでは全体的にほぐしていきますので、よろしくお願いします」
愛原:「あ、ああ。よろしく」
リサ:「それでは、ベッドに横になってください」
愛原:「あ、ああ。分かった」
私は自分のベッドに横になろうとした。
だが、リサは私の手を掴んだ。
リサ:「そこじゃなくて、こっち!」
愛原:「えっ?」
リサは隣のツインルームに連れて行くと、ドアを閉めた。
高橋が私達の部屋に取り残された感じだ。
高橋:「おい、コラ!開けやがれ!!先生をどうする気だ!?」
向こうから高橋の怒鳴り声と、ドアを乱暴に叩く音がする。
リサ:「わたしのベッドに横になって。『リサ・トレヴァーの個室マッサージ店』へようこそ」
リサはニタァッと笑った。
口元からは牙が覗いている。
要は、第1形態に戻ったということだ。
愛原:「個室マッサージの意味が分かってるんだろうな!?」
リサ:「もちろん。早くうつ伏せになって」
愛原:「うう……分かった」
こりゃマッサージが終わらないことには、部屋から出してもらえなさそうだ。
愛原:「高橋、大丈夫だ!普通にマッサージしてもらっているだけだ!心配するな!」
高橋:「本当っスか!?」
こう言っておかないと、本当に高橋はどこからかロケットランチャー調達して、隣の壁をぶっ壊しそうだ。
リサは私の上に跨ると、肩を揉み始めた。
愛原:「うう……そこそこ……」
リサ:「ここですか?この辺りですか?」
愛原:「そうそう」
リサ:「温泉のおかげで、だいぶほぐれてる。これなら、わたしでも肩こり解消させられそう」
愛原:「うう……何かスマンねぇ……」
リサ:「いい。前回は先生の肩だけほぐせなかった。だから今回は、そのリベンジ。温泉の効能に『肩こり』って書いてあったから、これである程度ほぐせば、イケると思った」
愛原:「ホントだなぁ。きっとほぐれるよ」
リサ:「エヘヘ……」
時折、顔の横にチラつく長い爪が少し怖いが、少なくともその爪は私を引き裂く為の物ではないと信じている。
リサ:「次は腰~」
愛原:「腰もなかなか疲れてるんだよなぁ……」
鬼の姿をしたBOW(生物兵器)にマッサージされている人間なんて、世界中どこを探しても私だけだろうなぁ……。
リサ:「次は太もも~」
愛原:「リンパマッサージだな」
リサ:「ふふ……先生のここ、ゴリゴリ言ってる……」
リサは私の血中老廃物に涎を垂らした。
リサ:「でも、まだ我慢。はい、では仰向けになって」
愛原:「おー」
私は仰向けになった。
これが本当のマッサージ店だと、目にタオルなどを当ててくれるのだが、リサはそうしなかった。
リサは私の頭側に回ると、今度は肩の前側を手で押して来た。
リサ:「腋にもリンパが通ってて、ここも疲れが溜まりやすいんだって」
愛原:「そうなのか」
リサ:「はい。しっかりほぐしましょうね」
愛原:「ああ」
リサ:「次は足つぼ。……今日は色々歩いたから、老廃物が溜まってそうだね……じゅるっ」
愛原:「やっぱり吸うのか?」
リサ:「吸いたーい……」
リサは右手の人差し指をくわえて言った。
そして、ペロッと舌を出す。
愛原:「分かった。じゃあ、吸い出してもらおうかな」
リサ:「わぁい」
リサは私の足裏をマッサージし始めた。
所々、ゴリゴリとする箇所がある。
老廃物が溜まっている場所だ。
リサは指先を変化させ、無数の髪の毛より細い触手をそこに突き刺した。
髪の毛よりも細い針なので、痛みは全く無い。
しかも傍目から見て、一応足つぼマッサージをしているように見えるのだから不思議だ。
但し、老廃物だけきれいに吸い取れることはなく、やはり血も少し吸われてしまう。
リサとしては、私への吸血も目的の1つなのだ。
だが、疲れが取れる感覚はあっても、血が吸われている感覚は無かった。
愛原:「どうだ、リサ?俺の血と老廃物は」
リサ:「美味しい……。先生、だいぶ疲れてるね?前回マッサージした時よりも、更に血がドロドロだよ?」
愛原:「そ、そうか。やっぱり、俺も歳だなぁ……」
それにしても、リサのこのマッサージは癖になる。
本当にスッキリする感じだ。
貧血にならない程度の吸血でこれだけスッキリ、酔いも醒めるほどなら、毎日やってもらいたいほどだ。
リサ:「……ック!」
愛原:「ん?どうした」
リサ:「な、何でもない……ヒック!」
しゃっくりしてる?
私の老廃物と血を吸い取っているのだから、腹いっぱいになってゲップをするのなら分かるが、これではまるで……。
ん?私の酔いが醒めている?
リサ:「ヒック!ひゃ、ひゃっくり……ック!ひゃっくり……止まんにゃい……!」
愛原:「リサ!?」
私が飛び起きると、リサの顔や体全体が赤みがかっており、目も充血していた。
愛原:「お、オマエ、もしかして!?」
リサ:「も……もうダメ……」
リサはバタッと仰向けに倒れた。
浴衣の胸がはだけ、下に着けている黒いスポブラや、下半身からは黒いショーツが覗いている。
リサ:「グー……!グー……ッ!」
リサはイビキをかいて昏睡した。
私は風呂上がりにビールを飲んでいた。
そして、そこに含まれていたアルコールは、私の血中を巡る。
それをリサを吸い取った為に、リサもまた酔っ払ってしまったのだ。
で、逆にアルコールを吸い出された私の方の酔いが醒めた。
愛原:「わ、悪かったな、リサ」
私はリサを抱き抱えて、ベッドに寝かせた。
ラスボスを張る実力を持つ上級BOWは、酒に弱かった!
高橋:「先生、あのリサを倒すなんてさすがです!やっぱ先生は一流の探偵ですよ!!」
愛原:「いや、探偵は関係無いと思うが……」
リサは酔っ払うとすぐに寝込むタイプか。
うむ、一応覚えておこう。
念願の露天風呂に入った後は、部屋に戻った。
で……。
リサ:「いらっしゃいませ。『リサ・トレヴァーの出張マッサージ店』へ。ただいま、緊急オープンします」
浴衣姿のリサが鼻息荒くし、両手をわきわきさせて言った。
愛原:「う……風呂上がりのマッサージは格別だが、俺の岩のように凝り固まった肩をほぐすことができるのか?」
リサ:「ここの温泉、効能に『肩こり』とあった。それで先生の肩は、ある程度ほぐれてるはず。そこへ私がトドメを刺せば、先生の肩コリは治るはず」
愛原:「いや、トドメ刺すな。……まあ、そういうことだったら、お願いしようかな」
リサ:「こっちに来て、椅子に座って」
リサ、私の手を引っ張る。
そして、窓際の椅子に私を座らせた。
リサ:「どこがお疲れですか?」
愛原:「えっと……だから、肩……」
リサ:「他には?」
愛原:「あとは腰とか……」
リサ:「あとは股関節が疲れてますね。分かりました」
愛原:「やっぱりセラピストが決めるんかい!」
リサ:「それでは全体的にほぐしていきますので、よろしくお願いします」
愛原:「あ、ああ。よろしく」
リサ:「それでは、ベッドに横になってください」
愛原:「あ、ああ。分かった」
私は自分のベッドに横になろうとした。
だが、リサは私の手を掴んだ。
リサ:「そこじゃなくて、こっち!」
愛原:「えっ?」
リサは隣のツインルームに連れて行くと、ドアを閉めた。
高橋が私達の部屋に取り残された感じだ。
高橋:「おい、コラ!開けやがれ!!先生をどうする気だ!?」
向こうから高橋の怒鳴り声と、ドアを乱暴に叩く音がする。
リサ:「わたしのベッドに横になって。『リサ・トレヴァーの個室マッサージ店』へようこそ」
リサはニタァッと笑った。
口元からは牙が覗いている。
要は、第1形態に戻ったということだ。
愛原:「個室マッサージの意味が分かってるんだろうな!?」
リサ:「もちろん。早くうつ伏せになって」
愛原:「うう……分かった」
こりゃマッサージが終わらないことには、部屋から出してもらえなさそうだ。
愛原:「高橋、大丈夫だ!普通にマッサージしてもらっているだけだ!心配するな!」
高橋:「本当っスか!?」
こう言っておかないと、本当に高橋はどこからかロケットランチャー調達して、隣の壁をぶっ壊しそうだ。
リサは私の上に跨ると、肩を揉み始めた。
愛原:「うう……そこそこ……」
リサ:「ここですか?この辺りですか?」
愛原:「そうそう」
リサ:「温泉のおかげで、だいぶほぐれてる。これなら、わたしでも肩こり解消させられそう」
愛原:「うう……何かスマンねぇ……」
リサ:「いい。前回は先生の肩だけほぐせなかった。だから今回は、そのリベンジ。温泉の効能に『肩こり』って書いてあったから、これである程度ほぐせば、イケると思った」
愛原:「ホントだなぁ。きっとほぐれるよ」
リサ:「エヘヘ……」
時折、顔の横にチラつく長い爪が少し怖いが、少なくともその爪は私を引き裂く為の物ではないと信じている。
リサ:「次は腰~」
愛原:「腰もなかなか疲れてるんだよなぁ……」
鬼の姿をしたBOW(生物兵器)にマッサージされている人間なんて、世界中どこを探しても私だけだろうなぁ……。
リサ:「次は太もも~」
愛原:「リンパマッサージだな」
リサ:「ふふ……先生のここ、ゴリゴリ言ってる……」
リサは私の血中老廃物に涎を垂らした。
リサ:「でも、まだ我慢。はい、では仰向けになって」
愛原:「おー」
私は仰向けになった。
これが本当のマッサージ店だと、目にタオルなどを当ててくれるのだが、リサはそうしなかった。
リサは私の頭側に回ると、今度は肩の前側を手で押して来た。
リサ:「腋にもリンパが通ってて、ここも疲れが溜まりやすいんだって」
愛原:「そうなのか」
リサ:「はい。しっかりほぐしましょうね」
愛原:「ああ」
リサ:「次は足つぼ。……今日は色々歩いたから、老廃物が溜まってそうだね……じゅるっ」
愛原:「やっぱり吸うのか?」
リサ:「吸いたーい……」
リサは右手の人差し指をくわえて言った。
そして、ペロッと舌を出す。
愛原:「分かった。じゃあ、吸い出してもらおうかな」
リサ:「わぁい」
リサは私の足裏をマッサージし始めた。
所々、ゴリゴリとする箇所がある。
老廃物が溜まっている場所だ。
リサは指先を変化させ、無数の髪の毛より細い触手をそこに突き刺した。
髪の毛よりも細い針なので、痛みは全く無い。
しかも傍目から見て、一応足つぼマッサージをしているように見えるのだから不思議だ。
但し、老廃物だけきれいに吸い取れることはなく、やはり血も少し吸われてしまう。
リサとしては、私への吸血も目的の1つなのだ。
だが、疲れが取れる感覚はあっても、血が吸われている感覚は無かった。
愛原:「どうだ、リサ?俺の血と老廃物は」
リサ:「美味しい……。先生、だいぶ疲れてるね?前回マッサージした時よりも、更に血がドロドロだよ?」
愛原:「そ、そうか。やっぱり、俺も歳だなぁ……」
それにしても、リサのこのマッサージは癖になる。
本当にスッキリする感じだ。
貧血にならない程度の吸血でこれだけスッキリ、酔いも醒めるほどなら、毎日やってもらいたいほどだ。
リサ:「……ック!」
愛原:「ん?どうした」
リサ:「な、何でもない……ヒック!」
しゃっくりしてる?
私の老廃物と血を吸い取っているのだから、腹いっぱいになってゲップをするのなら分かるが、これではまるで……。
ん?私の酔いが醒めている?
リサ:「ヒック!ひゃ、ひゃっくり……ック!ひゃっくり……止まんにゃい……!」
愛原:「リサ!?」
私が飛び起きると、リサの顔や体全体が赤みがかっており、目も充血していた。
愛原:「お、オマエ、もしかして!?」
リサ:「も……もうダメ……」
リサはバタッと仰向けに倒れた。
浴衣の胸がはだけ、下に着けている黒いスポブラや、下半身からは黒いショーツが覗いている。
リサ:「グー……!グー……ッ!」
リサはイビキをかいて昏睡した。
私は風呂上がりにビールを飲んでいた。
そして、そこに含まれていたアルコールは、私の血中を巡る。
それをリサを吸い取った為に、リサもまた酔っ払ってしまったのだ。
で、逆にアルコールを吸い出された私の方の酔いが醒めた。
愛原:「わ、悪かったな、リサ」
私はリサを抱き抱えて、ベッドに寝かせた。
ラスボスを張る実力を持つ上級BOWは、酒に弱かった!
高橋:「先生、あのリサを倒すなんてさすがです!やっぱ先生は一流の探偵ですよ!!」
愛原:「いや、探偵は関係無いと思うが……」
リサは酔っ払うとすぐに寝込むタイプか。
うむ、一応覚えておこう。