[4月30日07:00.天候:晴 神奈川県相模原市緑区 国家公務員特別研修センター2F・宿泊室]
私は何とか寝入ることができた。
しかし、悪夢というか何というか……おかしな夢を見た。
それは廃墟の病院のような場所で、リサと上野母娘達に追い回される夢だった。
その中で、私の手持ちはハンドガンのみ。
ロケランでようやく倒せるか否かの鬼達に、ハンドガンなんて草が生えるものだ。
イーサン・ウィンターズ氏の気持ちが分かるというもの。
しかし、氏は最終的に自分を追い回した連中の弱点を掴み、自分もそれなりの攻撃力を得て、連中を倒すことに成功している。
翻って、夢の中の私は……。
愛原:「あれは恐ろしい夢だった……」
高橋:「だ、大丈夫ですか、先生!?」
愛原:「ああ……」
何とか朝の身支度を済ませ、朝食会場へ向かう。
リサ:「先生、おはよ」
上野凛:「おはようございます!」
上野理子:「おはようございます」
愛原:「うわっ、出たーっ!」
下は中学生の鬼に『性的に』襲われたのだぞ!?夢の中の私は!
高橋:「テメェら!夢ん中で先生に何しやがる!」
高橋はマグナムを取り出した。
マグナムか……。
これでようやく上野母娘とは渡り合えるような気はするが、それでもリサは倒せない。
リサ:「な、何が?」
凛:「な、何ですか!?」
理子:「私、何もしてません!」
愛原:「いや、高橋、いいんだ。夢の中の話だ……」
リサ:「わたし、夢の中で先生とイチャラブできたよ!?」
リサは鼻息を荒くして言った。
愛原:「ああ……うん。それは良かった」
似たような夢を、私は見た。
もっとも、私の場合は他に上野母娘も飛び入り参加してたがな。
良く言えばラブラブハーレム、悪く言えばホラーハーレムといったところか。
愛原:「と、とにかく朝飯食いに行くぞ」
私が行こうとすると、リサが私の腕にしがみついてきた。
本人は甘えているつもりなのだろうし、今はまだ人間の姿だからいいのだが、これで正体を曝け出そうものなら……。
愛原:「こらこら、リサ」
リサ:「いいじゃなーい!」
やれやれ……。
食欲が全開なうちは、可愛いものなのに……。
[同日07:30.天候:晴 同センター1F食堂]
朝食は和食であった。
焼き魚と納豆と温泉卵がメインであり、御飯と味噌汁はお代わり自由というもの。
リサ:「わたし、やりたい!」
愛原:「アホか!」
私は話のネタに、昨夜見た夢の話をした。
するとリサが鼻息を荒くして、身を乗り出してきたのである。
リサ:「旧校舎なら廃墟みたいなものだし!」
愛原:「やだよ!だいたい、このコ達にも参加してもらうのか?」
リサ:「……それはヤダ。お前ら、先生に手を出したら……!」
凛:「そ、そんなことしませんよ!」
理子:「リサ先輩は、愛原先生の御嫁さんですもんね!」
リサ:「その通りだ」
愛原:「勝手に吹聴すんな!」
高橋:「先生、そろそろマグナム撃ち込んだ方が……」
愛原:「まあ、待て」
凛:「というか先生、よく私達の正体に気づきましたね?私はともかく、理子はまだ『鬼の姿』を見せていませんよ?」
愛原:「それはきっと、経験則によるのものだろうな。もう身近にリサというBOWがいるものだから……」
リサ:「さすがは先生。私の将来の旦那様。……いや、もう今の旦那様」
高橋:「誰がだ、コラ」
それにしても、ここにはまだ高橋がいるからいいようなものの、私だけだったら、彼女らのズレた感覚に、私もズレそうになる。
[同日08:30.天候:晴 研修センター地下研究施設]
先に上野姉妹が母親の所へ面会に向かう。
それから別導線で、私達は研究施設に向かった。
これは上野利恵が私達と鉢合わせにならないようにする為である。
まず、会議室のような部屋に通されて、今日はどのような検査をするのかの説明を受けた。
今日はリサの目について、調べたいという。
研究員:「例えばここに収監されている上野利恵は、片目を外して、自由に飛ばすことができます。そして、飛ばした先の視覚を得られるという能力を持っています」
愛原:「凄い能力だ」
高橋:「無理やりな千里眼っスね」
研究員:「これはウィルスというより、特異菌の力によるものと思われています。しかし、日本版リサ・トレヴァーには特異菌はありません。そこで、比較実験をしたいと思います」
愛原:「リサにはそのような能力は無いですよ?」
リサ:「うん。わたしにはできない」
研究員:「しかし、瞳の色が変化するということから、片鱗はあるのではないかとの声が出ています。それを確認したいのです」
愛原:「なるほど……」
ここでの私達は、あくまでリサへの付き添い。
リサが1人だと不安になり、それだけならまだしも、ふとしたことから恐慌を来して暴走することを防止する為である。
ついでに私達も、健康診断を受けることになった。
一緒に検査を受ければ、リサも不安にならないだろう。
検査技師:「はい、目を大きく開いて。虹彩を撮ります」
第0形態のリサは、普通の黒い瞳。
検査技師:「はい、それじゃ今度は第1形態に戻って下さい」
リサは大きく息を吸って吐いた。
見る見るうちに額には1本角が生え、両耳は長く尖り、両手の爪も長く鋭く伸びる。
口を開けば、牙が覗く。
この時、リサの瞳は金色であった。
リサ:「ウゥウ……」
検査技師:「はい、もう1度この穴を覗いて」
私はリサの肩を後ろから叩いて宥める。
検査技師:「はい、目を大きく開いて。虹彩を撮ります」
写真を撮られても、リサの瞳は金色のままだった。
赤色になることはない。
本当、何の法則で色が変わるのかよく分からない。
もちろん、本人にも分かっていない。
リサ:「お腹空いた……」
愛原:「休憩の時におやつが出るから、もう少し我慢しろ」
リサ:「おやつ……」
検査技師:「それでは、次は眼底検査を行います。こちらへ来てください」
リサ:「おやつは何が出る?」
愛原:「ここの自販機コーナーに、パンとかお菓子の自販機があっただろ?あれの好きな物を買ってやるよ」
検査技師:「ビーフジャーキーもありますよ」
リサ:「ビーフジャーキー!?」
リサは涎を垂らした。
愛原:「買ってやるから、もう少し頑張れ」
リサ:「頑張る……」
リサはヨタヨタと歩き出した。
まるで、アメリカのオリジナルのリサ・トレヴァーのように。
彼女の生物としてのDNAを継ぐ者はいないが、彼女が生み出したGウィルスを受け継ぐ者はここにいる。
私は何とか寝入ることができた。
しかし、悪夢というか何というか……おかしな夢を見た。
それは廃墟の病院のような場所で、リサと上野母娘達に追い回される夢だった。
その中で、私の手持ちはハンドガンのみ。
ロケランでようやく倒せるか否かの鬼達に、ハンドガンなんて草が生えるものだ。
イーサン・ウィンターズ氏の気持ちが分かるというもの。
しかし、氏は最終的に自分を追い回した連中の弱点を掴み、自分もそれなりの攻撃力を得て、連中を倒すことに成功している。
翻って、夢の中の私は……。
愛原:「あれは恐ろしい夢だった……」
高橋:「だ、大丈夫ですか、先生!?」
愛原:「ああ……」
何とか朝の身支度を済ませ、朝食会場へ向かう。
リサ:「先生、おはよ」
上野凛:「おはようございます!」
上野理子:「おはようございます」
愛原:「うわっ、出たーっ!」
下は中学生の鬼に『性的に』襲われたのだぞ!?夢の中の私は!
高橋:「テメェら!夢ん中で先生に何しやがる!」
高橋はマグナムを取り出した。
マグナムか……。
これでようやく上野母娘とは渡り合えるような気はするが、それでもリサは倒せない。
リサ:「な、何が?」
凛:「な、何ですか!?」
理子:「私、何もしてません!」
愛原:「いや、高橋、いいんだ。夢の中の話だ……」
リサ:「わたし、夢の中で先生とイチャラブできたよ!?」
リサは鼻息を荒くして言った。
愛原:「ああ……うん。それは良かった」
似たような夢を、私は見た。
もっとも、私の場合は他に上野母娘も飛び入り参加してたがな。
良く言えばラブラブハーレム、悪く言えばホラーハーレムといったところか。
愛原:「と、とにかく朝飯食いに行くぞ」
私が行こうとすると、リサが私の腕にしがみついてきた。
本人は甘えているつもりなのだろうし、今はまだ人間の姿だからいいのだが、これで正体を曝け出そうものなら……。
愛原:「こらこら、リサ」
リサ:「いいじゃなーい!」
やれやれ……。
食欲が全開なうちは、可愛いものなのに……。
[同日07:30.天候:晴 同センター1F食堂]
朝食は和食であった。
焼き魚と納豆と温泉卵がメインであり、御飯と味噌汁はお代わり自由というもの。
リサ:「わたし、やりたい!」
愛原:「アホか!」
私は話のネタに、昨夜見た夢の話をした。
するとリサが鼻息を荒くして、身を乗り出してきたのである。
リサ:「旧校舎なら廃墟みたいなものだし!」
愛原:「やだよ!だいたい、このコ達にも参加してもらうのか?」
リサ:「……それはヤダ。お前ら、先生に手を出したら……!」
凛:「そ、そんなことしませんよ!」
理子:「リサ先輩は、愛原先生の御嫁さんですもんね!」
リサ:「その通りだ」
愛原:「勝手に吹聴すんな!」
高橋:「先生、そろそろマグナム撃ち込んだ方が……」
愛原:「まあ、待て」
凛:「というか先生、よく私達の正体に気づきましたね?私はともかく、理子はまだ『鬼の姿』を見せていませんよ?」
愛原:「それはきっと、経験則によるのものだろうな。もう身近にリサというBOWがいるものだから……」
リサ:「さすがは先生。私の将来の旦那様。……いや、もう今の旦那様」
高橋:「誰がだ、コラ」
それにしても、ここにはまだ高橋がいるからいいようなものの、私だけだったら、彼女らのズレた感覚に、私もズレそうになる。
[同日08:30.天候:晴 研修センター地下研究施設]
先に上野姉妹が母親の所へ面会に向かう。
それから別導線で、私達は研究施設に向かった。
これは上野利恵が私達と鉢合わせにならないようにする為である。
まず、会議室のような部屋に通されて、今日はどのような検査をするのかの説明を受けた。
今日はリサの目について、調べたいという。
研究員:「例えばここに収監されている上野利恵は、片目を外して、自由に飛ばすことができます。そして、飛ばした先の視覚を得られるという能力を持っています」
愛原:「凄い能力だ」
高橋:「無理やりな千里眼っスね」
研究員:「これはウィルスというより、特異菌の力によるものと思われています。しかし、日本版リサ・トレヴァーには特異菌はありません。そこで、比較実験をしたいと思います」
愛原:「リサにはそのような能力は無いですよ?」
リサ:「うん。わたしにはできない」
研究員:「しかし、瞳の色が変化するということから、片鱗はあるのではないかとの声が出ています。それを確認したいのです」
愛原:「なるほど……」
ここでの私達は、あくまでリサへの付き添い。
リサが1人だと不安になり、それだけならまだしも、ふとしたことから恐慌を来して暴走することを防止する為である。
ついでに私達も、健康診断を受けることになった。
一緒に検査を受ければ、リサも不安にならないだろう。
検査技師:「はい、目を大きく開いて。虹彩を撮ります」
第0形態のリサは、普通の黒い瞳。
検査技師:「はい、それじゃ今度は第1形態に戻って下さい」
リサは大きく息を吸って吐いた。
見る見るうちに額には1本角が生え、両耳は長く尖り、両手の爪も長く鋭く伸びる。
口を開けば、牙が覗く。
この時、リサの瞳は金色であった。
リサ:「ウゥウ……」
検査技師:「はい、もう1度この穴を覗いて」
私はリサの肩を後ろから叩いて宥める。
検査技師:「はい、目を大きく開いて。虹彩を撮ります」
写真を撮られても、リサの瞳は金色のままだった。
赤色になることはない。
本当、何の法則で色が変わるのかよく分からない。
もちろん、本人にも分かっていない。
リサ:「お腹空いた……」
愛原:「休憩の時におやつが出るから、もう少し我慢しろ」
リサ:「おやつ……」
検査技師:「それでは、次は眼底検査を行います。こちらへ来てください」
リサ:「おやつは何が出る?」
愛原:「ここの自販機コーナーに、パンとかお菓子の自販機があっただろ?あれの好きな物を買ってやるよ」
検査技師:「ビーフジャーキーもありますよ」
リサ:「ビーフジャーキー!?」
リサは涎を垂らした。
愛原:「買ってやるから、もう少し頑張れ」
リサ:「頑張る……」
リサはヨタヨタと歩き出した。
まるで、アメリカのオリジナルのリサ・トレヴァーのように。
彼女の生物としてのDNAを継ぐ者はいないが、彼女が生み出したGウィルスを受け継ぐ者はここにいる。