[4月9日10:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所前]
レントゲン技師:「はい、息を大きく吸って」
リサ:「スーッ!」
レントゲン技師:「はい、止めます」
BSAAの医療車のうち、レントゲン車ではリサがレントゲン撮影を行っていた。
レントゲン車とはいえ、中の構造は医療施設のレントゲン室と同じ。
レントゲンを撮影する際、上のジャージを脱いで、下の白いTシャツだけになる。
レントゲン技師:「はい、終了です。次は、採尿をお願いします」
リサ:「分かりましたー」
リサは紙コップを受け取ると、ビルの中のトイレに向かった。
ビルの1階には多目的トイレが1つあり、そこで採尿をすることになる。
先に採尿を済ませた上野凛が、紙コップを持って出て来た。
凛:「何か、自分のオシッコを持って歩くのって変な気分ですね」
リサ:「それをわたしは昨年やったの。途中で先生に飲ませるなよ」
凛:「飲ませませんよ!?」
愛原:「誰が飲むか!」
朴ヨンヒ:「フム。BOWの感覚はヘンタイか……」
リサ:「BOWの中ではノーマル」
ヨンヒ:「そうきたか」
採尿と採血は、別の医療車で行う。
因みにBOWといえども、血の色は人間と同じ赤である。
視力検査と聴力検査は第1形態で行われる。
検査技師:「はい、大きく目を開いて~。虹彩を撮ります」
第1形態のリサの瞳が赤色だったり金色だったりする理由は不明。
今回は赤色だった。
検査技師:「はい、次は視力検査です」
リサ:「……右!」
検査技師:「……はい。左目、右目共に5.0です」
リサ:「エッヘン!」<(`^´)>
愛原:「アフリカの原住民か!」
検査技師:「次は聴力検査です」
リサに対する聴力検査の結果を知ったヨンヒは……。
ヨンヒ:「『リッカーよりも強力な聴力であり、人間の僅かな呼吸音だけで居場所を当てる確率が高い』」
と、手帳にメモをしたという。
尚、ハングル文字で書かれているので、日本人の私は解読不明。
ヨンヒ:「第1形態だけで大ボスを張る力はあるようですね」
愛原:「あれのオリジナルは、ラスボスだったわけだからな」
まあ、こっちのリサも霧生市ではラスボスだったわけだが……。
女性医師:「じゃあ、胸の音を聴かせてください」
リサはTシャツを脱いで、黒いスポブラだけになった。
医師:「はい、背中を向いてー。……はい、また前を向いて。目にライトを当てます」
医師がペンライトでリサの目を照らすと、今度はリサの目が金色に光った。
医師:「はい、喉の奥を見ます」
アイスの棒みたいな木のヘラを使う。
かつては金属のヘラを使っていたが、今は木製に変わっている。
多分、清潔性を確保するのと金属アレルギー対策だろう。
医師:「はい、終わりです」
リサ:「ありがとうございました」
リサはTシャツを着込んだ。
ヨンヒ:「いつもスポブラを?」
リサ:「今日みたいな日と、体育のある日くらいかな」
ヨンヒ:「なるほど」
リサ:「それと、愛原瀬先生の気分に合わせて」
ヨンヒ:「は?」
こうして流れ作業的にリサ達への身体検査は終わった。
愛原:「はい、お疲れさん。着替えていいよ」
事務所に戻った私は、彼女達を応接室に促した。
愛原:「高橋もお疲れさんな?」
高橋:「いいえ、問題ナシっす」
愛原:「電話はあった?」
高橋:「何か……探偵の仕事よりも、講演会の依頼の方が多いのは何でですか?」
愛原:「さあ……何でかな」
私の霧生市内における立ち回り方や、その後のバイオテロ事件の解決などで講演の依頼が来るようになった。
本業の探偵の仕事の依頼よりも多いくらいだ。
こっちも生活が掛かってるので、なるべく受けるつもりではいるのだが……。
こんなことになったのは、暇潰しに書いた回顧録『霧生市のバイオハザード』を書いて新聞社に送ったら、何故か売れてしまったからである。
某一般紙の書籍案内にも載ってしまったくらいだ。
リサ:「先生の本が実写ドラマ化したら、わたしが本人役で出るからね?!」
愛原:「んなワケあるかw」
内容は私と高橋が霧生市に入ってから、そこでバイオハザードに巻き込まれ、最後はリサや高野君も追加して、共に霧生市を脱出するところまでである。
ヨンヒ:「本を書かれたのですか?是非、私も一冊頂きたいのですが……」
高橋:「ちょっと待ってろ。今、Amazonで注文してやっからよ」
愛原:「Amazonだと『お急ぎ便』でも、届くのは明日だろう?」
ヨンヒ:「明日でもいいですよ」
高橋:「よし。オメーんちに届くようにしてやるから、住所教えろ」
ヨンヒ:「……いえ、近所のコンビニ受け取りでお願いします」
高橋:「マジかよ」
愛原:「さりげなく女の子の家の住所を聞くな」
ヨンヒは大久保駅近くのコンビニを指定した。
彼女がコリアタウンである大久保に住んでいることは知っているが、この程度なら個人情報の漏洩には当たらないか。
尚、中央・総武線の大久保駅と山手線の新大久保駅は徒歩連絡が可能である。
彼女は新大久保駅から山手線に乗り、それで上野の東京中央学園に通っているらしい。
高橋:「1冊でいいのか?」
ヨンヒ:「あ……2冊で。1冊は私用、もう1冊は韓国に送る」
愛原:「日本語版しか無いが、大丈夫か?」
ヨンヒ:「大丈夫です。自分のは、何とか翻訳してみせます」
高橋:「先生、良かったっスね。これで2冊売れましたよ?」
愛原:「ありがとう」
リサ:「!」
リサはそのBOWとしての強力な聴力で、私達の会話を聞いたらしい。
リサ:「リンとリコ!先生の本、買え!1人ノルマ10冊!!」
凛:「ええーっ!?」
理子:「じゅ、10冊……」
愛原:「リサ!押し売りはダメだ!高橋も!!」
高橋:「えっ?」
高橋、自分のスマホを取り出し、仲間のグループLINEで、正に購入ノルマを課すところだったらしい。
善場:「皆さん、お疲れさまでした。検査の結果は、分かり次第、郵送で通知します。もしも再検査となった場合は、それも併せてお知らせします」
撤収が終わる頃には、昼になっていた。
愛原:「お昼はピザ頼んでおいたから、それ適当に食べてて」
リサ:「おお~!先生、太っ腹~!」
Lサイズのピザを何枚か注文したが、果たして大食のBOW3人の腹を満たせるかどうか……。
レントゲン技師:「はい、息を大きく吸って」
リサ:「スーッ!」
レントゲン技師:「はい、止めます」
BSAAの医療車のうち、レントゲン車ではリサがレントゲン撮影を行っていた。
レントゲン車とはいえ、中の構造は医療施設のレントゲン室と同じ。
レントゲンを撮影する際、上のジャージを脱いで、下の白いTシャツだけになる。
レントゲン技師:「はい、終了です。次は、採尿をお願いします」
リサ:「分かりましたー」
リサは紙コップを受け取ると、ビルの中のトイレに向かった。
ビルの1階には多目的トイレが1つあり、そこで採尿をすることになる。
先に採尿を済ませた上野凛が、紙コップを持って出て来た。
凛:「何か、自分のオシッコを持って歩くのって変な気分ですね」
リサ:「それをわたしは昨年やったの。途中で先生に飲ませるなよ」
凛:「飲ませませんよ!?」
愛原:「誰が飲むか!」
朴ヨンヒ:「フム。BOWの感覚はヘンタイか……」
リサ:「BOWの中ではノーマル」
ヨンヒ:「そうきたか」
採尿と採血は、別の医療車で行う。
因みにBOWといえども、血の色は人間と同じ赤である。
視力検査と聴力検査は第1形態で行われる。
検査技師:「はい、大きく目を開いて~。虹彩を撮ります」
第1形態のリサの瞳が赤色だったり金色だったりする理由は不明。
今回は赤色だった。
検査技師:「はい、次は視力検査です」
リサ:「……右!」
検査技師:「……はい。左目、右目共に5.0です」
リサ:「エッヘン!」<(`^´)>
愛原:「アフリカの原住民か!」
検査技師:「次は聴力検査です」
リサに対する聴力検査の結果を知ったヨンヒは……。
ヨンヒ:「『リッカーよりも強力な聴力であり、人間の僅かな呼吸音だけで居場所を当てる確率が高い』」
と、手帳にメモをしたという。
尚、ハングル文字で書かれているので、日本人の私は解読不明。
ヨンヒ:「第1形態だけで大ボスを張る力はあるようですね」
愛原:「あれのオリジナルは、ラスボスだったわけだからな」
まあ、こっちのリサも霧生市ではラスボスだったわけだが……。
女性医師:「じゃあ、胸の音を聴かせてください」
リサはTシャツを脱いで、黒いスポブラだけになった。
医師:「はい、背中を向いてー。……はい、また前を向いて。目にライトを当てます」
医師がペンライトでリサの目を照らすと、今度はリサの目が金色に光った。
医師:「はい、喉の奥を見ます」
アイスの棒みたいな木のヘラを使う。
かつては金属のヘラを使っていたが、今は木製に変わっている。
多分、清潔性を確保するのと金属アレルギー対策だろう。
医師:「はい、終わりです」
リサ:「ありがとうございました」
リサはTシャツを着込んだ。
ヨンヒ:「いつもスポブラを?」
リサ:「今日みたいな日と、体育のある日くらいかな」
ヨンヒ:「なるほど」
リサ:「それと、愛原瀬先生の気分に合わせて」
ヨンヒ:「は?」
こうして流れ作業的にリサ達への身体検査は終わった。
愛原:「はい、お疲れさん。着替えていいよ」
事務所に戻った私は、彼女達を応接室に促した。
愛原:「高橋もお疲れさんな?」
高橋:「いいえ、問題ナシっす」
愛原:「電話はあった?」
高橋:「何か……探偵の仕事よりも、講演会の依頼の方が多いのは何でですか?」
愛原:「さあ……何でかな」
私の霧生市内における立ち回り方や、その後のバイオテロ事件の解決などで講演の依頼が来るようになった。
本業の探偵の仕事の依頼よりも多いくらいだ。
こっちも生活が掛かってるので、なるべく受けるつもりではいるのだが……。
こんなことになったのは、暇潰しに書いた回顧録『霧生市のバイオハザード』を書いて新聞社に送ったら、何故か売れてしまったからである。
某一般紙の書籍案内にも載ってしまったくらいだ。
リサ:「先生の本が実写ドラマ化したら、わたしが本人役で出るからね?!」
愛原:「んなワケあるかw」
内容は私と高橋が霧生市に入ってから、そこでバイオハザードに巻き込まれ、最後はリサや高野君も追加して、共に霧生市を脱出するところまでである。
ヨンヒ:「本を書かれたのですか?是非、私も一冊頂きたいのですが……」
高橋:「ちょっと待ってろ。今、Amazonで注文してやっからよ」
愛原:「Amazonだと『お急ぎ便』でも、届くのは明日だろう?」
ヨンヒ:「明日でもいいですよ」
高橋:「よし。オメーんちに届くようにしてやるから、住所教えろ」
ヨンヒ:「……いえ、近所のコンビニ受け取りでお願いします」
高橋:「マジかよ」
愛原:「さりげなく女の子の家の住所を聞くな」
ヨンヒは大久保駅近くのコンビニを指定した。
彼女がコリアタウンである大久保に住んでいることは知っているが、この程度なら個人情報の漏洩には当たらないか。
尚、中央・総武線の大久保駅と山手線の新大久保駅は徒歩連絡が可能である。
彼女は新大久保駅から山手線に乗り、それで上野の東京中央学園に通っているらしい。
高橋:「1冊でいいのか?」
ヨンヒ:「あ……2冊で。1冊は私用、もう1冊は韓国に送る」
愛原:「日本語版しか無いが、大丈夫か?」
ヨンヒ:「大丈夫です。自分のは、何とか翻訳してみせます」
高橋:「先生、良かったっスね。これで2冊売れましたよ?」
愛原:「ありがとう」
リサ:「!」
リサはそのBOWとしての強力な聴力で、私達の会話を聞いたらしい。
リサ:「リンとリコ!先生の本、買え!1人ノルマ10冊!!」
凛:「ええーっ!?」
理子:「じゅ、10冊……」
愛原:「リサ!押し売りはダメだ!高橋も!!」
高橋:「えっ?」
高橋、自分のスマホを取り出し、仲間のグループLINEで、正に購入ノルマを課すところだったらしい。
善場:「皆さん、お疲れさまでした。検査の結果は、分かり次第、郵送で通知します。もしも再検査となった場合は、それも併せてお知らせします」
撤収が終わる頃には、昼になっていた。
愛原:「お昼はピザ頼んでおいたから、それ適当に食べてて」
リサ:「おお~!先生、太っ腹~!」
Lサイズのピザを何枚か注文したが、果たして大食のBOW3人の腹を満たせるかどうか……。