[2月24日17時51分 天候:曇→雪 宮城県仙台市若林区白萩町 仙台市地下鉄薬師堂駅→愛原家]
〔薬師堂、薬師堂。聖和学園前。出入口付近の方は、開くドアにご注意ください〕
JR仙台駅で新幹線を降りた私達。
喫煙所で高橋とパールが一服した後、地下鉄の駅に移動した。
さすがに昔、騒ぎとなった地下空洞と地下鉄のトンネルの穴は埋められたようで、電車の窓からその跡を見る事すら困難だった。
愛原「着いた着いた」
この駅は対向電車と同時到着、発車する駅である。
もちろん、早朝や深夜、平日の朝夕ラッシュ時は除くが。
〔1番線、2番線の電車が発車します〕
両側の電車は短い停車時分を過ぎると、すぐに発車していった。
ホーム階から改札階へは、そんなにエスカレーターも長くない。
普通の建物のワンフロア上に向かうといった感じだ。
普段は静かな駅だが、両方向の4両編成の電車が同時到着、同時発車するものだから、実に8両編成分の乗客を捌くことになる。
愛原「ここが最後の駅だ。あとは家まで直行するぞ」
リサ「うん……」
地上までの長いエスカレーターに乗って、ようやく地上に出る。
新しい地下鉄の良い所は、地上までエスカレーターで上がれることだ。
もちろん、エレベーターも完備されている。
地上に出ると、寒風が私達を襲った。
高橋「先生、タバコ買って行っていいですか?」
駅前には酒屋兼業のタバコ屋があり、店の前にはジュースの自販機とタバコの自販機が置かれていた。
愛原「いいよ。お前、吸い過ぎなんだよ」
高橋「サーセン」
私の指摘に、パールも迷彩柄のマスク越しに苦笑しているのが分かった。
リサ「わたしもジュース買って行こう」
愛原「これから夕食だし、ジュースくらい家にあるぞ?」
リサ「うーん……。すぐ御馳走になるのは悪いしィ……」
高橋「おう、その通りだな」
愛原「気にしなくていいんだよ」
しかしリサは、自販機にペットボトル入りのコーラを買い求めた。
まあ、私も結局、水くらいは買うことにしたのだが。
高橋「地方でも水道水は飲めませんか?」
愛原「気にし過ぎなのかもしれないけど、そのまま飲むのはちょっとな。実家にも浄水器は付いたって」
高橋「なるほど、そうっスか」
尚、店の前には吸い殻入れもあり、駅には喫煙所が無いことから、ここが喫煙スポットになりそうだ。
リサ「うちと同じ4階建てだね」
愛原「1階が店舗。2階から上が住宅なところは、ちょっと違うかな」
うちの事務所兼住宅は土地が狭いので、駐車スペースを確保しようとすると、どうしても1階部分が犠牲になる。
リサ「あ、雪だ……」
実家までの道すがら、雪がちらついてきた。
愛原「どうも寒いと思ってたら、雪が降ってきやがった。積もるかなぁ……」
高橋「もし積もったら、雪掻き手伝いますよ」
愛原「それはありがとう」
[同日18時15分 天候:雪 同区内某所 愛原家]
愛原「んん?」
高橋「どうしました?」
愛原「気のせいかな?何か、前と家の様子が変わっているような……」
高橋「気のせいじゃないっスか」
愛原「そうかな???」
私は首を傾げた。
別に外観が変わっているというわけではないのだが……。
愛原「ただいまー」
母親「お帰りなさい」
愛原「話ししていた通り、うちの事務所の皆も一緒に来たよ」
パール「霧崎です。お世話になります」
高橋「お久しぶりです!先生の不肖の弟子、高橋っス!」
リサ「先生の妻、愛原リサです!」
高橋「おい!!」
母親「相変わらず、個性的なスタッフさん達ねぇ……」
父親「上手くやっているようで安心した。寒かったでしょう。どうぞ、中に」
パール「失礼します」
高橋「お邪魔します!」
リサ「邪魔するなら帰ってー」
高橋「はーい。……って、何でやねん!」
リサ「ニャハハ!」
愛原「吉本新喜劇か!……えーと、客間に3人寝てもらえばいいんだな」
母親「そうね。物置代わりだったけど、片付けておいたから」
愛原「悪いね。じゃあ、お前達はそっちの客間で」
高橋「あざっス」
母親「エアコンの暖房が入るようにはなってるけど、寒いようならファンヒーター使っていいからね」
高橋「あざっス」
父親「学は2階の部屋でいいな?」
愛原「元々、俺の部屋だし」
リサ「わたしもそこで寝ていいですか!?」
愛原「いや、それはダメだよ」
リサ「何で!メイドさんとお兄ちゃんは、一緒の部屋なのに!」
愛原「いや、2人は実質的に結婚しているようなものだから……」
いわゆる、内縁というヤツである。
父親「なに?いつ、結婚した?」
愛原「いや、まだだよ。婚姻届の保証人、2人必要じゃない?俺1人と、もう1人いたんだけど、国外逃亡しちゃって。カルロス・ゴーンみたいに」
父親「ふむぅ……。そうなのか」
リサ「なので、わたし達の婚姻届の保証人に、お父様方のサインください!」
高橋「アホか!」
母親「って、あなたまだ高校生でしょう?」
父親「学。いくら何でも、バイトの女の子にこんなことしたらマズいぞ?」
愛原「違うんだって!」
母親「せめて、高校は卒業してからにしなさい」
リサ「はい!」
愛原&父親「高校卒業したらいいの!?」
リサ「というわけで、部屋は先生の部屋でいいですね?」
愛原「し、しかし……」
母親「そうは言ってもねぇ……」
父親「間違いがあっては困るし……」
リサ「わたしは構いません!」
母親「いや、そういう問題じゃなくって……」
愛原公一「それなら、ワシの住処に泊まるか?」
愛原学「いや、伯父さんとこって言ってもねぇ……。って!?」
私達は公一伯父さんの声がした方を振り向いた。
すると、いつの間にか背後には公一伯父さんが立っていた。
公一「よー来たのー」
愛原「伯父さん!?何で!?」
意外な人物との再会だった。
〔薬師堂、薬師堂。聖和学園前。出入口付近の方は、開くドアにご注意ください〕
JR仙台駅で新幹線を降りた私達。
喫煙所で高橋とパールが一服した後、地下鉄の駅に移動した。
さすがに昔、騒ぎとなった地下空洞と地下鉄のトンネルの穴は埋められたようで、電車の窓からその跡を見る事すら困難だった。
愛原「着いた着いた」
この駅は対向電車と同時到着、発車する駅である。
もちろん、早朝や深夜、平日の朝夕ラッシュ時は除くが。
〔1番線、2番線の電車が発車します〕
両側の電車は短い停車時分を過ぎると、すぐに発車していった。
ホーム階から改札階へは、そんなにエスカレーターも長くない。
普通の建物のワンフロア上に向かうといった感じだ。
普段は静かな駅だが、両方向の4両編成の電車が同時到着、同時発車するものだから、実に8両編成分の乗客を捌くことになる。
愛原「ここが最後の駅だ。あとは家まで直行するぞ」
リサ「うん……」
地上までの長いエスカレーターに乗って、ようやく地上に出る。
新しい地下鉄の良い所は、地上までエスカレーターで上がれることだ。
もちろん、エレベーターも完備されている。
地上に出ると、寒風が私達を襲った。
高橋「先生、タバコ買って行っていいですか?」
駅前には酒屋兼業のタバコ屋があり、店の前にはジュースの自販機とタバコの自販機が置かれていた。
愛原「いいよ。お前、吸い過ぎなんだよ」
高橋「サーセン」
私の指摘に、パールも迷彩柄のマスク越しに苦笑しているのが分かった。
リサ「わたしもジュース買って行こう」
愛原「これから夕食だし、ジュースくらい家にあるぞ?」
リサ「うーん……。すぐ御馳走になるのは悪いしィ……」
高橋「おう、その通りだな」
愛原「気にしなくていいんだよ」
しかしリサは、自販機にペットボトル入りのコーラを買い求めた。
まあ、私も結局、水くらいは買うことにしたのだが。
高橋「地方でも水道水は飲めませんか?」
愛原「気にし過ぎなのかもしれないけど、そのまま飲むのはちょっとな。実家にも浄水器は付いたって」
高橋「なるほど、そうっスか」
尚、店の前には吸い殻入れもあり、駅には喫煙所が無いことから、ここが喫煙スポットになりそうだ。
リサ「うちと同じ4階建てだね」
愛原「1階が店舗。2階から上が住宅なところは、ちょっと違うかな」
うちの事務所兼住宅は土地が狭いので、駐車スペースを確保しようとすると、どうしても1階部分が犠牲になる。
リサ「あ、雪だ……」
実家までの道すがら、雪がちらついてきた。
愛原「どうも寒いと思ってたら、雪が降ってきやがった。積もるかなぁ……」
高橋「もし積もったら、雪掻き手伝いますよ」
愛原「それはありがとう」
[同日18時15分 天候:雪 同区内某所 愛原家]
愛原「んん?」
高橋「どうしました?」
愛原「気のせいかな?何か、前と家の様子が変わっているような……」
高橋「気のせいじゃないっスか」
愛原「そうかな???」
私は首を傾げた。
別に外観が変わっているというわけではないのだが……。
愛原「ただいまー」
母親「お帰りなさい」
愛原「話ししていた通り、うちの事務所の皆も一緒に来たよ」
パール「霧崎です。お世話になります」
高橋「お久しぶりです!先生の不肖の弟子、高橋っス!」
リサ「先生の妻、愛原リサです!」
高橋「おい!!」
母親「相変わらず、個性的なスタッフさん達ねぇ……」
父親「上手くやっているようで安心した。寒かったでしょう。どうぞ、中に」
パール「失礼します」
高橋「お邪魔します!」
リサ「邪魔するなら帰ってー」
高橋「はーい。……って、何でやねん!」
リサ「ニャハハ!」
愛原「吉本新喜劇か!……えーと、客間に3人寝てもらえばいいんだな」
母親「そうね。物置代わりだったけど、片付けておいたから」
愛原「悪いね。じゃあ、お前達はそっちの客間で」
高橋「あざっス」
母親「エアコンの暖房が入るようにはなってるけど、寒いようならファンヒーター使っていいからね」
高橋「あざっス」
父親「学は2階の部屋でいいな?」
愛原「元々、俺の部屋だし」
リサ「わたしもそこで寝ていいですか!?」
愛原「いや、それはダメだよ」
リサ「何で!メイドさんとお兄ちゃんは、一緒の部屋なのに!」
愛原「いや、2人は実質的に結婚しているようなものだから……」
いわゆる、内縁というヤツである。
父親「なに?いつ、結婚した?」
愛原「いや、まだだよ。婚姻届の保証人、2人必要じゃない?俺1人と、もう1人いたんだけど、国外逃亡しちゃって。カルロス・ゴーンみたいに」
父親「ふむぅ……。そうなのか」
リサ「なので、わたし達の婚姻届の保証人に、お父様方のサインください!」
高橋「アホか!」
母親「って、あなたまだ高校生でしょう?」
父親「学。いくら何でも、バイトの女の子にこんなことしたらマズいぞ?」
愛原「違うんだって!」
母親「せめて、高校は卒業してからにしなさい」
リサ「はい!」
愛原&父親「高校卒業したらいいの!?」
リサ「というわけで、部屋は先生の部屋でいいですね?」
愛原「し、しかし……」
母親「そうは言ってもねぇ……」
父親「間違いがあっては困るし……」
リサ「わたしは構いません!」
母親「いや、そういう問題じゃなくって……」
愛原公一「それなら、ワシの住処に泊まるか?」
愛原学「いや、伯父さんとこって言ってもねぇ……。って!?」
私達は公一伯父さんの声がした方を振り向いた。
すると、いつの間にか背後には公一伯父さんが立っていた。
公一「よー来たのー」
愛原「伯父さん!?何で!?」
意外な人物との再会だった。