[5月13日13時00分 天候:曇 埼玉県川口市某所 某脳神経クリニック]
看護師「愛原さん、愛原学さん!診察室へどうぞ!」
愛原「はーい」
いやあ、長い検査だった。
そりゃ確かに、大病院と違って即日検査してくれるのは確かだ。
しかし、土曜日ということもあって、混雑していると、やはり、かなり長く待たされるものだな。
今はようやくMRI検査などが終わり、診察室に呼ばれたところだ。
ここでやっと院長先生からの診察が始まるというわけだ。
愛原「宜しくお願いします」
院長「はい、愛原さん。検査、ご苦労様でした。……えーと……ですね……」
何故だか院長先生は深刻な顔をしている。
やはり、ヤバい状態なのだろうか。
院長「まずはモニタを一緒に見て行きましょう」
愛原「あ、はい」
院長先生は机の上のPCのモニタを、少し私の方に向けてくれた。
院長「これが先ほど愛原さんの頭の中を撮影した写真、画像になります。一応、比較対象として、検査で何とも無かった患者さんの画像も横に表示しています」
と、ということは、やっぱり私の脳は何とも無いわけではないのだ!
愛原「い、院長先生、それってつまり……」
院長「愛原さん、過去に頭の手術を受けられたことはありますか?」
愛原「い、いいえ?」
院長「本当に?絶対?」
愛原「あ、はい。全く記憶にありません」
院長「子供の頃とか、もっと小さい頃とか……」
愛原「い、一体、何を仰りたいんですか?」
もしもそうなら、とっくに両親から聞いているはずだが……。
院長「……頭の中に、金属片が入っているんですよ」
愛原「はい!?」
院長先生はPCを操作した。
院長「こちらが健康だった患者さんの脳ですね。で、こちらが愛原さんの脳です。ここに何か写ってるの、分かりますか?」
愛原「は、はい。確かに……」
数cm程度の長方形のような物?が、確かに写り込んでいた。
院長「恐らくこれは、マイクロチップか何かだと思います」
愛原「マイクロチップ!?何でそんなものが!?」
院長「ですから、それで先ほど手術歴についてお聞きしたのです。この大きさだと、子供のうちに埋め込むのは無理です。恐らく愛原さんが成人されてから、こういった物を埋め込む手術をされたのかと思いまして……」
愛原「い、いえ……全く記憶に無いです。これが、私の記憶障害や頭痛、フラッシュバックの原因だと仰るのですか?」
院長「少なくとも、この検査の結果の上では、そう言わざるを得ません。他の箇所も御覧になれば分かると思いますが、このように、健康な患者さんの脳と殆ど同じ状態です。明らかに違うのは、このマイクロチップのような金属片の部分だけです。よって、愛原さんの身に起きている症状の原因は、これだと思われます。実はこの部分は記憶などを司る所でして、仮に愛原さんが過去に大きな事故や病気などで脳の手術をされたとしても、このような所にこのようなマイクロチップを埋め込むことは通常有り得ないです」
愛原「こ、これは手術をして取り除いた方がいいですよね?」
院長「それらも含めて、次はより設備の整った大きな病院での検査を強くオススメします。紹介状を書きますので、それを持って、なるべく早く脳神経外科のある大きな病院に掛かってください」
愛原「は……はい」
院長「場合によっては、警察への通報も有り得ます」
愛原「け、警察……」
院長「紹介状を書くまでの間、待合室でお待ちください」
愛原「は、はい……。ありがとうございます……」
私は半ば放心状態で診察室を出た。
意外過ぎる検査結果に、放心せざるを得なかった。
これがもし何らかの病気や障害だというのなら、まだ冷静になれたかもしれない。
一応、それを想定してここに来たからだ。
しかし、病気でも障害でも、かといって原因不明というわけでもなく、マイクロチップが埋め込まれていたことが原因たったとは……。
院長先生に言った通り、私は脳手術を受けたことなど1度も無い。
少なくとも、そんな記憶は無い。
本当はこの結果を善場係長に連絡しなければならないのだが、あまりにも放心状態で、それはできなかった。
受付係「愛原さーん、愛原学さーん!」
愛原「……! あっ、はい!」
しばらくボーッとしていると、受付係の女性に呼ばれた。
受付係「こちらが院長先生の紹介状になります。お会計が……」
脳検査は自由診療なので、やや高い。
もちろん、公式サイトに値段が書いてあるので、一応現金は持って来ている。
実際はそれだけでなく、初診料や紹介状の作成費用なども請求された。
受付係「……お大事になさってください」
愛原「はい。ありがとうございました」
私は紹介状と明細とお釣りをもらって、クリニックをあとにした。
愛原「あ、そうだ……。善場係長に電話……」
私がスマホを取り出そうとした時だった。
リサ「先生!」
クリニックの敷地を出たところで、リサに呼び止められた。
愛原「リサ!?どうしてここへ?!」
リサ「先生のことが心配で、どうしても……。学校が終わって、すぐこっちに向かったの」
その通り、リサは家を出る時の姿そのままだった。
愛原「向かったのって、単独行動は禁止されてるだろ?どうやって……」
レイチェル「私です!」
後になってレイチェルが走ってきた。
どうやら途中でリサが走り出して、レイチェルを撒いたらしい。
レイチェル「リサに頼まれて、ここまで来てしまいました」
レイチェルもまた制服姿のままだった。
愛原「そ、そうだったのか……。な、何か悪いな……うちのリサが……」
レイチェル「いえ、これも任務です」
レイチェルはBSAA養成学校の学生だ。
つまり、正式なBSAA隊員ではないが、日本には訓練生として来日している。
リサの『監視役』も、訓練の一環とされている。
つまり、レイチェルが一緒にいれば、私がいなくても『監視役』が付いていることになり、単独行動にはならない。
リサ「検査結果はどうだったの!?」
愛原「そ、それは……」
私が回答に迷っていると、リサの腹が大きく鳴った。
明らかな空腹状態である。
リサ「あ……」
愛原「……先に、昼飯食べてからにしようか」
リサ「エヘヘ……」
愛原「レイチェルも来てくれ。リサをここまで連れて来てくれた御礼に、昼食を御馳走させてもらうよ」
レイチェル「ありがとうございます」
私達は近くのイオンモールに向かった。
看護師「愛原さん、愛原学さん!診察室へどうぞ!」
愛原「はーい」
いやあ、長い検査だった。
そりゃ確かに、大病院と違って即日検査してくれるのは確かだ。
しかし、土曜日ということもあって、混雑していると、やはり、かなり長く待たされるものだな。
今はようやくMRI検査などが終わり、診察室に呼ばれたところだ。
ここでやっと院長先生からの診察が始まるというわけだ。
愛原「宜しくお願いします」
院長「はい、愛原さん。検査、ご苦労様でした。……えーと……ですね……」
何故だか院長先生は深刻な顔をしている。
やはり、ヤバい状態なのだろうか。
院長「まずはモニタを一緒に見て行きましょう」
愛原「あ、はい」
院長先生は机の上のPCのモニタを、少し私の方に向けてくれた。
院長「これが先ほど愛原さんの頭の中を撮影した写真、画像になります。一応、比較対象として、検査で何とも無かった患者さんの画像も横に表示しています」
と、ということは、やっぱり私の脳は何とも無いわけではないのだ!
愛原「い、院長先生、それってつまり……」
院長「愛原さん、過去に頭の手術を受けられたことはありますか?」
愛原「い、いいえ?」
院長「本当に?絶対?」
愛原「あ、はい。全く記憶にありません」
院長「子供の頃とか、もっと小さい頃とか……」
愛原「い、一体、何を仰りたいんですか?」
もしもそうなら、とっくに両親から聞いているはずだが……。
院長「……頭の中に、金属片が入っているんですよ」
愛原「はい!?」
院長先生はPCを操作した。
院長「こちらが健康だった患者さんの脳ですね。で、こちらが愛原さんの脳です。ここに何か写ってるの、分かりますか?」
愛原「は、はい。確かに……」
数cm程度の長方形のような物?が、確かに写り込んでいた。
院長「恐らくこれは、マイクロチップか何かだと思います」
愛原「マイクロチップ!?何でそんなものが!?」
院長「ですから、それで先ほど手術歴についてお聞きしたのです。この大きさだと、子供のうちに埋め込むのは無理です。恐らく愛原さんが成人されてから、こういった物を埋め込む手術をされたのかと思いまして……」
愛原「い、いえ……全く記憶に無いです。これが、私の記憶障害や頭痛、フラッシュバックの原因だと仰るのですか?」
院長「少なくとも、この検査の結果の上では、そう言わざるを得ません。他の箇所も御覧になれば分かると思いますが、このように、健康な患者さんの脳と殆ど同じ状態です。明らかに違うのは、このマイクロチップのような金属片の部分だけです。よって、愛原さんの身に起きている症状の原因は、これだと思われます。実はこの部分は記憶などを司る所でして、仮に愛原さんが過去に大きな事故や病気などで脳の手術をされたとしても、このような所にこのようなマイクロチップを埋め込むことは通常有り得ないです」
愛原「こ、これは手術をして取り除いた方がいいですよね?」
院長「それらも含めて、次はより設備の整った大きな病院での検査を強くオススメします。紹介状を書きますので、それを持って、なるべく早く脳神経外科のある大きな病院に掛かってください」
愛原「は……はい」
院長「場合によっては、警察への通報も有り得ます」
愛原「け、警察……」
院長「紹介状を書くまでの間、待合室でお待ちください」
愛原「は、はい……。ありがとうございます……」
私は半ば放心状態で診察室を出た。
意外過ぎる検査結果に、放心せざるを得なかった。
これがもし何らかの病気や障害だというのなら、まだ冷静になれたかもしれない。
一応、それを想定してここに来たからだ。
しかし、病気でも障害でも、かといって原因不明というわけでもなく、マイクロチップが埋め込まれていたことが原因たったとは……。
院長先生に言った通り、私は脳手術を受けたことなど1度も無い。
少なくとも、そんな記憶は無い。
本当はこの結果を善場係長に連絡しなければならないのだが、あまりにも放心状態で、それはできなかった。
受付係「愛原さーん、愛原学さーん!」
愛原「……! あっ、はい!」
しばらくボーッとしていると、受付係の女性に呼ばれた。
受付係「こちらが院長先生の紹介状になります。お会計が……」
脳検査は自由診療なので、やや高い。
もちろん、公式サイトに値段が書いてあるので、一応現金は持って来ている。
実際はそれだけでなく、初診料や紹介状の作成費用なども請求された。
受付係「……お大事になさってください」
愛原「はい。ありがとうございました」
私は紹介状と明細とお釣りをもらって、クリニックをあとにした。
愛原「あ、そうだ……。善場係長に電話……」
私がスマホを取り出そうとした時だった。
リサ「先生!」
クリニックの敷地を出たところで、リサに呼び止められた。
愛原「リサ!?どうしてここへ?!」
リサ「先生のことが心配で、どうしても……。学校が終わって、すぐこっちに向かったの」
その通り、リサは家を出る時の姿そのままだった。
愛原「向かったのって、単独行動は禁止されてるだろ?どうやって……」
レイチェル「私です!」
後になってレイチェルが走ってきた。
どうやら途中でリサが走り出して、レイチェルを撒いたらしい。
レイチェル「リサに頼まれて、ここまで来てしまいました」
レイチェルもまた制服姿のままだった。
愛原「そ、そうだったのか……。な、何か悪いな……うちのリサが……」
レイチェル「いえ、これも任務です」
レイチェルはBSAA養成学校の学生だ。
つまり、正式なBSAA隊員ではないが、日本には訓練生として来日している。
リサの『監視役』も、訓練の一環とされている。
つまり、レイチェルが一緒にいれば、私がいなくても『監視役』が付いていることになり、単独行動にはならない。
リサ「検査結果はどうだったの!?」
愛原「そ、それは……」
私が回答に迷っていると、リサの腹が大きく鳴った。
明らかな空腹状態である。
リサ「あ……」
愛原「……先に、昼飯食べてからにしようか」
リサ「エヘヘ……」
愛原「レイチェルも来てくれ。リサをここまで連れて来てくれた御礼に、昼食を御馳走させてもらうよ」
レイチェル「ありがとうございます」
私達は近くのイオンモールに向かった。
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