[8月17日12:00.天候:雨 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・教育資料館(旧校舎)1F男子トイレ]
リサは戦時中、死体置き場として使われていたという教室跡の隣にあるトイレを覗いてみた。
トイレは旧校舎が閉鎖されるまで、普通に使用されていたという。
死体置き場のすぐ隣にあるのは、男子トイレである。
蓮華:「リサ、そっちは男子トイレだよ?」
リサ:「知ってる。だからこそ、だよ」
リサは男子トイレの中に入った。
教育資料館として再生する前の旧校舎は廃墟同然で、電気も切られている状態だったが、今は通電している。
トイレの中に至っては、今だに白熱電球が2個灯るだけであった。
まあ、ワット数は大きいのだろうが……。
リサ:「!……無い!」
リサは天井を見て目を丸くした。
蓮華:「何が?」
リサ:「ダクトが無い!新校舎にはあるのに……」
坂上:「そりゃ、これだけ古い建物だ。そんなもの、あるわけないさ」
リサ:「うぅ……」
坂上:「おいおい。もしかして、ダクトを通って、死体置き場に行こうと思ったのか?」
リサ:「そのまさか、です」
坂上:「侵入経路なんか無いさ。最初は一応、ドアはあったらしいぞ」
リサ:「えっ!?」
坂上:「そもそも、どうして壁ができたと思う?戦後、あの死体置き場から死体が片付けられて、ようやくそこは本来の教室としての機能を回復することができたんだ。ところが、いざ蓋を開けてみたら、毎日が幽霊騒ぎだ。それも、放課後とか真夜中に現れたってのならともかく、真昼の授業中にも現れたっていうんだから、こりゃダメだってことになってな。教室自体を閉鎖したんだ。ところが、閉鎖しただけでは、幽霊騒ぎは収まらなかった。そこで、壁で塗り込んだってわけさ」
リサ:「でも、ドアはあった?」
坂上:「そう。教室として使うのが無理なら、倉庫として使うのはどうだってことになってな。だけどな、幽霊を目撃したのが生徒だけならまだしも、教職員も目撃してしまってるんだ。誰もそんな所、使おうとは思わなかった。そうこうしているうちに、ドアがいつの間にか開いていることがあるって噂が立ってな。ドアが開いているのを目撃した生徒は、その中に引き込まれ、2度と出て来れなくなるなんて噂が立ったそうだ。……そして、悲劇は起きた」
蓮華:「本当に行方不明者が出たんですか?」
坂上:「そう。結局、倉庫として使用するのもダメになり、今度はドアの上から塗り込んで、完全な壁にしてしまったというわけさ」
リサ:「うーむ……」
リサは考え込んだ。
どう見ても、この壁の中が怪しい。
リサ:「“花子さん”に聞けば、この壁のことが分かるかもしれない。だけど、彼女はもういない……」
坂上:「さ、もうこれで十分だろ。雨も降ってきたことだし、今日はもう帰れ」
リサと蓮華は、旧校舎をあとにした。
蓮華:「何だか消化不良だねぇ……」
急いで新校舎に戻り、傘と鞄を取って来る。
蓮華:「確か、教育資料館、前にもガッツリ調べたんだって?」
リサ:「そう。エブリンの影があったからね。そして旧校舎には、同じく壁で塗り込められたトイレ跡があって、そこから便槽に至って、死体を発見した」
蓮華:「で、今回は教室の死体置き場か。どうなんだろうね?」
リサ:「あの壁……、何十年も前に塗り込んだんだよね?」
蓮華:「坂上先生の話ならね。それがどうしたの?」
リサ:「少し、新しい感じがしない?」
蓮華:「そう?気のせいじゃない?」
リサ:「前に見た、トイレを塗り込んだ壁より明るくてきれいだった。何か、数十年前というよりは、数年前に造ったって感じ」
蓮華:「でも、新聞部のデータにもあるからねぇ……」
リサ:「何だか、裏があるかもしれない感じ……」
蓮華:「そうだねぇ……」
鞄と傘を取りに行くと、リサはもう1度新聞部に立ち寄ってみることにした。
パク・ヨンヒ:「ありがとうございます」
すると、新聞部の部室から、BSAA韓国地区本部の養成学校から留学してきたパク・ヨンヒが出て来た。
ヨンヒ:「あら、BOW(生物兵器)のリサ」
リサ:「新聞部にでも入るの?」
ヨンヒ:「まさか。この学校の秘密を調べるのに、打ってつけの部だからね」
リサ:「この学校の秘密?」
ヨンヒ:「あんたはBOWでの目線でしか分からないけど、BSAAの目線からしたら、この学校も相当怪しいものよ」
リサ:「そうなの?」
ヨンヒ:「日本人はお気楽ね。それとも、BOWだからかしら?」
リサ:「何それ」
ヨンヒ:「日本アンブレラの重鎮になる白井伝三郎がOBというだけでなく、教員として在籍していたこともあって、PTA会長は日本アンブレラと繋がっていて……そして、しれっとBOWのあなたが在籍している。こんな怪しい学校、他に無いでしょ?」
リサ:「な、なるほど……。だけど……」
ヨンヒ:「じゃ、私はこれで。……せいぜい、BSAAの邪魔をしないことね?いくらあなたでも、ロケットランチャーの攻撃には耐えられないでしょ?」
リサ:「ぐぬぬ……!」
とはいうものの……。
リサ:(わたしを編入させたのは、デイライトなんだけどなぁ……)
リサは首を傾げた。
蓮華:「お待たせ。帰りに、お昼食べてく?ファーストフードで良かったら、奢るよ」
リサ:「いいの!?」
蓮華:「私のせいで、愛原先生達に迷惑掛けたしね」
[同日14:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
リサ:「……ということが、ありました」
愛原:「さすがはリサ、色々調べてくれたんだな。なるほど。あの旧校舎、トイレだけじゃなかったんだな」
高橋:「この、反対側に、あの壁に隠されたトイレがあったんでしたね。で、トイレの反対側は死体置き場と……。凄い学校っスね」
愛原:「まあ、戦時中は何でもアリだっただろうが……。よし、善場主任に報告書を作って、明日報告に行こう。デイライトさんなら、国家権力を使って、その壁の中を見ることなど、造作も無いだろう」
高橋:「エグい権力っスね」
愛原:「まあ、国家権力なんて、そういうものだよ」
愛原はリサの報告を素に、報告書を作り始めた。
あいにくとリサは写真を撮っていなかったが、幸い教育資料館の図面は持っていたので、それを添付すれば大丈夫そうだ。
ところが、事態は思わぬ方向に舵を切ろうとしていたのである。
リサは戦時中、死体置き場として使われていたという教室跡の隣にあるトイレを覗いてみた。
トイレは旧校舎が閉鎖されるまで、普通に使用されていたという。
死体置き場のすぐ隣にあるのは、男子トイレである。
蓮華:「リサ、そっちは男子トイレだよ?」
リサ:「知ってる。だからこそ、だよ」
リサは男子トイレの中に入った。
教育資料館として再生する前の旧校舎は廃墟同然で、電気も切られている状態だったが、今は通電している。
トイレの中に至っては、今だに白熱電球が2個灯るだけであった。
まあ、ワット数は大きいのだろうが……。
リサ:「!……無い!」
リサは天井を見て目を丸くした。
蓮華:「何が?」
リサ:「ダクトが無い!新校舎にはあるのに……」
坂上:「そりゃ、これだけ古い建物だ。そんなもの、あるわけないさ」
リサ:「うぅ……」
坂上:「おいおい。もしかして、ダクトを通って、死体置き場に行こうと思ったのか?」
リサ:「そのまさか、です」
坂上:「侵入経路なんか無いさ。最初は一応、ドアはあったらしいぞ」
リサ:「えっ!?」
坂上:「そもそも、どうして壁ができたと思う?戦後、あの死体置き場から死体が片付けられて、ようやくそこは本来の教室としての機能を回復することができたんだ。ところが、いざ蓋を開けてみたら、毎日が幽霊騒ぎだ。それも、放課後とか真夜中に現れたってのならともかく、真昼の授業中にも現れたっていうんだから、こりゃダメだってことになってな。教室自体を閉鎖したんだ。ところが、閉鎖しただけでは、幽霊騒ぎは収まらなかった。そこで、壁で塗り込んだってわけさ」
リサ:「でも、ドアはあった?」
坂上:「そう。教室として使うのが無理なら、倉庫として使うのはどうだってことになってな。だけどな、幽霊を目撃したのが生徒だけならまだしも、教職員も目撃してしまってるんだ。誰もそんな所、使おうとは思わなかった。そうこうしているうちに、ドアがいつの間にか開いていることがあるって噂が立ってな。ドアが開いているのを目撃した生徒は、その中に引き込まれ、2度と出て来れなくなるなんて噂が立ったそうだ。……そして、悲劇は起きた」
蓮華:「本当に行方不明者が出たんですか?」
坂上:「そう。結局、倉庫として使用するのもダメになり、今度はドアの上から塗り込んで、完全な壁にしてしまったというわけさ」
リサ:「うーむ……」
リサは考え込んだ。
どう見ても、この壁の中が怪しい。
リサ:「“花子さん”に聞けば、この壁のことが分かるかもしれない。だけど、彼女はもういない……」
坂上:「さ、もうこれで十分だろ。雨も降ってきたことだし、今日はもう帰れ」
リサと蓮華は、旧校舎をあとにした。
蓮華:「何だか消化不良だねぇ……」
急いで新校舎に戻り、傘と鞄を取って来る。
蓮華:「確か、教育資料館、前にもガッツリ調べたんだって?」
リサ:「そう。エブリンの影があったからね。そして旧校舎には、同じく壁で塗り込められたトイレ跡があって、そこから便槽に至って、死体を発見した」
蓮華:「で、今回は教室の死体置き場か。どうなんだろうね?」
リサ:「あの壁……、何十年も前に塗り込んだんだよね?」
蓮華:「坂上先生の話ならね。それがどうしたの?」
リサ:「少し、新しい感じがしない?」
蓮華:「そう?気のせいじゃない?」
リサ:「前に見た、トイレを塗り込んだ壁より明るくてきれいだった。何か、数十年前というよりは、数年前に造ったって感じ」
蓮華:「でも、新聞部のデータにもあるからねぇ……」
リサ:「何だか、裏があるかもしれない感じ……」
蓮華:「そうだねぇ……」
鞄と傘を取りに行くと、リサはもう1度新聞部に立ち寄ってみることにした。
パク・ヨンヒ:「ありがとうございます」
すると、新聞部の部室から、BSAA韓国地区本部の養成学校から留学してきたパク・ヨンヒが出て来た。
ヨンヒ:「あら、BOW(生物兵器)のリサ」
リサ:「新聞部にでも入るの?」
ヨンヒ:「まさか。この学校の秘密を調べるのに、打ってつけの部だからね」
リサ:「この学校の秘密?」
ヨンヒ:「あんたはBOWでの目線でしか分からないけど、BSAAの目線からしたら、この学校も相当怪しいものよ」
リサ:「そうなの?」
ヨンヒ:「日本人はお気楽ね。それとも、BOWだからかしら?」
リサ:「何それ」
ヨンヒ:「日本アンブレラの重鎮になる白井伝三郎がOBというだけでなく、教員として在籍していたこともあって、PTA会長は日本アンブレラと繋がっていて……そして、しれっとBOWのあなたが在籍している。こんな怪しい学校、他に無いでしょ?」
リサ:「な、なるほど……。だけど……」
ヨンヒ:「じゃ、私はこれで。……せいぜい、BSAAの邪魔をしないことね?いくらあなたでも、ロケットランチャーの攻撃には耐えられないでしょ?」
リサ:「ぐぬぬ……!」
とはいうものの……。
リサ:(わたしを編入させたのは、デイライトなんだけどなぁ……)
リサは首を傾げた。
蓮華:「お待たせ。帰りに、お昼食べてく?ファーストフードで良かったら、奢るよ」
リサ:「いいの!?」
蓮華:「私のせいで、愛原先生達に迷惑掛けたしね」
[同日14:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
リサ:「……ということが、ありました」
愛原:「さすがはリサ、色々調べてくれたんだな。なるほど。あの旧校舎、トイレだけじゃなかったんだな」
高橋:「この、反対側に、あの壁に隠されたトイレがあったんでしたね。で、トイレの反対側は死体置き場と……。凄い学校っスね」
愛原:「まあ、戦時中は何でもアリだっただろうが……。よし、善場主任に報告書を作って、明日報告に行こう。デイライトさんなら、国家権力を使って、その壁の中を見ることなど、造作も無いだろう」
高橋:「エグい権力っスね」
愛原:「まあ、国家権力なんて、そういうものだよ」
愛原はリサの報告を素に、報告書を作り始めた。
あいにくとリサは写真を撮っていなかったが、幸い教育資料館の図面は持っていたので、それを添付すれば大丈夫そうだ。
ところが、事態は思わぬ方向に舵を切ろうとしていたのである。
Twitterの婚活アカウントで、女性側のを何名か見させて頂いた。
ところが、私と同年代(アラフォー)とおぼしき方々のそれはもう婚活中の私でさえも、逃げたくなるような内容だった。
私が婚活の時、直近でお付き合いしたのは同い年の人だったが、Twitter民のような方だった。
こりゃ、対象年齢をもう少し引き下げた方がいいかもしれない。
そういえば学生の頃にも、そういう拗らせ系女子はいたなぁと思ったが、まさかこの歳になっても婚活拗らせてるとは……。