報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「その日の夜……」

2023-09-13 20:17:10 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月12日18時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 高橋「ってか、BSAAへの攻撃がスカートめくりって、随分と安っぽい攻撃だなぁ?ああ?」
 リサ「平和的でしょ?」
 愛原「どこがだよ」

 夕食はパールがステーキを焼いてくれた。
 近所のスーパーで、肉の特売をやっていたらしい。
 私には国産の牛肉を買ってきてくれたが、リサにはサイズはデカいが、肉質は硬めのアメリカ産。
 当然、国産より安い。
 もっとも、リサにはこれで十分。
 リサ的には、肉は質より量という考えなので。
 当然、血が滴るレアである。
 リサはレイチェルが帰った後、制服から体操服へと着替えた。
 ブルマは学校指定の緑から、紺色へと穿き替えている。
 明日もまた、学校で体育があるからだそうだ。

 愛原「BSAAからの心証を悪くして、研究所に連れ戻されても知らんぞ」
 リサ「それは困る」
 愛原「だから、BSAAの前ではおとなしくしてなきゃ」
 リサ「はーい……」

[同日19時00分 天候:晴 愛原家3階・階段]

 夕食が終わる頃、善場主任から電話があった。

 愛原「はい、もしもし。愛原ですが?」
 善場「愛原所長。夜分に申し訳ございません」
 愛原「いえ、問題無いです。何の御用でしょぅか?」
 善場「BSAAから報告があったのですが、リサが何かBSAAにしましたか?」
 愛原「あっ?あー……それですか。実は今、東京中央学園にBSAA北米支部養成学校から、留学生が来てますでしょ?彼女が家に来たんですよ。その時、リサがちょっとじゃれ付いただけなんですが、どうも冗談が通じなかったみたいで……」
 善場「そういうことでしたか。報告書にはリサから攻撃を受けたようなことが書かれていたので驚いたのですが、その割には『被害0』とありまして、首を傾げたのです。普通、BOW……特にリサのようなAクラス(上級クラス)に攻撃されたら、無傷では済まないはずなのですが……」
 愛原「そ、そうですよね。特に、電撃とか、そういう攻撃をしたわけではありませんので」
 善場「そうですか。どうやら、今回の留学生はとても真面目で堅物のようですね。冗談は通じないものと思ってください」
 愛原「そうさせて頂きます」

 まあ、スカートめくりなんて冗談では済まないだろうがな。
 東京中央学園では、女子生徒同士フザけあって、そんなことをすることもあるのだろうが。

 愛原「リサにも注意しておきます」
 善場「そうしてください。それと1つ、朗報がありますよ」
 愛原「何ですか?」
 善場「科学的データは取れていませんので、理由は分かりません。リサが“鬼ころし”を飲んで酔っている間は、Gウィルスの活動が一時的に停止することが分かりました。これにより、阻害されていた成長ホルモンが一時的に活動を始め、リサの体が成長します」
 愛原「なるほど。そういえばリサのヤツ、変化してから、体が成長しましたね」

 今は再び止まっている状態だ。

 愛原「にも関わらず、“鬼ころし”がどうして効くのか分からないということですか?」
 善場「そうなんです。研究機関の関係者曰く、『麻酔がどうして人間の体に効くのか分からないのと同じ』ということでした」

 そう。
 実は、麻酔がどうして効くのかは解明されていない。
 取りあえず、効くから使っているだけに過ぎないそうだ。

 善場「取りあえず今は、暴走状態を防止する為に使用するに留めてくださいね」
 愛原「分かってます。……因みにその話で思い出したんですけど、公一伯父さんの所から押収した薬品のサンプルについては……?」
 善場「まだ、解析中です。もう少し、お時間を頂きます」
 愛原「そうですか」
 善場「とにかく今は、BSAAに気をつけてください」
 愛原「はい」
 善場「極東支部と違い、北米支部は、より本部に近い支部ですから」
 愛原「?……はい」

 BSAAの本部はヨーロッパにある。
 どこの国だか忘れてしまったが、地中海で発生したバイオハザードに対応する為、地中海沿岸の国に本部が設置されたと聞いている。
 しかし、国連の本部はニューヨークにある。
 BSAAは表向き、国連軍の一派ということになっているので、その本部があるアメリカに支部を構える北米支部は、より本部に近いということなのだろうか。
 ちょっと、複雑でよく分からない。
 私は電話を切って、家の中に戻った。

 高橋「電話、何でした?」
 愛原「善場主任からだよ。BSAAからクレームがあったってさ、リサ」
 リサ「えーっ?案外、クレーマーなんだね、レイチェルって。こりゃ、『皆の前で公開おもらしの刑』かな」
 愛原「本当に軍隊が出動してくるからやめなさい。それに、もう『寄生虫』は使えないだろうが」
 リサ「と、思うでしょ?」
 愛原「なにっ!?」
 リサ「先生、資料で見たでしょ?アメリカでエヴリンが大暴れした事件現場……」
 愛原「アメリカのルイジアナ州のベイカー農場だろ?それがどうした?」
 リサ「そこのオバさん、感染して、『蟲使い』になったそうじゃん?」
 愛原「で、でも、それは蜘蛛とかムカデとか、普通の虫であって、寄生虫ではないだろ?」
 リサ「いやいやいや……。もしかたら、この特異菌を使えば、再びわたしは『寄生虫使い』に戻れるのかも……。電撃使いと寄生虫使いの兼業。物凄い、ボスになれそう」
 高橋「いいねぇ!その代わり、2度と人間には戻れなくなるぞ!」
 リサ「それは困る」
 愛原「電撃使いだって、人間業じゃないんだから、そこんとこ忘れるなよ?」
 リサ「はーい」

 しかしリサの口ぶりからして、もしかして、再び寄生虫使いに戻る方法を見つけたのかもしれない。
 私は、そっと冷蔵庫の中を見た。
 “鬼ころし”は残り少なくなっている。
 明日、買い足しに行こう。
 幸い“鬼ころし”は普通酒の1つである為、基本的にはどこでも売っている。
 何せ近所のコンビニでも売っているくらいだ。

 パール「先生、コーヒーお淹れしましょうか?」
 愛原「ああ、頼むよ」
 リサ「先生、こっちに来て!一緒にゲームやろう!」
 愛原「学校の宿題は?」
 リサ「ソッコーで終わらせた!」
 愛原「早いな……」

 私はリビングへと移動した。

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