報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「日曜日の午後」

2024-11-14 16:30:42 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月11日15時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所2階]

 弁護士「……それでは、そういうことで」
 愛原「ありがとうございます。今後とも、宜しくお願い致します」

 弁護士との打ち合わせが終わった。
 今のところ、高橋が執行猶予を取れるかどうかは、50%くらいの確率とのこと。
 まだ余罪の証拠は見つかっておらず、傷害罪のみで、その被害者である私には処罰感情は無い。
 しかしながら、それまで高橋は暴行や他の傷害罪などの前科があり、またいくつかの交通事犯もあることから、裁判官の心証は良い物にはならない。
 また、今回の傷害事件の動機が、あの世界的なバイオテロ組織“コネクション”によるものとあっては、そう簡単に娑婆には出せないという考えになる可能性もある。

 パール「あの弁護士先生、私のことを知っていましたね」
 愛原「それもあるのか?」
 パール「私も前科者ですから……」
 愛原「なるほどなぁ……。それなら高橋のこと、任せて安心かもな。その件、明日、高橋に面会して言ってこいよ。まあ、弁護士さんの方から言ってるかもしれないけど」
 パール「ありがとうございます。マサも先生に会いたがってますよ?」
 愛原「その次は俺が行くよ。何しろ明日、高橋からの手紙が来るんだから」
 パール「それもそうですね」

 弁護士さんに出したお茶などを片付けていると、リサ達がやってきた。

 リサ「先生、そろそろ皆帰るって」
 愛原「そうか。気をつけて帰れよ」
 淀橋「はい。ハンバーガー、御馳走様でした!」
 小島「リサさんは来週から復帰できるんですよね?」
 愛原「ああ。来週の金曜日までだから、土曜日に登校できるかもな?」
 リサ「土曜日じゃ、学食食べれないねぇ……」
 淀橋「学食目的!?」
 レイチェル「私はお話がありますが……」
 愛原「それじゃ、外で話してこよう」
 リサ「ム!わたしも行く!」

 というわけで、留守番をパールに任せて外に出ることに。
 実質的に淀橋さんと小島さんの見送りだな。

[同日15時15分 天候:晴 同地区 珈琲館菊川店]

 まずは淀橋さんと小島さんを菊川駅まで送った後、駅前の喫茶店に入った。

 リサ「わーい!スイーツ、スイーツ!」
 愛原「肉じゃなくて、スイーツ狙いかw」
 レイチェル「珍しいですね。リサなら肉もスイーツでしょうに」
 リサ「わたしだって、たまには甘い物が食べたくなることあるよー」
 愛原「そうかい」

 私はコーヒーだけ注文した。
 私は少女達には、スイーツを選ばせた。
 リサはホットケーキを、レイチェルはチーズケーキを注文した。

 愛原「それでレイチェル、話というのは……」
 レイチェル「愛原センセイを狙っているヤミバイトと呼ばれる連中は、BSAAで捕獲したので安心してください」
 愛原「えっ?警察じゃなくて、BSAAが捕まえたの?」
 レイチェル「はい。BSAAによる取り調べの後、更なる調査の為、彼らは北米支部に移送されるでしょう」
 愛原「ブッ!日本の警察に引き渡さないの!?」
 レイチェル「これは国際バイオテロ事件の1つですので。バイオテロに関しては、BSAAが全て引き受けることになります。その際、BSAAの活動を承認している国家は、警察を介入させてはならないという決まりがあります。もちろん、先に警察が逮捕した場合は、警察の捜査が優先されますが」

 おい、聞いたか、バイオテロに加担している闇バイターども?
 外国に売られたくなかったら、さっさと地元の警察に自首しろ。
 アメリカ行きだぞ?
 しばらく日本に帰って来れねーぞ?

 愛原「それって、あれだよな?その闇バイトの指示役とか、そういうのを集めたリクルーターとかだよな?」
 レイチェル「いえ、実行犯も全員です」
 愛原「パスポート持って無かったらどうするんだよ?」
 レイチェル「BSAAの力で、そんなの関係アリマセン」

 おい、BSAAの力、強過ぎねーか!?
 パスポート持って無くても移送可ってどういう取り決めだよ!?

 愛原「北米支部ってことは、“コネクション”の本部はアメリカにあるってことか?」
 レイチェル「何とも言えません。元々“コネクション”は決まった拠点を持っていないので。そのボスについては、既に分かっているのですが」

 元々アンブレラの幹部だった男が“コネクション”の総帥だってことは分かってる。
 日本で活動しているBSAAは日本地区本部隊と北米支部出向隊であり、主に日本国内で捜査しているのは北米支部である為、日本国内で捕まえた関係者が例え日本人であっても、有無を言わさずアメリカに連れて行くのにも理由があるという。

 レイチェル「ボス以外の幹部が誰か分かっていないのです。もしかしたら、ただの実行犯が幹部かもしれません。それを調べる必要があるからです」
 愛原「それにしても、かなり強引な捜査だねぇ……」
 リサ「まさか、お兄ちゃんもアメリカに?」
 レイチェル「連れて行きたいところですが、先に日本の警察が逮捕してしまいましたからねぇ……。しかも今は、裁判中ですね。釈放されたら、連れて行きますか」
 リサ「ええっ!?」

 や、やっぱり、高橋の為には実刑の方がいいんだろうか?

 愛原「それだけはカンベンしてもらえんかねぇ?」
 レイチェル「私は養成員ですので。一応、本部から先にこれだけの情報は探偵に提供して良いと言われたもので」

 デイライトを通して、日本地区本や北米支部には私達のことが伝わっている。
 世界でも数少ない『制御に成功しているBOW』として、リサは有名だ。

 レイチェル「高橋サンは正体不明です。もしかしすると、“コネクション”の幹部かもしれません。なので、彼は拘束の対象なのです」
 愛原「……うん、素直に“青いアンブレラ”に移籍しといた方が良かったのかもな」

 せっかく執行猶予を勝ち取っても、今度はBSAAに拘束されるってか。
 執行猶予だとパスポートが取れないはずだが、BSAAにはそんなこと関係無いらしい。
 ……後日、善場係長にも確認してみよう。

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