報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「デイライト・コーポレーション・ジャパン」

2015-05-27 19:25:25 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月27日10:00.埼玉県さいたま市西区 デイライト・コーポレーション埼玉研究所 井辺翔太&シンディ]

 どことなく牧歌的な風景が広がる中を走る1台の路線バス。

〔「デイライト・コーポレーション前〜……」〕

 ノンステップバスの前扉(両側に開くタイプはグライド・スライドドアという)が開いて、降りた乗客は2人だけ。
 即ち、井辺とシンディである。
「ここに来るのも久しぶりです」
「アタシも2回目だね。ってか、どうしてプロデューサーがここにいるの?」
「社長が『アンドロイドがどういう整備をしているか知るのも研修だ』と……」
「とても芸能プロダクションの仕事とは違うよね」
「そうですね」
 正門から中に入ると守衛所があり、そこで来訪者受付を行う。
 そこにいた警備員は警備服を着た人間の警備員だったが、
「入館人員に『人間◯名、ロボット◯機』というのはここだけでは?」
「アタシの知ってるロシアの研究所も似たようなものだよ」
「そうですか……」
 受付簿に記入する井辺。
 人間用のビジターカードは普通の首からぶら下げるタイプだったが、シンディの場合は、
「じゃ、左手出して」
「はい」
 左手の掌のど真ん中を開けると、見た目はクリアレンズみたいなものがある。
 それで警備員の横にある読取機に翳すと、シンディの情報が照合されるというもの。
 人間なら出向元の社員証や名刺などで身元確認するが、ロボットだとそうなる。
「西館3階の『アンドロイド技術開発センター』へどうぞ」
「お邪魔します」
 研究所の佇まいは、例えば製薬会社のそれと外観はそんなに変わらない。
 実際に中に入ってみても、どこかの企業のオフィスのような感じなのだが、総合受付があって受付嬢がいて、ロビーがあって……という感じではない所が事務所ではなく研究所という感じだった。
「いずれはメイドロボットに受付係をさせるという話らしいですね」
 井辺が言った。
「挨拶で『お帰りなさいませ』って言われたところで、ビックリするだけじゃない?」
 と、シンディ。
「一海さんみたいなタイプが受付係をする分には問題無いと思いますが……。!」
 すると廊下の向こうから、バージョン5.0などの警備ロボットがドカドカやってきた。
 4.0まではドクター・ウィリーの開発したテロリズム用途で、今でもどこかしらのテロ組織が使用しているが、5.0以降のシリーズはアリスが実際に製造に関わっている為、本来の警備用途に使用されている。
 4.0まではずんぐりむっくりした体型だが、5.0になってからはスリムになり、より人間に近い感じになっている。
「来たよ……」
「な、何ですか!?」
 さすがの井辺も一瞬怯む。
 ざっと数えて10機。
 ズラッと5機ずつ廊下の両脇に立って、
「シンディ閣下ニ対シ、敬礼!!」
 ビッと一斉に敬礼を行う警備ロボット達。
「大げさだからやめろって前に言っただろ!」
 シンディは5.0達を窘めた。
 財団在りし頃、エミリーとシンディは特権階級として、メイドロボット達からはもちろん、こういったいかつい警備ロボット達からも畏怖の対象だったという。

 エレベーターで3階に上がる。
 これもまた面倒なもので、まずエレベーターに乗る時に読取機にカードを当てなくてはならない。
 そして乗り込んで動かし、3階に到着してもドアはすぐに開かない。
 エレベーターのボタンが並んでいる所にモニターがあり、ドアを開ける条件が提示される。
 3分以内にそれができないと、再び1階に戻されるという仕組みだ。
 例えば、『ビジターカードに記載されている番号に2を掛けた後、3で割った数字を入力してください』と、階数ボタンとは別のテンキーで入力したり。
 今回は比較的簡単で、『同行のアンドロイドのシリアルナンバーを入力してください』とのことだった。
「シンディさん?」
「2424188。『ニシニヨイパパ』って覚えて」
「はい、ありがとうございます」
 因みにシンディがマルチタイプ3号機だから、3と入力すると間違い。
 ポーン♪というチャイムが1打鳴り、ドアが開いた。
「どこかの電話番号みたいですね」
「頭に仙台市の局番付けて掛けてみたら?どこかに繋がるかもよ?」
「いえ、結構です」

 エレベーターを降りると、シンディが先行する。
 目的地からシンディを呼ぶ信号が発信されているのだそうだ。

[同日10:15.DC西館3階・アンドロイド技術開発センター 井辺翔太、シンディ、アリス・シキシマ]

「Hi.よく来たわね」
「おはようございます、奥様」
 産休を取っていたアリス、無事に職場復帰が叶ったようだ。
 これというのも、平賀から送られたメイドロボット二海の稼働による。
 七海の成功例もあり、子守りが可能となった。
『メイドロボットの普及が超少子高齢化社会を救う』が、平賀の提唱だ。
「早速下で、5.0達の熱烈歓迎を受けたみたいね?」
「ここに来る度に毎回あんなのされてたんじゃたまりませんわ」
 どうやらアリスの仕込みだったらしく、シンディは肩を竦めた。
「じゃ、早速整備と実験を始めるから」
「はい」
「実験?何の実験ですか?」
 井辺は首を傾げた。
「何だと思う?」
「100メートル先を飛ぶゴルフボールを撃ち落とす実験ですか?」
「それはもうとっくの昔にやってるわ。まあ、ゴルフボールじゃなくて、ベースボールだけど」
「そ、そうですか」
「もっと細かい作業をこなす実験よ。そうだ。ミスター井辺、あなた実験台にならない?」
「ええっ?」
「もちろん実験台といっても、サーカスみたいなことをする実験じゃないから。まあ、少しスリルあるかもだけど」
「な、何でしょう?」
「まあ、その前に整備してからだね。そして、実験用のソフトをインストールするから」

 シンディの前頭部を開けて作業をするアリスと研究員達。
 まるで人間と見紛うシンディだが、さすがこれはロボットなんだと改めて認識させられる姿だ。
 人間の脳に値する部分だが、見た目は意外とシンプル。
 それでもよほど珍しいのか、世界中に研究所から研究員達が見学に訪れるそうである。
 それは偏にこの会社が世界企業で、世界各国に現地法人を置き、研究所を置いているからに他ならないのだが。
 ネットや何かでは、『ロボット開発のアンブレラ』なんて呼ばれているらしい。
 “バイオハザード”シリーズで、悪の製薬企業として名高いアンブレラ・コーポレーションが登場するが、それのロボット開発製造会社版とのこと。
 それでも社内には、ロボット・テロ対策本部なる部署がある辺り、少なくともアンブレラ社とは違う気はするのだが……。
 井辺はそんなことを考えながら、他の見学者に交じって、シンディの整備風景を眺めていた。
コメント (18)
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コメントレス

2015-05-27 15:18:00 | 日記
 えー、まず、山門入り口さん、タイトルと手法のパクリ、大変恐縮であります。

 私のつぶやきが物議を醸し出しているようだが(んなワケない!)、“愛の戦士レインボーマン”は実写版とアニメ版の2つがあって、実写版の方が原作のようである。
 私は朝鮮玉入れパチスロのイメージからアニメ版しか思いつかず、つぶやきではアニメ版を出させて頂いた。

   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E3%81%AE%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3_(%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1)

 以上がアニメ版に関するウィキペディアの記事。
 尚、ちゃんと実写版についての記事も別にある。
 私が昔、CRをやった時はボロ負けした記憶しか無いのだが、そこに実写版の映像が使われなかった為、それもまた私にとってアニメのイメージが強くなったものだ。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E3%81%AE%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3#.E3.83.91.E3.83.81.E3.83.B3.E3.82.B3

 因みに上記が実写版について書かれたウィキペディア記事。
 えー、どちらも放送された時、私はまだ生まれてませんw
 だから件の作品については、CR機で知ったというのがバレバレ。

 http://www.sankyo-fever.co.jp/pachinko/2008/rainbowman/index2.html?r=sankyo_his

 上記が件のCR機。
 死ね死ね団という名前がインパクトで、後に日蓮会(死のう団)の存在を知った時に、
「死ね死ね団みたいな名前だなー」
 と思っていたのだが、ウィキによると、本当に日蓮会をモデルにしたと書かれている。
 CR機ではCGが使用されており、今こうして見ると実写版をイメージしているのかなと思うが、その当時の私はそのせいでむしろアニメだと思っていた。
 ほら、よく昔のアニメがCR機になる時、よくCGでリメイクされるじゃない?
 確変時の演出を大げさにする為だと思うが。

 多分しばらくCR機は出ないと思うが、ポテンヒットさん、出たらやってみます?
 というわけでムーディさん、正解!

 尚、ゴンベさんの仰る通り、川内先生の宗派は日蓮宗だった。
 あいにくと正宗ではなかったが、同じ時に折伏大行進で盛り上がっていた創価学会についてどう思われていたのか。

「憎むな、殺すな、赦しましょう」

 これ、月光仮面の有名なセリフなのだが、今聞いても何か感じる名句だ。
 まあ、殺しは違うものの、某妙観講に聞かせてあげたいセリフだ。

 殺すなを潰すなに変えたら、妙観講向けになるかな?
コメント (17)
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“新アンドロイドマスター” 「敷島エージェンシー営業中」

2015-05-27 02:26:07 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月27日10:00.天候:曇 敷島エージェンシー 井辺翔太]

「……はい、もしもし。……どうも、いつもお世話になっております。……はい。それでしたら、既に準備の方は整っております。……はい」
 取引先からの電話に出ている井辺。
 視線の先には、スケジュール修正を受けている鏡音リンの姿があった。
 手元の端末で自動修正しているのである。
「……では、よろしくお願い致します」
 電話を切る井辺。
「鏡音リンさん。修正の通り、急遽午後イチで○○イベントの依頼がありましたので、お願いします」
「はーい!了解だYo~!……んじゃ、今のうちに充電の方を……」
 コソコソと事務所の外に出て行こうとするリン。
「さっき、バッテリー交換したばかりでしょ!」
「ぅあぁあぁあ!」
 待ち構えていたシンディに掴まれ、ズルズルと事務所の奥の部屋に連れて行かれた。
「相変わらずですね」
 その様子を微笑ましく見ているのは一海。
「そうですね」
 相変わらず無表情で頷く井辺だった。
「やり手の優秀なプロデューサーさんだって、みんな褒めてますよー」
「ありがとうございます。……が、自分はまだまだです」
「そんなことないって」
 リンを奥の部屋に連れて行った後、戻って来たシンディが言った。
「少なくとも社長が駆け出しだった頃より、本当に優秀かもよ?」
「社長が、ですか?」
「そう。何かね、エミリーからぼんやり聞いた話なんだけどー、ダブルブッキングやらかしたり、取引先との連絡バックレたりしてたらしいよ」
「……社長、元サラリーマンですよね?」
「面白い人だったんですね、その頃から」
 一海がクスッと笑った。
「スケジュール管理を手動でやってたからだよ」
「えっ!?あの複雑なスケジュールをですか!?」
「昔は確かに今よりも仕事が少なかったからね。手動管理で良かったと言えるかもしれなかったけど、それで失敗してたもんね」
「よくご存知で」
「エミリーから、色々と聞いてるのよ」
「当時の事務所警備は、エミリーさんがされてたんでしたっけ」
「そういうこと。ミクですら仕事が無くて、ソファで寝てたからね」
「えっ?あのトップアイドルがですか?」
 井辺は驚いた。
 思わずミクのスケジュール表を見たが、ぎっしり詰まっている。
 敷島が1番最初にプロデュースしたボーカロイドということもあり、その思い入れが強いせいか、よく仕事先に一緒に行くことが多い。
「そういう下積み時代もあったのよ」
 するとそれに一海が乗っかってきた。
「あー、それなら聞いてます。『今月もお仕事が無いと、来月の電気代がピンチですぅ!』って涙ながらに訴えていたらしいですね。七海から聞きました」
 当時の事務所で事務作業ロボットをしていたのは、メイドロボットの七海。
 平賀が実験の一環として、当時の事務所に出向させていた。
 その時の成果が、後継機の一海に継承されている。
「あのトップアイドルにも、そういう時代があったんですね」
 井辺は話の内容に、耳を傾けていた。
「そういうわけですから皆さん、決して心配なさらず、それぞれできる事を行ってください」
 井辺は隣の部屋から通じるドアの前で話を立ち聞きしていた、新人ボーカロイド達に向かって言った。
「は、はい!」
「頑張ります!」
「…………」
「あ、あんた達、いつの間に?」
 シンディが目を丸くした。
「え、エヘヘヘヘ……」
 ゆかりはばつの悪そうに笑って誤魔化した。
(……っていうか、よくプロデューサー、気づいたわね???)
 シンディは井辺の勘付きの早さに驚いた。
「午後から、大物アイドルのPV撮影のお手伝いに行きます。皆さんは、バッテリー交換を行っていませんので、それまでの間に済ませておいてください」
「はい!」
「分かりました!」
 ゆかりと未夢は大きく頷いたが、Lilyは小さく頷いただけだった。
 そして、
「プロデューサー、私達自身のPV撮影は無いの?」
「と、言いますと?」
「私達、いつCD出せるの?」
「……企画検討中です」

[同日11:00.埼玉県さいたま市内・某テレビ番組ロケ現場 敷島孝夫、初音ミク、MEIKO]

「……一旦休憩、テープチェック入ります!休憩は10分です!」
 ADの大声が現場に響く。
 とあるバラエティ番組にゲスト出演しているミクとMEIKO。
 メインMCを務めるお笑い芸人コンビが、ディレクターから何かダメ出しを受けている。
「ご苦労さん、2人とも」
 敷島が2人に水の入ったペットボトルを渡した。
「ありがとう」
「ありがとうございます、たかおさ……社長!」
 ミクはまだ敷島がプロデューサーだった頃の名残か、『さん付け』の癖が修正されないようだ。
「それより何かあったの?さっき、随分長い事電話してたみたいだけど?」
 と、MEIKOが聞いてきた。
「あ、いや、アリスからの私用電話だよ、全く」
「アリス博士から?」
「いや、今日はミク達のロケ立会いでずっと埼玉にいるってバレたせいか、『帰りに卵買ってきて』って、ばかやろ!俺は単身赴任中だっての!」
 するとボカロ達はクスクスと笑った。
「いいじゃないの。今日は『直帰』したら?どうせ明日はシンディの整備で、あの研究所に行くんでしょ?」
 MEIKOがそう言った。
「私達、ちゃんと帰れますから」
 ミクも同調する。
「うーん……。いや、だったら井辺君に迎えに来させるか……。シンディを無事、埼玉まで連れて行かないといけないし……」
「シンディも1人で行動できると思うけどね」
 変に心配性になる敷島の顔を見て、MEIKOは首を傾げた。
「シンディのヤツ、大掛かりな研究所になかなか行きたがらないんだよ。何かトラウマでもあるのかね?」
「さぁ……。強いて言うなら、『病院嫌いのお年寄り』的な感覚じゃない?」
 MEIKOがニヤッと笑った。
 すると通信機の向こうから、
{「誰がお年寄りだ、コラァーッ!!」}
 シンディの怒声が聞こえてきたのだった。
「それだけ元気なら、検査の方も大丈夫だろう。明日、ちゃんと来るんだぞ?」
 敷島はここぞとばかりに、シンディに念押ししたのだった。
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本日の動向 0525

2015-05-25 17:51:32 | 日記
僧侶、なぜ人気? カフェにバー、異色のTV番組も

 功徳の無い状態で、いつ大石寺に争議に行くか目論んでいたが、ついに登山できる見込みが付いた。
 今日は乗りバスと乗り鉄も兼ねて、私の所属寺院に向かったのだが……。

 西武バス大38系統(上落合八丁目→大宮駅東口)、いつもの中型ノンステップバス(いすゞ・エルガ・ミオ)であり、1日3往復しか無い路線バスでは、乗客は数えるほど乗っていなくて当然だ。
 ほぼ時刻表通りの運転。

 京浜東北線、快速、大船行き。
 E233系の最後尾に乗る。
 上野東京ラインが開通してからだと思うが、快速の停車駅に神田も加わるようになり、ますます快速の意義が薄れている。
 平日ということもあってか、やや混雑していた。
 こちらもほぼ定刻通りの運転。

 大手町の勤務先に寄り、洗濯していた警備服を自分のロッカーに置いてくる。
 その後、大手町駅から東京メトロ東西線に乗って高田馬場へ。
 05系(後期車)に久しぶりに乗った。
 別に、ワイドドアじゃなくても大丈夫そうな気が……。
 ところで、05系の警笛ってトロンボーンみたいな音だったっけ?
 こちらも定刻通りに到着。

 高田馬場のもう1つの現場(たまにヘルプで行く)にも立ち寄り、宗門のリーフレットをアポ無しポスティング。
 向こうさんは要らないだろうが、私も要らない。
 学会員ばっかりじゃなく、もっと一般人にも読みやすいもの作れっての。

 高田馬場駅前からタクシーに乗り、やっと所属寺院へ。
 お寺まで1000円前後で行ける距離だというのに、やっぱりお寺の名前を言っても運ちゃんは分かってくれない。
 無名にも程がある。
 折しも、タクシー会社の名前がアレだ。

 
(東京無線タクシー協同組合の【お察しください】)

 お寺に到着して本堂に入ると、御受誡をやっている。
 大規模寺院ともなると、大抵どのタイミングでも御受誡に遭遇することが多い。
 ま、大抵それは日本人ではない。
 私が遭遇した御受誡もベトナム人だった。
 留学生を連れ込んでいるらしいが、それがいいのかは分からない。
 しかし、ムッサい男ばっかりだ。
 たまには、北欧系の白人女性でも連れてこいっての。
 うちのマリアンナ・スカーレットかアリス・シキシマ(もう結婚しちゃったけど)みたいな。
 女子部員の人数が1番少ないという点においては、顕正会に負けてるなー。
 添書登山の申し込みは無事に終了。
 慣れている人間は受付のお坊さんに言われる前に、既に印鑑を用意している。
 帰り際、唱題を【ぴー】分間行い、御登山までの間、トラブル無く安全に過ごせることを祈願した。
 当然タダでとは言わない。
 僅かばかりで恐縮だが、御供養もちゃんと添書登山申し込みの際に置いて来た。

 あとは埼京線で帰ればいいのだが、少し寄り道して今度は東京メトロ有楽町線に乗ってみる。
 こういうことでもないと、なかなかメトロに乗る機会が無いからだ。

 池袋14時7分発、新木場行き。
 西武池袋線から乗り入れて来たらしく、車両は西武6000系。
 先頭車に乗り込む。
 6000系は昔、戸袋に窓があったのだが、今は塞がれて広告スペースになっている。
 最近の鉄道車両(東日本だけ?)に流行りの構造だが、こうすることでガラスが節約でき、車両の製造費や維持費が抑えられるのだそうだ。
 混雑度は“ベタな平日昼間の電車の法則”か?
 混雑しておらず、かといってガラ空きでもないといった感じだ。
 西武の車両であっても、メトロ内ではメトロ用の音声データを使用する。
 今ではドアの上にモニターも付いており、停車駅なども見やすくなった。
 さて、どこでバスのチケットを発行しようかな……。

 手元の時刻表によれば、私の電車は有楽町駅を14時26分に発車し、次の銀座一丁目駅を14時28分に発車することになっている。
 両者の駅間は短く、走り出したらすぐ次の駅といった感じだ。
 しかしあの地震が発生して止まったのは、有楽町駅を出てすぐだったから、元から電車も1分くらい遅れて運転していたのだろう。

〔「急停車します。ご注意ください」〕

 の放送の後で停車。
 電車の急停車の場合、ブレーキが掛かって減速している時より、停車した直後の揺り戻しの方が揺れが大きい。
 東京都中央区の震度は4だったと後で確認したが、やはり走っている電車の中だと分からないものだな。
 もしくは地下だったから、尚更揺れを感じなかったか。
 こういう時、地下の、それもトンネルの中だと不利だ。
 スマホの電波は入りくいし、こういう時の為にと持っている携帯ラジオの電波も死んでいる。
 運転再開したのは10分くらい後。
 それでも豊洲までは安全確認の為、徐行運転するとのこと。
 皆、一斉に緊急地震速報が鳴るもんだから、やかましいったらもう……。

 新木場には16分遅れで到着。
 ここでトイレ休憩。
 りんかい線と埼京線に遅れは出ていないだろうかと思ったが、私が乗り換えに向かった時には遅れていなかった。
 運転再開が早かったのか、それとも折り返し時間が比較的長いので、それで遅れが回復できたか。
 快速、川越行きはE233系。
 今回の乗り鉄はE233系に始まり、E233系に終わるようだ。
 そうだ。
 大宮まで乗るのもいいが、1つ手前の北与野駅で降りて、近くのファミマでバスのチケットを発行してもらおう。
 そうなると快速は止まらないので、各駅停車に乗り換える必要がある。
 埼京線は大抵、武蔵浦和駅で緩急接続を行っているので、今回もそのパターンだ。
 また地震が来やしないかと心配になったが、『魔の揺さぶり』はあれで終わりのようである。

 埼京線は比較的定刻に運転していたので、北与野駅で降り、コンビニでバスのチケットを発行してもらったが、これがまた御多聞に漏れず、『氏ねる席』を割り当てられてしまった。それも往復!
 1A席だよ。
 いわゆる『展望席』だが、“やきそばエクスプレス”が富士急静岡バス1社に統一された以上、件のバス会社が所有している朝鮮車韓国製ヒュンダイには要注意だ。
 それについでは先日レポートしたので、今回は省略させて頂こう。
 本田技研の創業者が激怒した態度を取っただけのことはある。

 まあ、無事に帰ってこれたし、バスのチケットも手に入ったので、今回の地震については『転重軽受』と受け取っておこう。
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“新アンドロイドマスター” 「やまびこ60号」

2015-05-25 10:16:08 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月17日21:30.天候:晴 JR仙台駅・新幹線乗り場 敷島孝夫、平賀太一、平賀奈津子、井辺翔太、シンディ、エミリー、結月ゆかり、Lily、未夢、初音ミク]

 天井の上から新幹線が走り出す轟音と振動が聞こえてくる。
 全車指定席の速達列車としては最終の東京行き“はやぶさ”“こまち”38号が発車して行ったのだろう。
 敷島達が乗るのはその後の“やまびこ”60号。
 東京行きとしては、これが最終となる。
 その後にも1本あるのだが、それは郡山止まり(やまびこ280号)なので、それでは帰れない。
「井辺君、大丈夫か?」(敷島)
「だ、大丈夫です。本当に皆さん酒豪で……」(井辺)
「南里先生や十条博士に比べたら、まだまだよね?」(奈津子)
「はは(笑)、そうだな」(太一)
 そんなことを話しているうちに、
「シンディ達が・来ました」
 と、エミリーがエスカレーターの方を向いて言った。
「そうか」
 体は真新しくなったのに、言語ソフトだけはそのままという。
 これは設計者である南里の意向によるもの。
 何故南里がそんな遺言を残したのかは定かではないが、直弟子で相続人となった平賀としては守らざるを得ないというわけだ。
 エスカレーターではなく、その隣の階段をトントントンと登って来るボーカロイド達。
「おっ?随分と“お土産”買い込んだな」
 彼女達の両手には、最低でもペーパーバッグが3つは下げられていた。
「買い過ぎよ、このコ達」
 シンディだけは任務上手ぶらだが、両手を腰にやって呆れていた。
「購入資金はどこから?」
 平賀は眼鏡を押し上げて首を傾げた。
「ミクはうちのトップアイドルですから」
 と、敷島。
「あー、なるほど。トップアイドルともなれば、そのギャラは【お察しください】ですか」
「なになに?服とか小物とか?」
 奈津子もボカロ達が買い込んだ物を覗き込む。
「はい!」
 ミクは得意げに頷いた。
 しかし井辺は、
(確かにアパレル関係の袋もありますが、半分くらい家電量販店の袋なのは何故なのでしょう?)
 と、疑問に思ったが、口に出すのはやめておいた。
「それじゃ行きましょうか。井辺君、彼女達にキップを」
「あ、はい。これが新幹線の乗車券と特急券です。自動改札口なので、1人ずつ持ちましょう」
「はーい」
「初音先輩や社長はグリーン車じゃないの?」
 と、Lilyは口元を歪めて言った。
「いいよいいよ。皆で帰ろう」
 敷島は鷹揚に手を振った。
「Lilyちゃんは、わたしとじゃイヤ?」
「あ、いえ!そういうわけじゃ……」
 10号車の指定席車両ではあったが。
「それじゃ平賀先生方、私達はこれで」
「お気をつけて。またいつかお会いしましょう」
 シンディやエミリーも、欧米人が別れる時のように抱き合うが、
「といっても、また近いうち、今度は自分達が上京することになりますがね」
 と、平賀はニヤッと笑った。
「それは学会か何か?」
「それもあるんですけど、さすがに記念館がダイレクトに狙撃されたことは見過ごせませんから。いえ、自分だけじゃなく、『東京にいる方々』もですよ」
「……なるほど。そう、ですか……。大げさなことにならないといいんですが……」
「自分達がそう思っても、向こうさんが違うのであれば意味がありませんよ」
「左翼平和ボケ達に聞かせてやりたいですなぁ」

[同日21:45.JR仙台駅新幹線ホーム→E2系“やまびこ”60号10号車内 敷島孝夫、井辺翔太、初音ミク、結月ゆかり、Lily、未夢、シンディ]

〔まもなく13番線に、21時47分発、“やまびこ”60号、東京行きが10両編成で参ります。この電車は途中、福島、郡山、宇都宮、大宮、上野に止まります。グリーン車は9号車、自由席は1号車から5号車です。13番線に、“やまびこ”60号、東京行きが参ります。黄色い線まで、お下がりください〕

「因みに、電化製品はどういった物を……?」
 井辺は意を決して、1番聞きやすいゆかりに聞いた。
「私達はソフトウェア関係ですね。辞書とかナビとか……。現場に1人で行く時、必要ですから。これをインストールするわけです」
「そういうことでしたか」
 井辺は納得したが……。

〔「13番線、ご注意ください。本日の東京行き最終“やまびこ”60号の到着です。お下がりください。東京行きの最終列車です。ご利用のお客様はお急ぎください」〕

 今や古参のE2系車両。
 “はやぶさ”などの新型車両が青白いLEDランプを使用する中、未だに白熱電球の色を輝かせてやってきた。
 夜の上り列車は時期にもよるのだろうがガラガラで、特に隣のグリーン車など、1人か2人しか乗っていない状態だった。
 ドアが開いて、最後尾の車両に乗り込む。
 窓の下の足元に、充電コンセントが付いているタイプだった。
「充電するなら仲良く回せよ」
「はーい」
 3人席に座る新人ボーカロイド達に言う敷島。
「お前も使うのかよ!」
 その後、シンディに突っ込む。
「だって交流2万5000ボルト、美味しそうだしぃ……」
「直接、架線から取り入れているわけではないと思いますが」
 井辺も言った。
 それに使用するのは大型のACアダプタなので、結局彼女達のバッテリーに取り込まれる時には直流に変換されている。

 列車は定刻に発車した。
 新幹線ともあれば、ギリギリで駆け込んでくる乗客もなかなかいないのか。
 それともただ単に、今日はいなかっただけか。

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。「お待たせ致しました。本日も東北新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。“やまびこ”60号、最終の東京行きでございます。途中、大宮には23時18分、上野には23時38分、終点東京には23時44分の到着です。【中略】次は福島、福島です」〕

「シンディ、お前はまたカスタムパーツでも買ったのか?」
「あれ?バレた?」
 敷島の突っ込みに、ペロッと舌を出すシンディ。
「バレバレだ!今度はどこを改造する気だ!?」
「スキャナーの範囲をもう少し広げようかとぉ……」
「アリスにそんな改造ができるかな?」
「前にレーザービーマーを取り付けてもらったけど?」
 シンディは自分の左目を指さした。
「後で取り外してもらおう」
「えー!?」
「えーじゃない!あれは危なくてしょうがねぇ!代わりに未夢に取り付けてもらおう」
「わ、私ですか?」
「未夢は元々マルチタイプとしての設計だったわけだし、レーザービームを取り付ける余地があるはずだ」
(危険物を取り付けるボーカロイドもどうかと思いますが、社長?)
 と、井辺は心の中で突っ込んだ。

 杜の都において、それぞれの仕事を終わらせた一行。
 彼らを乗せた最終列車は、グングン速度を上げて一路、東京へと向かう。
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