報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「旅の終わり」

2015-05-05 19:48:32 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[4月24日14:00.新千歳空港・国内線出発ロビー 稲生ユウタ、マリアンナ・スカーレット、イリーナ・レヴィア・ブリジッド]

「えーと……今度のフジドリームエアラインズは、あっちですね」
 ユタ達は手荷物検査場を抜けると、これから乗る飛行機の搭乗口に向かった。
「あと30分あるよ」
「そうですね。くそ……ケンショーレンジャーのせいで、お昼食えなかった……!」
 ユタは忌々しそうな顔をした。
 結局あの後、警察の事情聴取とかに応じなくてはならなかったので、昼食を取る時間が無くなってしまったのだ。
「それにしてもマリア、どうしたんだろうねぇ?突然、『コンビニに行きたい』って……」
 イリーナは目を細くしながら首を傾げた。
 ローブは羽織っているが、フードは浅く被っている。
「ええ。昼食ならしょうがないから弁当にするしか無いんですが、それはそれでまた別ということですからねぇ……」
 ユタも首を傾げた。
(まあ、だいたい分かるけど……)
 実はイリーナ、後で水晶球で確認していた。
(かわいそうだから、ユウタ君には内緒にしておきましょう)
 で、そのマリアは今、搭乗口から1番近い女子トイレに入っている。
「マリアさん、まだお腹が痛むんでしょうか?」
「まあ、あの薬はよく効くから、もう大丈夫だとは思うけどねぇ……」
「よくありましたね?」
「時々、ポーリンが試薬品送り付けてくるのよ」
「試薬って……いいんですか?何の疑いも無く使っちゃて……」
「うん。あいつ、人に渡す時は自信満々だから、変な副作用とかの心配は無いよ。そこは薬師系魔道師の意地とプライドなのかもね。市販の下剤の効果なんか、すぐに消せるくらいよ」
「なるほど……」
「その代わり、後で薬代の請求額は【お察しください】」
「そんなことだろうと思ったw」

 そのマリア、女子トイレの個室に入ると、手持ちのバッグの中から空港内のコンビニで買ったショーツを取り出した。
「ふう……。(こんな時に限って短いスカートはいたりするから緊張した……。ユウタにばれなくて良かった……)」
 それだけでなく、一緒に買ったストッキングもはく。
 これなら表向き、ストッキングをはく為にトイレに行ったことにできる。
「それにしても……!」
 緊張が解けたら、ふつふつとケンショーレンジャーに対する怒りが込み上げてきた。
(覚えてろよ……!絶対に復讐してやるからな……!)
 そして、個室から出る。
「あのケンショーどもが……っ!」
 怒りのオーラを放ちながら洗面台に行くと、
「あなたも大変なんですか?」
 先に洗面台にいた、マリアと同年代と思しき日本人女性が話し掛けてきた。
「えっ?!……あっ、失礼!つい、独り言が……!」
 マリアはビックリして、慌ててしまった。
「いいんですよ。私も顕正会には、散々な思いをさせられてきましたから……」
「は、はぁ……」
 するとその時、トイレの外から、
「エリちゃーん!早くゥ!飛行機が発車しちゃうよォ!」
 と、若い男性の声が聞こえてきた。
「電車かよ!女子トイレの外で騒ぐんじゃねーよ、特盛!!」
 トイレの外に向かって言い返す、エリちゃん。
「ゴメンね。先に出るから」
「あ、はい……」
「エリちゃあーん!」
「うるせーよ!」

 トイレの外では……。
「エリちゃあーん!」
「……!?」
 ついでに隣の男子トイレで用を済ませていたユタが、女子トイレに向かって叫ぶ男を見て唖然とした。
「も、もしかして、妙観講ではない塔中坊所属の徳森重雄さんですか?ニックネームが特盛さん」
「あれ、キミは確か……正証寺さんの……?いやあ、ここで同心の方とお会いできるなんて凄いなァ!」
「い、いや、あの、僕……」
「特盛!女子トイレの前で騒いでんじゃねーよ!」
「あっ、エリちゃーん!早くしないと、飛行機が出発進行!」
「だから電車じゃねーっての!」
「ははは……」
 ユタは苦笑いして、元ケンショーカップルを見送った。
「一体、何なんだ?あの2人は……」
 後から出て来たマリアが不思議そうな顔をしていた。

[同日14:30.FDA212便機内 ユタ、マリア、イリーナ]

 ようやく機内の人となったユタ達。
 しかし新千歳空港から信州まつもと空港へ向かうフジドリームエアラインズは、通路を中央に通し、その両脇に2人席を並べた機種しか所有していない。
 1号機から何号機まであるのか分からないが、1機ごとに塗装を変えているこの航空会社。
 ユタ達が乗ったのは黄色い塗装だった。これは7号機らしい。
 ユタとマリアは隣り合って座り、その前の窓側にイリーナが座った。
「ふう……。やっと帰れるよー……。空港じゃ、ヘンタイ達との戦いで疲れたしなぁ……」
 イリーナは座席に座り、シートベルトをしながら呟いた。
「そうですね」
 すぐ後ろに座るユタは頷いたが、マリアは、
(ていうか、師匠は私に薬をくれただけじゃ……?)
 と、心の中で突っ込んだ。
 90パーセントくらいの乗車率搭乗率だろうか。
 イリーナの隣には、誰も座らなかった。
 5分遅れで飛行機が動き出す。
 それから離陸したのは10分後だった。
 滑走路が混んでいるので、離陸待ちだと機長が放送していた。
 ようやく飛行機が水平飛行になると、シートベルト着用サインが消える。
 が、万一に備えて着席時はシートベルトをしておくよう、CAから放送が流れる。
 LCCの部類に入る為か、座席にはオーディオなどのサービスは無い。
 それでもレザーシートだったり、横幅は少し広かったり、飲み物は無料だった。
 でも先に、遅い昼食を取るユタ達。
「飛行機は行き帰り、お弁当だったね」
 窓側に座るマリアが、ようやく笑みを見せた。
「あー、そういえばそうですね」
 ユタは蓋を開けて、豚肉の生姜焼き弁当に箸を付けた。
「お客様、おしぼりはいかがてすか?」
 飲み物を配りにきたCAが、紙のおしぼりを持ってきた。
「あ、どうも!」
「お飲み物は、後でお持ちしましょうか?」
「あ、そうですね。お願いします」
 LCCであっても、最低限のサービスは維持しているらしい。
 ユタは弁当を口に運びながら、
「向こうに着いてからは、どうするんですか?取りあえず、松本駅までバス?」
「いや、空港まで迎えが来るよ」
「ああ……そうですか」
 恐らくイリーナの魔法なのだろうが、マリアの屋敷には専属の運転手(恐らく人外)と車が数台(出所不明)が保管されているのだった。
 それが迎えに来るという。

[同日17:45.長野県某所 マリアの屋敷 ユタ、マリア、イリーナ]

 フライトは頗る快調であった。
 乱気流に巻き込まれて大きな揺れがあったりすることもなく、無事に信州まつもと空港に着陸した。
 ここに行方不明になっていた飛行機が突然やってきて墜落したことなど、ウソみたいに滑走路周辺はスッキリしていた。
 それでも焼け焦げた芝生などを見ると、ウソではないと思うのだ。
 マリアの言っていた通り、空港には専属の寡黙な運転手が迎えに来ていて、それで屋敷に向かった。
 屋敷に着いた時には、もう夕日が包み込む時間になっていた。
「夕飯までに間に合って良かったねぇ……」
 到着すると、それまで留守番していた人形達が総出で出迎えた。
 まだ屋敷の人形達には信用されていないせいか、ユタに積極的に近づく人形はいなかったが、それでも……。
「お荷物……お預かりします」
「あっ、ああ。ありがとう」
 ユタのことはまだよく知らない、比較的新しい人形達の方がむしろ近づいてきていた。
 その中で話し掛けてきたのは、ピンクに近い薄紫色の髪が特徴のダニエラというメイド人形。
 しかし今は人間形態で、やはり静かな口調でユタに話し掛けるのだった。
 右目が前髪で隠れている。
「うあー……。これまた郵便物がよく来てるねぇ……」
 イリーナはテーブルの上に山積みにされた郵便物を見て言った。
 それでも想定内なのか、相変わらず目は細くしたままだ。
 この屋敷に届く郵便物は当然、屋敷の主人(実情は管理人)たるマリア、その師匠イリーナ(実質的な主人)、ユタと振り分けられているのだが、ユタが1番少ない。
 イリーナはやはり、政財界の大物からの手紙が多いようだ。
「あれ?これ、何だろう?」
 ユタには覚えの無い差出人からの手紙があった。
「! 待って、ユウタ君。そういう不審な手紙は、無闇に開けちゃダメ」
「は、はい」
 イリーナはその手紙をダニエラに開けさせた。
 ……何も起こらない。
 少なくとも、開けたら爆発する構造ではないようだ。
 中に入っていたのは手紙……便箋……真っ赤な!
「何だ?何も書いてないぞ???」
 ユタは首を傾げた。
 イリーナは細くしていた目を少し開きながら言った。
「……どうやら、“魔の者”から、早くも次の犯行予告……というか、宣戦布告が来たみたいね」
「ええーっ!?」
「もちろんその対象は、ユウタ君。マリアの子宮や心臓を取るのに失敗したから、今度はユウタ君ってか……」
「そ、そんな……」
「でも大丈夫。奴らはバカじゃない。……今回は、少しバカっぽかったけど。公共のマナーはやけに気にするくらいの慎重派だからね、ユウタ君がこれからもっといっぱい修行して強くなるまでの時間はあるはずよ」
 映画館や電車・バスの優先席では、ケータイの電源を本当に切るくらいのこだわりようだという。
「一緒に戦いましょう。今回は少し遅れを取ってしまったけど、次はそうはいかないわ」
「は、はい……!頑張ります!」

 魔道師達の活動並びに戦いは、まだまだ続くようである。

                              “大魔道師の弟子”魔の者編 完
コメント (13)
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“大魔道師の弟子” 「魔の者撃退、そして……」

2015-05-05 16:09:11 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[4月24日13:00.北海道・新千歳空港温泉 イリーナ・レヴィア・ブリジッド、稲生ユウタ、マリアンナ・スカーレット]


 マリアの目論見通り、イリーナはリラクゼーションコーナーで、ボディケアを受けていた。
「全く。何がテーマパーク見学よ。とんだハリウッド映画だよ……」
 ヤノフ城での災難をセラピストに愚痴るイリーナ。
 もちろん、詳細は話さない。
 ニュースでは、城が集中豪雨による地盤の軟弱化と震度5強の地震のせいで崩壊したことになっていて、たまたま夜間作業の見学に来ていた見学者数名が辛くも脱出したことになっている。
「大変でしたねぇ……」
「あぅッ!そこ、もっと!」
「この辺ですか?……右の腰辺りが凝ってらっしゃいますねぇ」
「寄る年波には勝てないってことよ」
「えー?」
「先生!先生!先生ーっ!」
 と、そこへユタが慌てて駆け寄ってきた。
「んー?どおしたの?」
「でっ、出た……出た出た出た……!」
「ロト6で一等が!?」
「そうなんです。今夜は皆でパーッと……じゃなくて!ケンショーレンジャーが!」
「ええっ?あいつら警察に逮捕されたんじゃ?」
「それがまた来たんですよ!」
「で、誰がいたの?」
「いつものブルーとグリーン、あと何か、紫のお婆さんがいましたが……」
「フムフム。ピンクが死んだのは本当なのね。じゃあ、マリアを呼んできて」
「女湯まで探しに行けませんって!」
「それもそうか。うーん……困ったな」
 うつ伏せでマッサージを受けながら、そんなに困った顔をしていないイリーナ。
 と、そこへ後ろからユタの肩をトントンと叩く者がいた。
「はい?」
 振り向くとそこには、
「クフフフフフフフ……。お困りのようですね。ですが、御心配要りません。ご依頼頂ければ、ケンショーレンジャーの意地に掛けて、この私が大切な彼女さんをお連れ致しましょう。クフフフフフフ……」
 眼鏡がキラーンと光るグリーン。
 頭のヘッドセットにはカメラ、それだけではなく、首からもデジカメがぶら下がっている。
「ハァ……ハァ……!金髪に白い肌……ガタイのデカいロシア人とは違い、イギリス人のお人形さんみたいなかわいらしさ……!嗚呼……!」

 ガシッ!(グリーン、後ろから肩を掴まれる)

「キミっ!ここで何をしてるの!?」
 警備員ではなく、もはや警察官が出動していた。
「お巡りさん、その人で間違いありません!」
 件の警備員が捕捉を振り解かれてしまったので、警察に通報していたのだった。
「い、いえ。わ、私は何も……」
「じゃあ、この牛乳とカメラは何?それとさっきこの店の監視カメラを確認したら、キミによく似た人物が女湯を盗撮しているのがあったんだけどね?」
「そ、それは誤解です!……あ、ここは4階ですがw」
「いいから、ちょっと来てもらおうか!」
「あーれー……」
 ズールズールと連行されるグリーンだった。
「な、何だったんだ……?あ、それよりマリアさん!マリアさーん!どこですかー!」
 ユタはマリアを捜しにリラクセーションコーナーを飛び出して行った。
「……むー……ねぇ?アタシってガタイ、デカい?」
 イリーナが顔を再び穴の開いた枕に付け、むくれた感じで言った。
「いいえ。モデルのような素晴らしい体型だと思います」
 セラピストは笑顔を崩さずに答えた。

[同日同時刻 温泉施設内・女子トイレ マリアンナ・スカーレット]

 マリアが腹を抱えて女子トイレに行くと、入口には『只今、故障中』の看板が立ててあった。
「ま、マジか……!」
 だが、個室の向こうから人の気配がする。
 それどころか、“音姫”の音まで。
 鋭意、修理中なのだろうか。
 マリアが中に入って個室に近づくと、
(! 魔の者の気配が……!)
 マリアが気づいたのを見計らったかのように、個室の中からは、
「オーッホッホッホッホッホッ!捨て駒ババァの策略にまんまと引っ掛かったようじゃのー!?」
「やはり、魔の者か!?」
「ワシは魔の者ではない!イエローセンセーの仏弟子にして懐刀のケンショーピンクぢゃ!」
「オマエは死んだって聞いたぞ!?」
「オーッホッホッホッホッホッ!大聖人様が、『お前はまだ成仏するには早過ぎる』と仰せになってのー!再び今生に返り咲いたのぢゃ!」
「それって、そっちの宗教的に地獄行きってことじゃ……?」
「黙れ!ケンショーに仇なす者は、この世の生き地獄を味わうのぢゃ!ほれ!」
「うっ……!」
 マリアの腹がゴロゴロ鳴る。
「あの捨て駒ババァと存在空気グリーンのアイディアも、たまにはいいものぢゃ!お前はこれから好きなオトコの前で養豚場のブタのようにはしたなく大便を漏らし、一生『脱糞した女』のレッテルを貼りながら生き続けるのぢゃ!」
「こ、このっ……!!」
「マリアさーん!どこですかー!?」
 廊下からユタの声が聞こえた。
「くっ……!?」
「どうやらグリーンとブルーの役立たず共は、あの男には特製牛乳を飲ませることに失敗したようじゃが、ま、それも想定内、さあ、どうする?今からケンショーへの入信を約束するなら、この便器を空けてやっても良いぞ?オーッホッホッホッホッホッ!」
「あ……!あ……あ……!」
 マリアの足がガクガクと震えた。

 その頃、トイレの外では、
「お客さん、困ります!男性の方が女性トイレに入られるのは……!」
「でも、女湯以外で捜していないのはここだけなんです!」
 ユタと温泉施設従業員が押し問答をしていた。
 実はケンショーレンジャーの捜査で、女性警備員や婦警(今は女警という)らが女湯を捜索していた。
 ユタが聞いたのだが、その時、金髪に白い肌の女性客、つまりマリアらしき人物は見当たらなかったという。
「今、女性従業員を呼んでまして、その者に確認させますから、もう少しお待ちください」
 男性マネージャーがユタを制止しながら言った。
「でも、のんびりしては……ん?」
 ユタはその時、女子トイレの入口に、何かメモ書きが落ちているのが見えた。
 入口に落ちているのを拾うだけなら問題無いだろう。
「あれ、これは……!?」
 それは日本語で書かれていたが、明らかにイリーナがマリアに宛てて書いたものだった。
 それがここに落ちているということは……。
「マリアさん!マリアさん!いたら返事してください!」
「ユ……タ……!も……ダメ……!」
「オーッホッホッホッホッホッ!はしたなくオトコの見ている前で漏らすのぢゃ!」
「マリアさん!ロッカーの中に入っていた薬を飲んでください!イリーナさんが予知した『下痢止め』です!」
「な……に?」
「何じゃと!?させるかーっ!」
 女子トイレの入口からは中の様子が分からない。
 だが、ユタには聞いたことのある老婆の声と、何やらドアが思いっ切り開く音、そして何やら争う音や怒号が聞こえたという。
「ちょっと退くのぢゃ!」
「えっ?あっ!?」
 そこへケンショーパープルが女子トイレに飛び込む。
「しまった!マリアさん!1人、そっちに行きました!気をつけてください!」
 パープル、ピンクのピンチに駆けつけたか!?
 だが……。
「こりゃっ!ピンク!わらわを『捨て駒ババァ』とは何じゃ!?この、死に損ない使用済み婆やが!」
「パープル!捨て駒は捨て駒らしく消えい!それにワシを『使用済み婆や』とは何じゃ!?」
「黙れ!事実を言ってるまでぢゃ!」
 再びドシン!バタン!と賑やかなBBAキャットファイトの音が外まで聞こえた。
「お、お巡りさん!こっちです!」
 ユタは駆け付けた警察官達を手招きした。
 こうしてパープルは再び捕まったのだが、ピンクだけはマリアの魔法の杖でブン殴られ、消えたとのことだ。

「く、くっそ……!ここに捨てておこう」
 尚、ユタの一言で飲んだ魔法の下痢止めのおかげで、腹痛はたちどころに収まったものの、それまでの便意は押さえることができず、外が騒がしい中、ようやくトイレに入った時は、多少フライングしてしまっていたとのこと。
 現実は厳しい。
 汚れたショーツは女子トイレならではの個室内の設備、使用済みの生理用品などを捨てる汚物入れに捨てた。
 もちろん、ユタやイリーナには内緒である。
 当たり前だ。

[同日13:30.同温泉施設内・リラクゼーションコーナー]

 弟子達が死闘(?)を展開していた中、当の師匠は……。
「お客様?イリーナ様?終わりましたよ。起きてください」
「クカー……」
「ご予約のお客様方で、後がおしてますので……」
「うーん……あと5分……」
 寝ていたw
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