報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「リサのダウン」

2022-06-26 14:06:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月8日13:00.天候:晴 栃木県那須塩原市 ホテル天長園]

 チェックアウトの10時になってもリサは目を覚まさなかったので、私はデイライトに連絡することにした。
 日曜日なので善場主任は休みだろうと思っていたが、午後になって駆け付けたデイライトの職員は善場主任であった。

 善場:「お疲れ様です。愛原所長」
 愛原:「どうも、善場主任。この度はとんだ……」
 善場:「いいえ。事情は伺いました。しかし、想定内というか、想定外というか……。とにかく、意外な事が起きたのは事実のようですね」
 愛原:「はあ……。未成年に飲酒させるとは、私も逮捕ですか?」
 善場:「リサは人間ではありませんので、それには該当しませんので、ご安心ください」

 BSAAの軍服を着た職員達を、私は案内した。
 呆気に取られる天長会信者達。

 信者A:「せ、戦争でも始まるんですか?」
 信者B:「らしいですな」
 信者C:「まさか、宗教弾圧!?」
 信者D:「いや、軍隊使って弾圧はねぇべ。弾圧してくるのは警察だ」

 なんて会話してる。
 リサが寝ている客室に職員達を案内した。
 軍服を着ていて、ガスマスクを着けてはいるが、赤十字の腕章と『Doctor』と書かれたゼッケンを着けているので、軍医だと分かる。
 すぐにその場で、リサの検査が行われた。
 その間、私は善場主任から事情聴取。

 善場:「ふーむ……。どうやら、本当に愛原所長の血中アルコールを摂取したことによる泥酔状態ですか……。それに伴う体内TウィルスやGウィルスの変化について、調べてみたいものです」

 その為、軍医はリサの腕から血液を10本も採取した。
 リサの血は人間と同じ赤黒いものであったが、注射針を刺されてもリサは目を覚まさなかった。
 採取された血液は直ちに別の医療班員に渡され、ホテルの駐車場に止められたドクターカーに運ばれる。
 そこで、それまで採取されたリサの血液データと比較される。
 正常な状態のリサの体内ウィルスと、現在の状態を比べてみて大きな変化があったとしたら……どうなるんだろう?
 見た目は第1形態の鬼の姿のまま眠っている。
 その後、リサを外のドクターカーに運ぶことになった。
 ストレッチャーが運び込まれ、リサをその上に寝かせる。
 客用エレベーターではストレッチャーが乗せられないので、荷物用のエレベーターに乗せることになった。
 そこは凛が誘導した。
 一般の宿泊客は立入禁止のバックヤードに入り、客用エレベーターとは違って何のリニューアルもされていない古い荷物用エレベーターに乗せる。
 荷物用なので、その中も殺風景なものだった。

 愛原:「……?」

 大きな荷物を運ぶエレベーターだから、客用のそれより大きいのは分かる。
 だが、それにしても大き過ぎないかと思った。
 客用エレベーターでさえ、定員は15人前後である。
 それがこのエレベーターは、40人乗りであった。
 まるで、高層ビルの荷物用エレベーターのようである。
 このホテルは、そんなに大規模なものではない。
 地上8階建ての中規模なホテルだ。
 しかも気になったのは、客用エレベーターには無い地下階のボタンがあったこと。
 しかもそのボタンの横にだけ鍵穴が付いていて、恐らく鍵を差して回さないとボタンが押せないようになっているのだと思われた。

 愛原:「凛ちゃん、この地下階には何があるの?」
 凛:「倉庫と機械室です」

 と、当たらず障らずの回答を返して来た。
 恐らくこのエレベーターは関係者しか乗らないだろうに、わざわざ鍵で封印する必要があるのだろうか。
 これが客も乗るエレベーターなら、客が間違って押さないように封印する必要はあると思うが……。

 善場:「後で地下階を見せて頂いても、よろしいですか?」
 凛:「それは……支配人に聞いてみませんと」
 善場:「よろしくお願いしますね」

 リサはドクターカーに乗せられ、そこで色々な検査を受けた。
 だが、数値的には前回検査した時と大して変わりはないようだ。
 あるとしたら、血中アルコールの状態。
 意外なことに、かなりアルコールの分解力が弱いらしい。
 つまり、『殆ど酒が飲めない』状態であるということだ。
 私は……まずこのホテルに着いて、風呂に入ってから、脱衣所で缶ビールを1つ飲み、夕食の時に瓶ビールが2本とチューハイが1本とそれと【以下略】。
 それから更に、夜にも風呂に入って、その風呂上がりに缶ビールを1つ飲んだんだっけ。
 で、それが含まれた血をリサは吸い取ったものだから……。

 軍医:「体内のウィルスの状態についてですが、数値的には特に変化はありません」
 愛原:「そうなんですか」
 軍医:「ただ、血液中のアルコール濃度が高いので、急性アルコール中毒を引き起こした可能性があります」
 愛原:「じゃあ……」
 軍医:「意識があれば排尿させるなどの処置がありますが、意識が無いので、輸液を行います」

 急性アルコール中毒症に対する治療は、対症療法しか無いし、体内のアルコールを中和させる方法は無い。

 軍医:「人間と同様の方法が効けば、の話ですが……」
 愛原:「はあ……」

 リサには輸液の為の点滴が行われた。
 その時に刺した針の痛みに、リサが一瞬反応したが、それで意識を回復させることはなかった。

[同日15:00.天候:晴 同ホテル]

 凛:「すいませんが、支配人が、『宗教施設にも関わることですので、お見せできません』とのことです」

 凛がドクターカーの前で待機している善場主任に言うと、善場主任は眉を潜めた。

 善場:「なるほど……。そうですか」
 凛:「ひっ?!」

 元BOWの主任の睨みは、現BOWのリサも震えさせるほど。
 ましてや、半分しかBOWの血が入っていない凛は【お察しください】。

 善場:「では、令状が必要になりますね。分かりました」

 と、そこへマイクロバス型のドクターカーの乗降ドアが開けられた。

 軍医:「善場主任、『2番』の意識が戻りました」
 愛原:「本当ですか!?」

 たまたま凛と一緒に外に出た私も、その言葉に驚いた。
 善場主任と一緒に車に乗り込むと、ストレッチャーの上で横になっているリサの目が開けられ、ボーッと天井を見つめていた。
 その瞳の色は金色。

 愛原:「リサ、大丈夫か!?」

 すると、リサは私に焦点の合わない目を向けた。

 リサ:「先生……おはよう……」
 愛原:「リサ……。良かった……」
 善場:「ドクター、血中濃度は正常ですか?」
 軍医:「ようやく0.05%にまで下がりました。これは通常、ほろ酔い状態になります」

 それまで、リサの血中アルコール濃度は最大0.4%あったらしい。
 これは人間であれば間違いなく昏睡状態になり、しかも命を落としかねないほどの濃度だそうだ。
 輸液をしたことで、ようやくアルコールが薄まったらしい。

 軍医:「ここまで下がれば、もう命に別状は無いでしょう。輸液はこれで終了とします」
 愛原:「ありがとうございます」
 愛原:「リサ、体の具合はどうだ?」
 リサ:「クラクラする……気持ち悪い……オシッコしたい……」
 愛原:「トイレに行こうか」

 私はリサをホテル内のトイレに連れて行ったが、そこで嘔吐したり、尿を大量に排出したりしているうちに、更にアルコールは薄まったらしい。
 よく、『吐いたら気分が良くなった』と言うが、リサも例外ではなく、トイレに行った後は見る見るうちに元気になっていった。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“私立探偵 愛原学” 「GW最終日の朝」

2022-06-26 11:32:39 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月8日06:30.天候:晴 栃木県那須塩原市 ホテル天長園1Fロビー→大浴場]

〔ピーン♪ 1階です〕

 私と高橋は朝風呂に入るべく、エレベーターで1階に降りた。

〔ドアが、閉まります〕

 エレベーターを降りると、仲居の着物を着た上野凛がいた。

 愛原:「おっ、凛ちゃん」
 凛:「おはようございます!」
 愛原:「おはよう」
 高橋:「おース」
 凛:「? リサ先輩はどうされました?」
 愛原:「いや、実はさ……」

 私は昨夜あった話をした。
 凛という半BOWだからできることで、相手が普通の人間なら正直には話さない。

 凛:「あっ、それ、聞いたことあります」
 愛原:「えっ!?」
 凛:「天長会に出てくる『鬼』は一切の飲食ができないんですよ。人間の血肉しか食らうことができません。でも、裏技があって、泥酔した人間の血を吸うと、自分も酔っ払えるんだそうです。そういうことですね」
 愛原:「先に言ってよ~」
 高橋:「言えや、コラ!」
 凛:「そ、そんなこと言われましても……」

 そりゃそうだ。
 それじゃ、酔っ払った人間の血を吸った蚊やダニも酔っ払うのかと思うが……。

 愛原:「ゴメン。とにかく、まだ寝てるから起こさないでおこうと思うんだ。こりゃ、二日酔いになるかもしれんな」
 凛:「売店でソルマックとか売ってますから、もしよろしければ……」
 愛原:「ああ、そうだな。考えておこう」

 私はそう言うと、大浴場に向かった。

 高橋:「センセ、未成年で飲酒なんて、俺より不良ですね」
 愛原:「? オマエは未成年飲酒をしなかったのか?」
 高橋:「とんでもない!酒はちゃんと、20歳になってからですよ」
 愛原:「おー、偉いな」
 高橋:「酔っ払い運転なんてダサいじゃないですか」
 愛原:「そっちか!……まあいいや。因みにタバコは?」
 高橋:「タバコは……【お察しください】」
 愛原:「コラぁっ!」

 とにかく、大浴場に入る。
 朝風呂の方が賑わっていた。

 愛原:「天長会信者の皆さんだな、きっと」
 高橋:「そうっスね」

 どこかで誰かが、御詠歌らしき歌を上機嫌で歌っているのも聞こえてくる。
 どうも昨夜、夜通し何かの儀式が行われたようだ。
 それが無事に終わったので、ホッとしているように見えた。
 何の儀式が行われたのか気になるところだが、それだけ聞いても非信者の私が理解できるとは思えなかったので、聞くのはやめておいた。

 愛原:「よし。今日は直に露天風呂に行こう」
 高橋:「ういっス」

 体を軽く流した後、私達は露天風呂に行った。
 昨日のゲリラ豪雨が嘘みたいに晴れていて、水面に朝日が反射して眩しいくらいだ。

 愛原:「昨夜より少し熱いかな?」
 高橋:「水で埋めますか?」
 愛原:「天然温泉で、どうやって埋めるんだよ?」

 近くには天長会信者と思しき60代くらいの男性2人がいる。

 信者A:「いやあ、それにしても昨夜の巫女さん、凄かったなぁ……」
 信者B:「日本人かね?あんなプリケツのボインボイン、久しぶりに見たよ」
 信者A:「俺もっと若かったら、ムスコがビンビンで儀式どころじゃなかったなぁ?w」
 信者B:「シッ!バチ当たんべw」

 そうして2人で笑う。

 高橋:「先生、すっげぇ美人ですって」
 愛原:「ということは、凛ちゃんじゃないか」

 恐らく、海外のポルノ女優とかにいそうな感じなのだろう。
 ホテルでは見ていないので、ずっと聖堂とかにいたのだろうか。
 尚、海外ポルノ女優にもロリ系はいるので、全てのポルノ女優がグラマラスなボディをしているわけではない。
 信者2人の話を聞いていると、顔は分からないようである。
 まあ、天長会の巫女は白い仮面を着けて顔を隠すようなので、そのせいだろう。

 信者A:「あれ?あなた達はひょっとして……」

 その時、1人の信者が私達を見て何かに気づいたようだ。

 信者A:「白井さんから指名手配食らってた人?大変でしたねぇ……」
 愛原:「は!?指名手配!?」
 高橋:「どういう意味だ、コラァッ!!」
 愛原:「高橋、落ち着け。指名手配って、どういうことなんですか?」
 信者B:「逆指名手配って言った方がいいんでね?」
 信者A:「うーん……それとも違うような……」
 愛原:「白井って、白井伝三郎のことですか?」
 信者A:「あ、やっぱり知ってるんだ」
 愛原:「知ってるも何も……。その白井がどうして指名手配を?」
 信者A:「あなた達から逃げる為でしょ。あなた達、このホテルに何回か来てるでしょ?その度に白井さん、慌てて逃げて行ったから、それであなた達が来たらすぐに教えるようにって、私達に指名手配写真を配ってたんですよ」
 愛原:「な、何ですって!?」

 それで私達がホテルに来ても、何の情報も得られなかったのか!
 まさか、教団ぐるみで隠していたとは……。

 信者A:「私が『この人達、何かしたんですか?』って聞いたら、司祭様が笑って、『白井さん、この人達から借金して逃げ回ってる』なんて言うもんだから、私達も笑っちゃってねぇ……。それなら協力してあげようと思ったわけですよ」

 ンなこたぁない。
 嘘八百である。
 あえてそういう笑い話にすることで逆に信者達を信用させ、協力させるという姑息な手口である。
 善人を善人のまま悪に加担させるという、あくどい手口だ。

 信者B:「当の白井さん、東京で車の事故で死んじゃったんですって?だからもう、借金はチャラですよね?」
 愛原:「いや、その……まあ……」
 信者A:「どうしても借金を払えというのなら、白井さんには御兄弟がいるから、そっちに請求してください。くれぐれも、教団に請求はなさらないように」

 実際に借金はしていないのだが、何とも都合のいい。
 ここでは、死んだ白井がどうなったのかは、新しい情報は得られないようだ。

 愛原:「上がるか。一度部屋に戻って、リサの様子を見てこよう」
 高橋:「うっス」

 大浴場から出る時、詩吟にも似た御詠歌が再び大浴場内から聞こえたのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“私立探偵 愛原学” 「天長園の夜」

2022-06-25 21:12:37 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月7日21:00.天候:晴 栃木県那須塩原市 ホテル天長園7F客室]

 念願の露天風呂に入った後は、部屋に戻った。
 で……。

 リサ:「いらっしゃいませ。『リサ・トレヴァーの出張マッサージ店』へ。ただいま、緊急オープンします」

 浴衣姿のリサが鼻息荒くし、両手をわきわきさせて言った。

 愛原:「う……風呂上がりのマッサージは格別だが、俺の岩のように凝り固まった肩をほぐすことができるのか?」
 リサ:「ここの温泉、効能に『肩こり』とあった。それで先生の肩は、ある程度ほぐれてるはず。そこへ私がトドメを刺せば、先生の肩コリは治るはず」
 愛原:「いや、トドメ刺すな。……まあ、そういうことだったら、お願いしようかな」
 リサ:「こっちに来て、椅子に座って」

 リサ、私の手を引っ張る。
 そして、窓際の椅子に私を座らせた。

 リサ:「どこがお疲れですか?」
 愛原:「えっと……だから、肩……」
 リサ:「他には?」
 愛原:「あとは腰とか……」
 リサ:「あとは股関節が疲れてますね。分かりました」
 愛原:「やっぱりセラピストが決めるんかい!」
 リサ:「それでは全体的にほぐしていきますので、よろしくお願いします」
 愛原:「あ、ああ。よろしく」
 リサ:「それでは、ベッドに横になってください」
 愛原:「あ、ああ。分かった」

 私は自分のベッドに横になろうとした。
 だが、リサは私の手を掴んだ。

 リサ:「そこじゃなくて、こっち!」
 愛原:「えっ?」

 リサは隣のツインルームに連れて行くと、ドアを閉めた。
 高橋が私達の部屋に取り残された感じだ。

 高橋:「おい、コラ!開けやがれ!!先生をどうする気だ!?」

 向こうから高橋の怒鳴り声と、ドアを乱暴に叩く音がする。

 リサ:「わたしのベッドに横になって。『リサ・トレヴァーの個室マッサージ店』へようこそ」

 リサはニタァッと笑った。
 口元からは牙が覗いている。
 要は、第1形態に戻ったということだ。

 愛原:「個室マッサージの意味が分かってるんだろうな!?」
 リサ:「もちろん。早くうつ伏せになって」
 愛原:「うう……分かった」

 こりゃマッサージが終わらないことには、部屋から出してもらえなさそうだ。

 愛原:「高橋、大丈夫だ!普通にマッサージしてもらっているだけだ!心配するな!」
 高橋:「本当っスか!?」

 こう言っておかないと、本当に高橋はどこからかロケットランチャー調達して、隣の壁をぶっ壊しそうだ。
 リサは私の上に跨ると、肩を揉み始めた。

 愛原:「うう……そこそこ……」
 リサ:「ここですか?この辺りですか?」
 愛原:「そうそう」
 リサ:「温泉のおかげで、だいぶほぐれてる。これなら、わたしでも肩こり解消させられそう」
 愛原:「うう……何かスマンねぇ……」
 リサ:「いい。前回は先生の肩だけほぐせなかった。だから今回は、そのリベンジ。温泉の効能に『肩こり』って書いてあったから、これである程度ほぐせば、イケると思った」
 愛原:「ホントだなぁ。きっとほぐれるよ」
 リサ:「エヘヘ……」

 時折、顔の横にチラつく長い爪が少し怖いが、少なくともその爪は私を引き裂く為の物ではないと信じている。

 リサ:「次は腰~」
 愛原:「腰もなかなか疲れてるんだよなぁ……」

 鬼の姿をしたBOW(生物兵器)にマッサージされている人間なんて、世界中どこを探しても私だけだろうなぁ……。

 リサ:「次は太もも~」
 愛原:「リンパマッサージだな」
 リサ:「ふふ……先生のここ、ゴリゴリ言ってる……」

 リサは私の血中老廃物に涎を垂らした。

 リサ:「でも、まだ我慢。はい、では仰向けになって」
 愛原:「おー」

 私は仰向けになった。
 これが本当のマッサージ店だと、目にタオルなどを当ててくれるのだが、リサはそうしなかった。
 リサは私の頭側に回ると、今度は肩の前側を手で押して来た。

 リサ:「腋にもリンパが通ってて、ここも疲れが溜まりやすいんだって」
 愛原:「そうなのか」
 リサ:「はい。しっかりほぐしましょうね」
 愛原:「ああ」
 リサ:「次は足つぼ。……今日は色々歩いたから、老廃物が溜まってそうだね……じゅるっ」
 愛原:「やっぱり吸うのか?」
 リサ:「吸いたーい……」

 リサは右手の人差し指をくわえて言った。
 そして、ペロッと舌を出す。

 愛原:「分かった。じゃあ、吸い出してもらおうかな」
 リサ:「わぁい」

 リサは私の足裏をマッサージし始めた。
 所々、ゴリゴリとする箇所がある。
 老廃物が溜まっている場所だ。
 リサは指先を変化させ、無数の髪の毛より細い触手をそこに突き刺した。
 髪の毛よりも細い針なので、痛みは全く無い。
 しかも傍目から見て、一応足つぼマッサージをしているように見えるのだから不思議だ。
 但し、老廃物だけきれいに吸い取れることはなく、やはり血も少し吸われてしまう。
 リサとしては、私への吸血も目的の1つなのだ。
 だが、疲れが取れる感覚はあっても、血が吸われている感覚は無かった。

 愛原:「どうだ、リサ?俺の血と老廃物は」
 リサ:「美味しい……。先生、だいぶ疲れてるね?前回マッサージした時よりも、更に血がドロドロだよ?」
 愛原:「そ、そうか。やっぱり、俺も歳だなぁ……」

 それにしても、リサのこのマッサージは癖になる。
 本当にスッキリする感じだ。
 貧血にならない程度の吸血でこれだけスッキリ、酔いも醒めるほどなら、毎日やってもらいたいほどだ。

 リサ:「……ック!」
 愛原:「ん?どうした」
 リサ:「な、何でもない……ヒック!」

 しゃっくりしてる?
 私の老廃物と血を吸い取っているのだから、腹いっぱいになってゲップをするのなら分かるが、これではまるで……。
 ん?私の酔いが醒めている?

 リサ:「ヒック!ひゃ、ひゃっくり……ック!ひゃっくり……止まんにゃい……!」
 愛原:「リサ!?」

 私が飛び起きると、リサの顔や体全体が赤みがかっており、目も充血していた。

 愛原:「お、オマエ、もしかして!?」
 リサ:「も……もうダメ……」

 リサはバタッと仰向けに倒れた。
 浴衣の胸がはだけ、下に着けている黒いスポブラや、下半身からは黒いショーツが覗いている。

 リサ:「グー……!グー……ッ!」

 リサはイビキをかいて昏睡した。
 私は風呂上がりにビールを飲んでいた。
 そして、そこに含まれていたアルコールは、私の血中を巡る。
 それをリサを吸い取った為に、リサもまた酔っ払ってしまったのだ。
 で、逆にアルコールを吸い出された私の方の酔いが醒めた。

 愛原:「わ、悪かったな、リサ」

 私はリサを抱き抱えて、ベッドに寝かせた。
 ラスボスを張る実力を持つ上級BOWは、酒に弱かった!

 高橋:「先生、あのリサを倒すなんてさすがです!やっぱ先生は一流の探偵ですよ!!」
 愛原:「いや、探偵は関係無いと思うが……」

 リサは酔っ払うとすぐに寝込むタイプか。
 うむ、一応覚えておこう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“私立探偵 愛原学” 「天長会と天長園」

2022-06-24 20:04:25 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月7日17:00.天候:雨 栃木県那須塩原市 ホテル天長園・大浴場]

 高橋:「あ!この、不肖の弟子、高橋正義がぁ~!あ!無二の師匠、愛原先生にぃ~!あ!断固としてお応えして参るぅ~!あ!決意でありますぅ~!」
 愛原:「毎度いつもの恒例……」
 天長会信者:「あのお兄さんは、顕正会の信者さんか何かで?」
 愛原:「いえ、違います……。恥ずかしいからさっさとやってくれ!」
 高橋:「いざ!参らん~!」

 高橋、喜び勇んで私の背中を流し始めた。

 愛原:「全くもう……」
 天長会信者:「ハハハ……。まるで、寅さんに付き従うチンピラの少年みたいですな」
 愛原:「フーテンの寅さんに、そういう役の子が出てくる話、ありましたっけ?」
 高橋:「はぁ~♪グッと来て~♪ガッと来て~♪」
 愛原:「何だその歌……」

 私は呆れる他、無かった。
 雨はまだ降り続いてる為、露天風呂は諦めることにした。
 また雨が止んだら来ることにしよう。

[同日18:00.天候:雨 同ホテル・最上階レストラン]

 入浴の後は最上階のレストランに行き、そこで夕食。
 テーブル席に行くと、『愛原様』という表示がしてあった。

 愛原:「ここだな」
 凛:「お客様、お飲み物は何になさいますか?」
 愛原:「おっと!?凛ちゃん!?」

 そこへ着物を着た凛がやってきた。

 愛原:「何してんの?」
 凛:「17時から22時まで、臨時のアルバイトです。明日は朝6時から9時までのシフトに入りました」
 愛原:「働くねぇ……」
 凛:「家業の手伝いなので、私でも大丈夫なんです」

 女将の職は外されたが、経営者一族の1人という点は変わっていないわけだ。
 その娘なのだから、家業を手伝うという事か。
 そういえばうちの近所にはスナックがあるのだが、そこのママの娘がまだ小中学生くらいなのに『お手伝い』と称して、夜でも働いてたな。
 店舗兼住宅だからこそできることだと思うが。
 凛もその感覚でバイトしているということか。
 リサは……【お察しください】。

 愛原:「そうなのか。偉いなぁ。じゃあね、俺はビール」
 高橋:「俺も先生と同じので」
 リサ:「わたしも先生と同じので」
 愛原&高橋:「アホかーっ!」
 凛:「えー……先生方は瓶ビール2本に、リサ先輩はオレンジジュースで宜しいですね」
 愛原:「リサ、そうしろ」
 リサ:「ぶー……オレンジジュース」
 凛:「かしこまりました。少々お待ちください。それでは、お鍋に火を点けます」

 こういう旅館・ホテルの夕食の定番。
 固形燃料に火を点けて温める一人鍋。
 今日は1人すき焼きのようだ。

 愛原:「リサ、その肉は生で食べないように」
 リサ:「うっ……はーい」

 どうやら生で食べようとしていたらしいのだが、私に先に釘を刺されたようだ。
 そして、凛が瓶ビールとオレンジジュースを持って来る。
 オレンジジュースも瓶入りで、既に開栓されていた。

 高橋:「さ、先生、どうぞ!」
 リサ:「さ、先生、どうぞ!」
 愛原:「こらこら!ビールとオレンジジュースを混ぜる奴があるか!リサは自分で注ぎなさい」
 リサ:「えー……」
 愛原:「次は俺のを注いでもらうから」
 リサ:「ほんと!?」
 愛原:「じゃあ、まずは乾杯だ!乾杯!」
 高橋:「お疲れ様っしたーっ!」
 リサ:「お疲れー!」

 リサは早速、バクバク食べ始める。

 愛原:「しっかし、露天風呂入れなくて残念だったなー」
 高橋:「もう、そろそろ雨止むんじゃないスかね?」
 凛:「夜は晴れるそうですよ」
 愛原:「やっぱり。夜、また入りに行くか」
 高橋:「そうしましょう」

 私がグラスのビールを飲み干したので、今度はリサが注いでくる。

 愛原:「おっ、ありがとう」
 リサ:「先生!わたし!わたしにも!」

 リサは自分のオレンジジュースの瓶を渡してきた。

 高橋:「おい。先生に注がせるとは、てめぇ……」
 愛原:「まあ、いいじゃないか。オマエも、ほら」
 高橋:「あっ!さっ、サーセン!」

 するとリサ、こんなことを言い出した。

 リサ:「先生、ジュースを口に含んで」
 愛原:「ん、何だ?」
 リサ:「で、口移しして?」
 愛原:「どんなプレイだ!?」
 高橋:「そういうプレイ……ですね。アホだ、こいつ……」

 食欲が旺盛なうちは、性欲が抑えられているはずなのだが……。

[同日20:00.天候:晴 同ホテル・大浴場]

 夕食を食べた後で、もう一度大浴場に行った。
 もう雨が止んでいることもあり、露天風呂に入ることができた。
 すると、更に外から太鼓の音と鐘の音が聞こえて来た。

 愛原:「どうやら、天長会で何かお祈りの儀式でもやっているようだな」

 気が付くと、先ほどは大浴場がそれなりに賑わっていたのに対し、今は空いている。
 こういう所では夕方よりも、夜の方が賑わうイメージがあるのだが、逆だ。
 恐らく今日の利用者の大半である天長会信者達が、あの太鼓や鐘の鳴り響く会場にいるのだろう。

 愛原:「何だか神秘的だねぇ……」
 高橋:「何だか気味悪いです」
 愛原:「そうか?」
 高橋:「『煮えたぎる湯に浸けて……死ねば人間、生きていれば魔女』みたいな……」
 愛原:「そりゃ魔女裁判だ!」

 すると、太鼓の音色が変わった。
 それまでは、速いテンポでドンドコドンドコ鳴っていたのが、今はドン!ドン!ドン!ドン!と規則正しい音色に変わった。

 高橋:「天長会はガサ入れしないんスかね?」
 愛原:「いや、しただろ。したけど、何も見つからなかっただけだ。白井の犯行を裏付けるような、何かをな。多分、上手く天長会の教義にカムフラージュしてるんだろうな」

 天長会が運営していた児童養護施設。
 そこと日本アンブレラが癒着し、『養子に出す』と称してアンブレラが子供を引き取り、人体実験を行っていたところまでは分かっている。
 リサもそこにいたことで日本アンブレラに捕まり、『最も危険な12人の巫女』の1人となるべく、様々な人体改造を受けて今に至っている。
 と、いうことは……。

 愛原:「向こうの儀式に、リサは参加しなくていいんだよな?」
 高橋:「リサは信者じゃないでしょう?」
 愛原:「信者というか……崇め奉られる側?」
 高橋:「ああいう新興宗教は、教祖様が神だから、関係無いんじゃないスか」

 実際にリサが呼ばれたり、連れて行かれるようなことは無かった。
 『最も危険な12人の巫女』は、天長会の教義には出ているものの、リサがそのうちの1人だと喧伝はされていなかったからだろう。
 どうも、今は消えてしまった東京中央学園上野高校の“トイレの花子さん”がそうだとされているようだ。

 愛原:「まあ、そうだな」
 高橋:「どうします?」
 愛原:「どうするも何も、俺達はただの一般利用者だ。知らんぷりしておこう」
 高橋:「うス」

 もっとも、その割には関係者割引を物凄く使っているのだから、私も都合が良いな。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“私立探偵 愛原学” 「何度目かのホテル天長園」

2022-06-24 14:58:36 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月7日16:30.天候:雨 栃木県那須塩原市 ホテル天長園]

 愛原:「急げ!急げ!急げ!」

 予定通り、路線バスをホテル前の通り上で降りる。
 さすがに路線バスということもあり、ホテルの前までは入ってくれなかった。
 で、バスを降りると空には雷鳴が轟き、雨が降り出し始めた。
 大粒の雨だ。
 私達はバスを降りると、急いでホテルまで走った。

 愛原:「間一髪間に合った……のかな?」

 ホテル正面入口の屋根の下まで行くと、シャワーみたいな雨が降り出していた。
 空からはゴロゴロと雷が鳴っている。

 高橋:「普通の雨ならギリセーフなんでしょうけどねぇ……」
 リサ:「まあ、何とかなる精神で何とかなった」
 凛:「早く入りましょう」

 入口の所には、歓迎札が掲げられていて、そこに『愛原学先生御一行様』と書かれていた。

 高橋:「偉いっスね!ちゃんと、先生を先生と呼んでますよ?」
 愛原:「俺は別に偉い先生じゃないんだがねぇ……」

 本来、探偵はそんな風に呼ばれるものではない。
 だが、私に師事する高橋がそう呼び、リサがそれを真似して、リサの周囲の者達がそれを真似して……といった構図だ。

 フロント係:「いらっしゃいませ」
 愛原:「予約していた愛原です」

 私がフロントに向かうと、凛も付いてきた。
 凛は当然の如く、フロントの中に入って行ったので、私は一瞬ビックリする。
 だが、元々凛は女将であった母親と共に、ここでアルバイトをしていたのだった。
 高校進学を気にアルバイトを辞めたと思うが、母親が名義上このホテルの共同支配人の1人であった為、ここでも自由に振る舞えるようだった。

 凛:「愛原先生は、こちらの書類に書いてください」

 恐らく特別割引を利かせる為の書類があるのだろう。
 一般の宿泊者カードとは違う物を書かされた。
 書く内容そのものは同じであったが。

 フロント係:「ありがとうございます。それでは、こちらがカードキーなっておりますので」
 愛原:「ありがとう」
 凛:「それじゃ先生、どうぞごゆっくり。私達は寮に戻ります」

 このホテルの裏手には従業員寮があり、上野姉妹はそこに住んでいた。
 2人とも上京の為、引き払ったわけではないようだ。
 母親の上野利恵がいつ釈放されるか分からないので、引き払うにも引き払えないのだろうか。

 リサ:「えー?リン達は泊まらないの?」
 凛:「このプランは『スタッフ紹介プラン』なので、スタッフが泊まると意味が無いんです。お風呂だけは御一緒させてもらいますから」
 愛原:「まあ、いいじゃないか。部屋に行こう」

 私は部屋のカードキーを持って、エレベーターに向かった。
 驚いたことに、古いエレベーターはリニューアルされていた。
 それ自体は珍しいことではないが、セキュリティが強化され、乗り場ボタンの下にカードリーダーが設置された。
 ここに先ほどのカードキーを当てないと、ボタンを押しても反応しないというものだ。

〔上に、参ります〕

 昔、都内のビルの防災センターに勤務していた経験から、もしかしたらと思ったのだが、やはりそうだった。
 カードリーダーは内側にもあって、乗り込んだ後で内側のカードリーダーにもカードを当てないと、やはり行き先階のボタンが押せないようになっていた。

〔ドアが、閉まります〕

 高橋:「いきなりメンド臭くなりましたね?」
 愛原:「何かあったんだろうなぁ……」
 リサ:「何かあったに決まってるでしょ。先生が襲われた!」
 愛原:「え!?それのせいなの!?」
 高橋:「エレベーターは関係無くね?」
 愛原:「なあ?」

 リサ達の得意技に、ダクトを通ってマップ移動できるというものがある。
 BOWや、最近のザコクリーチャーもそれをやってのけて来ているので、逃げ込んだ部屋に誰もいないからと言って安心してはいけない。
 ダクトを通って追い掛けて来る恐れがある。
 私も上野利恵には、それで部屋に侵入されて襲われた。
 リサも第3形態まで変化させれば肉体を軟化できるということもあり、そのスキルを使用することができる。

 愛原:「一応、報道もされたから、外部向けに『館内セキュリティを向上させました』というアピールなのかもしれんね」

〔ピーン♪ 7階です。下に、参ります〕

 私達が宿泊する客室フロアに到着する。

〔ドアが、閉まります〕

 因みにこのエレベーター、オーチス製で、アナウンスは富沢美知恵氏という声優が声をあてている。
 氏は有名どころでは、“クレヨンしんちゃん”の『まつざか先生』や、“ゴーストスイーパー美神”の『小笠原エミ』、“ブラックラグーン”の【某メイドさん】の役を務めている。
 が、先にそちらの声を知っている者がエレベーターのアナウンスを聴くと、『本当に本人?』と首を傾げるのである。

 愛原:「えーと……この部屋だな」

 私はつい和室二間の部屋を想像していたのだが、入って見るとそこは洋室だった。
 ツインの部屋が2つ繋がった、いわゆる『コネクティングルーム』であった。

 愛原:「よし。俺と高橋はこっちのベッドで寝るから、リサは隣のベッドで寝てくれ」
 リサ:「えー?ベッド1つ余るよ?」
 愛原:「3人なんだからしょうがない」
 リサ:「だから先生が、私の隣で寝て?」
 高橋:「マグナム撃ち込むぞ、コラ!」
 愛原:「まあまあ」

 その時、部屋のチャイムが鳴った。

 高橋:「俺が出ます!」

 高橋はマグナムを構えた。

 愛原:「おいおい。そんな身構えなくても……。リサ、BOWの気配はするか?」
 リサ:「ううん、しない」
 愛原:「ほら。普通の人間だよ」

 外国ではそれが強盗である可能性もあるのだが、今さら人間の強盗くらいで驚く私達ではない。
 こちとら、もっと恐ろしい化け物達を相手にしてきているのだ。

 女将:「失礼します。御挨拶の方、よろしいでしょうか?」

 入って来たのは新しい女将だった。
 上野利恵が不祥事案件を起こした為に解任となり、代わりに別の女将が就任したようだ。
 今度の女将は、普通の人間らしい。
 私よりもずっと年上の女性だった。
 さすがに、私の母親ほどではないがな。

 愛原:「どうぞどうぞ」
 女将:「本日は天長園をご利用頂き、ありがとうございます。よろしければ、お部屋の御説明と館内の御説明をさせて頂きたいと存じますが、宜しいでしょうか?」
 愛原:「是非」

 こういう女将の説明も、旅行気分の1つだと私は思う。
 既に何度か泊まっているホテルなので、新しい情報は殆ど無かったが、しかし全く無かったわけではなかった。
 やはり、この部屋はリニューアルされていた。
 元々はやはり和室だったらしい。
 それを前の女将の不祥事案件により、損傷してしまった為、思い切って洋室に改装したのだそうだ。
 確かにホテル外観と、部屋の外側と比べれば、やけにこの部屋は真新しい感じを受ける。

 女将:「愛原様方には前任の者が多大な御迷惑を掛けてしまい、そのお詫びの意味も込めまして、こちらのお部屋を御用意させて頂いた次第でございます」

 確かに、私が利恵に襲われた部屋と同じフロアだったような気がする。
 ていうか、まんまこの部屋だったのでは?
 しかし、さすがにダクトは存在したままだった。
 まあ、建物の構造上、仕方が無いとは思うが。

 女将:「御夕食は6時からとなってございますので、それまでの間、どうぞごゆっくりとお寛ぎくださいませ」
 愛原:「ありがとう」

 私は夕食の前に、温泉に浸かることにした。
 外は相変わらず大雨が降っている。
 露天風呂は、この時間帯は諦めざるを得ないだろう。
 まあ、どうせゲリラ豪雨か何かだろうし、夜には止むだろうから、その時に入ればいいか。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする