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シャガール展

2010年09月10日 | 美術館・展覧会
東京藝術大学美術館で開催中のシャガール展にやっと行くことが出来ました。
シャガール展はかなり前に世田谷美術館に観に行った時は、物凄い混雑ぶりで図録も売り切れてて予約注文したくらいだったけど、今回はどうかしら?とワクワクします。

この展覧会は「シャガール ロシア・アバンギャルドとの出会い」とのテーマ通り、ロシアで生まれフランスで活躍したシャガールと同時代のロシアの前衛画家の作品を同時に展示しています。

正直言ってシャガールと言うとパリオペラ座の天井画のイメージが強いせいかフランス人だと思っていましたが、ロシア生まれのユダヤ人なんですね。ロシアの村で育ったので彼の絵にはよく牛や馬や鶏などが登場するのかも知れませんね。バイオリンを弾く男の人はユダヤ人を表しているとも言われているそうです。

ロシアを出た後も故郷への思いは強かったようで、村の教会や町の風景なども色々な絵の中に描きこまれています。

何故かシャガールの絵には理屈抜きで引きこまれてしまいます。美しい色彩と幻想的な夢のような世界が何とも素敵です。ひと目でこれはシャガールとわかるところが凄いと思います。特に私は彼の絵に使われている青が好きです。

最愛の妻ベラを亡くした後の「彼女を巡って」は、彼女との想い出が青い背景の中に描かれています。何故かベラはいつも白いフリルの襟の付いた赤いドレス姿なんですね。
暗いけどとても美しい絵です。彼の悲しみと妻への思慕の情の深さが感じられます。

ところが、数年後の「日曜日」はうって変わって明るい色調で新しい妻とシャガールがパリの街の上をフワフワ浮いてます。
彼の浮き浮きぶりが伝わってきます。分かりやすい人ですね。

1966~67にメトロポリタン歌劇場で上演された「魔笛」の衣装や舞台装置も手がけたそうですが、どんな舞台だったのでしょう。下絵やモノクロの写真でしかうかがい知ることが出来ないのは残念です。そんな贅沢な舞台、出来るものなら是非本物を観てみたいです。




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